昨日の日本共産党大演説会で、志位委員長が紹介していた「双日総研」のリポートというのは、これ↓。
「溜池通信」第440号(2010年4月2日)「2010年度日本経済の現場検証」
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昨日の日本共産党大演説会で、志位委員長が紹介していた「双日総研」のリポートというのは、これ↓。
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昨日(5月10日)付の「日本経済新聞」に載っていたグラフ。左は所得階層別の世帯数の変化(2000年=100とした指数)で、右は男性の年齢別賃金水準(いわゆる「賃金カーブ」)が1985年、2000年と比べてどう変化したかを表わしたものです。
まず1つめのグラフをみて驚くのは、次の点です。
企業の2010年3月期決算(2009年度決算)が発表されているが、東芝が営業損益1171億円の黒字、富士重工業は経常損益223億円の黒字、IHI(むかしの石川島播磨)も最終損益173億円の黒字、など、業績黒字回復が続いている。パナソニック(むかしの松下電器)は連結決算で赤字と報じられているが、営業損益では1905億円の黒字だ。
自動車産業も、業績回復は明らか。トヨタ自動車は1000億円の黒字となる見通しと言われ、トヨタ自動車系メーカーも8社中7社が営業黒字を計上、デンソーは最終損益で734億円の黒字。マツダも営業損益94億円の黒字となった。三菱自動車は営業損益139億円の黒字、47億円の純利益をだした。
いずれも、黒字化の原因は固定費の削減。要するに、一昨年のリーマンズ・ショック以来の「派遣切り・非正規切り」さらには「正社員切り」で人件費を削減した結果だ。企業は業績回復をしているが、雇用状況は深刻なまま。大企業栄えて、国滅ぶー―そんな情景がますますあらわとなっている3月期決算だ。
東芝、営業黒字1171億円 半導体が回復:日本経済新聞
富士重、2期ぶり営業黒字 「大型車離れ」で北米好調:SankeiBiz
IHIの10年3月期、最終黒字173億円:日本経済新聞
パナソニック、連結決算はマイナス幅縮小、同時に新中期計画を発表:朝日新聞
トヨタ決算 一転して黒字へ:NHKニュース
トヨタ系メーカー:主要8社中7社が営業黒字を計上:毎日新聞
マツダ3月期決算…新車販売前年割れでも営業黒字に:レスポンス自動車ニュース
三菱自動車、純利益も2期ぶり黒字 3月期決算:朝日新聞
この右肩上がりのグラフを見てください!! 財務省の法人企業統計で明らかになった企業の経常損益のグラフです。
一昨年のリーマンズ・ショックいらい、とくに製造業で大幅に落ち込んでいましたが、昨年10?12月期には全産業で10兆3763億円の利益。製造業4兆円近い利益をあげて、V字で業績を回復しています。
09年10?12月 設備投資が17%減少 : 東京新聞
法人企業統計:2年半ぶり増益 業績持ち直し傾向鮮明に : 毎日新聞
消費支出、6か月連続プラス…収入はマイナス : 読売新聞
「朝日新聞」本日付の「経済気象台」で、コラム氏が「強い処をより強く」と題して、こんなことを書いている。
……最近気になるのは、強者を否定する論説がこの国の一部に見られることである。
否定しないまでも強者を矯めて弱者を育てよう、とする空気がある。あえていうが、こんなことをすれば両者共倒れは必至である。企業が育つということはそんなに甘いものではない。……
したり顔でこんなことを言っているが、僕にいわせれば、このコラム氏は経済のことがまったく分かってない。規制緩和すれば経済は成長するという、いまだにこんなワンパターンなことしか言えないのか、とあきれてしまうだけ。
なるほど、国富を増やすことは必要だし、企業が育つというのは甘いものではない。しかし、そのために「強い処をより強く」といっているだけではだめである。企業が本当に「より強く」なるためには、ルールが必要なのだ。
本日の日経新聞「大機小機」は、なかなか面白い着眼だった。
