今週の「九条の会」(12月30日まで)

全国各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースの中から拾い集めました。

神奈川新聞が社説で「九条の会」を取り上げています。また、韓国でも「九条の会」が発足。ついに「九条の会」も世界へ広がります!!

憲法学者・奥平さん「歴史」 点字翻訳、配布 札幌のボランティア
[北海道新聞 12/27 14:12]

 北海道新聞夕刊に11月19日から連載された憲法学者奥平康弘さんの「私のなかの歴史」全20回を、札幌市のボランティアグループが点字に訳した。「憲法と平和への思いを、視覚障害者にも伝えたい」と、希望者には無料で配布する。
 翻訳したのは「むつみ会」という会員七人の点訳グループ。代表の中田章二さん(70)=同市清田区=は、2004年11月に札幌で開かれた「九条の会」の講演会で奥平さんの話を聴いて共感したといい、今回の連載が始まるとすぐに点訳にとりかかった。
 「連載では、憲法は社会の中で今も生き続けている、という奥平さんの考えに感動しました」と中田さん。兄と姉を戦争で失っているだけに平和への思いも強く、講演会の後は同区の里塚、美しが丘両地域での「里美九条の会」結成に参加し、事務局長でもある。
 翻訳はパソコンへのデータ入力で行っており、配布希望があればその都度、B5判105ページを専用紙に打ち出して郵送する。郵送を含めすべて無料。

姜尚中・小森陽一さんがトークショー『戦後日本は戦争をしてきた』
[JanJan 2007/12/26]

 12月13日、東京・新宿の紀伊国屋サザンシアターで、姜尚中さんと小森陽一さんのトークショーがありました。このトークショーは、『第26回角川ONEテーマ21』セミナーとして開かれたもので、発売1週間で重版となった『戦後日本は戦争をしてきた』(角川書店)のタイトルが今回のテーマでした。トークショーで語られた話の中から、日本の政治に関わる部分を紹介します。

 「小泉は小沢(一郎)チルドレンだと思います。一郎繋がりでもあるし(笑)。」

小森 「小沢一郎とはどういう人だったかを考えてみたいと思います。小沢さんが(自自公)連立政権から姿を消した後に9.11事件があり、テロ特措法が成立しています。」

 「(自分に)支持を得るためでしょうか? 彼は『日本改造計画』で小泉と符節を合わせています。
 加藤紘一さんも『中選挙区のほうが良い』と発言していますが、小選挙区になって一度も政権が交代していないこともあり、(小沢さんは以前の連立に)また戻したいのではないかと思いますね。これは、公明党も考えているのではないでしょうか。
 ですから、私は、今度の総選挙の結果によっては、選挙改革があるのではないかと思っています。日本は今、政治から見ると『迷走』していると思います、その始まりを起こしたのが小沢さんです。彼は、憲法前文の拡大解釈で、『イラク派遣は合憲』と発言しています。」

小森 「小選挙区制と自衛隊派遣は連動しています。」

 「私は、小沢さんは田中角栄が父、アメリカが母だと思っています。」(場内大笑)

小森 「田中さんはアメリカに潰されたのに、そのアメリカが母ですか。」(笑)

 「小沢さんのロジックは『積極的平和主義』。国家主権の行使として自衛隊を出さないという考え方。」

小森 「アメリカの個人的自衛権の行使だから違憲ではないと言っています。」

 「アメリカにブラフをかけられたのか、あるいは国内の力のみなのか。連立は自論に合っているのでしょうね。民主党はアメリカ型2大政党を目指しているのではないでしょうか」

小森 「今、政局はすくんだ状態ですね。選挙制度、消費税など。大連立の話は、時期が悪かったですね。すぐには出さないだろうが、その先には改憲がある。そのコースが見えたことは良かったと思います。それから、時限付立法である特措法(テロ支援対策特別措置法)を恒久法にしたいという考えもあるのではないかと思います。国際貢献を恒久的にやっていくという。」

