GAKU について

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

亜洲青年管弦楽団2010、芝原拓自、電磁機関

アジア・ユース・オーケストラ2010

アジア・ユース・オーケストラ2010。8月はせっかくの夏休みなのに、オケはオフシーズン。ということで、生オケが無性に聴きたくなって、本日はぷらりとかようなコンサートへ行ってきました(オペラシティ)。

中国、台湾、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの、17歳から27歳の若者2万人のなかから選抜された108人のオーケストラ。3週間のリハーサルキャンプのあと、3週間でアジア各国16カ所で公演をして回るそうだ。

本日のプログラムは、

  • シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 op.129
  • マーラー:交響曲第5番 ハ短調

指揮はジェームズ・ジャッド、チェロ独奏は王健(ジャン・ワン)。

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日本史研究者ならこれは読まなくては…

『歴史評論』の9月号と『歴史学研究』の9月号。日本史研究者なら、これは読まなくてはいられません。

まず『歴史評論』の9月号。なんと、芝原拓自氏 ((芝原拓自氏は明治維新史研究者。代表的著作は、『明治維新の権力基盤』(御茶の水書房、1965年)、『所有と生産様式の歴史理論』(青木書店、1972年)、『日本近代化の世界史的位置』(岩波書店、1981年)など。1冊目は明治維新研究の必読文献の1つ。2冊目の『所有と生産様式の歴史理論』は、学生時代に読んで、図式的ではない史的唯物論の理論に初めて深く目を見開かせられました。同書では、『資本論』が長谷部訳で引用されていて、当時長谷部訳など持っていなかった僕は、図書館で長谷部訳の目次をコピーして、一生懸命、大月書店版『資本論』のページと照らし合わせたことがあります。3冊目は、学部生の時、佐々木ゼミでを読んだのですが、実はさっぱりわかりませんでした…。))が、「最近考えたこと」という短いエッセーを書かれています。論文でお名前を拝見するのは20年以上ぶりです。そこらあたりの事情については、ご本人が「ここ20年あまり、抑うつ性神経症という名の精神病をわずらい」と書かれているとおりですが、少しずつでも健康を回復されることを願ってやみません。

日本史研究者であれば、なにはともあれご一読を。

それから、『歴史学研究』9月号。1つは、三鬼清一郎氏の「批判と反省・山本博文著『天下人の一級資料』に接して」。

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時計の仕組みを調べてみる

『資本論』第12章「分業とマニュファクチュア」第3節「マニュファクチュアの2つの基本形態」で、マルクスは、異種的マニュファクチュアの例として、時計のマニュファクチュア的分業を取り上げています。

そこには、1つの時計を組み立てるにあたっての細目労働の職名がずらりあげられているのですが、なにせ、そもそも時計というのはどういうふうに作られるのかを知らないので、さっぱり分かりません。

それで、なにか参考になるものはないかと思っていたら、こんな本を見つけました。

本間誠二監修『機械式時計 解体新書』(大泉書店)

本間誠二監修『機械式時計 解体新書』(大泉書店)。昨年12月に出版されたばかりで、クラシカル・ウォッチの魅力を紹介するためのものなのですが、その前段として、機械式時計のメカニズムについても詳しく紹介をしています。

マルクスは、時計マニュファクチュアについて、次のように述べています。

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デフレの原因は賃金の下落

富士通総研エグゼクティブ・フェローの根津利三郎氏が、「米国は日本のようなデフレにはならない」というコラムを書かれている。曰く、アメリカも日本と同じようにデフレになるのではないかという論調があるが、アメリカがデフレになる可能性は低い。

なぜ、アメリカはデフレにならないのか? その理由を根津氏は、日本は賃金が下落しているのにたいして、アメリカではテンポは下落しても賃金は上昇しつづけているからだと言う。

米国は日本のようなデフレにはならない : 富士通総研

そもそも、デフレはなぜ起こるのか? 根津氏の説明はこうである。

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日産、事務系派遣を契約社員に切り替え

日産自動車が、事務系の派遣社員を段階的に契約社員に切り替えていることが判明した。

実は、同社は、派遣期間の制限のない専門業務と偽って派遣社員を受け入れて仕事をさせていたとして、昨年5月には東京労働局の指導を受けていた。26の専門業務というのはこれで、専門業務ということで派遣しておきながら、実際には電話番、お茶くみ、コピー取りなど一般事務をやらされたという「名ばかり専門業務」が後を絶たなかった。

そこで、今年2月の国会での共産党・志位和夫委員長の質問にあわせて、同2月、厚生労働省が「厳正な対応」を指示していた。

日産:事務系派遣を廃止 直接雇用の「契約」に――10月から:毎日新聞
「名ばかり専門業務」で派遣法違反、3社に改善命令:朝日新聞
期間制限を免れるために専門26業務と称した違法派遣への厳正な対応(専門26業務派遣適正化プラン):厚生労働省

