スーパー・コーラス・トーキョー特別公演

スーパー・コーラス・トーキョー特別公演(2011年10月6日)

木曜日、スーパー・コーラス・トーキョーの特別公演を聴いてきました。スーパー・コーラス・トーキョーというのは、合唱指揮者のロベルト・ガッピアーニがオーディションしたメンバーと、東京のプロの合唱団のなかの優秀なメンバーからなる特別の合唱団。昨年スタートして、今回が2回目の公演ということになります。

  • モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 (レヴィン版)
  • ブルックナー:テ・デウム ハ長調

独唱のメンバーも豪華で、レクイエムは、ソプラノ澤畑恵美、メゾソプラノ加納悦子、テノール福井敬、バリトン牧野正人、テ・デウムのほうがソプラノ高橋薫子、メゾソプラノ坂本朱、テノール中鉢聡、バリトン河野克典の各氏。

管弦楽は東京都交響楽団。

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読んでいます。帚木蓬生『蠅の帝国』

帚木蓬生『蠅の帝国』(新潮社)

帚木蓬生『蠅の帝国』(新潮社)

昨日から読んでいるのが、帚木蓬生氏の『蠅の帝国』(新潮社)。連続古典教室の会場前にお店を出していた書籍販売コーナーでみつけて、ついつい買ってしまったもの。

副題に「軍医たちの黙示録」とあるとおり、軍医を主人公とした短編集。全編、「私」という一人称で書かれていて、読み始めてみるとぐいぐいと引き込まれる。

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9月のコンサート

東京シティフィル第251回定期演奏会新日本フィルハーモニー第482回定期演奏会読響第507回定期演奏会都響第721回定期演奏会

9月が終わってしまいましたが、9月のコンサート、まとめて報告しておきます。とはいえ、1ヵ月近く前のものもあって、すっかり忘れてしまいましたが…。(^_^;)

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筋が分かっていても引き込まれてしまいました

蓮の会第5回公演「蝶々夫人」

17日、大学時代の後輩の奥さんが、市民オペラの公演で蝶々さんをやるというので、川口まででかけてきました。

音大出身者あり、大学の合唱部出身の銀行マンありの市民オペラ。音楽の方はピアノだけのホールオペラですが、それでもやっぱり、2幕の最後で、アメリカの軍艦が入港したことを知り、部屋に花を巻いて、ピンカートンを待つ場面では、叶わぬ夢であることが分かっていながら、表向きは無邪気に喜ぶ蝶々さんの姿に、早くもグッと来てしまいました。

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一番の主役はおばあちゃん!

あしたのパスタはアルデンテ

あしたのパスタはアルデンテ

今日は、お昼から渋谷ハチ公前での原発ゼロの署名行動に参加。最初は木陰にいたんですが、時間と共に日陰が移動して、結局、かんかん照りの炎天下に1時間……、暑かった〜

で、そのあと、銀座シネスイッチで、イタリア映画「あしたのパスタはアルデンテ」を見てきました。(今年10本目)

あらすじはこんな感じ。

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インキネン×日フィル×マーラー交響曲第3番

日フィル第633回定期演奏会(2011年9月2日)

金曜日、日フィルの、2011/12シーズン最初の定期演奏会を聞いてきました。指揮は、日フィル主席客演指揮者のピエタリ・インキネン。

  • マーラー:交響曲第3番 ニ短調

インキネンのマーラーは、前回 ((4月には第6番が予定されていましたが、インキネンが来日をキャンセルしたため、今回がインキネンの「マーラー撰集」第2回となりました。))第1番がいまいちもやっとして少々心配していたのですが、この日は、管も弦もインキネンの追求する透明感のある音を響かせて、なかなかお見事な演奏でした。個人的には、もう少し派手さと艶やかさがあった方がマーラーらしくて好みなんですが、それはそれとして、日フィルの透明度の高い音が印象的でした。

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大野和士 サントリー音楽賞受賞記念コンサート

サントリー芸術財団サマーフェスティバル2011

昨日は、第41回サントリー音楽賞を受賞した大野和士さんが振る記念コンサートを聴いてきました。

  マーラー:交響曲第2番 ハ短調 「復活」

曲目は、大野和士さんの意向で当初の予定が変更されたそうです。もちろん、なぜいま「復活」なのかは言うまでもありません。プログラムには、次のような大野和士さんのコメントが紹介されています。

 「復活」・・・この二文字に全身全霊を込めて、
皆さんと共に、祈りをささげたいと思います。 大野和士

演奏は、この言葉どおり、大野さんの気持ちがまっすぐに表わされたものでした。

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コバケンさん、読響特別客演指揮者に

読響・真夏のコバケンスペシャル(2011年8月24日)