 「私は、大連立は政党政治の自殺行為だと思います。」

小森 「2006年には、『虚』から『実』にということがあって、2007年は『偽』という字が選ばれました。(筆者注:日本漢字能力検定協会が公募し、選ばれた今年の漢字1位)何が偽か、ということが確かめられた年であったかと思います。
 朝鮮半島の情勢で言えば、韓国が朝鮮に対して積んできた思い、考え方の本物が暴露したのではないでしょうか。朝鮮戦争は休止しているのではなく、停止中なのです。私は、ずっと主張していましたが、最近になって漸く実感できるようになっていると思います。
 6カ国協議で朝鮮が頼りにしているのは、アメリカが1番です。次がロシア、中国、そして日本となっています。しかし、日朝交渉を続けていけば巧く行くのではないかと思っています。
 ところで、来年を漢字1文字で表したら何になるでしょうか。」

 「まず、『壊』ですね。冷戦の崩壊、55年体制の崩壊、戦後のさまざまな前提が崩れる。そして、『乱』。まず、アメリカ大統領選は、私は民主党になるのではないかと思っているのですが、そうすると、米中関係はどうなるか。イラク・パキスタンは? ドルの信認が落ち込むのではないだろうか。」

 聴衆は中高年層が多かったのですが、姜尚中さんのファンと見られる人は若い女性が多かったのが印象的でした。この日のトークショーは、非常に硬く重いテーマでありながら、お2人の話には会場からも時々笑いが起こり、またお2人とも声を荒げず淡々と語られました。
 ユーモアあふれる表現は非常に説得力があると痛感するお話でした。(宮沢さかえ)

商社九条の会が講演会 澤地久枝さん 「今できることを」
[2007年12月24日 しんぶん赤旗]

 商社九条の会・東京は22日、東京都内で第六回講演会を開きました。270人を超す参加者で満員となった会場には、商社退職者の「ザ・セインツ」のコーラスが響き、作家の澤地久枝さんが「『小さな人間』について」と題して講演しました。
 澤地さんは、「私はくり返し『いまの日本、このままでは危ない、危ない』とおおかみ少年のように言い続けてきました」と強調。「テロは戦争ではなくせない。テロ特別措置法はやめさせなければならない」と訴えました。
 参院選挙での国民の選択の重要性にふれ、福田康夫首相と小沢一郎民主党代表との「大連立」協議を批判。私たちが今できることは何かと問い、「小さな人間は、小さな力しかないが、集まれば大きな力をもつ相手を変えることができる」、「世界に誇れる日本の平和主義。日本は価値ある憲法を持つ国、これを誰にも奪われないようにしよう」と呼びかけました。会場からの質問に丁寧にこたえました。
 参加者は3割が初参加でした。40代の女性は「こんなにたくさんの方たちが平和への関心をもって集まってくるのはすごいですね。澤地さんの話を聞いて自分にできることがないか考えます」と述べていました。
 商社九条の会・東京のホームページを見ての参加者も多数いました。

花月九条の会:横浜・鶴見で発会式/神奈川
[12月24日11時0分配信 毎日新聞]

 横浜市鶴見区の「花月九条の会」の発会式が23日、鶴見公会堂で開かれた。約80人が参加し、地元の脚本家、小山内美江子さん(77)が「アジアの視点で憲法九条を考える」と題し、講演した。
 昨春に開かれたエッセイスト、海老名香葉子さんの講演会で、東京大空襲の悲惨な体験を聞いた住民らが「自分たちも行動を」と準備を続けてきた。会員は215人で、「九条かながわの会」によると、県内の会設立は302番目。
 93年からカンボジアで学校建設活動を続ける小山内さんは「二度といさかいはしませんと世界に誓った言葉が『九条』。軍隊ではなく、国際ボランティア活動でアジアの友好を築いていきたい」と呼びかけた。世話人の関根建三さん(61)は「他の九条の会とも連携し、運動を盛り上げたい」と話した。【網谷利一郎、写真も】

学徒の事故死現場を訪問 鳴門「バンドー九条の会」
[徳島新聞 2007/12/17 11:20]