「民主不況」などという議論にたいして、「株価や為替の動向は政権に対する通信簿ではない」と喝破して、市場の「揺さぶり」を批判するだけでなく、現下の景気悪化を、「小泉改革」による「遅れてきた『改革不況』」かもしれないといっているのは、なかなか的確な指摘ではないだろうか。
4月末に発表された経済統計について。
1つは、昨年10月以降すでに職を失ったか、今年6月までに職を失うことが分かっている非正規労働者が20万人を超えた。正社員の失職者は同じ時期に1万8000人を超えた。失職した非正規労働者のうち、再就職が把握できたのは1万5617人で、全体の7.5%しかない。
3月の完全失業率が季節調整済みの数字で4.8%になり、前月比で0.4ポイントの急上昇。2004年8月以来の高水準となった。数でみると、完全失業者(実数)は335万人で、2005年10月以来の300万人超え。前年同月比で67万人増、25%も増えたことになる。「勤め先都合」による離職者(つまり会社の都合でクビになった人)は106万人で、前年同月より50万人も増えている。
三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクが、そろって赤字決算になることが明らかに。
というのだけれど、みずほフィナンシャルグループは昨年1月に米メリルリンチに1300億円を出資して800億円の欠損、三井住友グループも同6月に英バークレーに1000億円を出資して600億円の欠損を出している。なんと、欠損率60%!!
しかし、すでに2007年後半にはサブプライムローンの破綻は明らかになっていたのだから、損するのは分かっていたはず。みすみす金をドブに捨てに行ったようなもの。
こんなデタラメなことをやっておきながら、赤字を口実に貸し渋り・貸し剥がしをやられたのでは、たまったもんではない。公的資金投入など論外だろう。
3メガ銀、赤字転落へ 前期最終損益(NIKKEI NET)
3メガバンク:三菱UFJ・みずほ・三井住友、最終赤字転落――3月期見通し(毎日新聞)
3メガバンク赤字転落へ 株下落と不良債権増加で(共同通信)
今日も東証株価は低迷。昨日に続いて、バブル後最安値を更新。7000円を目前にして、「年金」が買い支えか?
東証終値7054円98銭、バブル後最安値を更新(朝日新聞)
東証、3日続落 連日のバブル後最安値(MSN産経ニュース)
東京市場の主要指標10日 株連日バブル後安値、円上昇、債券続落(NIKKEI NET)
NYダウは12年ぶり安値、79ドル安の6547ドル(読売新聞)
東京株式市場・日経平均株価が終値で7,086円となり、バブル後最安値を更新。26年5ヶ月ぶりの安値水準に。
これといって爆弾的な情報はないのだけれど、アメリカの景気見通しが悪化するなかで、N.Yダウとともにじりじりと下がり続けている、という感じ。いったいどこで反発するのか。1929年の世界恐慌のときも、N.Y株価が最安値を記録したのは1932年。今回の経済危機も、まだまだ「序の口」かも知れない。
日経平均終値7086円、バブル後最安値更新(読売新聞)
東証大引け、26年5カ月ぶり安値 金融・景気の先行き不安で(NIKKEI NET)
東証、午後下げ幅拡大 バブル後最安値下回る(朝日新聞)
ニューヨークの株安に続き、日本でも一時バブル崩壊後最安値を記録。
同時株安が加速…ダウ12年ぶり安値、東京株も一時下落(読売新聞)
東証、一時バブル後最安値割り込む 金融株下落目立つ(朝日新聞)
商品が売れ残っても、仕入れ原価はきっちり加盟店に負担させながら、加盟店には自由に値引きして売ることを許さない。そんなわがまま勝手がまかり通る不思議な業態。
他にも、加盟店に仕入商品の原価を教えないなど、コンビニにはまだまだ不思議なことがいっぱいある。
セブンイレブン、加盟店の値引きを制限か 公取委が調査(朝日新聞)
セブン-イレブンを調査 公取委 弁当値引き 不当制限の疑い(東京新聞)
これ↑は、「毎日新聞」に載っていたグラフ。サブプライムローン証券化問題に端を発したアメリカの金融危機。にもかかわらず、日本の落ち込みの何と激しいことか!!
