南北首脳会談へ

韓国の盧武鉉大統領が訪朝して南北首脳会談がおこなわれることに。

アメリカ政府も「歓迎、支持」の談話を発表しており、アメリカと協議しながら首脳会談の交渉がすすめられたことが分かります。

7年ぶりに南北首脳会談へ(NHKニュース)
米 南北首脳会談開催を歓迎(NHKニュース)

7年ぶりに南北首脳会談へ
[NHKニュース 8月8日 19時19分]

 韓国のノ・ムヒョン大統領が、今月28日から3日間の日程で北朝鮮のピョンヤンを訪問し、キム・ジョンイル総書記と会談することになりました。南北首脳会談の開催は7年ぶりのことです。両首脳は北朝鮮の核問題や朝鮮戦争の休戦状態を恒久的な平和体制に転換することなどをめぐって話し合うものとみられます。
 韓国と北朝鮮が、8日午前、ともに発表したところによりますと、南北は、ノ・ムヒョン大統領が、今月28日から30日までの3日間の日程でピョンヤンを訪れ、キム・ジョンイル総書記と会談することで合意しました。南北首脳会談は2000年6月以来7年ぶり2回目となります。今回の会談では、北朝鮮の核問題の解決や、半世紀余り続いている朝鮮戦争の休戦状態を恒久的な平和体制に転換すること、それに、南北間の交流や経済協力のさらなる活発化などが話し合われるものとみられ、具体的な合意に達するかが焦点となります。
 韓国政府は、8日の記者会見で、情報機関「国家情報院」のキム・マンボク院長を今月に入って2回にわたり秘密裏にピョンヤンに派遣し、首脳会談について北朝鮮側と協議したことを明らかにしました。この中で、北朝鮮側は「キム総書記はノ・ムヒョン政権の発足直後から首脳会談を望んでいたが、南北関係や国際的な情勢が好転したので開催できる状況になったと判断した」として、今月末の開催を提案してきたということです。一方の北朝鮮は、国営の朝鮮中央通信などを通じて「首脳会談は、南北関係をより高い段階に発展させ、朝鮮半島の平和と祖国統一の新しい局面を開くうえで重大な意義を持つことになる」と評価しました。南北は、首脳会談に向けた準備のため、次官級の協議を来週から北朝鮮南西部のケソンで始め、会談の詳しい議題や代表団の規模などについて調整することにしています。

米 南北首脳会談開催を歓迎
[NHKニュース 8月8日 12時42分]

 アメリカ政府は、日本時間の午前11時すぎに声明を発表し、南北首脳会談の開催が決まったことを歓迎するとともに、朝鮮半島の平和と安定や核の放棄に向けた6か国協議の合意の実現につながることに期待を示しました。
 アメリカ国務省が発表した声明によりますと、「アメリカは、これまでも、南北の対話を歓迎し、支持してきた。今回の会談が朝鮮半島の平和と安定につながり、核の放棄に向けた6か国協議の合意の実現に寄与することに期待する」と南北首脳会談の決定を歓迎したうえで「今回の会談は、しばらく前から準備されてきたもので、アメリカ政府も事前に韓国政府から連絡を受けていた」としています。アメリカ政府は、先月下旬、6か国協議の首席代表を務めるヒル国務次官補がピョンヤンを訪問するなど、北朝鮮に対して対話重視の路線で臨んでおり、今回の会談についても北朝鮮が国際社会との対話に前向きに取り組もうとする姿勢の表れだと受け止めています。
 アメリカとしては、今後、韓国と緊密に連携して、北朝鮮に対し、6か国協議の合意に基づいてすべての核計画の申告と核施設を使えなくする「無能力化」などの措置を年内にも実行するよう求めていくものとみられます。その一方で、アメリカ政府内には、韓国のノ・ムヒョン政権が北朝鮮との融和を急ぐあまり北朝鮮に対して行き過ぎた妥協を行うことを警戒する意見もあり、引き続き韓国・北朝鮮両国の動向を注視していくことにしています。

しかし、日本政府はまったく“蚊帳の外”に置かれたもよう。安倍政権の周章狼狽ぶりが目に浮かびます。

政府“非核化 後押し”期待(NHKニュース)

政府“非核化 後押し”期待
[NHKニュース 8月8日 12時42分]

 南北首脳会談が行われることになったことについて、日本政府は「南北首脳会談が朝鮮半島の非核化を後押しするものとなればと期待している」として、会談の行方を注視していくことにしています。
 南北首脳会談が行われることが明らかになったのを受けて、安倍総理大臣は、8日午前、谷内事務次官ら外務省の幹部と緊急に協議し、情報収集や分析にあたりました。塩崎官房長官は、午前の記者会見で「南北間の対話が継続され、進展し、緊張が緩和されることを期待している。特に、朝鮮半島の非核化、さらには北東アジアの永続的な平和と安定のための関係国の努力を後押しするものになればと期待している」と述べ、日本政府として会談の行方を注視する考えを示しました。また、塩崎官房長官は、拉致問題との関係について「南北首脳会談が日本と北朝鮮の作業部会などをバックアップする動きになることが大事だ」と述べ、核問題だけでなく拉致問題の解決に向けた進展につながるかどうかも重視する姿勢を強調しました。
 拉致問題にかかわってきた政府関係者は、拉致問題がこう着状態にあるなかで南北の融和ムードが進むことには複雑な思いもあると漏らしています。このため、政府は、韓国側に南北首脳会談では拉致問題を取り上げるよう働きかけたいとしています。また、韓国をはじめ関係国とも連絡を取りあって、南北首脳会談が今月末にも開かれる見通しの日朝の作業部会にどのような影響を与えるのか見極めようとしています。

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