原発事故隠しの実態さらに明らかに

原発の事故隠しで、東京電力、北陸電力ともに日立の担当者に事故隠しを頼んでいたことが明らかに。

それも問題だけれど、もっと問題なのは、北陸電力が、制御棒3本が抜け落ちたときに、原子炉内の状態がどうなっているか日立の担当者に解析を依頼していたこと。ひょっとして、北陸電力は、そういう基本的なことも分析できないの? そんなところが原子炉の運転をしているのかと思うと、恐ろしくなります。

北陸・東電、臨界事故口止めや偽装要求(中国新聞)

北陸・東電、臨界事故口止めや偽装要求
[中国新聞 2007/4/7]

 電力不正総点検で、北陸電力と東京電力が原発メーカーの日立製作所の担当者らに対し、制御棒トラブルに絡む口止めや部品交換の偽装工作に加担するよう要求し、担当者らが従っていたことが六日、経済産業省原子力安全・保安院への3社の報告で分かった。
 日立は「メーカーとしての立場があった」「良いこととは思わなかった」としている。
 日立によると、北陸電の口止めは1999年6月18日の志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故当日の未明。炉心を設計した日立の担当者宅に同原発の電気保修課から電話で「志賀1号機で制御棒3本が抜けたらどうなるか、評価してほしい」などと、急ぎの解析の依頼があった。この担当者はもう1人の設計担当者と2人で解析し「炉内は臨界状態」との結論を伝えた。北陸電側は上司に報告しないよう口止めをしたという。
 東電と日立によると、東電の不正は1988?90年。定期検査中だった福島第二原発4号機(福島県)で、試験中に制御棒駆動装置1つを誤って損傷したが、工程遅れを避けるため国の使用前検査を受けていない予備品と交換して隠ぺい。さらに、損傷したのと同じ製品番号の駆動装置を日立に作らせてつじつまを合わせ、その後の検査をずっと擦り抜けていた。
 東電は、新しい駆動装置が日立の工場での試験に合格、使用後検査でも問題なかったため「安全上の問題はない」としている。不正に取り付けた駆動装置は、現在実施している定検の間に取り換えるという。
 東電は「技術的に問題ないと判断し、一度の不正を隠すために不正を重ねていた。法令を守る意識が薄く、技術者倫理に欠けていた」などと分析している。

東京電力の「使用後の検査でも問題なかったから、安全上の問題はない」という言い分も、怖い。じゃあ、もし問題があって、とんでもない事態になっていたらどうするつもりだったの? 酔っぱらい運転、スピード違反をしておきながら、「事故にならなかったから、問題ない」というのと同じだと思わないのでしょうか?

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