GAKU について

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

民主党のゴタゴタも「茶番」だが、自民・公明がこの間やってきたことも「茶番」だ

終わってみれば、大差で否決。民主党「造反」議員の一部は本会議を欠席し、引っ込みのつかなくなった2名が賛成票を投じたようだが、「大山鳴動ネズミ1匹」というより「大山鳴動ネズミ0匹」というところだろう。

不信任決議案 反対多数で否決:NHKニュース

自民党や公明党は、しきりに「茶番だ」と言っているが、もともと連休明けに小沢一郎氏の「働きかけ」を頼んで、自分たちで「政局」に持ち込んでおいて、最後の最後で小沢氏に裏切られただけで、「茶番」というなら、自民党・公明党がこの間やってきたこと自体が茶番だということを自覚すべきだ。

【内閣不信任案】自民・谷垣総裁「茶番だ」首相の期限付き辞任表明に:MSN産経ニュース
小沢氏の「菅降ろし」シナリオ始動 自民にも働きかけ:MSN産経ニュース

それにしても、卑怯なのは小沢一郎氏。ここまで「倒閣」をあおっておきながら、菅首相が「一定のめどがたったら退陣する」と表明したら、一転「自主投票」を表明。しかも、本人は、不信任案に賛成票を投じて初志貫徹するわけでもなく、さりとて党議にしたがって反対票を投じるわけでもなく、議員会館に立てこもって本会議を欠席。国民の前から逃げたとしか言いようがない。

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いま政治はなにをなすべきか?

「朝日新聞」2011年6月1日付

「朝日新聞」2011年6月1日付

今朝の「朝日新聞」(6月1日)の「オピニオン」欄で、専修大学教授の田村理氏が、「国会は憲法通りの仕事をしなさい」と題して談話を寄せている。

不信任案提出騒動に、「国会は、少なくともいまは被災者救済や復興、原発対策に集中すべき」と述べる田村氏の趣旨は、被災者救援・復興、原発対策に「こういう法律が必要だ」と思うなら、内閣任せにせず、国会議員は自分で法案をつくって自分で成立させればよい、そもそも憲法は国会を「唯一の立法機関」と定められている、「復興基本法」にせよ、子どもの年間被曝量の問題でも、“国会の場で、国民が見ている前で、きっちり議論して決めるべきだ”というのだ。

「議員のみなさんは首相を交代させることにエネルギーを使うより、憲法が定めたように自分たちで政策をつくり政府にやらせる。そこにエネルギーを使いませんか」――ごもっともな主張だろう。

さらに、田村氏は「議会は、一人の王様には任せきれない、みんなで決めよう、ということから生まれました」「戦後、各国がとってきた行政とその長に建言を集中するべきだという考え方が、僕には破綻して見える」とも指摘されている。

日本国憲法では、国会はただ「唯一の立法機関」であるというだけでなく、「国権の最高機関」だと定められている(ともに第41条)。憲法前文では「そもそも国政は、国民の厳粛な信託による」と規定されている。いまこそ国会議員、政治家諸氏は、この意味を真剣に考えなければならない。

先日、日本共産党の志位委員長が、菅首相に「大震災・原発災害にあたっての第2次提言」を提出した(5月17日)。その提言は、こちらから読むことができる。

復興への希望がもてる施策、原発からの撤退をもとめる――大震災・原発災害にあたっての提言(第2次):しんぶん赤旗(2011年5月17日)

私がこの提言を読んだとき、ある意味「当たり前」のことだけど、やっぱりこれが一番大事だと思ったのは、志位さんが、冒頭で、まず被災者、避難所の状況がどうなっているか、何に困って、どうしてほしいと願っているのか、政府の責任で実態を把握して、改善をはかるためにあらゆる努力をおこなうように求めていることだ。ほかにもいろいろな要求、要望もあるけれど、この当たり前のことができていない――そこをずばり提起しているのがうれしかった。

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自民・公明 不信任案を提出――共産党は採決棄権

自民党・公明党が、菅内閣にたいする内閣不信任案を衆議院に提出した。

内閣不信任決議案 衆議院に提出:NHKニュース

今回の内閣不信任案にたいして、世論は、一方では、震災でも原発事故でも菅内閣の対応を不満に思い、もっとスピーディーな、もっと被災者の心に寄り添い、原発の不安にこたえてくれる支援や対応を望んでいる。そして、「はたして、菅内閣にそれができるのか」という疑問も持っている。しかし他方で、自民党・公明党や、民主党小沢グループの動きを、「いまはそんなことをやっている場合じゃないだろう」と強い怒りにもにた気持ちで眺めている。

