9月の完全失業率0.2ポイント改善というけれど…

9月の完全失業率、前月比で0.2ポイント改善したというけれど、原数値でみると、1年前と比べて率で0.1ポイント悪化。数でも2万人の増加で、6カ月連続して1年前より失業者が増えている。

深刻なのは、有効求人倍率の落ち込み。とくに正社員にかぎった有効求人倍率は0.54倍で、2人1人しか正社員になれないということになる。

有効求人倍率:悪化、0.84倍 4年1カ月ぶり低水準(毎日新聞)
9月の完全失業率4.0%、8月より0.2ポイント改善(読売新聞)
9月の失業率、4.0%――前月比0.2ポイント低下(NIKKEI NET)

総務省の発表資料はこちら↓。PDFファイルが開きます。

労働力調査2008年9月分(基本集計)結果の概要(PDF:55KB)

有効求人倍率:悪化、0.84倍 4年1カ月ぶり低水準――9月

[毎日新聞 2008年10月31日 東京夕刊]

 厚生労働省は31日、求職者1人にいくつの働き口があるかを示す9月の有効求人倍率(季節調整値)が前月より0.02ポイント悪化し、0.84倍に落ち込んだと公表した。倍率が1倍を下回ったのは10カ月連続で、04年8月以来、4年1カ月ぶりの低水準となった。一方、総務省が31日発表した労働力調査の速報によると、9月の完全失業率(季節調整値)は4.0%で、前月より0.2ポイント改善した。
 正社員に限った有効求人倍率は、対前年同月比0.08ポイント減の0.54倍。主要産業別の新規求人数も、製造業22.0%減、建設業16.6%減などとなっている。
 有効求人倍率は、完全失業率より先行して現況の雇用動向が反映される。厚労省は株価下落などの影響を受け、雇用失業情勢が「下降局面にある」と判断している。
 一方、完全失業率を男女別でみると、男性は4.1%で前月より0.2ポイント改善し、女性は3.9%で同水準だった。ただ、男性の就業者は前年同月比29万人減の3732万人、就業も求職活動もしていない人(非労働力人口)は28万人増の1453万人。
 総務省は求職活動を控える人が増え、失業率が低下したとみている。男女合計の完全失業者数は2万人増の271万人だった。【堀井恵里子】

9月の完全失業率4.0%、8月より0.2ポイント改善

[2008年10月31日08時44分 読売新聞]

 総務省が31日発表した労働力調査(速報)によると、9月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント減の4.0%だった。
 また、厚生労働省が同日発表した9月の有効求人倍率(同)は、前月を0.02ポイント下回る0.84倍だった。厚労省は「失業率は改善したが、有効求人倍率は悪化しており、雇用情勢は引き続き下降局面にある」とした上で、急激な円高や株安により、「今後、下降局面に拍車がかかる可能性がある」と分析している。
 男性の完全失業率は4.1%で前月比0.2ポイント減、女性は3.9%で前月と同じだった。就業者数は前年同月比29万人減の6393万人、完全失業者数は同2万人増の271万人。
 有効求人倍率が低下するのは8か月連続。事業主の都合による離職者が前年同月比22.7%増と大幅に増えており、自動車や電機などの輸出産業を中心に、派遣社員を減らす企業が相次いでいる影響がみられるという。また、新規求人数は前月比2.9%減だった。

9月の失業率、4.0%――前月比0.2ポイント低下

[10月31日/日本経済新聞 夕刊]

 雇用情勢の悪化が続いている。厚生労働省が31日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は0.84倍と、前月を0.02ポイント下回った。前月比で下がるのは8カ月連続で、2004年8月以来、ほぼ4年ぶりの低水準。総務省が同日発表した9月の完全失業率(同)は4.0%と前月より0.2ポイント下がったものの、失業者数は前年同月に比べ2万人増加した。失業率の改善は一時的とみられ、厚労省は「金融不安の影響が表れる10月は雇用情勢がさらに悪くなる公算が大きい」(職業安定局)とみている。
 有効求人倍率は公共職業安定所(ハローワーク)で職を探している人1人あたりに何件の求人があるかを示す指標。9月は職を求める有効求職者数が0.6%増えた一方、企業の求人数が2.5%減り、倍率の低下につながった。有効求人倍率の1倍割れは10カ月連続で、1倍割れの道府県数も35に拡大した。
 景気の先行指標になる新規求人数は大幅な落ち込みが続いており、前年同月比13.4%減となった。産業別にみると、医療・福祉分野(同10.5%増)を除くすべての業種で減った。とくにサービス業の減少幅が大きく、26.1%減少。世界的な金融危機を受けた景気悪化を懸念し、採用を手控える企業が増えているもようだ。
 完全失業率は15歳以上の働く意思のある人のうち、職についていない人の割合を示す。完全失業者数は271万人と前年同月比2万人増えた。ただ8月の失業者数の増加幅(23万人)に比べ減っており、完全失業率(季節調整値)は前月より低下した。

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