今年の夏は、通勤電車の冷房も期待できないので、今日、東急ハンズでこんなものを買ってきました。
投稿者「GAKU」のアーカイブ
どうして原発って、こんなに笑えない笑い話ばかりなんだろう
東京電力の福島第一原発で、どうして大事な非常用発電機を、津波が来れば水没するような地下に置いていたのか? その疑問に、今日の「朝日新聞」夕刊(6月11日付)が答えてくれています。
記事によると、アメリカではハリケーンの強風で樹木が吹き飛ばされきて、それに直撃されて被害を受けるので、それから発電機を防護するために地下に設置することになったそうです。ところが、1960年代に日本で原発をつくり始めたとき、何でもアメリカ仕様でやらないといけないと思って、ハリケーンなどこない日本でも、そのまま発電機は地下へ。その結果、津波で完全に水没することになった、というわけです。
そもそも日本の原子力開発は、アメリカから濃縮ウラン+軽水炉を購入するところから始まったものですが、建屋の設計図までアメリカ引き写しだったとは……。
こんどは野坂昭如氏、政局騒動に怒る!
一昨日の川上未映子さんに続いて、今日は、野坂昭如氏が「毎日新聞」に連載中の「七転び八起き」というエッセー(6月11日付)で、原発事故とその後の民主党vs自民党の「政局騒動」を厳しく叱責されている。
「仮設住宅入居も一部にとどまり、震災から3カ月を経て、避難所にはなお10万人近い人々が暮らす。この状態はもう棄民というしかない」という野坂氏は、そんななかでくりひろげられる政局騒動について、うんざりする心境をこう書かれている。みんなその通りと思われるに違いない。
そんな中、永田町では愚かな時間が流れている。福島第1原発事故における、海水注入の中断したしない、言った言わない、記憶のあるなしで国会の大部分がさかれ、これが何の成果に繋がるのか。自民党をはじめ野党は、神流音首相の震災、原発対応のまずさをあげつらい、内閣不信任案を提出。党利党略ばかり、先を考えない不信任案。的をはずれた政局騒動より、やらなければならないことは山ほどある。そのごくあたり前が通用しない場所。与党は党内バラバラの実情を、臆面もなく露わにしただけ。世間はうんざりするだけ。
さらに、自民党にたいしては、「そもそも原子力発電推進の、要は自民党にあった。原子力政策を担い続けてきた自民党の責任は重い」「自民党は負の遺産をこしらえ続け、原発問題についていちゃもんつけるのは、甚だおかしい。どの面下げての感」と、バッサリ。
川上未映子さん、ぜひこれを御一読を
昨日の「日本経済新聞」夕刊(6月9日付)に、作家の川上未映子さんが、「デキる人はいないのですか」と題して、原発事故について書かれている。
「わたしはメルトダウンと炉心融解のはっきりした違いもわからない程の市民ではありますが」と言いながら、川上さんは、NHKスペシャル(おそらく6月5日放映の「<シリーズ 原発危機>第1回・事故はなぜ深刻化したのか」)をご覧になって、結局分かったことはこうだと書かれている。
それを準備せよというのがあなたの仕事だったのでは?
昨日のニュースになりますが、原子力安全委員会の班目委員長が、東京電力の福島原発事故に関連して「第2、第3の防護手段がないといけない」と述べて、「まさに人災だ」と発言したそうです。
しかし、その「第2、第3の防護手段」ができているのかどうかを審査し、点検するのが、あなたの仕事だったのでは? それをやらずに「人災」だといわれても困ります。
読み終わりました 『リア王』
シェイクスピア4大悲劇の最高峰といわれる『リア王』、読み終わりました。
いやあ、何がすごいって、リア王次々とつきまくる悪態、すごいですねぇ〜 あんなひどい悪態、落語にだって出てきません。リア王は悲劇のヒーロー? ということになるのかも知れませんが、末娘コーデリアを口べただというだけでいきなり勘当してしまうあたりは、我が儘すぎます。そして、ゴルネリとリーガンがいきなり手のひらを返したように父王に冷淡になったり、いろいろご都合主義的なストーリー展開。
それでも、諌言のために追放されながらリア王を守るケント伯爵、エドマンドの計略で乞食に身をやつすエドガーと失明させられたグロスター伯爵、などなど、魅力的なキャラクターがいっぱい登場して、飽きさせないところはさすがシェイクスピアです。狂気におちいったリア王と道化の掛け合いはほんとにおもしろかったです。
笑わせるところは笑わせて、泣かせるところは泣かせる――。さしずめ、藤山寛美の松竹新喜劇といったところ。←年取った関西人にしかわからない (^_^;)
「日経」、このままでは来春に全原発が停止と悲鳴!