原発事故にかんしていえば、そもそも「安全神話」に浸りきって、原子力発電所の震災や津波対策、あるいは事故が起きたときの避難対策を怠ってきたのは、歴代の自民党・公明党内閣だ。それを棚に上げて、やみくもに「倒閣」に持ち込もうとする動き(これを永田町では「政局にする」という)は、無責任のきわみとしか言いようがない。

だからこそ、世論調査をみても、「不信任案」には賛成、反対が拮抗しているのだ。

そんななか、共産党が本日、急遽記者会見をして、不信任案の採決には棄権するとの態度を発表した。先日、「自公と立場は違うが、菅内閣を信任できないのは明らか」として賛成の態度を表明したが、正直言って、それで「いま、そんなことをやっている場合か」という有権者の不満(怒り?)にこたえられるのだろうかと心配だった。もとより菅内閣を信任できないことは明らかだが、被災者や避難者をそっちのけにして「政局」に持ち込もうという自民党・公明党の側にも大義や道理があるわけでない。

そういう場合には、棄権とか退場とか、いろんな手があるじゃないかと思っていたので、棄権の方針は大歓迎だ。

不信任案採決は棄権=賛成方針を転換―共産:時事通信

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「津波が原因」ではすまされない

IAEAの報告書が、福島第一原発の事故の原因を「巨大地震に伴う津波」だったとしたからといって、すべてを「想定外」の津波のせいにして片付けてもらっては困る。巨大津波が想定外でなかったこと、津波に対する備えがまったくなかったことなどの責任はもちろんだが、M9を超える地震そのものによる被害はどうだったのか。とりあえず制御棒が入って緊急停止したのは確かだが、だからといって地震だけならなんの問題もなかったと片づけることはできない。激しい地震動による施設の損傷はなかったのか、それが致命的なものでなかったのかどうか、厳密な検証が必要だ。

その点で気になるのが、今朝の「東京新聞」が報じた「こちら特報部」の「『津波で暴走』怪しく」の記事。1号機では津波がくる前に、冷却水の配管からの「漏洩」が起きていたし、2号機では注水系統の異常を知らせる警報が鳴っていた。震災翌日になっての3号機の急激な圧力低下も問題だという。

IAEAの報告書を「錦の御旗」にして、なんでもかんでも「想定外の津波」のせいにすることは許されない。

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SPEEDIの5月28日以降の予測結果はこちらから

緊急時(!)迅速(!!)放射能(!!!)影響予測(!!!!!)ネットワークシステムの予測結果というのを探すと、原子力安全委員会のサイトへ飛ばされたかと思うと文部科学省のサイトへと飛ばされ、なかなかお目当てのものにたどり着けませんでした。

で、ようやく見つけたのがこれ↓。5月28日以降の予測結果が載せられています。

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI予測結果 │ NNET

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IAEA、津波の過小評価、規制機関の独立問題を指摘

IAEAの調査団の報告書案の内容が明らかになったとNHKが報道。概略だろうから、たとえば「事故直後に実際にとられた対応策以上のことが現実的に実行可能だったとは考えにくい」という評価はどういう意味なのか分かりにくいところもあって、報告書の評価は正式の報告書の発表を待って、きちんと議論する必要がある。

しかし、津波の想定が過小評価だったこと、原子力発電の規制機関を独立させるようにというIAEAの勧告が日本政府によって守られなかったことを問題点として指摘しているというのは、日本の原発推進体制の根本的な問題点を指摘したものといえる。

IAEA 報告案が明らかに:NHKニュース
福島第1原発:津波の危険を過小評価 IAEA報告書素案:毎日新聞

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タメスティのヴィオラはお見事

新日本フィル第477回定期演奏会

先週木曜日、サントリーホールで聴いてきた新日本フィルの定期演奏会。

  • ヒンデミット:葬送音楽
  • クルターク:断章――ヴィオラと管弦楽のための
  • ブラームス:運命の歌
  • シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61

3月の定期は震災で聴けず、4月は演奏会がなかったので、新日本フィルの定期は3カ月ぶり。会場でも、「お宅はどうでした?」「あの日は歩いて帰りまして」とお客さん同士の会話が聞こえていた。当日、歩いてすみだトリフォニーまで出かけて、演奏会を聴いてきたという“強者”もおられた。

