選手会、プロ野球組織が合意

選手会とプロ野球組織(NPB)とが合意し、ストを構えた交渉は妥結しました。大阪近鉄バッファローズの選手にとっては、合併を認めざるをえず、残念な結果になってしまいましたが、さらなる球団合併、1リーグ制へという“流れ”を差し止めることができて、本当によかったですね。

ともかく古田選手、磯部選手をはじめ選手会のみなさん、本当にご苦労さまでした。

プロ野球:ストは回避 選手会とNPBが合意(毎日新聞)

日本プロ野球選手会のコメント

日本プロ野球機構「ファンの皆様へ」
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結局、楽天なの?

楽天が、仙台宮城球場をホームグラウンドに加盟申請するとの方針を明らかにしましたが、これがいかに突然だったかは、大阪府知事がその直前まで大阪誘致に自信を見せていたことからも明らかです。しかし、なぜ楽天も宮城なのか?

来季12球団維持!『楽天』承認へ、本拠地は仙台(サンケイスポーツ)
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巨人、軌道修正か?

巨人のオーナー・滝鼻卓雄氏が、読売新聞のインタビューで、「セ、パ両リーグとも6球団ずつが理想」と、パリーグへの来季からの新規球団加盟を支持すると表明。

「いまさら、何を!」と言いたくなるのは確かですが、まあ、世論に押されての事実上の軌道修正なのだから大目に見てやりましょう。

「パ6球団が理想」滝鼻・巨人軍オーナー、参入に期待(YOMIURI ON-LINE)
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来季パ6球団へ前進?

今日の日本プロ野球組織と選手会との交渉で、NPB側が、公正な審査をして参入が認められれば、来季パ6球団もありうるとの態度を示したことで、交渉が前向きの展開をみせる可能性が出てきました。

<プロ野球>新規参入で譲歩案提示 第2波スト回避へ前進(毎日新聞)
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プロ野球スト 新聞各紙は?(追加)

プロ野球ストについての、地方新聞の社説を調べてみました。まずは、「神戸新聞」(兵庫県)と「中国新聞」(広島県)です。

神戸新聞「プロ野球スト/だれがこれを招いたのか」(18日)
「ひと言でいうなら、経営側の独善となるだろう。『初めに合併ありき』で、球界の将来を見通して、当事者である選手会と話し合う姿勢を、経営側が持たなかったことに尽きる。それは交渉決裂の記者会見で、経営側の言葉に象徴に表れている。『合併問題は経営事項』が、それである」。「ストという事態で一番怒るはずのファンの多くが選手会を支持する理由は、選手会の主張に球界の将来を考える姿勢に共感したからに他ならない。経営側はそのことを読み誤ってはならない。 /経営側から違法行為、損害賠償という言葉ばかり出てくることに、この組織の古さを感じざるを得ない」
中国新聞「プロ野球スト決定 残念…やむを得ぬか」(18日「社説」)
「合併凍結の要求は置くとしても、新規参入が再来年ならいいが、なぜ来季ではだめなのか。協議終了後の会見でも球団側の説明は説得力に乏しかった」。「説明によると、だめな最大の理由は『もう時間がない』である。野球協約では新規参入の届け出期限は『前年の11月30日』とある。まだ2カ月以上ある。期限を延ばしてでも新規参入の道を開く柔軟さはあってもよかったのではないか」。「第一、ライブドアが早い段階で近鉄球団の買収に名乗りを上げたにもかかわらず、話を聞こうともせずにそでにしたのは球団側である。……そこはほおかむりし『時間がない』と言っても説得力に欠けよう」。「経営側が両球団の合併を唐突に打ち出したことや、これまでの経過を振り返れば、合併を推進する一部の球団オーナーらの意図は『1リーグ制の導入』にあることは明らかだ」。「ストを構えた選手会をファンの多くが支持したことを球団やオーナーらはもっと重く受け止めなければならない」