「日本経済新聞」が悲鳴を上げています。
今度の原発事故の影響で、原子力発電所が定期検査に入ったまま再稼働できない状況に陥っており、このままでは来年春にも国内54基のすべての原発が停止させられる、というのです。
もちろん、「日本経済新聞」のねらいは、そうなったら電力不足で大変だ!! といって、原発運転再開に持ち込もうというもの。とりわけ、現在は地元の同意ということで、事実上、立地道県の知事が承諾しないと再稼働できないのにたいして、「国に責任」という口実で、地元同意なしでも運転再開できるようにしようというのが「日経」のいちばんのねらいです。
IAEAへの政府報告書はこれ
本日のメディアでいっせいに取り上げられている日本政府のIAEA閣僚会議への報告書というのは、これ↓。
原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書:首相官邸ホームページ
報告書本文だけでも200ページを超えるべらぼうな長さだし、専門用語や略号がいっぱい出てきて、とても素人には読めないけれども、原子力発電所の設計上のリスクマネジメントについて「確率論的安全評価」がどうしたこうしたと散々書いた挙句、結論として、次のように述べられているのには、残念ながら、呆れてしまった。
以上のように、リスク情報の活用について我が国の取り組みは諸外国の情勢と比較して十分とは言えない状況にあった。(IV-9)
要するに、「確率論的安全評価」によって十分危険性は考えてありますよと、あれだけ散々言ってきたのに、結局、それは不十分でした、ということだ。不破さんは、先日の講義で、電力会社と日本の原子力行政が「安全神話」に浸りきってきたと批判しているけれど、まさにその実態がここに示されていると思う。
若者の失業、子どもの貧困…
震災・原発事故関連の記事ばかりの毎日ですが、政府の2011年版「子ども・若者白書」が発表されました。
10代の失業率1割に迫る…9.8%:読売新聞
若者の非正規雇用30% 子ども白書、閣議で決定:東京新聞
白書そのものは、こちら↓から読むことが出来ます。
白書をつらつら眺めていて驚いたのは、子どもの貧困率。
共産党 全国から引き続きボランティア
引き続き、日本共産党の各地の県委員会、地区委員会、あるいは地方議員や党員のみなさんが、被災地へボランティアにでかけています。「しんぶん赤旗」にはあまり記事が出てきませんが、ブログを探してみると、ほんとに北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から駆けつけております。
まず、日本共産党奈良県委員会。福島県いわき市へ、25人が参加しました。
救援ボランティア報告1 福島県いわき市に到着 | それいけ!宮本次郎
救援ボランティア報告2 沿岸部の壊滅的な光景に言葉をなくす | それいけ!宮本次郎
救援ボランティア報告3 避難所の体育館は | それいけ!宮本次郎
こちらは、いわき市で受け入れた側の藤川しゅく子さん(福島県議)のブログ。
藤川しゅく子―西日本から連日のボランティア・・・日本共産党ボランティアセンター
日本共産党の植木こうじ都議(中野区)は、中野地区委員会のみなさんと7人で石巻へ。
日本共産党都議団ホームページ 植木こうじ 都政レポート
東京・港地区委員会からは、いのくま正一前区議が1ヶ月の予定で5月末から石巻に入っています。そして、そこへ5月31日から6月3日まで、港区から4人の区議さんをふくむ8人がボランティアに駆けつけました。
東京港のボランティアが到着、明日は炊き出しと物資のおとどけ – いのくま正一ブログ
日本共産党震災ボランティア(第一次)今夜「石巻」へ出発 – 星野たかしブログ
墨田地区委員会では、ボランティアの報告会が開かれ、2次、3次のボランティア派遣をめざすそうです。
こんにちは 日本共産党墨田地区委員会です : ボランティア報告会
こんにちは 日本共産党墨田地区委員会です : 私も石巻にボランティアで行ってきました
実は貫通してました… IAEAへの政府報告書
「メルトダウン」(炉心溶融)が最悪の事態だと思っていたら、上には上(下には下?)がありました。核燃料は、溶けて圧力容器の底にたまっているのでなくて、圧力容器から外に漏れ出して格納容器内にたまっているのだそうだ。
ところで、政府がIAEAに提出する報告書の内容。東京新聞が要旨を掲載している。