ということで、予定されたプログラムに先だってヒンデミットの「葬送音楽」が震災の犠牲者に捧げられた。

この曲と2曲目のクルタークの「断章」(日本初演)でソロをつとめたタメスティのヴィオラは、お見事の一言に尽きる。非常に透明度の高い音をしっとりと響かせて、情感たっぷりのすばらしい演奏。こんなクリアなヴィオラの音色は初めてだった。

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政府発表「信頼できない」80%、原発「減らすべき+なくすべき」61%

産経新聞とFNNの世論調査で、福島第一原発事故にかんする政府発表が「信頼できない」の回答が80%、東京電力の対応や発表が「適切でない」との回答が85%をしめた。内閣支持率は30%。内閣不信任案の提出については、「理解できる」45.6%、「理解できない」47.1%と拮抗している。

原発依存のエネルギー政策の継続・推進をねらう産経新聞は「脱原発は1割止まり」と報じているが、実際には「減らすべきだ」48.9%(4月調査より15.6ポイント増)、「すべてなくすべきだ」12.6%(同2.1ポイント増)で合わせると61%が原発政策の転換を求めている。

【世論調査】政府の原発発表、「信頼できない」80%:MSN産経ニュース
【世論調査】脱原発は1割止まり 自然エネルギーへの期待は大:MSN産経ニュース

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東電には原発の運転・管理の資格なし

東京電力の社員2人が250ミリシーベルトという、今回の福島原発事故で引き上げられた年間被曝線量の限度を超える放射線を被曝している可能性が高いことが明らかに。

原発事故収束のために働いているみなさんには、本当に心からの敬意を表わしたいが、東京電力は、地下に溜まった汚染水を確認せず、作業員を突っ込ませて被曝させたり、線量計なしで現場作業をさせたり、重要免震棟で働いていた女性の被曝線量が限度を超えていたことがあとで分かって慌てて退去させたり、ともかく失態続き。もはや労働者の安全管理をおこなう資格も能力もないことは明白。かりに原子力発電が必要だとしても、東京電力には、原発の運転・管理をやってほしくないし、やらせてはいけないのではなかろうか。

東電社員2人、線量限度超え被曝した可能性:読売新聞
福島第1原発:被ばく量は数百ミリシーベルトか 東電社員:毎日新聞
被ばく検査 対象の40%以下:NHKニュース
入院の必要なしと診断=内部被ばくの東電社員2人―放医研:時事通信
福島第1原発:東電社員被ばく 甘い対策に現場は悲鳴:毎日新聞

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読み終わりました 『平城京の時代』

坂上康俊『平城京の時代』(岩波新書)

坂上康俊『平城京の時代』

岩波新書「シリーズ日本古代史」の4冊目。坂上康俊氏(九州大学教授)の『平城京の時代』です。

対象は、697年の文武天皇の即位からほぼ8世紀いっぱいぐらいまで。ということで、以前に紹介した講談社『天皇の歴史』第2巻『聖武天皇と仏都平城京』とほぼ同じ時期が対象になっています。

それでも、天皇中心の前書にくらべ、本書では、第2章「国家と社会の仕組み」や、第4章第3節「荘園と『富豪の輩』」などで、この時代の国家と社会を支えた庶民の姿が取り上げられていて、おもしろい。

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35年前の本ですが…

武谷三男編『原子力発電』(岩波新書)

武谷三男編『原子力発電』

こんどの事故で、初めて原発に不安を持った、原発についてもっと知らなければと思った方にも、おすすめの1冊です。

原子炉で生まれる「死の灰」(放射性廃棄物)とはどんなものか、原子力発電のしくみ、放射線被曝の影響、核燃料再処理やプルトニウム管理の難しさ、などなど、基本から1つ1つ取り上げて順々に説明されているので、読めば、原子力発電が「未完成の技術」をかかえた危険なものであることが必ず分かると思います。

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共産党 全国から続々被災地へ

共産党の全国各地の地方議員のみなさんや、地域の支部、地区の植民職員のみなさんが、救援物資をたずさえて、続々と被災地にボランティアに出かけています。1つ1つは、数人だったり、数日だったりしますが、それでも、全国各地の共産党が、被災地のそれぞれの地域を担当して、継続的な支援を予定しています。