要するに、この間の日本経済の「成長」が輸出頼み、外需頼みだったことの反映なのだが、じゃあ、それ以前は輸出で「成長」していたかと言えば、日本の成長率が特に高かった訳でもない。つまり、外需を差し引いて考えれば、日本はむしろ成績が悪かったといえる。
しかし、ともかくこの落ち込みの急激さは前例がない。来月になれば、年末以上の大量解雇「非正規切り」がおこなわれ、日本経済の落ち込みはさらに激しくなる。文字通り「景気の底が抜ける」事態になりそうな状況だ。
GDP大幅減:財政出動、圧力強まる 問われる成長戦略(毎日新聞)
GDP:年率12.7%減、落ち込み深刻 10?12月期(毎日新聞)
総務省統計局が2008年12月の「労働力調査」を発表。完全失業率は4.4%(季節調整値)で、11月から0.5ポイントも悪化した。
完全失業者数も前年同月比で39万人増。「自己都合」5万人増というのもあるが、「会社都合」で失業した人が25万人も増加している。
完全失業率:12月は4.4% 有効求人倍率は0.72倍(毎日新聞)
完全失業率:一層悪化の懸念 企業が短期収益確保迫られ(毎日新聞)
NECはグループ全体で正社員を含めて2万人を削減すると発表。売上高が減少しているのは事実だが、純損益2900億円のうち、営業損益が300億円の赤字だけ。純損益の半分近くは、グループ企業の日本電気硝子の株式評価損1400億円だ。
NEC赤字2900億円、グループで2万人の人件費圧縮(朝日新聞)
総務省統計局発表の「労働力調査」はこちら↓。PDFファイル 57KBが開きます。
労働力調査(速報)2008年12月分(基本集計) : 総務省統計局
「毎日新聞」25日付に載っていたグラフです。
いかに10月以降、日本経済が落ち込んできたかが一目で分かります。
1/24付「日経新聞」が最初に報じた、一般企業にも公的資金を注入するという話。今日のロイターによれば、経産省が産業活力再生特別措置法(産活法)の改正という形で検討を進めていることを金融庁長官が認めたそうだ。
ということは、本気で、一般企業にも公的資金を注入しようと考えているらしい。う〜む、日本は資本主義国のはずなんだが…。
一般企業への公的資金注入、想定は資金調達困難な企業と認識=金融庁長官 | Reuters
一般企業に公的資金、政府が注入制度 経済安定へ安全網(NIKKEI NET)
公的資金:政投銀など活用、一般企業に 出資金を保証(毎日新聞)
日経新聞で昨日(1/25)から連載の始まった「経済収縮―迫られる構造調整」は、なかなかおもしろい内容。
1回目では、今回の危機での生産縮小の問題を非常に大づかみに取り上げている(「生産3割減 『25兆円』喪失も」)。
現在発行中の『議会と自治体』2009年2月号(日本共産党発行)に載っている大木一訓「『非正規』労働者の失業にどう対応するか」という論文。現下の雇用危機の焦点がどこにあるか、非常に分かりやすく論じられている。関心ある方にお薦めします。
12月の輸出が先月比で35%のマイナス、貿易黒字は1年前から8割も減少。もはや”外需頼み”の日本モデルは完全に破綻。日銀の予想でも、09年度のGDP伸び率はマイナス2%に。
貿易統計:先月の輸出35%減 昨年、貿易黒字8割減(毎日新聞)
09年度成長率、過去最悪 日銀見通しマイナス2%に(中日新聞)
自動車ではすでにホンダが非正規従業員をゼロにすると発表しているが、トヨタも、夏までに期間従業員をセロにする方針を明らかにした。
それにしても、トヨタの正社員は6万9000人。それにたいして期間従業員はピーク時には1万1000人もいたというのだ。14%、7人に1人が期間従業員だったということになる。ラインだけをとってみれば、もっと高い比率になる。文字どおり、非正規従業員によって、トヨタは莫大な利益を上げてきた訳だ。その利益の“生みの親”を、真っ先に首切ろうとしているのだ。