 鳴門市大麻町板東地区の住民らでつくる「バンドー九条の会」は16日、戦時中の学徒動員で町内の少年が作業中に事故死した現場で学習会を開き、平和の大切さを学んだ。
 メンバーによると、事故は戦時中の1945年5月に発生。板東地区で学徒動員された13?15歳の少年12人が飛行機の燃料になる松やにを採ろうと、県道・徳島北灘線沿いの山中で作業していたところ、中腹から誤って投げ落とされた松の根が少年3人を直撃し死傷した。
 会員ら16人が参加し事故現場を訪問。事故で重傷を負った松原喜一郎さん(74)=大麻町三俣=らが、当時の様子などを語った。松原さんは「気が付いたら、左腕と右足の骨が折れていた」と振り返り、「13歳で命を失った仲間を思うと残念。このような悲劇を2度と繰り返してはならない」と訴えた。
 新川清代表(78)=大麻町桧=は「板東での悲劇を子どもたちに語り継ぎ、平和の尊さを考えるきっかけにしていきたい」と述べた。同会は、憲法九条の大切さを学び守ろうと、10月結成された。

井上ひさしさん:「平和国家を長崎から」 長崎で講演/長崎
[毎日新聞 2007年12月17日 長崎版]

 県九条の会などは16日、憲法9条や平和について考えてもらおうと作家、井上ひさしさんの講演会を長崎市文教町の長崎大で開いた。約800人が訪れ、ユーモアを交えた井上さんの話に熱心に耳を傾けた。
 井上さんは憲法を守るだけでなく、平和を作り出す方向へ転換すべきだと主張。その方法として永世中立国家や自治体の無防備地区などの例をあげ「世界の人々の役に立つ国になれば攻撃されない。医学立国になって世界の要人が日本の病院に入院すれば、人質にもなる」と話し、観客を笑わせた。
 また、人類で初めて核戦争を体験をした長崎と広島を持つ日本から、平和などに根ざした国家を目指し、同じ考えを持つ世界の人々と連携すべきだと訴えた。【阿部弘賢】

講演会:「平和憲法でええねん」 井筒監督が戦争と映画などテーマに神戸で/兵庫
[毎日新聞 2007年12月17日 神戸版]

 映画監督の井筒和幸さんの講演会「平和憲法でええねん!!」(九条の会・県医師の会主催)が16日、神戸市中央区の県農業会館であった。井筒さんは戦争と映画の関係などを語り、市民約320人が聞き入った。
 井筒さんは「アメリカ映画は戦争を娯楽として見せるが、戦場で死ぬのは若者だ。(戦争の映画を作るなら)むごたらしく、(観客が)劇場から出たくなるような映画を作らなければいけない」と主張。戦力や自衛権などを巡る憲法9条の解釈問題に触れ「憲法条文を語る前に、戦争をしっかりイメージしたらどうか」と話した。
 また、在日コリアンを描いた監督作品「パッチギ!」公開後、インターネット掲示板で「反日映画」などの書き込みが相次いだことを紹介。井筒さん個人への中傷もあり、「表現の自由を踏みにじる行為だ」と批判した。
 講演に先立ち、「パッチギ!」の続編「パッチギ! LOVE&PEACE」が上映された。【四谷寛】

負の遺産、忘れまい 後藤さん、アウシュビッツ描き展示
[中日新聞 2007年12月12日]

 第2次大戦中のユダヤ人強制収容所など戦争犯罪の遺跡を描いた岐阜市の画家後藤勝美さん(67)の作品を集めた「負の遺産を描く展」が11日、高山市昭和町の市民文化会館で始まった。憲法九条を守る活動をする「九条の会・高山」が設立3周年を記念して開いた。12日まで。
 後藤さんは、耳が不自由になった10歳のころから絵を始めた。国内外の歴史的な町並みを歩いて水彩画を描き続け、各地で個展を開いている。若いころからナチスの戦争犯罪の実態について関心があり、今年6月に、収容所があったアウシュビッツ(ポーランド)などを訪れ、現地で絵筆をとった。
 会場では、ユダヤ人虐殺に使ったガス室や収容所の門などを描いた水彩画や「忘れまい人類の禍根」「過去の事実を直視し心に刻め」などの言葉を記した書など計約50点を展示した。後藤さんは「収容所の中の印象はおぞましい限りだった。二度と起こしてはならない過ちだということを知ってもらいたい」と訴えている。(南拡大朗)

市民に反戦訴え 太平洋戦争開戦66年、県内団体がイベント
[徳島新聞 2007/12/09 10:54]