「しんぶん赤旗」ではあんまり紹介されていませんが、議員のみなさんのブログから拾ってみました。

こちらは、23日から、福島県いわき、勿来にボランティアに出かけた神戸市の味口俊之市議のブログ。
味口としゆき 雑記帳 福島県へボランティア(1日目)
味口としゆき 雑記帳 福島県ボランティア2日目
味口としゆき 雑記帳 福島県ボランティア3日目
味口としゆき 雑記帳 福島県ボランティア最終日

東京・葛飾区の中村しんご区議ら11名は、第1次のボランティアとして、宮城県石巻にある日本共産党の東部地区委員会へ。
葛飾ボランティア第一次派遣 – こんにちは 中村しんごです

墨田地区委員会からは3人が第1次ボランティアとして、やはり石巻へ。
こんにちは 日本共産党墨田地区委員会です : 第1次ボランティア出発
こんにちは 日本共産党墨田地区委員会です : ボランティアが無事石巻から帰京

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「日刊スポーツ」 不破講義は「政治のなすべき役割がよく分かる」

「政界地獄耳」(「日刊スポーツ」2011年5月28日付)

「日刊スポーツ」2011年5月28日付

日本共産党の不破哲三・元委員長(元衆議院議員)が、今月10日におこなった原発問題の講義。こんどは、本日(5月28日)付の「日刊スポーツ」のコラム「政界地獄耳」が取り上げています。いわく――

「不破の話を聞いていると安全対策抜きでここに至ったことがよく分かる。何よりも現政府関係者たちは一読すべきだ。政治のなすべき役割がよく分かる」

と、かなり辛辣。

「日刊スポーツ」のサイトには載せられていないようですが、一読の値打ちありです。

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ノートパソコンが直りました

突然起動しなくなったノートパソコン。本日、無事、修理されてもどって参りました。ヽ(^o^)丿

修理報告書をみると、「メモリが接続不良のため挿し直しを行いました」とのこと。要するに、メモリがきちんと挿し込まれてなかった、というだけのことだったようです。(^_^;)

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被災地の声をなぜ一般紙は伝えないのか

25日、衆議院東日本大震災復興特別委員会で開かれた参考人質疑。青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の商工業、農業、漁業団体の代表が、それぞれ政府に対して被災地の要望を切々と訴えました。

参考人となった方々の話は、こちらから動画↓で見ることができます。正直言って涙なくして聞くことができません。

2011年5月25日 (水):震災復興特別委員会:衆議院TV

「生乳の廃棄、ニワトリや乳用牛、肉用牛の死亡などの被害、農地や用水パイプライン、ライスセンターなどの共同利用施設が甚大な被害を受けた」(岩手県農業協同組合中央会の長澤壽一会長)、「大震災でお金があってもモノが買えない状態が発生した。(食料)自給率を上げることが必要だ。TPP参加は絶対にやめてほしい」(青森県農業組合中央会の工藤信会長)、「村井君(宮城県知事)が、国でやるの、会社を入れるの、と言い出している。水産を預かる我々さ話持ってこないで、なんでこそこそとやるのか」(宮城県漁業協同組合経営管理委員会・木村稔会長)、「会員業者の7割が事業を継続したいと願っている。思い切った手立てを」(岩手県商工会連合会・千葉庄悦会長)、「原発事故の収束がなければ農業の再生復興はありえない」「もとの大地にもどしてほしい」(福島県農業協同組合中央会・庄條徳一会長)など、共産党の「しんぶん赤旗」は、3面全体の3分の2を使って参考人の発言を詳しく紹介しています。

ところが、一般紙を見てみると、「朝日」「毎日」は記事なし。「読売」は1段12行、「日経」は、通常の活字より一回り小さい活字で1段10行のベタ記事。いちばん詳しく報道していたのは「東京新聞」ですが、それでも1段26行しかありません(共同通信の配信記事)。「産経新聞」は、インターネット(MSN産経ニュース)ではその共同通信配信記事を一部省略して流したものの、紙面には載せなかったようです。NHKは、ニュースでは取り上げたようですが、参考人質疑の国会中継はやっていません。

こんなことで、メディアの役割を果たせるんでしょうか?

