エコ商品の罠

今日の「朝日新聞」夕刊に載っていた記事。

たとえば、ブラウン管型テレビ「ワイド28型」の年間電力消費量は、2001年型201kWh→2003年型175kWh→2006年型144kWhと、毎年エコになっています。エネルギー消費効率の改善率は30%近くになっています。

しかし、これでエコになったと思ったら、大間違い。そこに落とし穴があるのです。

というのは、同じ時期に、テレビは液晶やプラズマディスプレイに移行。ブラウン管型テレビが激減すると同時に、テレビ自体が大型化しています。その結果、同じ型のテレビでは省エネ化が進んでも、実際にはディスプレーが大型化しているため、全体として、電力消費は大きく増えているのです。

同記事のグラフによれば、ブラウン管型テレビ14型だと、1年間で100kWhにもならないのに、液晶ワイド20型だと約100kWh、液晶ワイド42型になると200kWh超、プラズマ42型だと300kWh、プラズマ55型だと500kWhを超えています。

みんな店頭では、「省エネ商品だ」と思って買っていても、実際には年間消費電力は増えている。こういうことが起こっているのです。

記事によれば、温水洗浄便座(いわゆる“ウォシュレット”)では、松下電器が2005年に、人がトイレに入ったのを感知して便座と水を温めるという新しい方式を開発。年間7800円ほどになっていた電気代を約5800円も節約したそうです。

しかし、本当に省エネしようと思ったら、そもそも温水洗浄便座を使わなければいいのです。別に、温水洗浄便座でなければどうしようもないほど困るわけではないし、世界的に見たら、こんな贅沢な便座を使っている人は圧倒的少数派。なくてもいいなら、使わない。それが一番のエコではないでしょうか?

【追記】

省エネルギーセンターの資料によれば、テレビの年間消費電力は以下のとおり(平均値)。

ブラウン管14型 65kWh
ブラウン管ワイド28型 141kWh
液晶14型 51kWh
液晶ワイド20型 99kWh
液晶ワイド32型 161kWh
液晶ワイド42V型 231kWh
プラズマワイド42V型 337kWh
プラズマワイド55V型以上 513kWh

たとえばブラウン管28型を使っている人が液晶ワイド42型に乗り換えると、省エネ達成率136%でも、消費電力は増えてしまうのです。

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