8月の完全失業率が3.8%で11カ月ぶりに悪化。
8月失業率、11カ月ぶり悪化 3.8%、若い女性求職増(中日新聞)
8月の完全失業率3.8% 前月比0.2ポイント悪化(朝日新聞)
↓こちらが、総務省統計局の「労働力調査(速報) 2007年8月分結果の概要」です。
労働力調査(速報)2007年8月分結果の概要(PDFファイルが開きます)
景気が良くなってきて、若い女性が仕事を探し始めたからというのがその理由。統計上、「どうせ仕事がないから」と求職活動をやめてしまうと、「非労働力人口」になって、失業者には分類されない。だから、景気がよくなり始めたときには、いままで求職活動さえ諦めていたような人が仕事を探し始め、結果的に失業率が上がるケースがあるのは事実。
しかし、もう少し考えてみると、いま求職活動を始めたような人は、もともと働く意思も働く能力も持っていた人たち。ただ、「どうせ仕事はないから」と求職活動をやめてしまったために、統計上、失業者から締め出されていた訳だ。そういう意味では、これらの人たちは潜在的な失業者だったのであって、それが顕在化しただけだと見ることもできる。
8月失業率、11カ月ぶり悪化 3.8%、若い女性求職増
[中日新聞 2007年9月28日 夕刊]総務省が28日発表した八月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0.2ポイント悪化し、3.8%だった。失業率が上昇したのは昨年九月以来、11カ月ぶり。
女性の失業率が0.4ポイント悪化の3.7%と、大きく上昇した。景気拡大で企業の従業員採用が活発になっており、これまで働いていなかった若い女性や主婦らの間で新たな職探しの動きが拡大したとみられる。男性は0.1ポイント悪化し、3.8%だった。
厚生労働省は「若い女性で仕事を探す人が増え、失業率を押し上げた」(職業安定局)とみている。失業率の上昇幅が0.2ポイントとなったのは2004年7月以来で、総務省は「雇用情勢は改善しているが、今後の動きを注視したい」としている。
専門家の間では「悪化は一時的で、緩やかな低下傾向が続く」(民間エコノミスト)との見方がある。
年齢別の失業率では、15?24歳の女性が8.4%と、前年同月より1.5ポイント上昇した。
完全失業者数は、前年同月より23万人減の249万人。就業者数は19万人増の6446万人だった。
厚生労働省が同日発表した求職者1人に対する求人数を示す八月の有効求人倍率は1.06倍で、前月より0.01ポイント低下した。
8月の完全失業率3.8% 前月比0.2ポイント悪化
[asahi.com 2007年09月28日10時18分]総務省が28日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0.2ポイント高い3.8%で、昨年9月以来の悪化となった。厚生労働省が発表した8月の有効求人倍率(同)も前月を0.01ポイント下回る1.06倍で、4月以降改善が続いていたが悪化に転じた。総務省は失業率の悪化について「これまで就職をあきらめていた人が新たに職探しに出ているためで、雇用情勢の悪化とはみていない」としている。
男女別の完全失業率は、男性が前月を0.1ポイント上回る3.8%、女性は0.4ポイント上回る3.7%で、女性の悪化が目立つ。一方、完全失業者数は前年同月比23万人減の249万人で、21カ月連続で減少している。
完全失業者の内訳は、男性はすべての年齢層で減少しているが、女性の15?24歳で前年同月比4万人増え、35?44歳で1万人増、45?54歳で2万人増。総務省によると、これらの層の失業理由は、求職活動をしていなかった人が新たに職探しを始める「その他」の分類が多い傾向があり、「雇用環境の改善で、女性の若年層で働く意欲が高まっている」とみている。
ところで、この↑朝日の記事。男性の完全失業率が0.1ポイント悪化しているのに、完全失業者は「男性はすべての年齢層で減少」というのは、ちょっと奇妙な話ですが、これは、完全失業率の方が季節調整をやった上での前月比であるのに対して、完全失業者数の方は原数値を、1年前の8月の数値と比較しているから。ちょっと紛らわしい記事です。
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