先週の金曜日、サントリーホールで日フィルの定期演奏会を聞いてきました。2008年春季シリーズの始まりです。プログラムは以下のとおり。指揮は、日フィル正指揮者の沼尻竜典氏。
- ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調
- R・シュトラウス:交響詩≪ツァラトゥストラはかく語りき≫
正直言って、前半のブラームスも後半のツァラトゥストラも、なんかいまいちスッキリしない演奏でした。
ブラームスの方は、ピアノのニコラ・アンゲリッシュの柔らかい演奏と、ブラームスの曲とがあってない、という感じでした。アンコールで、シューマンの「トロイメライ」を弾いていましたが、もう思いっきり甘〜〜い演奏で、これがアンゲリッシュの持ち味なのかと思った次第。
後半のツァラトゥストラは、「2001年宇宙の旅」の出だしで使われて以来、あのイメージと切り離して思い浮かべることが不可能になってしまったほどの作品ですが、その所為か、ナマで聞くのは初めて。出だしこそ、耳タコになるほど聞いたことがあっても、全曲は、いまいち掴みどころがありませんでした。「超人」の登場が、ハ調とロ調という2つの調性の対立を通してえがかれている、のだそうですが、2つの調性がうまく対立し合わずに、なんかバラバラになってしまった、という感じです。
それでも、いつもの日フィルらしく“爆発”してくれていれば、まだ聴けたのでしょうが、沼尻氏の指揮は、どちらかというと抑え気味。実は、昨年11月のマーラー第6番も、そんな感じでしたが、なんか「らしくない」演奏でした。
【演奏会情報】 日本フィルハーモニー交響楽団第598回東京定期演奏会
指揮:沼尻竜典/ピアノ:ニコラ・アンゲリッシュ/コンサートマスター:木野雅之/会場:サントリーホール/開演:2008年3月14日(金) 午後7時