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土壌の汚染除去―東京23区の2倍以上の面積で必要

東京電力の福島原発事故で、チェルノブイリ原発事故のさいに居住禁止になった区域と同レベルの土壌汚染地域が、福島県内600平方kmにわたっていることが分かったというニュース。

東日本大震災:福島第1原発事故 土壌汚染、県内600平方キロに――NUMO研究員:毎日新聞

600平方kmというと、ほぼ東京23区に匹敵する面積。そのほかに農業禁止となった区域と同じレベルの土壌汚染地域が700平方kmあって、あわせると1300平方kmになる。

先日の講義で、不破さんは、原子力発電は、<1>原子炉の構造がそもそも不安定、<2>使用済み核燃料の後始末ができない「未完成」で危険な技術と指摘したけれども、1300平方kmもの土壌の汚染除去が必要というのは、まさに放射性廃棄物の後始末ができないという原発の根本的欠陥が大規模に現われたものではないだろうか。

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注目される「日経」の論調

「いまさら、何を言う」という感じもしなくはないが、「日本経済新聞」におもしろい記事が載っていたので、貼り付けておこう。

1つは「大機小機」(5月24日付)。「東電問題を考える視点」と題して、金融機関に東電向け債権放棄を促す発言が政府首脳からでていることに異を唱えたコラムなのだが、そのなかで、コラム子は、民間電力会社に原子力発電という「国策遂行の役割を担わせた」のだから政府が責任をとるべきだという。つまり、税金を投入して東電を救済し、金融機関が債権放棄などせずにすむようにせよ、というわけだ。なるほど、さすが財界の新聞だけのことはある。

それでも、そのなかで、こんなことを認めざるを得なくなっている。

地震・津波などの自然災害に耐える安全対策、使用済み核燃料や廃炉などの恒久的で安全な処理・処分、不可抗力の大事故が起きた際の損害賠償への備え。こうした費用を織り込めば、原発は安上がりな電源ではなく、民間企業の手に負えるものでもない。

そう、「原発は安上がり」なんていうのは、まったくのデタラメだったのだ。そんなことは、原発建設に反対する人たちは、昔から主張していた。しかし、政府と東京電力と財界が、そんな意見にお構いなしに、そのデタラメを振りまき続けてきたのだ。「日本経済新聞」自身はどうだったのか? そのことを棚に上げて、いまごろ突然、「民間電力会社に国策遂行の役割を担わせた」政府の責任を言いつのってみても、なんの説得力もないではないか。

「原発は安上がり」というのは嘘だった。「日本経済新聞」がそのことを認めたという事実は、それでも記録しておくに値するかも知れない。

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買ってしまいました…(^_^;)

テンシュテット:マーラー交響曲全集

一昨日の読響×ヴロンスキーのマラ5の興奮冷めやらぬまま、ふらふらと新宿タワーレコードへ立ち寄り、つい、こんなものを見つけてしまいました。

クラウス・テンシュテット指揮のマーラー交響曲全集(ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)。CD16枚組で3,690円、1枚当たり230円という超お買い得…。(^_^;)

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専門編集委員も不破講義「明快」と

先日、「毎日新聞」の岩見隆夫氏が「出色」と評価した不破さんの原発事故講義。こんどは、今朝の「毎日新聞」コラム「水説」で、専門編集委員の潮田道夫氏が、雑誌『世界』6月号の柳澤桂子さんの論文とともに不破さんの講義にふれ、「明快」と感想を述べています。曰く――

「使用済み核燃料の最終処分問題を放置したまま原発の運転を続けた結果、高濃度放射性廃棄物が限界にまで積み上がっている。それが不破さんの憂慮するところ」
「原子力で発電を開始する以上、最終処理問題にケリをつけておくべきなのは言うまでもない」

潮田氏の結論もきわめて「明快」です。

水説:核のゴミ捨て場:毎日新聞

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こんなマラ5は初めて

ペトル・ヴロンスキー

ペトル・ヴロンスキー©木之下晃

昨夜はふたたび読響の定期演奏会で、冷たい雨の中、サントリーホールへ。指揮は、先週の名曲シリーズと同じくペトル・ヴロンスキー氏。ピアノは清水和音氏。

  • モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 k.491
  • マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

先週のドヴォルザーク・プログラムがとてもよかったので期待したのですが、前半のモーツァルトは、清水氏が非常に繊細にピアノを弾こうとしているのに、オケがどちらかというと出しゃばり気味で(いちおう10-8-6-4-3編成なんですが)、なんとも言いようのない、まとまりのなさ…。これでは、後半のマーラーが思いやられると、なかばあきらめておりました。

で、演奏が始まってみると、オケはバラバラ。こりゃ、あかん…と思ったほど。ところが、第1楽章の途中からオケがまとまってくると、これがなかなかの演奏で、ぐいぐい引き込まれてしまいました。

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