二期会「ワルキューレ」

二期会「ワルキューレ」(2008年2月20日)

20日、二期会の「ワルキューレ」(全3幕)を見てきました。D井君、いつも格安でおいしいチケットを譲っていただき、ありがとうございます。m(_’_)m

ワーグナーの「ラインの黄金」の第2部。神々の長ヴォータンが人間に生ませた双子の兄妹のジークムントとジークリンデが、お互いに素性を知らないまま運命的な出会いをするところからストーリーはスタート。2人はフンディングのもとを逃げ出すが、追いかけてきたフンディングとジークムントは対決することに。ヴォータンは、最初、戦の娘ワルキューレの長姉ブリュンヒルデに、ジークムントを勝たせるように言うが、結婚をつかさどる女神である妻フリッカの怒りをまねき、あらためてブリュンヒルデにジークムントを負けさせるように命じる。しかし、ブリュンヒルデはジークムントを助けようとし、ヴォータンの怒りに触れ、勘当されてしまう。最後、ブリュンヒルデは、岩山の頂上で炎に包まれつつ眠りに就く。第3部になると、このブリュンヒルデが、ジークムント・ジークリンデの息子ジークフリートによって目覚ませられるのですが、第2部は、ここまで。

6時開演で、第2幕が終わったところですでに9時を回り、第3幕が終わりカーテンコールがすんだのは10時45分。お疲れさまでした。(^_^;)

「ラインの黄金」はテレビで2回見たことがあるだけで、ナマはもちろん初めてです。

第1幕、第2幕はどちらかといえば地味な展開で、とくに第2幕は長い割に、ヴォータンがずっと一人で歌っているだけで、なかなか盛り上がりません。(^_^;) しかし、第3幕になると、がぜん登場人物も増えて、派手になってきます。さすがに4時間半の長丁場で、最後は金管がろれってましたが、ソリスト陣は第3幕になってますます声も出るようになって、大いに盛り上がりました。

しかし、普通のオペラと違って、ワーグナーの場合、ずうっと音楽が続いているので、途中でブラボーって声をかけたり拍手したりできないのが、ちょっと残念。

この日の配役は、ヴォータン・小森輝彦、ブリュンヒルデ・横山恵子。長丁場ですが、声量もたっぷりで聴き応えがありました。個人的には、ブリュンヒルデがヴォータンよりも恰幅があるというのがちょっと残念でしたが…。

演出については、善し悪しはまったく分かりませんが、ピットのうえにせり出した舞台の前だけで演技することになってしまったので、なんというか、芝居が小さくなってしまったようで、もったいなかったと思いました。

それにしても、舞台を見ながらつくづく考えてみれば、不倫(ジークリンデはフンディングの妻だった)と近親相姦(ジークムントとジークリンデは双子の兄妹)で始まり、恐妻家のくせに浮気ばかりしているオヤジが夫婦喧嘩に負けて、ジークムント(自分の息子!)を殺してしまう、という情けない話。ブリュンヒルデだって、つまるところファザコン娘。う〜む…

ワーグナーも、よくこんなストーリー、考えたものです。(^_^;)

この日は、やんごとなき奥方さまも来られていましたが、終わったあと、出口付近で他のお客さんに囲まれ、あいさつしたり握手をしたり、勝手に写メをとられたり…。気づかなかった僕は、その人だかりと、取り巻きのSPたちの中につっこんで、そのまませき止められてしまいましたが。(^_^;) まあ、何にしても、SPを引き連れてでないとコンサートにも出かけられないというのはかわいそうなかぎりです。

【公演情報】
指揮:飯守泰次郎/演出・装置:ジョエル・ローウェルス/衣装:小栗菜代子/照明:石井リーサ明理/舞台監督:小栗哲家/ジークムント:成田勝美/フンディング:長谷川顕/ヴォータン:小森輝彦/ジークリンデ:橋爪ゆか/ブリュンヒルデ:横山恵子/フリッカ:小山由美/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団/会場:東京文化会館

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