麻生内閣誕生後、2度目の世論調査。「朝日新聞」の世論調査でも、中部6県を対象とした中日新聞の世論調査でも、内閣支持率は低下して、不支持率とどっこいどっこいの水準に。投票先政党でも、自民、民主はほぼ同じ。
新内閣成立のご祝儀相場は、早くも終わってしまったようで、さて、“解散前提”内閣は、いったいどうする?
麻生内閣支持41%、不支持42% 本社連続調査(朝日新聞)
内閣支持37%、不支持48% 中部6県意識調査(中日新聞)
他方、「毎日新聞」には、こんな↓記事が。
読む政治:解散先延ばし(その2止) 政権転落、おびえ 自民、独自調査で一変(毎日新聞)
麻生内閣支持41%、不支持42% 本社連続調査
[asahi.com 2008年10月5日23時37分]
総選挙に向けて、朝日新聞社が4、5の両日実施した第1回の連続世論調査(電話)によると、麻生内閣の支持率は41%で前回発足直後調査(9月24、25日)の48%から下落した。不支持率は42%(前回36%)に上昇し、支持と不支持が伯仲した。
「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は自民33%(前回36%)、民主34%(同32%)など。前回は自民が新内閣発足の追い風を受けて大きく伸ばし、民主を逆転していた。総選挙に「大いに関心がある」人は全体の35%で、その中では投票先を民主としたのが48%、自民は30%だった。
自民支持層の内閣支持は79%で比較的高い水準を保つ一方、民主支持層は77%が不支持としており、支持層でも「対決色」が鮮明になっている。無党派層では支持が24%(同31%)と減り、不支持が48%(同41%)に増えた。
男女別でみると、男性の支持は43%(同46%)でわずかに減っただけだったが、女性は39%(同50%)と大きく減らし、支持率低下の要因になった。
中山成彬前国交相の辞任問題で、任命した麻生首相の責任は「それほどでもない」が48%と多数だったが、「大きい」とみる人も44%いた。
望ましい政権の形では、「自民党中心」が34%(同39%)と下げたのに対し、「民主党中心」は40%(同40%)と変わらなかった。
政党支持率は自民32%(同34%)、民主23%(同23%)など。◇
〈調査方法〉4、5の両日、全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は1036人、回答率は57%。
内閣支持37%、不支持48% 中部6県意識調査
[中日新聞 2008年10月6日]
衆院解散・総選挙の時期に関心が集まる中、中日新聞社は愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀の中部6県で有権者の政治意識調査を実施した。麻生内閣の支持率は37%にとどまり、不支持率は48%に達した。一方で、民主党の政権担当能力には53%が否定的な考えを示した。望ましい政権の枠組みは「自民党と民主党の大連立」の26%が最多で、2大政党のいずれにも政権を託せないと考えている有権者像が浮かび上がった。
内閣支持率は、発足直後の9月下旬に共同通信社が実施した全国緊急世論調査の支持48.6%(不支持32.9%)を大きく下回った。就任5日で辞任した中山成彬前国土交通相の問題発言などが影響しているとみられる。
各年代別で「支持しない」が上回ったが、70歳以上だけは「支持する」が多かった。自民、公明両党支持層の支持率はそれぞれ6割を超えた。全体の35%を占める「支持政党なし」の支持率は26%、民主党支持層では15%だった。
民主党は次期衆院選で政権交代の実現を訴えるが、その政権担当能力について男性の51%、女性の55%が「あるとは思わない」。肯定的なのは民主、社民の両党支持層だけで、支持政党なしの57%が否定的だった。
望ましい政権の枠組みの1位は「自民党と民主党の大連立」。20代、30代、40代と、支持政党なしでトップだった。自民党支持層の24%、民主党支持層の20%も大連立を肯定的にとらえていた。枠組みの次点は「民主党中心」の21%、現政権の「自民党中心」は20%で3位にとどまった。
次期首相にふさわしい人物は麻生太郎首相が37%で、小沢一郎民主党代表の22%を上回ったが、「その他」も37%いた。特に20代と70歳以上、女性の間で麻生人気が高く、小沢代表の倍以上を占めた。支持政党なしは過半数が「その他」とし、麻生首相25%、小沢代表18%だった。
