NTT東日本の「ひかり電話」で発生した通信障害の原因の一部は、サーバーのプログラムミスであることが判明。
ひかり電話通信障害の原因、一部が判明、NTT東「ソフトの不具合」と発表(MYCOMジャーナル)
ひかり電話通信障害の原因、一部が判明、NTT東「ソフトの不具合」と発表
[MYCOMジャーナル:大川淳 2006/9/22]NTT 東日本は、9月19日?9月21日に、IP電話サービス「ひかり電話」で、つながりにくくなるなどの障害が起きた件について、その原因の一部を22日、公表した。19日は、特定機能の処理増加によるサーバーのソフト不具合によるものであるという。同社は21日には、サービス安定運用のため、一部通話規制などを実施したが、サーバーの負荷分散などの措置により、22日は「通話のピークとなる午前10時前後においても通話の事前制御を行うことなく、安定的に処理することが確認できている」としている。
同社によれば、19日の通信障害は、IP電話の接続、発着信などを統制・管理する「呼制御サーバー」と呼ばれるサーバーでソフトに不具合があったことが背景にある。いくつかの番号によるグループを、1つの番号で代表して、複数の着信を空いた回線に振り分ける「代表番号」の機能の処理が増大したことが原因だという。そのため、呼制御サーバーで輻輳が発生、さらにその影響で、一般の加入電話などIP電話以外の電話とIP電話の接続を担う「中継系呼制御サーバー」でも輻輳が起きたという。
一方20日の場合は依然、理由が完全には判明していない。同社は「推測」として「19日の輻輳から回復した際に、中継系呼制御サーバーが再起動しても、完全な初期状態に戻らなかったため、所定の性能を発揮することができず、輻輳を生じたのではないか」としている。このような状況から、同社は、20日午後に中継系呼制御サーバーのソフトウェアを初期状態に戻し、21日はサーバーの負荷を監視しながら一部通話を規制、サーバーの負荷の均衡を図り、他のサーバーへの回線収容替えで、負荷分散をおこなった。
こうした措置の結果、「22日には、運用は安定している」(同社)。ソフトウェアの不具合については「安定性を確認したうえで、23日に修正する」 (同)予定だ。今後の障害発生防止策については、中継系呼制御/呼制御サーバーの増設などが考えられるが、同社では「さらに詳細な原因を究明し、今後あらためて対策などを発表する」意向だ。
IP電話は、2006年6月末で1,209万7,000件の利用があり、対前年同期比34.2%増と引き続き、増勢が止まらない(総務省の調査による)。NTTは2010年までに3,000万回線を「光化」することを目指しており、「ひかり電話」はサービスの目玉のひとつでもある。今後もいっそう利用が増えることが予想されるIP電話だが、今年の3月末にも、NTT西日本の管内において「ひかり電話」「ひかり電話ビジネスタイプ」の一部で、一般の固定電話、携帯電話などへの通話ができなくなるなど、順調な成長の一方で障害が目立っている。