要旨だから不正確かも知れないが、最低でも1つウソがある。「放射性物質の放出に備え原子力災害対策本部長の首相が避難と屋内退避を指示」とある。なるほど原子力緊急事態宣言そのものは3月11日午後4時36分に発令されているが、官房長官が記者会見して3km以内の住民の避難と3〜10kmの住民の屋内退避の指示を発表したのは同日午後7時44分 ((内閣府のホームページ記載の時刻。毎日新聞がインターネットで第一報を掲載したのは同午後8時9分。))。この時点では、すでに放射性物質は外部に漏出していた。
にもかかわらず、記者会見で官房長官がしゃべったのは、「これから申し上げることは予防的措置」「現在のところ、放射性物質による施設の外部への影響は確認されていない」「直ちに特別な行動を起こす必要はない」「あわてて避難を始める必要はない」「原子炉そのものに今問題があるわけではない」というものだった。
先日、保安院が発表した解析では、すでにこの頃にはメルトダウンを起こしており、午後8時頃には圧力容器が破損していた。つまり、この時点で「放射性物質の放出に備え」て避難や退避指示を出していたこと自体が間違っていたのであって、本来ならば、「放射性物質が漏出した可能性があるので」避難や屋内退避を指示すべきだったのだ。
保安院、放出された放射性物質の量を上方修正
原子力安全・保安院が、東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質の量について、これまでの37万テラベクレルから77万テラベクレルに修正した。まあ、2カ月以上にたって「実は炉心がメルトダウンしてました」というぐらいだから、いまさら驚きもしない。
ただ、注目すべきは、原子力安全委員会が原発周辺で計測された放射線量などから放出量の逆算したのにたいして、「保安院は炉内の状態から試算」したという記事。つまり、原子力安全・保安院は、4月上旬になっても、なお炉心の状態について正確につかむことが出来ていなかった、ということだ。もちろん、現在、性格につかんでいるかどうかも分からないが。
炉心の状態が正確に分かってないなら、そりゃ、やることなすこと、うまくいくはずもない。まずは、東京電力に全部生データを出させて、全国の研究者や専門技術者の英知を結集して、いま炉心がどうなっているか、それをはっきりさせるべきだろう。それなしには、「その場しのぎ」以上のことは不可能。事故収束などおぼつかない。
3つのテンペスト
左=松岡和子訳、シェイクスピア『テンペスト』(ちくま文庫)、右=池上永一『テンペスト』第1巻<春雷>(角川文庫)
松岡和子さん訳の『オセロー』のあとは、『テンペスト』を読み終えました。
ミラノ公国の大公位を奪われ、孤島に追いやられたプロスペローのもとに、嵐で遭難して流れ着いた簒奪者である弟のアントニオ、ナポリ王のアロンゾとその弟セバスチャンら一行。いまこそ12年前の復讐の時が来たる…。
ご存じシェイクスピアの(単独著作としては)最後の戯曲。みずから魔法を修め、嵐を起こし復讐を遂げんとする老いたるミラノ公は、精霊たちをあやつり、アントニオにナポリ王弟を唆せて、かつての自分のように兄を裏切らせようとしたり、一人娘ミランダとナポリ王の息子フェルディナンドとが恋するようにしむけたり、さらには間狂言のようにナポリ王の賄い方と道化のドタバタ騒ぎがあったりと、にくいほどの筋立てと演出です。
早く、もっと早く
6月2日までに集まった義援金は2513億円。阪神大震災のときに集まった義援金1759億円を大きく上回っています。
ところが、そのうち被災都道県に送られたのは822億円。そして、実際に被災者に支給されたのは287億円のみ。全体の11%にしかなりません。被災3カ月になろうというのに、なんでこんなに遅いのでしょうか?
日経新聞が報じる原発事故の「残る謎」
「日本経済新聞」は、6月2日付で、「検証その時」と題し、見開き2ページを使って東京電力福島原発事故の検証記事を載せている。
右ページでは、「福島原発事故 地震発生100時間」として、1号機から4号機まで、それぞれについて地震発生からの事故の経過をふり返っている。
左ページでは、「原子炉で何が 残る謎」として、次の3つの疑問をあげている。
- 津波前に損傷はなかったのか?
- 炉心溶融 いつから認識?
- 水素爆発は回避できなかった?
