午後6時から新宿西口でひらかれた日本共産党の街頭演説会を聞いてきました。JR新宿駅西口の前から小田急ハルクへ行く歩道橋の2階テラスまでびっしりと人垣ができていました。演説会が始まる前から、参議院東京選挙区候補の田村智子さんや志位委員長が到着する度に、大きな拍手がわいて、盛り上がっていました。
田村智子さんの演説は、本当に聞かせるものがありました。「住民税の値上げで、毎日の食事代を削って税金を払っている、貯金を取り崩して税金を納めなている。どうして政治が、庶民にそんなことを強いるのか。そんな政治は絶対に許せない」と情も理もある訴え。近くで聞いていたお婆さんが、うんうんと頷いて聞いていたのが印象的でした。
僕は、何度かしか、田村さんの演説を聞いたことがありませんが、本当にどんどん成長している、都民を代表する政治家にひとまわりも二回りも大きくなった、そんな印象をもちました。
志位委員長は、まず「どの政党を伸ばせば、安倍・自公政権の暴走を食い止められるか。ここをよく見定めて、選んでほしい」と切り出して、4つの争点が明らかになったと指摘しました。
- 1つめは、年金問題。年金問題には2つの問題があって、「消えた年金」問題は、これは1人の被害者も出さない、国民の年金受給権を守るという立場で、党利党略でなく、与野党協力して解決に当たるべきだ、というのが日本共産党の立場だと説明。そこから、全ての加入者に、いま政府が把握している納付記録を送付すべきだと提案し、政府案にも取り入れられたと指摘。
もう1つは、年金制度そのものの問題。国民年金は、40年間掛け金を払って、受け取る額は6万6000円。平均では4万3000円だといいます。こんな貧弱な年金では、暮らしてゆくことができません。また、最低加入期間が25年間と非常に長く、24年11カ月掛け金を払っていても、1カ月足りないと「掛け捨て」になってしまいます。これを解決するために、共産党は、次の3つの政策を提案している。- 最低加入期間を、当面、10年に短縮する。
- 最低保障年金制度をつくる。当面、5万円を保障する。そうすれば、現在、6万6000円の年金を受け取っている人は、5万円+3万3000円(国民年金保険の受取額のうち、本人の掛け金分に相当する2分の1額)で8万3000円、無年金の人は5万円、厚生年金加入者も5万円+基礎年金受取額の2分の1+厚生年金分の受取額、になって、無年金の解消、低年金の底上げを図る。
- 年金の財源には、絶対に消費税をあてない。道路特定財源を社会保障にも使えるようにする。米軍への思いやり予算をやめる。政党助成金を廃止する。こうやってムダをなくして、財源を確保する。
- 2つめは、貧困の問題。経済世界第2位の日本で、10年間に800人以上の人が餓死をする。どうして、こんなことが起きるのか。政治の責任は大きい。「ストップ貧困」のスローガンは、貧困をなくす、いま貧困に苦しんでいる人に手をさしのべる、というだけでなく、いまは大丈夫でも、何かあったら「貧困に落ち込んでしまうのではないか」という不安をかかえて生活する、そういうことをなくす、という意味だ。そして、いま庶民に大増税がかけられている。住民税の大増税。定率減税の廃止で3兆円以上の増税。それを、安倍内閣は「定率減税廃止による増税は1割ぐらい」と宣伝しているが、所得税増税を含めると、定率減税廃止の増税はその5割にあたる。こんなウソの政府公報に3億円もかけている。さらに、消費税の増税が、選挙後に企まれている。日本共産党は、消費税の増税に絶対反対だが、もし消費税を上げるというなら、参議院選挙で有権者の審判をあおぐべきだ。
- 3つめは、政治とカネの問題。自公政権のモラルは崩壊している。企業献金をもらい、政党助成金を受け取って、金銭感覚がマヒしている。そういう自民党や安倍政権が、子どもたちに規範意識を云々する資格はない。(「そうだ」とかけ声が一斉にかかる) 日本共産党の前進で、これを大掃除しよう。
- 4つめは、憲法9条。日本軍国主義が、日本とアジアにどれだけの犠牲を強いたことか。その犠牲の上に、憲法第9条という宝を手にした。これを、次の世代に伝えていくのが私たちの責任。9条守れの声を、こぞって日本共産党へ。
こう言って、志位委員長は、「国民の怒りの代弁者となって、安倍・自公政権の暴走に正面から立ち向かう立場と勇気を持っているのは、日本共産党だ」と訴えていました。
演説会が終わった後も、長く拍手と声援とが続いていて、志位委員長はもちろん、比例候補の谷川智行さん、東京選挙区候補の田村智子さんが、そのまま宣伝カーの上で手を振り続けていたのが印象的でした。
いろんな新聞で各党の議席獲得予想が出ていますが、現実の政治というのは、そういう予測のなかではなくて、この田村智子さんや志位委員長の訴えや、それに声援を送る何千、何万の人たちの思い、そのなかにあるんだと思いました。