読響/バルシャイ指揮:ショスタコーヴィチ交響曲第5番他

誥??日響 バルシャイ指揮/ショスタコーヴィチ交響曲第5番他

今日は、読売日響第477回名曲シリーズ。バルシャイ指揮のショスタコーヴィチを聴くためにサントリーホールへ。

  • ショスタコーヴィチ(バルシャイ編曲):室内交響曲 op.83a
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47

ショスタコーヴィチの交響曲第5番を生で聴くのは、これで何度目でしょうか。今日の演奏は、そのなかでも、ぐっと胸に響いてくるものでした。ショスタコーヴィチが、いわゆる「プラウダ」批判の後、どんな心持ちでこの曲を作曲したかは、もうすでに何度も書かれ、語られてきたことですが、今日、この曲を聴きながら、あらためて、ショスタコーヴィチの深い悲しみと、しかしけっして諦めないという気持ちを思い浮かべました。それは、僕の個人的な解釈なのかも知れませんが…。

読響の演奏は、とくに弦の音が、弱音部まで透明度の高い音を響かせていたのが良かったと思いました。やっぱりこの曲は、こうでないと! バルシャイの指揮は、ラストもテンポ抑え目で、全体を通して、作品の深い思いを響かせるような感じでした。

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これっていいかも… ヨッフム/ブルックナー交響曲第2番

ヨッフム指揮/ブルックナー:交響曲第2番/ドレスデン国立管弦楽団

この間の、デプリースト&都響のブルックナー2番にいまいち満足できなかったこともあって、あらためて手許にあるCDをいろいろ聴いてみたのですが、そのなかで、おっ!と思ったのが、オイゲン・ヨッフム指揮、ドレスデン国立管弦楽団の2番。ブルックナー交響曲全集の中の1枚です。

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都響定期Aシリーズ/ブルックナー交響曲第9番他

都響4月定期Aシリーズ

先週の都響&デプリーストのブルックナー交響曲第2番にいまいち満足できなかった分、期待を込めて上野の文化会館へ。4階正面の2列目、ほぼど真ん中のシートで、舞台のオケは遙か下に見えますが、音はきれいに上がってきます。

プログラムは以下の通り。

  • アルバン・ベルク:管弦楽のための3つの小品 op.6
  • ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調

さてメインのブル9ですが、第1楽章の出だしがあっさりしていたので、一瞬、どうなるのか不安になったのですが、その後はたっぷりとブルックナー節を聴かせていただきました。といっても、テンポは速め?で、全体としては、あまり深みにはまらず、要所要所でしっかり“らしさ”を聴かせるという感じでした。

途中、ホルンやクラリネットが、ちょっと音がひっくり返りそうになったところはご愛敬。(^_^;) それより気になったのは、弦の音。きれいに響かせる曲じゃないというのは分かりますが、それにしても、ちょっとぎゃっぎゃっと弾きすぎるように思われたのですが、どうでしょう?
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今月のコンサート(2) 新日本フィル第400回定期演奏会

コンサート3連荘の最後は、新日本フィルの定期演奏会。直前のプログラム変更で、インターネット上でもいろんな“憶測”が流れています。

もともとのプログラムは、ツィンマーマン「1楽章の交響曲」、シューマン「ヴァイオリン協奏曲」、ヒンデミット「交響曲『画家マティス』」の3曲。それが、シューマンの曲を残して、ブラームス「悲劇的序曲」、同「交響曲第4番」に。個人的には、ヒンデミットは大好きな作曲家で、アルミンクが「画家マティス」をどうふるか期待していただけに、なかなか納得のいかない変更です。

当日のプレトークでも、アルミンク氏がちらとふれておられましたが、シューマンのヴァイオリン協奏曲は、作曲家の生前には演奏されることなく、初演は1937年、ゲッペルスの指示によって、ユダヤ人であるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に代えて演奏されたという曰く付きの曲です。それに、ナチス時代に「退廃芸術」の烙印を押されたヒンデミットと、そんなナチス時代をのりこえたあと1950年代に登場したツィンマーマンの曲となれば、なるほど「信」というテーマにぴったりのプログラムだと思います。

プログラム・ノーツも、「新日本フィルの今シーズンのテーマたる『信』を語ろうとすると、最も微妙な言い回しにならざるをえない相手が、シューマンやブラームスだろう」(渡辺和氏)と、まことに微妙な書き方がされていました。(^_^;)
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今月のコンサート(1) 都響&日フィル

出張とその後のバタバタ仕事が一段落して、昨日、今日と(じつは明日も)コンサート三昧な状況となっています。(^_^;)

月刊都響4月号

昨日は、都響の定期演奏会。デプリースト指揮でモーツァルト交響曲第29番とブルックナー交響曲第2番のプログラム。

デプリーストのブルックナーは、今回が初めて。ショスタコーヴィチがよかっただけに、ブルックナーはどんなものかと期待をふくらませて聞きに行ってきました。しかしながら、第2番は、そこかしこにそれらしい展開がでてくるのですが、それがことごとくあっさり途中で次に行ってしまうので、ブルックナーらしい荘厳さが感じられません。ということで、デプリーストの指揮が悪いわけでも、都響の演奏が悪いわけでもありませんが、何となく中途半端な感じのまま終わってしまいました。(^_^;)