昨日、「真夏のコバケンスペシャル」と銘打たれた読響のコンサートを聴いて参りました。前半リスト、後半マーラーという豪華なプログラムです。ピアノは、22歳の金子三勇士くん。

  • リスト:交響詩「前奏曲」
  • リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
  • マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」

コバケンこと小林研一郎氏は、この8月から、読響の特別客演指揮者に。いわば、その記念コンサートといった感じで、お客さんもいっぱいでした。

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ベルリングェルが死んで奇跡は起こった

映画「人生、ここにあり!」

東京は、今日は午前中から雨が降り出し、一時はかなりの土砂降りになりましたが、夕方には一段落したので、昨日に続いて、またまた映画を見に出かけました。

今夜はイタリア映画「人生、ここにあり!」です。(今年9本目)

舞台は1983年のイタリア・ミラノ。市場に対応すべきだと唱え、「市場主義者!」と罵られて、労働組合をクビになったネッロが紹介されたのは、精神病院の患者たちの協同組合 ((日本でおなじみの生協も協同組合ですが、生協は消費協同組合。ここに登場するのは協同組合企業、生産協同組合です。))のマネージャーの仕事だった。しかし、彼らの仕事と言えば、封筒に書類を入れたり切手を貼ったりという退屈な補助作業ばかり…。ネッロは、組合員に、補助作業を続けるのか、それとも本格的な仕事で市場に挑戦するのかと提案する。すったもんだの議論のあげく、仕事は寄せ木の床張り作業に決定。しかし、障害を抱えた組合員たちの仕事はなかなかうまくいかない。そんなある日、ネッロが不在中に、床に貼る木が足らなくなり、廃材を使って勝手に作業を進めてしまう。それがデザイナーにうけたことから、協同組合の仕事はうまく滑り出すのだが……。

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「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

休みが続いてすっかりヒッキーになりつつあるので、今日は、夕方になってから映画を見に出かけました。(今年8本目)

「ペーパーバード 幸せは翼にのって」。スペイン映画です。

舞台は、内戦が終結したあとのスペイン。フランコ軍の爆撃で妻と息子を失った喜劇役者ホルヘは、1年後、ふたたび旅劇団に復帰する。相方のエンリケ、そしてエンリケにひきとられた孤児のミゲルといっしょに、ふたたび舞台に立つ。内戦に勝利したフランコ政権は、反体制派に徹底的な弾圧を加える。一人の大尉がホルヘに目をつけ、劇団に部下のパストールを送り込む。やがて、劇団はフランコ総統の前で芸を見せることに……。

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読響サマーフェスティバル

読響サマーフェスティバル・三大交響曲

招待券をいただいたので、夏休み、読響のサマーフェスティバル「三大交響曲」を聴いてきました。プログラムはこんな感じです。

  • シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D.759 「未完成」
  • ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」
  • ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95 「新世界から」

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本日のお買い物

ラトル/ブラームス&シェーンベルクミュンシュ/ベルリオーズ:幻想交響曲 ほか

今日は仕事帰りに新宿のタワーレコードでCDを物色。いろいろ気になるものもありましたが、とりあえず買ってきたのはこの2枚。

1枚目は、サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団:シェーンベルク&ブラームスのCD。ブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルクによる管弦楽曲版とシェーンベルクの室内交響曲第1番(管弦楽版)を収めたもの。

2枚目は、シャルル・ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団:ドビュッシー「海」&ベルリオーズ「幻想交響曲」。有名な、1967年11月のパリ管旗揚げ公演のライブ録音です。

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こんなものを買ってしまいました

広上淳一監修『CDでわかるクラシック入門』(ナツメ社)

広上淳一監修『CDでわかるクラシック入門』

4月に、広上淳一さんがこんな本を出していました。(^_^)

「クラシック入門」を謳う本はいろいろありますが、これは、「クラシック音楽の実質」を理解することを目的とした本です。そこで、音楽の調、テンポ、強弱、伸ばす・伸ばさない、繰り返す・繰り返さない、などなど、作曲家がどこにどんな仕掛けを仕込んでいるかを読み取れるようになろう、あるいは、演奏のテクニック、演奏家の腕の見せ所などなど、クラシック音楽の仕組みが解説されています。

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仙台オペラ協会「鳴砂」

仙台オペラ協会「鳴砂」

仙台オペラ協会「鳴砂」

新国立劇場の地域招聘公演ということで、仙台オペラ協会の「鳴砂」というオペラを見てきました。

初演は1986年。昨年、20数年ぶりに再演され(改訂版による)、今回、初の東京公演となったわけです。3月の東日本大震災で、出演者のみなさんも被災して、公演をおこなうかどうか議論を重ねたそうですが、「一歩でも前へ」ということで昨日、今日の公演にこぎ着けたわけです。