 旧日本軍のハワイ真珠湾攻撃による太平洋戦争開戦日の8日、徳島、阿波両市内で、平和団体などによる反戦平和や憲法9条の堅持を呼び掛けるイベントが行われた。
 活動25周年を迎えた徳島県内の女性でつくる平和団体「八の日・平和を守る女たちの会」(代表委員・池田芳美さんら4人)は、徳島駅前で反戦平和を訴える街宣活動をした。
 池田さんらが「25年間にわたって平和の尊さを訴えてきたが、私たちの思いとは裏腹に日本は戦争への『いつか来た道』を歩もうとしている。一人一人が暮らしの中にある平和について、もう一度考えてほしい」と通行人に呼び掛けた。会員約30人は「12月8日を忘れないで!」などと書かれたチラシ約700枚を配った。
 この後、徳島市内の自治労プラザで総会を開き、四半世紀の活動を振り返った。県教組による「格差是正」をテーマにした紙芝居や、徳島人権・平和運動センターの脇卓司前議長の記念講演もあった。
 このほか徳島駅前では、県母親大会連絡会(榎本悦子代表)の会員25人も、召集令状(赤紙)を模したチラシ約350枚を配り、憲法九条の堅持を訴えた。

◎阿波市にも「9条の会」 50人出席し設立総会

 阿波市では、住民有志が憲法九条を守る運動団体「あわ9条の会」を結成し、市内の土成歴史館で設立総会を開いた。
 五十人が出席し、活動内容や運営方法などの申し合わせ事項を確認。事務局長に宮崎路子さん(35)=市場町日開谷、農業=を選んだ。文化人でつくる全国組織「九条の会」の設立発起人の一人で、同市出身の故三木武夫元首相の夫人睦子さんからのメッセージも紹介された。
 記念講演もあり、徳島弁護士9条の会代表世話人の一人、大西聡弁護士が「日本国憲法をよく知ろう」と題して話した。
 あわ9条の会の会員は116人。毎月九日に近い日曜日に、市内の県道交差点で「守ろう憲法九条」と書いたメッセージボードを掲げる街頭活動や、憲法の学習会を開く。

市民団体「九条の会・京築」 過ち繰り返さぬため 太平洋戦争開戦の8日 行橋などで反戦訴え
[2007/12/07付 西日本新聞朝刊]

 憲法九条を守る活動をしている「九条の会・京築」(事務局長・沖勝治元苅田町長)は太平洋戦争開戦の日の8日、行橋、豊前両市と苅田、築上両町で反戦を訴えるリレートークを行う。
 太平洋戦争は1941年12月8日に日本軍のハワイ・真珠湾攻撃で始まった。沖事務局長らは「多くの人命を失い国土が荒廃した惨禍を思い起こし、二度と過ちは繰り返さないという反省を生かすために、九条を守るべきだ」と訴え、3回目のリレートークを行う。
 当日は「繰り返すまい! 戦争への道」との横断幕を掲げ、同会の1080人のメンバーの中から希望者がハンドマイクで主張を訴える。当日はJR行橋駅東口(午前9時半)からスタートし、苅田町二崎交差点(同10時10分)、同町殿川町・サンリブ苅田(同10時半)、築上町築城基地正門近くの国道10号交差点(同11時半)、築上町役場前(正午)、豊前市民会館(午後1時)と回る。
 開戦を告げるラジオ放送の録音や、8日が命日で平和を愛したジョン・レノン(元ビートルズ)の名曲「イマジン」のテープも流す。
 沖事務局長らは「憲法九条改正の動きは続いている。運動を進めるために行橋市と苅田町では中学校区ごとに九条の会をつくりたい」と話していた。(2007年12月11日00時57分更新)

開戦の日リレートーク:九条の会、不戦誓う 行橋駅など6カ所――8日/福岡
[毎日新聞 2007年12月6日 京築版]