デプリーストのブルックナーがどうなるかは、来週月曜日の上野での第9番に期待することにしたいと思います。

で、今日は、日フィルの定期で、ベルリオーズの幻想交響曲と「レリオ」の2本立てという意欲的なプログラム。「レリオ」は、主人公レリオのモノローグ+音楽ですすむ作品です。そのため、滅多に演奏される機会がなく、僕も、生はもちろん、CDなどでも聞いたことがありませんでした。

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東京フィル第719回定期演奏会 シューベルト交響曲第4番、チャイコフスキー交響曲第6番他

3・19集会のあと、銀座パレードを我慢してぬけだしたのは、久しぶりの東京フィルハーモニーのコンサートにいくためでした。

プログラムは、以下の通り。

  • シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D.417 “悲劇的”
  • ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲 ニ長調
  • — 休憩 —
  • チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74 “悲愴”

指揮は、ヴィオラ奏者でもあるユーリー・バシュメット。1曲目が「悲劇的」で3曲目が「悲愴」と、ちょいと暗めのプログラムですが、2曲目では、指揮者のバシュメット自身がヴィオラ・ソロをするという、いわゆる“弾き振り”を楽しませていただきました。
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日フィル第578回定期演奏会 バルトーク:青ひげ公の城 他

知り合いにかなり強く頼まれ、今シーズンから久しぶりに日フィル定期にも通うことにしました。その1回目が木曜日(16日)。荒天のなかサントリーホールに行ってきました。

プログラムは以下の通り。

リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調
— 休憩 —
バルトーク:オペラ《青ひげ公の城》(演奏会形式、原語上演、日本語字幕付)

    この日のメインは、バルトークのオペラ「青ひげ公の城」。

    家族の反対を押し切って、《青ひげ公》の城にやってきたユディット姫。かつての妻たちを殺したとの噂がある。城の中に入ったユディットは、閉ざされた部屋の扉を開けるように求める。第1の扉の向こうにあったのは拷問部屋。次の部屋には、血糊がついたままの兵器の数々。第3の部屋には宝石が満ちあふれていたが、そこにも宝石の陰から血が滴る……。

    ということで、ユディットは何でこんな奴と結婚する気になったんだろう、という根本的な疑問がわいてくるほど陰惨なストーリー。ソプラノとバリトンの掛け合いでドラマと音楽が進んでゆきます。
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    演奏会シートのランク分け

    最近、ちょいと気になるのが、コンサートの座席のランク分け。同じサントリーホールでも、オーケストラによって違っています。ともかく最近は、やたらS席が広すぎませんか? これじゃSpecialな席じゃなくてStandardのSじゃないかと思うほど。

    そんななかで、都響が今シーズンからランク分けを見直して、1階の最前列や壁際2列をB席にしたほか、2階正面席でも後ろ3列はB席、RD、LDはセンターに近い方がB席で通路より壁側がC席になりました。RDやLDのB席もしくはC席というのは、かなり“お買い得”かも知れません。

    都響:サントリーホール座席表

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    新日本フィルハーモニー交響楽団第395回定期演奏会 ショスタコーヴィチ交響曲第4番他

    金曜日、新年の仕事をたら〜〜と終えつつ、錦糸町へ。新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会に行ってきました。

    • 江村哲二:武満徹の追憶に≪地平線のクオリア≫オーケストラのための(世界初演)
    • ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35
        (休憩)
    • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 作品43

    指揮は大野和士さん、ピアノはシモン・トルプチェスキ、トランペットはデイヴィッド・ヘルツォーク。

    今日のメインは、ショスタコーヴィチの2曲。会場で友人のD氏に「ピアノ協奏曲を生で聴くのは初めて」といったけれど、よく考えたら、交響曲第4番も生は初めて。いろんな意味で、ショスタコーヴィチは好きな作曲家なので、期待して会場へゆきました。

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    上野≪響の森≫ニュー・イヤー・コンサート

    今日は、午後から上野へ。文化会館≪響の森≫vol.20のニュー・イヤー・コンサートに行ってきました。飯森範親さんの指揮、東京都交響楽団の演奏で、チャイコフスキー・プログラムです。

     歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」
     ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
       (休憩)
     交響曲第4番 ヘ短調 op.36

    ソリストは、ロシアのアナスタシア・チェボタリョーワ。

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    新年最初に聴いた曲

    トラックバックネタです。
    新年、最初に聴いた曲は、マーラーの交響曲第2番「復活」

    エリアフ・インバル指揮、フランクフルト放送交響楽団、1985年の録音のCDです。最初から、ちょっとヘビーな作品でしたが、何枚かもっている「復活」のCDの中でもお気に入りの1枚です。

    伊達でございます!:新年最初に聴いた曲は何でしたか? – livedoor Blog(ブログ)

    来シーズンの定期演奏会はどうしよう…

    そろそろ次のシーズンの定期演奏会を申し込む時期になってきました。どうしようかなぁ?

