サブプライムローン問題の損失、世界全体で78兆円!!

サブプライムローン問題に関連した損失が世界全体で8000億ドル(約78兆円)に上るとの試算を、IMFが発表。昨年9月には、2000億ドルとの試算を発表していたのが、わずか半年で4倍化した結果に。

サブプライム損78兆円/IMF試算 保険会社にも拡大(読売新聞)
損失の全容つかめず/サブプライム 9月予想の4倍(読売新聞)

サブプライム損78兆円/IMF試算 保険会社にも拡大
[2008年3月18日 読売新聞]

 【ワシントン=矢田俊彦】国際通貨基金(IMF)は、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題の損失が銀行のほか、保険会社やヘッジファンドを含めて世界全体で8000億ドル(約78兆円)に拡大するとの試算をまとめた。
 IMF幹部がブラジルでの会議で明らかにしたとロイター通信が17日に報じた。
 試算では、現時点で、銀行の損失が2300億ドル程度にのぼっており、その半分が米国、残りの大半が欧州となっている。
 保険会社などにも損失は広がり、全体で8000億ドルにのぼるとしている。
 IMFは昨年9月の時点では、サブプライム問題による損失は最大2000億ドルと見積もっていた。

損失の全容つかめず/サブプライム 9月予想の4倍
[2008年3月19日 読売新聞]

 世界の金融機関が抱えるサブプライムローン関連の損失が増え続けている。ロイター通信は17日、国際通貨基金(IMF)が世界全体の損失額が8000億ドル(約78兆円)に拡大するとの試算をまとめたと報じた。IMFは2007年9月時点で最大2000億ドルと見積もっていた。一気に4倍に増えたことになり、事態の悪化を示している。
 損失の拡大は、サブプライムローンの焦げ付きが急増していることに加え、サブプライムを組み込んだ証券化商品が世界中で売られたことが要因だ。証券化商品は保険会社やヘッジファンド、年金基金など銀行以外も幅広く買っており、全容がつかみにくい。
 IMFは、現時点での損失は銀行を中心に2300億ドル程度としているが、運用規模の大きい保険会社なども合わせれば、8000億ドル程度に拡大する可能性があると指摘した。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長も07年11月には、サブプライム関連の損失は最大1500億ドル程度との見通しを示していた。08年1月になって、最悪の場合は5000億ドル近くになるとの見通しに修正した。さらに、「しばらくは銀行の追加の損失計上が続くだろう」とも予想しており、金融当局もまだ実態の把握はできていないのが実情だ。
 バーナンキ議長は2月中旬の議会証言で、「金融機関は損失を即座に明らかにし、必要ならば資本増強するのが最善の策だ」と、損失を把握した時点ですぐに公表し、対応するよう求めている。(ワシントン 矢田俊彦)

【追記】

サブプライムローンの影響はまだまだ終わらない。世界的な証券大手のモルガン・スタンレーが42%の減益を発表。他にも、リーマン・ブラザーズが57%、ゴールドマン・サックスが53%の減益。

米モルガンも大幅減益 2月期、サブプライムで(MSN産経ニュース)
米リーマン57%減益(読売新聞)

米モルガンも大幅減益 2月期、サブプライムで
[MSN産経ニュース 2008.3.19 23:22]

 米証券大手モルガン・スタンレーが19日に発表した2007年12月?08年2月期決算は、高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に関する損失が膨らんだことから、最終利益が前年同期比42.0%減の15億5100万ドル(約1530億円)と大幅な減益になった。前年同期は26億7200万ドルだった。
 米証券大手3社の同期決算が出そろったが、サブプライムローン問題の影響で3社とも純利益がほぼ半減する厳しい結果となった。
 モルガンの07年9?11月期は同ローン問題絡みの損失が94億ドルに急拡大したため、最終損失は35億8800万ドルだった。今回は黒字に転じ、市場の利益予想を上回った。
 ゴールドマン・サックスは同問題関連の損失が約20億ドルで、最終利益は52.7%減の15億1100万ドル。リーマン・ブラザーズは損失が約18億ドルで、最終利益は57.3%減の4億8900万ドルの大幅減益だった。(共同)

米リーマン57%減益/12?2月期 ゴールドマンも半減
[2008年3月19日 読売新聞]

 【ニューヨーク=山本正実】米証券大手リーマン・ブラザーズとゴールドマン・サックスが18日発表した2007年12月?08年2月期決算は、いずれも純利益が前年同期より半減した。サブプライムローン問題に伴う市場の混乱から、保有する証券化商品に評価損が出るなどしたためだ。ただ、両社の利益水準は市場の予想を上回った。
 リーマンの損失は18億ドル(約1700億円)で、07年からの累計は33億ドルに達した。純利益は前年同期比57%減の4億8900万ドルとなった。一方、ゴールドマンは20億ドルの損失を計上し、07年からの累計は35億ドルとなった。純利益は、53%減の15億1100万ドルだった。
 ゴールドマンは、サブプライム関連の証券化商品の値下がりを早くから予想し、空売りを行うなどして、07年11月期の通期決算で最高の利益を記録していた。今回は市場の混乱の影響を避けられなかった形だ。

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