ちなみに、広島では、カープの新球場建設が焦点になっているようです。

続いて、青森県の「東奥日報」と宮城県の「河北新報」です。

東奥日報「経営側は参入に門戸開放を」(19日社説)
「『公正な審査をするには時間がない』というNPB側の主張に説得力があろうか。これでファンが納得できるだろうか。十分な時間があるのに、新規参入を1年遅らせるのは、単なる嫌がらせか、職務怠慢のどちらかと受け取られても仕方あるまい」
河北新報「プロ野球スト決行/どうなる宮城への球団進出」(18日社説)
「今回のスト問題は、選手やファンを軽視し、球団合併、再編に向けて、経営者側が問答無用で強行しようとしたことが大きな原因と言える。新規参入に名乗りを上げる企業が出ているにもかかわらず、積極的に対応せず、選手やファンの不信を増す結果となった」

それから、北海道新聞の社説では、根来コミッショナーの提案を「遅きに失した」、あるいは経営者側の「隠れみの」になる危険性があると批判しているのが注目されます。

北海道新聞「プロ野球スト*経営者側の責任は重い」(18日社説)
「動かないと批判された根来泰周コミッショナーは16日、新規参入の条件の緩和や、球界改革に取り組むためのプロ野球有識者会議設置などの提案を行った。しかし、これは遅きに失したといわざるを得ない。/ぎりぎりになって提案し、時間がないことを理由に選手会の要望を顧慮しないのでは、選手会側の疑念をぬぐうことはできない。/有識者会議にしろ、新規加盟球団の審査委員会にしろ、経営者側の息がかかった人間で構成されれば、それは新規加盟を望む企業や選手の要望を排除する隠れみのにしかならない」。「そもそも経営者側がファン、選手を甘く見て独断で事を運んだことが、ここまでこじれた原因である。両者が歩み寄ることができる提案を示せなかった経営者側の責任は極めて重いといわざるを得ない」

もし損害賠償請求で裁判になれば

プロ野球のストライキで、もし球団側が損害賠償請求で裁判を起こしたらどうなるか? 選手会を応援するファンもやきもきしている問題でしょう。これについて、コモエスタ坂本氏が興味深いコメントをしています。

「猿でもわかる選手会ストQ&A」 – [野球・メジャーリーグ]All About Japan
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遁走するオリックス球団経営者

オリックス球団経営側が開設したホームページの掲示板が閉鎖されました。「本来の目的、趣旨から大きく逸脱した内容の投稿が多く見受けられる」というのが理由だそうですが…。

<プロ野球スト>オリックス、HP掲示板を閉鎖(毎日新聞)

ちなみにオリックス球団の公式ホームページはこちら。閉鎖された掲示板は、右上の「Community」から入るようになっています。

http://www.bluewave.co.jp/
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賠償請求する球団、しない球団

選手会のストライキにたいして、プロ野球組織側は各球団が損害賠償することになるとしていましたが、今日のところ、球団によってかなりの温度差があるようです。

中日は、白井オーナーが賠償請求しないと言明。日ハムも、オーナー、会長、社長の三者会談で、請求しないことを決定しました。意外なことに、近鉄も請求しない方針のようです。まあ、球団が無くなるのですから、いまさら請求云々と言ってみても仕方ないのかも知れません。

これに対し、オリックスは、小泉隆司球団社長が記者会見して賠償請求する方針を明らかにしています(18日)。 ダイエーも、5億円の損害賠償する方向で検討すると表明しています。
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日経新聞も態度変更?

新聞各紙がこぞってストについての社説を出す中、日経新聞は、昨日は社説なし。その代わり、スポーツ欄で編集委員島田健氏が「経営権に踏み込むスト」という解説記事を署名入りで書いていた。曰く、「近鉄とオリックスの統合はまさに経営権の問題」。「そこまで要求するなら我が身を削る覚悟があるのか聞きたくなる」。「今回は選手の雇用が確保されることが決まっている。なぜ、ストまでと思う人も多いだろう」など、いちおう喧嘩両成敗的なことは書いてあるとはいえ、基本は選手会側の身勝手、我が儘を強調する内容。日経らしいコメントともいえるが、選手会側はすでに年俸問題を含む協議で合意しているのだから、「我が身を削る覚悟があるのか聞きたくなる」というのはあまりに不勉強だ。