 護憲運動に取り組む九条の会・京築は8日、開戦の日に去来する思いを街頭で訴える「開戦の日リレートーク」を、JR行橋駅東口など6カ所で開催する。12月8日はジョン・レノンが射殺された日(80年)でもあるため「イマジン」を流しながら不戦を誓う。
 真珠湾攻撃を知らないという若い世代に戦禍を語り継ぐ目的もある。午前9時半から行橋駅東口でスタート。苅田町二崎の国道10号二崎交差点で午前10時10分▽サンリブエル苅田前で10時半▽空自築城基地前国道10号で11時半▽築上町役場前で正午▽豊前市民会館前で午後1時――から行う。
 各所で会員4?5人がそれぞれ思いを語るが、九条の会・京築の沖勝治局長は「飛び込み参加を待っています。最寄り会場で耳を傾け、訴えてほしい」と話す。【降旗英峰】

九条の会 多様な議論の広がり期待
[神奈川新聞 2007/11/30]

 憲法九条の擁護を訴える「九条の会」の第2回全国交流集会が都内で開かれた。大江健三郎さんらが記者会見でアピールを発表してから約3年半、これに賛同する各地域、各分野の「九条の会」は現在までに全国6801、県内302に達したという。この1年半に、全国で1627、県内で57増えた。集会には全都道府県から約1000人が参加し、すべての小学校区(約2万2000)に草の根の会をつくるという壮大な目標も掲げた。改憲をめぐる攻防において、「九条の会」は護憲側の連帯の結節点となりうる存在だけに、活動の行方を注目したい。
 「九条の会」は、九条改定を阻止するという一点のみで連帯するユニークな市民運動だ。大江さんのほか、井上ひさしさん、七月に亡くなった小田実さんら作家、学者ら9人が呼び掛けた。草の根の会の結成は、それぞれ当事者任せ。非武装中立派から、政府の現在の九条解釈論を支持する自衛隊・日米安保容認派まで、会員は“多様性”を誇っている。
 集会では、保守系議員らが参加している例も報告された。世論調査では改憲賛成派が過半数を超えているが、こと九条に関しては、改定反対派が賛成派を上回っている。「九条の会」は、そうした幅広い世論を背景にしている。
 政局を見ると、任期中の改憲をうたった安倍内閣があっけなく崩壊したことで、改憲への動きにはブレーキがかかった。7月の参院選では、安倍前首相が焦点の1つに改憲を掲げたにもかかわらず、世論はほとんど反応しなかった。国民が改憲を急ぐ必要性を感じていないことは明らかで、福田首相も改憲問題には終始、慎重な姿勢を見せている。
 現状は9条擁護に追い風が吹いているかに見えるが、集会では楽観論を戒める声も上がった。呼び掛け人で評論家の加藤周一さんは「安倍内閣より福田内閣の方が手ごわい。自衛隊派遣恒久法など、解釈で九条を空虚にしていく手法が取られるだろう。長丁場だ。これからが大変」と語った。
 今後について「九条の会」事務局は、「各会が援助し合いながら『空白区』を埋めていく。ネットワーク化の取り組みを進める」という。また教育問題など九条以外の政治問題でも「大きな団結の一方、意見の違いを尊重して多様な取り組みを進めてもらいたい」と話した。こうした新たな方針が効果を発揮するかどうか、会にとっても正念場だ。
 国会では改憲派が3分の2を確保。国民投票法の成立により、最短で2010年の憲法改正発議も可能だ。ただ今後は米朝関係の進展などによって東アジアの秩序が大きく変わることも予想される。「九条の会」には、新たな視点から九条の意義を再認識させるような創造的な議論を期待したい。

ペシャワール会:「軍事より民衆のために」福元事務局長、アフガンの状況報告/福岡
[毎日新聞 2007年11月30日 北九州版]