    都響は、4月にデプリーストのブルックナー9番と2番。9月の「イワン雷帝」も楽しみ。
    東響も、5月のショスタコーヴィッチ、6月のグレの歌、となかなか魅力的。
    読響もなかなか面白そうなプログラム。バルシャイ指揮によるバルシャイ版マーラー交響曲第10番とか、アルブレヒトのブル8のほか、8月の名曲コンサートでの藤川真弓さんのヴァイオリンもぜひ聴いてみたいですね。
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    都響スペシャル「第九」

    26日月曜日、サントリーホールで「都響スペシャル」第九のコンサートを聴いてきました。プログラムは以下の通り。エグモント序曲が短いので、休憩なしで、第九に入りました。

    ベートーヴェン:「エグモント」序曲 op.84
    ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125 「合唱付き」

    それにしても、第九って、やっぱり不思議な曲ですね。散々聴いているはずなのに、やっぱりこの時期は第九を聴かないと一年が終わった気がしません。(^_^;)

    この演奏会の前後はほんとにめちゃくちゃ忙しく、ぎりぎりまで、演奏会をパスしようかどうしようか迷ったのですが、聴きに行って良かった。仕事の忙しさもすっかり忘れて、たっぷり音楽を楽しませていただきました。

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    マエストロ ジャン・フルネ ラストコンサート

    ジャン・フルネ(月刊都響12月号から)

    今夜の都響第618回定期演奏会は、都響名誉指揮者で現役最高齢の指揮者ジャン・フルネ氏のラスト・コンサートでした(厳密に言えば、明日の文化会館での公演が最後ですが)。サントリーホールはほぼ満席で、開演前から、普段と少し違った盛り上がりを見せていました。

    プログラムは、以下の通り。

    • ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 作品9
    • モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
         ≪休憩≫
    • ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73

    満場の拍手をうけて登場したフルネ氏は、ゆっくりと舞台中央へ。少し左足を引きずるようにも見受けられ、さらに足下を確かめるように指揮台にのぼられました。1曲目のベルリオーズの序曲『ローマの謝肉祭」は、フルネ氏のチャーミングな?演奏がぴったりの曲です。

    2曲目は、フルネ氏の愛弟子ともいえる伊藤惠さんとのコンチェルト。ゆっくりとしたテンポで始まってゆきました。

    休憩の後は、ブラームスの交響曲第2番。僕には、ブラームスの交響曲は明るい土色というイメージなのですが、それでも不思議なことに、どこかちょっともの悲しく、寂しくなるような要素が含まれていて、ブルックナーの交響曲のように陶酔した感情に引き込まれるということはないのですが、不思議と気持ちが惹かれるところがあります。それが、フルネ氏の引退コンサートにぴったりのように思いました。

    あ〜、残念だなぁ…と惜しんでいるうちに、曲が終わると、本当に満場の拍手とブラボーの喝采がいつまでも続きました。

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    読売日響第444回定期演奏会 ブルックナー交響曲第6番他

    当日のチラシ

    15日(木)、仕事を終えて、サントリーホールへ。ポーランド出身のスクロヴァチェフスキの指揮で、ブルックナーの交響曲第6番を聴いてきました。

    • スクロヴァチェフスキ:管弦楽のための協奏曲
    •       (休憩)
    • ブルックナー:交響曲第6番 イ長調

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    ハルトマン「独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための葬送協奏曲」

    Karl Amadeus Hartmann Funebre(ECM New Series 1720)

    先日の新日本フィルハーモニーのサントリー定期演奏会で、ソリストのたっての要望で急遽演目を変更し、ハルトマンの「独奏バイオリンと弦楽オーケストラのための協奏葬送曲」が演奏されたということで話題になっていますが、それではと今日、新宿のタワーレコードでCDを買ってきました。
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    都響第617回定期演奏会Bシリーズ ショスタコーヴィチ交響曲第1番他

    昨夜は、サントリーホールで都響の定期演奏会を聞いてきました。2005-2006シーズンの第1回であり、「都響=デプリースト ショスタコーヴィチ・シリーズ」の第1回でもあります。
    プログラムは

    • 武満徹:弦楽のためのレクイエム(1957)
    • モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
    •    休  憩
    • ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ヘ短調 作品10

    僕にとって、この日のメインプログラムは、やはり休憩後のショスタコーヴィチの交響曲第1番。ショスタコーヴィチがレニングラード音楽院の卒業作品として書いたもので、全体で約45分という、ショスタコーヴィチにしてみれば短めの曲ですが、そこここにショスタコーヴィチ“らしさ”が表現されていて、堪能させていただきました。

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