ところが、今日になると、立場を一転させて、プロ野球組織・球団側の態度を批判していた。

日経新聞「来季からの新規参入を認めるべきだ」(19日社説)
「選手会側が要求した『来季からの新規参入』がなぜ認められないのか、日本プロ野球組織(NPB)と球団側が明確な説明をしない限り、ファンも納得しないだろう」。「不可解なのはNPB・球団側の対応である。新規参入を妨げていた加盟料60億円、参加料30億円を撤廃し、新たに保証金制度を導入して新規参入を促すとしながら、選手会側が求めた『来季からの新規参入』を『審査に時間がかかる』という理由で拒否したのは説得力に乏しい」。「NPB・球団側が『来季パ5球団』にこだわるのは理解に苦しむ」。「NPB・球団側はファンの視線を意識し、公明正大な手法でプロ野球の改革に取り組むべきである」

日経新聞がなぜ態度変更したか分からないが、この社説には全面的に賛成したい。

プロ野球スト 新聞各紙は?

プロ野球のストライキについて、新聞各紙はどういう立場を取っただろうか。社説などを見比べてみた。

毎日新聞「責任はNPBの怠慢にある」(18日「社説」)
「(新規参入について)カレンダーに照らし合わせてみるまでもなく、来春に間に合うだけの十分な時間はある。『公正な審査をするには、時間はない』というNPB側の言い分には、協約上、説得力はない。時間があるのに1年後回しにするのは、NPB側の職務怠慢である。その結果、ストが行われるのだから、『どっちが悪い』と聞くまでもなくストの責任はNPB側にある。損害賠償など、論外の話だ。」
朝日新聞「このストを生かせ」(18日「社説」)
「時間を延ばした交渉で、選手会は新規参入について、来季に向けて最大限努力してもらいたいとまで譲歩した。…だが、経営側はこれを認めれば合併の意味が無くなると考えたのだろう。新規参入について『最大限努力する』という約束さえも拒んだ」「これは理解できない。あまりにもかたくなではないか」
東京新聞「一日も早く解消せよ」(18日社説)
「来季セ、パ六球団の維持を求める選手会側に、『最大限の努力』さえ約束できないプロ野球組織側の姿勢は、ファンの目にも奇異に映るはずである。そもそも、パ・リーグが五球団になることが、不自然な状態なのである」

 「読売新聞」は、「ファン裏切る“億万長者”のスト」(社説)のタイトルが示す通りで、中身を紹介する気にもなれない。
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東京新聞スポーツ欄の方針変更

プロ野球選手会のストライキをめぐって、東京新聞は、社説でも「日本プロ野球組織、選手会双方に引き続き全力を尽してもらいたい」と言いつつ、「来季セ、パ六球団の維持を求める選手会側に、『最大限の努力』さえ約束できないプロ野球組織側の姿勢は、ファンの目にも奇異に映るはずである」と、選手会側支持の立場を鮮明にしている。社会面にとりあげられた「識者の声」も、そろってオーナー側の非を指摘するものばかり。

その中で、スポーツ欄だけが「ファンの思いどこへ」「労使綱引き 最悪の事態に」の見出しが踊り、「選手会はやや感情的」「ストライキの敢行に行き着いては取り返しがつかない」と、最終的には選手会側に非があるとする特異な立場を展開していた。なぜ…?
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古田男泣き

昨日の「すぽると」で、番組側がファンからのメッセージを読み上げるのを聞いて、古田選手が思わず男泣きしていました。やっぱり相当悔しかったんでしょうねえ。プロ野球機構側からは「ストライキの原因は古田だ」みたいな個人攻撃まで受けて…。疲れもあって、こらえていたものがこみ上げてきてしまったんでしょう。

しかし、テレゴングの結果は、スト賛成が37万以上、反対は1万2千ほど。30倍の大差がつきました。ファンはみんな応援している! 古田がんばれ!