そして「日本経済新聞」の結論は、「耐震性、万全と言えず」「早い段階で予測か」「状況認識の誤り響く」というもの。
約4割が内部被曝?!
本日付「東京新聞」の「こちら特報部」。福島県二本松市が、独自に、住民の内部被曝の調査をおこなうことを決めた、という記事ですが、そのなかにこんな記述が。短くて全体が分かりませんが、もしこの数字が本当なら、かなり深刻な事態です。
長崎大学病院の分析によると、福島県に派遣された長崎県職員や被災地からの避難者など、3月中に現地にいた87人のうち、約4割が内部被曝していたという。
福島原発の労働者以外でも、内部被ばくが広がっているのは確実だ。(「東京新聞」2011年6月4日付朝刊「こちら特報部」)
記事でも指摘されているように、内部被曝についても早急な住民検査が必要でしょう。
原子炉建屋で4,000ミリシーベルト毎時の湯気
東京電力福島第一原発1号機の原子炉建屋内で、配管の周辺から湯気が立ち上り、放射線量が最高で4,000ミリシーベルト毎時に達していることが明らかに。これは、3分余りで作業員の被曝限度(250ミリシーベルト)を超え、15分間で急性放射線障害の症状が出るほどの高レベル。
残念ながら、この状態では、1号機の原子炉建屋内での作業は不可能だろう。東京電力が「今後、継続して監視する」と言っているのも、監視する以外には出来ることは何もない、ということだろう。
1号機内で4000ミリ・シーベルト:読売新聞
地震翌朝、原発敷地外に放射性物質 保安院公表遅れ:日本経済新聞
高濃度汚染水の放射能量、72万テラ・ベクレル:読売新聞
東電、海水浄化を9日から実施 福島第1原発:日本経済新聞
国民の避難計画をきちんと見直すほうが先でしょう
経済産業省の原子力安全・保安院が、全国の原子力施設の近くに設置しているオフサイトセンターの移転を計画しているというニュース。
オフサイトセンターというのは、事故が起こったときの対策拠点となる施設。福島第一原発付近にあるオフサイトセンターは、5kmしか離れてなかったので、退避命令が出て使えなくなった。浜岡原発のオフサイトセンターは、わずか2.5kmの地点。過酷事故が起これば、やはりここも機能しなくなるだろう。そう考えれば、確かにセンターの立地については再検討が必要かもしれない。
しかし、見直すというなら、現在10km内という原発周辺住民の避難計画から始めるのが当然の順序だろう。その見直しも決まらないうちから、まず自分のところの事務所の移転計画を検討するのは、話が違ってやしませんか?
1年前に「辞める」といったのに辞めないのはだれ?
昨日、不信任案が大差で否決されたはずなにの、早くもふたたび身内からの「菅降ろし」。昨日の不信任案採決が「茶番」だとすると、今日から「茶番」の第2幕ということなのか。いい加減にしてほしい。
鳩山前首相は「ペテン師」と批判したそうだが、そういう鳩山さんは、1年前に、確か「政界を引退する」といったはず。「政治家はうそをついてはいけない」――まさにその通りです。
いま話題の吉井英勝議員の最新著
いま話題の、京都大学工学部原子工学科卒、日本共産党衆議院議員の吉井英勝さんの最新著『原発抜き・地域再生の温暖化対策へ』(新日本出版社)です。
昨年10月に発行された本ですが、実は、吉井さんがこれまであちこちの雑誌などに書かれた論文集かと思って、こんどの原発事故が起こるまで手にとってみることもしていませんでした。しかし、読んでみたら、全然違っていて、吉井さんが長年暖めていた構想にしたがって全編書き下ろされたもの。原発の危険性だけでなく、地球温暖化対策のエネルギー政策を地域経済の再生と結びつけて、どう具体化していくかが、一つ一つ分かりやすく解き明かされていて、一気に読んでしまいました。
くり返しますが、本書は昨年10月に書かれたもの(上の写真の帯は最新のですが)。ところが、本書を読んでいると、原発事故が起きたあとの現在にそのまま重なる話ばかりでした。たとえば、「はじめに」ではすでに原発トラブルによる電力不足のことが書かれています。東京電力がたびたびくり返してきた事故隠しの問題や、電力会社、原発メーカー、官僚などの「利益共同体」の話も出てきます。核廃棄物の最終処理の問題、廃炉の難しさなども明らかにされていて、つくづく今度の事故が「想定外の津波」でたまたま起こったなんていうものでないことを思い知らされました。