舞台は、美しい「鳴砂」の浜を持つとある漁村。そこに、嵐に流されて不思議な船が流れ着いたことから、悲劇が起こるという、悲しいお話ですが、ラストは、出演者全員に加えて、現在に生きる人々が登場して、未来への希望や復興が描かれます。会場のお客さんからも、大きな拍手が送られていました。

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渋いプログラムでしたが

新日本フィルハーモニー交響楽団 第481回定期演奏会(サントリーホール)

新日本フィル定期演奏会。指揮はアルミンク。28日、サントリーホールにて。

  • ウォルトン:ヒンデミットの主題による変奏曲
  • ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 op.15
  • ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

ヒンデミット好きの私としては大変楽しみなプログラムでしたが、やっぱりちょっと渋すぎたのか、ホールはかなり空席が目立ちました。

3曲の中で、一番よかったのは、2曲目のブリテンのVn協。ブリテンって、戦争レクイエム以外はあまり聴いたことがないのですが、この曲は、スペイン内戦の迫りくる「不安」をモチーフにした作品。それをソリストのイザベル・ファウストが見事に引き込んでいくという感じで、思わず引き込まれてしまいました。

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小松左京さん死去

SF作家の小松左京氏が亡くなった。

僕がSFを読み始めたころ、ちょうど「日本沈没」がラジオドラマとして放送されていて、小松左京はいわば「時の人」だった。「日本沈没」はその後映画化もされたけれど、僕には、あの毎日15分のラジオ放送が思い出される。

「日本沈没」SF作家・小松左京さん死去 80歳:MSN産経ニュース

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こんどは團伊玖磨《HIROSHIMA》

團伊玖磨:交響曲全集(山田一雄、團伊玖磨指揮、ウィーン交響楽団)

團伊玖磨:交響曲全集

佐村河内守氏の交響曲第1番《HIROSHIMA》に続いて、こんどは團伊玖磨氏の交響曲第6番《HIROSHIMA》を聴いてみたいと思っていたら、タワーレコードで交響曲全曲集が3,000円で売っていたので、早速買ってきました。

團伊玖磨氏の《HIROSHIMA》を聴いてみようと思ったのは、読響の『月刊オーケストラ』7・8月号の下野竜也氏の一文。

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下野竜也×読響×ブルックナー+上岡敏之×東フィル×シューベルト

読売日本交響楽団第4回オペラシティ名曲シリーズ(2011年7月18日)東京フィルハーモニー交響楽団第806回サントリー定期演奏会(2011年7月22日)

先週は2つのコンサートを聴いてきました。

まず18日、下野竜也氏が振る読響のコンサート。ヒンデミット&ブルックナーという意欲的なプログラムでした(こういうのを「名曲コンサート」でやるあたりが下野さんらしい)。

  • ヒンデミット:〈さまよえるオランダ人〉への序曲〜下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした〜(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)
  • ヒンデミット:管弦楽のための協奏曲 op.38 (日本初演)
  • ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 WAB.104 〈ロマンティック〉(ハース版)

22日は、サントリーで東フィルの定期。ヴッパータール響で活躍中の上岡敏之氏の指揮。

  • シューベルト:交響曲第7番 ロ短調「未完成」 D759
  • シューベルト:交響曲第8番 ハ長調「グレート」D944

まず、下野さんの読響定期から。

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佐村河内守:交響曲第1番《HIROSHIMA》

佐村河内守:交響曲第1番《HIROSHIMA》

佐村河内守:交響曲第1番《HIROSHIMA》

今日、某新聞に紹介されていましたが、佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんの交響曲第1番《HIROSHIMA》のCDが、昨日、発売されたということで、さっそく帰りに新宿タワーレコードで買ってきました。

広島に被爆2世として生まれ、聴力をすべて失ってなお書き上げられた作品。全3楽章、80分を超える大作で、しかも、マーラー、ショスタコーヴィチを思わせるような正統派の交響曲です。聴いてみると、曲の細部まで充実した、こうでしかありえないという緻密な構成でありながら、ところどころに懐かしさを感じるような音の構成があって、まったく飽きさせるところがありません。曲のエネルギーの大きさに圧倒される、実に堂々とした作品です。

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重厚で切れ味よく 飯守×東京シティフィル×ベートーヴェン第5番ほか

東京シティフィル第247回定期演奏会(2011年7月13日)

先週の水曜日、オペラシティで、飯守泰次郎氏による、東京シティフィル「ベートーヴェン交響曲全曲シリーズ」の最終回を聴いてきました。当初は3月17日に予定されていましたが、東日本大震災のために延期されていたものです。

  • ベートーヴェン:「コリオラン」序曲 op.62
  • ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 op.36
  • ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67

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