すぽるとでの坂井氏の根来批判

昨日の「すぽると」で、元西武・ダイエー代表の坂井氏が、根来コミッショナーが12球団に秘密文書を配っていると批判した発言の全文を紹介しているブログを発見しました。ニュースを見逃した人はぜひご覧になってください。

マリンブルーの風:卑怯なり根来。敵前逃亡の内幕

メディアは、この指摘をぜひ検証してほしい。スポーツ関連の新聞・番組なども、自分たち自身が“巨人におんぶにだっこ”の存在なのか、それとも自立したジャーナリズムなのか、それが問われています。
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根来コミッショナー

フジテレビの「すぽると」で、元西武・ダイエー球団経営者の坂井氏が、根来コミッショナーについて、次のように発言していました。(ビデオをとった訳ではないので、あくまでこういう趣旨の発言ということです)

根来コミッショナーは、「選手会は労働組合ではない。違法ストライキだ」という秘密文書を12球団に回した。だから辞任なんて言うけれども、強行にやれとあおっておいて、どうにもならなくなって遁走しただけだ。このことは、時期は分からないが、やがて明らかになる。

これが本当だとしたら、とんでもないことです。

プロ野球選手会がスト決定

プロ野球選手会がスト突入を決定しました。
ニュースなどを詳しく見ていないので、交渉経過がいま一つよく分かっていないのですが、結局は、選手会側が来季パリーグ6球団の可能性を最大限追求したかったのを、球団側が拒否したというのが結論のようです。

しかしその結論は、昨日の交渉開始の段階からある程度予想されていました。12球団うちそろっての異様な記者会見での「近鉄・オリックスの合併見直しというのは古田選手の事実誤認だ」という瀬戸山議長の発言は、「来季パリーグ5球団以上」という合意を一方的に覆すものです。初めから、球団側に合併見直しをやるつもりがなかったのなら、先週の合意は選手会にウソをついて選手会を騙したということです。いったん合意した「見直し」が、オーナーに覆されたというのなら、球団代表は全員辞職すべきです(まあ、機構側の協議交渉委員会なるものが、実は“子どもの使い”でしかなかったということですが…)。どっちにしても、スト突入の責任は、球団側にあることは明白です。

新規参入について、「公平を期すために、慎重に審査する必要がある」という機構側の見解は、誰が聞いても唐突な印象をまぬがれません。なぜなら、球団合併のときは「慎重」な検討などまったくされなかったからです。最後になって突然労使交渉を「公開」でやろうと言い出したのも、それまで自分たちが「密室」で合併を強行したことへの反省など一言もないままでは、はなから昨日今日の交渉を決裂させるための「ためにする」提案だと思わざるをえません。

もう1つ、根来コミッショナーの「調停案」なるものが出されましたが、内容は、先週の機構側と選手会の合意以下のもの。新規参入促進も、球界改革のための協議機関の設置も、すでに合意済みのことで、しかも機構側と選手会の合意では、機構側と選手会側とで協議するとなっていたものを、第三者をいれて水で薄めようなどという「調停案」は、調停の名に値しない出来の悪い代物です。自らの首をかけると言ったのですから、こんなぼんくらコミッショナーにはさっさと辞職してもらっても何の不都合もありません。

さて、問題は今後です。優勝争いと日本シリーズについては、選手会側は「土日」の試合をやらないとしか言っていないのですから、日程を組み替えれば、十分消化できるのではないでしょうか。その日程調整をどうするかは、機構側が考えること。手をこまねいて、リーグ優勝と日本シリーズを頓挫させるとしたら、その責任は機構側が追うべきものだと思います。

これで、球団合併問題をめぐる動きは、次の段階にすすむことになります。選手会の主張――来季もパリーグ6球団でという要求――は、ファンにも支持された道理ある要求なのだから、変な妥協などはからずに、選手会は堂々とストライキを行なうべきです。そしてファンは、今回露呈したオーナー側の独善的な運営をあらためさせるために、選手会と一緒になって声を上げるべきだと思います。

ストライキ決行のお知らせ―日本プロ野球選手会
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