今朝の「朝日新聞」の特集「変転経済37」。ユーロの特集をやっていた。
中身はともかく、面白かったのは、このグラフ。
1つめは、ユーロを基準にして考えると、ドルがべらぼうに下がっていること。ユーロ発足のときに比べれば約3割。ユーロが一番安かった2000?01年のころに比べると、5割近くもドルが下がっている。前にも、基軸通貨の役割をユーロがドルに取って代わる可能性があると指摘したけれども、この値下がりぶりを見ていると、とても「基軸」通貨とは思えない。
2つめは、GDPの大きさ。ユーロ圏(ということはイギリスは含まないということだ)だけで、アメリカに匹敵する大きさ。いままでは、アメリカが世界最大の市場だったからこそ、世界中の国がドルをほしがったけれども、ユーロが世界最大の市場になれば、ドル以上にユーロをほしがるだろう。そのことは、ユーロとドルの流通額が逆転していることからも伺える。
すでにユーロの実力の方がドルを上回っているのではないだろうか。
いまは円にたいしてもドル安になっているけれども、ユーロを基準にしてみると、ドルが最高時(2001年6月)に比べて45%下落したのにたいして、円は、同じ時点から34%下落している(サブプライムローン問題が起こる2007年夏までは、円の下落率はドルとほとんど同じだったことに注目してほしい)。つまり、ドルと同じように円も値下がりしているのだ。
↓日銀データから、ユーロを基準にした円・ドル・ポンドの為替相場の変化をグラフにしてみた。2001年6月の相場を1として、それぞれの時点での為替相場を指数化したもの。(クリックするとでかいグラフを表示します)