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もはや国民生活を下支えする以外に景気回復の道はない

16日に発表された2010年4-6月期GDP。実質成長率は年率換算で0.4%増とプラスだったものの、1-3月期の年率4.4%増から大幅にダウンして衝撃を与えている。

原因は低迷する個人消費。伸び率は0.03%で、実際には個人消費の回復はストップしている。

GDP実質0.4%成長に鈍化 4-6月年率:日本経済新聞
需要先食い、しぼむ個人消費 GDP減速、年0.4%増:朝日新聞

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ただいまこれを勉強中

中木康夫『フランス絶対王政の構造』(未来社、1963年)

1963年に刊行された中木康夫氏の『フランス絶対王政の構造』(未来社)。

絶対主義は、没落しつつある封建領主と勃興しつつあるブルジョアジーとの均衡の上に成立したとする「均衡」論を、フランス絶対王政(アンリ4世の即位によるブルボン王朝の成立=1589年〜フランス革命まで)の実証的研究によって、根本から批判したもの。

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映画「パリ20区、僕たちのクラス」

映画「パリ20区、僕たちのクラス」

昨日、映画「パリ20区、僕たちのクラス」を見てきました。6月に岩波ホールで公開されましたが、忙しくて見に行く暇がないままに終わってしまったので残念に思っていたのですが、武蔵野館で今月27日まで上映(ただし、午前10時半と午後1時10分の2回のみ)されるというので、早速見てきました。今年6本目。

パリ20区の公立中学校のあるクラスを舞台にして、24人の生徒と国語教師でクラス担任でもあるフランソワのぶつかり合い?を描いた作品です。

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的場氏よ、嘘をついてはいけません

的場昭弘『新訳共産党宣言』(作品社)

的場昭弘氏(神奈川大学教授)の翻訳で、『共産党宣言』の新しい翻訳が出ています。

これまで様々な翻訳が出版されてきた『共産党宣言』ですが、なぜ的場氏は新訳を出版したのか? 同書は表紙に小さい文字で「初版ブルクハルト版(1848年)」と書かれており ((奥付でも書名は「新版 共産党宣言 初版ブルクハルト版(1848年)」となっている。))、そのことについて、的場氏は「凡例」で次のように説明しています。

 翻訳のテキストは、『共産党宣言』(『宣言』)の初版とされるブルクハルト版全23頁のものを使用した。第5篇研究篇の歴史で述べるように、この初版にも数種類のバリアントがある。これまで邦訳されてきたものの多くは1933年のアドラツキー版旧メガ(Marx Engels Gesamtausgabe)所収のものからの翻訳である(最近の浜林正夫監修版、大月書店、2009年ではかつて初版といわれ、今では第2版といわれる30頁版が使用されている。……) 〔同書、11ページ、強調は引用者〕

つまり、「これまで邦訳されてきたものの多く」は30ページ本を底本としていたのにたいして、自分の新訳は23ページ組みの「ブルクハルト版」を底本にしている。そこに新訳の意味があるというのです。

しかし、いわゆる23ページ本にもとづく邦訳といえば、東北大学の服部文男氏が、1989年1月に新日本出版社から新日本文庫の1冊として出版したものがすでにあります ((服部氏が底本とした23ページ本が「ブルクハルト版」であることは、新日本文庫40ページに掲載された『共産党宣言』の表紙写真から確認できる。))。同氏の翻訳は、その後、1998年に同じ新日本出版社から「科学的社会主義の古典選書シリーズ」の1冊として刊行され、現在も入手可能です。

それにもかかわらず、この画期的な服部文男訳 ((服部文男氏の訳業は、「共産党宣言」各国語版の序文を、それぞれ発表された各国語から直接翻訳したという点でも、従来の翻訳史にはない画期的な意義をもつ。たとえば、1890年ドイツ語版には、エンゲルスが元のドイツ語版原稿を紛失したためロシア語からエンゲルス自身が翻訳しなおしたロシア語版序文が引用されている。従来は、この部分は、その後発見された原稿にしたがってドイツ語から翻訳されていたが、服部氏はロシア語版の序文を使って日本語への翻訳を行われ、たとえばドイツ語原稿では「プロレタリア革命」となっている部分がロシア語では「労働者革命」となっていたこと(そのことは訳注で指摘されている)など新しい事実が判明した。また、ポーランド語版序文では、従来の各種翻訳ではドイツ語にしたがって「ブルジョアジーの仕事をプロレタリアートにさせた」と訳されていた部分が、ポーランド語では文字どおり「火中の栗を拾わせる」となっているとして、その通り日本語に訳されている。))は、的場氏の新訳では一言も言及されていないのです。

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見てきました ブリューゲル版画の世界

ブルーゲル版画の世界(Bunkamuraミュージアム)