 九条の会・水巻(木戸宏事務局長)の発足総会がこのほど、水巻町頃末南の「いきいきほーる」で開かれ、ペシャワール会(福岡市)事務局長の福元満治さん(59)が「ほんとうのアフガニスタン」と題して現地の状況を報告した。約80人が参加した。
 24年間、パキスタンを拠点にアフガン難民の医療、生活支援に取り組むNGO(非政府組織)ペシャワール会を支えてきた福元さんは、これまで二十数回現地に渡航し、難民の信頼を得てきた。
 日本政府が「和平プロセス」として道路や病院などを作ったり、軍閥の武装解除をしてきたことが現地では高く評価されているが、福元さんは「政府はその点をあまり公表せず、戦争プロセスのインド洋給油活動など自衛隊派遣ばかりを宣伝している」と指摘した。
 さらに、日本が積極的に米軍に加担する同盟軍と思われだしたため、それまで安全のために四輪駆動車に描いていた日の丸を今夏から外したことを明かした。そして「『テロとの戦い』と称して米軍が村を爆撃するが、タリバンと呼ばれる人たちの大半は農民で政治とは無関係だ」と語った。
 福元さんは、土漠を田畑によみがえらせる用水路を作った丸腰のペシャワール会が安全なのに、軍事道路を作る他国の技術者が、武力で警護されているのに拉致されてしまう現実を見て「もし憲法9条がなかったらとっくに自衛隊は現地で動いており、ペシャワール会も確実にターゲットになっただろう。『人道支援』『国際貢献』という美辞麗句に気をつけたい。民衆のために何をやっているのかが問題だ」と話した。【林田英明】

普天間代替で政府批判/市民投票10年シンポ
[沖縄タイムス 2007年11月24日]

 【名護】大学人九条の会沖縄の第六回シンポジウム「1997市民投票から10年〈民意〉はどこにあるのか―憲法九条を守るために―」が二十三日、名護市労働福祉センターで開かれた。基調講演で沖縄国際大学の照屋寛之教授(行政学)は「振興策と基地は別物であるはずが、振興策によって民意がつぶされてきた十年だった」と、振興策と引き換えに米軍普天間飛行場の代替施設受け入れを進めようとする政府の姿勢を批判した。
 同シンポジウムは、米軍のヘリポート建設の是非を問う名護市民投票から十年を迎え、基地建設をめぐる「民意」を問い直そうと企画された。照屋教授のほか、琉大大学院の高作正博准教授(憲法学)と沖縄大学の宮城公子准教授(比較文学研究)が基調講演した。
 照屋教授は、市民投票以降について「本来は地域を良くするための振興策を政権が悪用し、選挙結果などに影響を与えている」と指摘。「操り人形を動かすように、政府は補助金で民意を思う方向に誘導している」と、「アメとムチ」で在日米軍再編を進める政府の在り方に疑問を投げ掛けた。
 高作准教授は市民投票の結果について、「基地建設反対の意思は明確だった」と、現在もその効力があると強調。名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設案は民意を得ていないとした。

映画:憲法制定の舞台裏描く「日本の青空」上映会――フォーユー吉富で25日/福岡
[毎日新聞 2007年11月23日 京築版]

◇無着成恭さん講演も

 日本国憲法制定の舞台裏を描いた映画「日本の青空」の上映会と泉福寺(大分県国東市)住職で教育者、無着成恭さんの話を聴く会が25日、吉富町広津の吉富フォーユー会館で開かれる。大分県中津市の「中津九条の会」や「草の根の会」などでつくる実行委の主催。
 映画の主人公は憲法学者、鈴木安蔵(1904?83年)。戦後、民間有識者と結成した「憲法研究会」の中心となり、45年12月に発表した「憲法草案要綱」がGHQ(連合国軍総司令部)案の基礎となったことを描く。監督は、沖縄戦をテーマにした「GAMA?月桃の花」などを手がけた大澤豊さん。
 午後3時、7時の2回上映。1回目上映後、無着さんが講演する。前売り一般・大学生1300円、中高生500円(当日各200円増し)。【出来祥寿】

朝鮮半島に平和憲法を/韓国で「9条の会」発足
[四国新聞 2007/11/17 21:32]

 【ソウル17日共同】憲法9条を守ろうと作家の大江健三郎氏らがつくった「9条の会」の趣旨に賛成する韓国の学者や市民ら約100人が17日、ソウルで「韓国9条の会」を結成した。
 日本の護憲運動を応援するとともに、朝鮮半島で平和憲法を実現することが目標。結成式には日本からも9条の会や被爆者団体のメンバーら約30人が参加した。
 結成の中心になった尹海東・成均館大教授は「平和憲法は日本に侵略された国の人々の平和への願いも含まれた世界の希望だ」と評価。その上で「自らの社会で平和を追求しない者は他国のことにかかわることはできない」と、韓国での平和運動の拡大を呼び掛けた。

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