総選挙への関心は高く、「必ず行く」68%、「たぶん行く」25%と9割以上が投票所に足を運ぶ意向を示した。<調査の方法> 2日から3日間、中部6県の有権者3500人を目標に電話調査を実施した。コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)式を採用。実際に有権者がいる世帯にかかったのは4601件で回収率は76.1%だった。本文中とグラフの数字は小数点以下を四捨五入したため、比率の合計は100%にならない場合もある。
事実、解散・総選挙をめぐる状況は、先週末をはさんで大きく変わってきた。どうしたんだろう? と思っていたら、「毎日新聞」の記事がその背景事情を明らかにしていた。
読む政治:解散先延ばし 政権転落、おびえ 自民、独自調査で一変
[毎日新聞 2008年10月6日 東京朝刊]
「対決型」の衆院解散を目指す麻生太郎首相は、同時に足元の不安も抱えていた。
9月26日の新聞各紙で報じられた内閣支持率(毎日45%、朝日48%、読売49・5%など)が期待値を下回ったことや、放言による中山成彬前国土交通相の辞任ばかりではない。自民党独自の選挙情勢調査が、解散の先送りを後押しした。■ ■
9月28日昼、自民党の古賀誠選対委員長は北海道中標津町で講演し、「麻生首相が腹をくくった(選挙)日程がある」と述べ、10月上旬解散、11月2日投票を強く示唆した。ところが、同日夜の講演(釧路)では「11月総選挙が独り歩きしている。政策を積み上げるまで解散を待つのが政治だ。政権を失ってはならない」と一転してトーンを変えた。
わずか半日で何があったのか。古賀氏がひょう変したのは、次期衆院選の情勢調査の中間集計を聞き、衝撃を受けたからだった。
調査は9月22日から27日の6日間、自民党が民間の調査会社に依頼して行われた。300小選挙区ごとに有権者1000人から電話で聞きとったものだ。
自民党が優勢な小選挙区は106から107。約50選挙区が当落線上にあり、残り約130は厳しいという結果だった。比例代表の獲得議席予測は「57から65の範囲」。これだと、民主党と競い合う激戦区の大半を制したとしても、自民党は220議席程度にとどまる。200議席の大台を割り込み、一気に政権から転落する可能性もある数字だった。
党幹部は、調査結果を前に「確実に勝てる候補が予想以上に少ない。今、選挙をやったら大変なことになる」とうめいた。
古賀氏は10月1、2の両日、党本部に各派閥の事務総長を1人ずつ呼び込み、「取り扱い注意」と言い添えて資料を手渡した。A4判の紙には、各候補の支持率が性別、年齢別、地区別に示され、右上にABCなどの総合評価が記載されていた。
この日を境に自民党内では「解散先送り」が公然と唱えられるようになった。麻生派の中馬弘毅座長は2日の派閥総会で「あと1、2週間で解散になることは99%ないと思う」と発言。与謝野馨経済財政担当相は首相との面会後、「首相からは選挙という感じはしない。7対3で勝てる勝負なら解散に踏み切るだろうが、五分五分以下ならそう簡単には踏み切らないだろう」と周辺に漏らした。
ただし、先送りしたからといって有利になる保証はない。大島理森国対委員長は5日、テレビで「首相は解散から逃げているわけではない。毎日毎日考えている」と釈明した。(以下略)
他方、世論調査といえば、東国原宮崎県知事の衆院選出馬について、「宮崎日日新聞」が世論調査を実施。82%が「反対」。「途中で投げ出すのはおかしい」など厳しい意見が多かったそうだ。この人も、うかつな行動を取ると、そうとう厳しいところへ追い込まれるかも知れない。
知事国政転身反対82% 県民投げ出し「ノー」(宮崎日日新聞)
知事国政転身反対82% 県民投げ出し「ノー」
[宮崎日日新聞 2008年10月06日]
次期衆院選に立候補しないことを表明した自民党の中山成彬前国交相(65)=衆院宮崎1区=の「後継」として東国原知事擁立の動きが出ていることを受け、宮崎日日新聞社は5日、県内有権者100人を対象に緊急アンケートを実施した。
国政転身に「反対」「どちらかといえば反対」を合わせて全体の82%に達した。
「せめて一期は務めてほしい」など時期尚早との見方や「途中で投げ出すのはおかしい」といった厳しい反応が多く、「国政で宮崎のために頑張って」などと賛同する声を大きく上回った。