渋谷Bunkamuraミュージアムで、「ブリューゲル 版画の世界」を見てきました。

ブリューゲルは16世ネーデルランドの画家。同時に、「聖アントニウスの誘惑」に代表されるような奇妙奇天烈、奇々怪々な版画でも有名です。今回は、そのブリューゲルの現存する版画全作品を、同時代の作品とともに展示するというので、見逃す手はないと出かけてきました。

ブリューゲル版画の世界 ベルギー王立図書館所蔵 | Bunkamura ザ・ミュージアム

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さて、こんどはこちらを読んでみますかね

羽仁五郎『明治維新史研究』(岩波文庫)

服部之総『明治維新史』を読み終えました。服部之総の明治維新論としては、その後、この『明治維新史』を自己批判して発表された「明治維新の革命及び反革命」や「維新史方法上の諸問題」などがあります。それらも読んでみなければなりませんが、手に入るまではとりあえず、羽仁五郎『明治維新史研究』を読んでみることにします。

あらためて勉強します 服部之総『明治維新史』

服部之総『明治維新史』(新泉社版「叢書名著の復興」)服部之総『明治維新史』(青木文庫版)

石井孝氏の『維新の内乱』を読み終えたので、こんどは服部之総の『明治維新史』を読み始めました。

左は「叢書名著の復興」 ((もとはぺりかん社から1967年に刊行されましたが、ぼくが今回手に入れたのは1972年刊の新泉社版。ただし、紙型は同じもののようです。))の『明治維新史』、右は青木文庫の『明治維新史』です。

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auとKDDIのホームページが見れない…

auの携帯電話を使っているのに、自宅のパソコンからau(あるいはKDDI)のホームページにアクセスしようとすると、「Internet Explorerで表示できません」となるだけで、アクセスを拒絶されていました。

実は、少し前からずっとそんな状態で困っていたのですが、まったく原因不明。セキュリティソフトかファイアーウォールの関係ではないかと思って、それらを外してみても、まったく変わらず…。もうこうなると完全にお手上げでした。

今日、試しにノートパソコン(Windows 7)でアクセスしてみると、auのサイトもKDDIのサイトも何の問題もなく、さくさくっと表示されます。

ということは、自宅のデスクトップ・パソコン固有のトラブル?! しかし、原因はいったい何?!

それで、「auのサイトが見れない」と入れてインターネットを調べてみると、こんな情報を発見!!

au/KDDIのサイトが見れない・フレッツ光にした時の注意点 – kick my earth

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いまごろ気がつきました

吉田秋生『陽のあたる坂道』(小学館)

吉田秋生『陽のあたる坂道』(小学館)。

「海街diary」シリーズの3冊目です。今年2月に発行されていましたが、最近はマンガ屋をあさることもなくなったので、気がつきませんでした。すずちゃん、だんだん成長してますねぇ。(^_^;)

悪くはないのだが…

映画「ぼくのエリ 200歳の少女」

仕事で新木場方面を現地調査したあと、銀座で映画を見てきました。スウェーデンで人気をよんだホラー小説の映画化なのだそうです。

主人公の少年オスカーが、ある夜、アパートの中庭で不思議な少女に出会う。隣に越してきた同じ12歳の少女エリー。しかし彼女は…

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めずらしい本を手に入れました

石井孝『維新の内乱』(至誠堂新書、1974年)

先日、某古本バザーで、明治維新の研究家だった石井孝氏の『維新の内乱』(至誠堂新書、1974年)を手に入れました。

明治維新・戊辰戦争を、第1部「天皇政府と徳川政府との戦争」、第2部「東北の戦争」、第3部「蝦夷動乱」の3段階でとらえたもの。とくに第1部では、大政奉還から上野・彰義隊討伐までを、(1)大政奉還か挙兵倒幕か、(2)天皇政府と徳川政府の決戦(鳥羽・伏見の戦い)、(3)徳川政権の消滅(江戸城明け渡し)、(4)徳川氏処分の完遂の4つに区分して、時期的には非常に短い戊辰戦争第1段階での明治政府対徳川政府の対立・対抗が鋭く論じられています。

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ハンガリー特集 新日本フィル第465回定期演奏会

新日本フィル第465回定期演奏会

先週の金曜日、新日本フィルの定期演奏会ですみだトリフォニーへ。今シーズンは日程があわず、久しぶり。

プログラムは以下の通り。すべてハンガリー作曲家の作品で、かなりマニアックなプログラム。

  • リゲティ:ヴァイオリン協奏曲(1992)
  • ヴェレッシュ:哀歌〜バルトークの思い出に(1945) 日本初演
  • コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」

1曲目のソリストは、パトリツィア・コパチンスカヤ。緑のドレスで登場したけれど、なんだか妙に裾を引きずっているなぁと思っていたら、彼女はいつもステージには裸足で登壇するらしい。曲も相当な現代音楽でひっちゃかめっちゃかだったが、演奏の方も相当のノリで、本人はかなり満足だったご様子。アンコールを2曲も弾いていた。

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