この親にしてこの子あり

世界的な金融危機で、銀行への資本注入を可能にする「金融機能強化法」改正案が取り沙汰されているが、石原伸晃・自民党幹事長代理は、この公的資金の資本注入は、新銀行東京にたいしても可能だと発言。

新銀行東京は、今年4月に都が400億円の税金を追加出資したばかり。しかし、金融庁の調査で100億円の引き当て不足を指摘され、早くもこの400億円が消えてなくなろうとしている。早い話、父親(石原都知事)のヘマを、息子(伸晃氏)が税金で穴埋めして上げようということだ。

資本注入、新銀行東京も対象と石原氏(時事通信)
新銀行東京、都の追加出資棄損へ 引き当て不足100億円(NIKKEI NET)
「詳細聞いていない」石原都知事 新銀行東京への検査結果通知(NIKKEI NET)

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日経平均7162円 バブル崩壊後の最安値を更新

横浜方面で終日仕事をしているあいだに、株価はバブル崩壊後の最安値7607円88銭をあっさり割り込んで、7162円90銭。1982年10月下旬以来、26年ぶりの安値となってしまった。一方で、円は一時的ではあるものの1ドル=91円台に突入。ユーロは1ユーロ=113円台になっている。

景気が悪くなって日本の株価が下がっているのなら、同時に円も売られるはず。これだけ株が下がっているのに円高が続くというのは、日本の株価下落の原因が別にあるという証拠。

日経平均株価の推移(読売新聞2008年10月27日)

日経平均終値は7162円、バブル崩壊後の最安値更新(読売新聞)
東証大引け・26年ぶり安値に沈む 日本の金融システムにも疑念高まる(NIKKEI NET)
日経平均26年ぶり安値水準、処分売り続く | Reuters

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ソニーショック?! 日経平均811円安の7649円に

関東平野を南へ東へとうろうろしている間に、東証の株価があっさりと8,000円を割ってしまって、バブル後最安値に接近する7649円まで、一気に800円以上下げていた。昨年末からの下落率が50.04%、ということは株価は半値以下になったということだ。

アジア諸国の株式市場も下がっているそうだ。はたしてこの株価下落は止められるのだろうか?

日経平均急落 終値7649円 バブル後安値に迫る(NIKKEI NET)
東証:終値も8000円割れ 811円安の7649円(毎日新聞)
東京株式市場・大引け=バブル後安値に接近、円キャリー巻き戻しで「二重苦」の日本株 | Reuters

NY市場も、大幅下げで始まったらしい。円高も1日で4円以上と、異常な事態。

米国株、急落で始まる ダウ403ドル安、景気懸念で金融やIT安い(NIKKEI NET)
円、92円台後半=NY外為(時事通信)
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国際的枠組みが変わる歴史の転換点

今日の「日経新聞」夕刊「十字路」欄に、「金融危機と歴史の転換点」と題する島根大学名誉教授・保母武彦氏のコラムが掲載されています。

「何年かごに金融不安が沈静化するとしても、米国の派遣とドルが元の地位を回復することはないのではないか」と述べて、「今回の事態は、国際的枠組みが変わる歴史の転換点と言うにふさわしい」と指摘されています。

さらに、そうした危機の大きさにたいして、日本の国会論戦――麻生首相の施政方針演説も民主党・小沢一郎氏の代表質問も「米国との緊密な関係を強調」するだけの「旧態依然」とした内容だと批判されています。まったくの同感です。

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日経平均8500円を割り込む

連休明け2日続けて値を上げた東証でしたが、今日は1000円以上下げて、終値で再び8500円を割り込んでしまいました。

話はマネー市場では終わらず、実体経済のリセッションへの不安が強まってきました。こちらは、公的資金でなんとかなる話ではありません。

日経平均が今年最大の下げ幅、下落率は歴代2位(ロイター)
東京株式市場・大引け=大幅反落、日経平均はブラックマンデーに次ぐ下落率(ロイター)
外為14時・円、100円20銭台でもみ合い ドル資金の本国環流か(NIKKEI NET)

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公的資金投入 2.8兆円儲かったというが焦げつきは10.4兆円

今日の「日本経済新聞」に載っていたカコミ記事。

記事の主旨は、「なぜ公的資金投入が必要か」というものだけれども、90年代のバブル崩壊で、政府が投入した公的資金のうち、預金保護などとために投じられた18.6兆円のうち、10.4兆円が国民負担となったことを明らかにしている。

政府は、なにかといえば、資本注入に使った12.4兆円のうち、すでに9.2兆円(70%)が回収され、株価の値上がりなどで1.3兆円の利益が発生したと言って、公的資本注入がイコール税金による補填にはならないと強調している。しかし、整理回収機構による資産買い取りでの利益1.5兆円を含めても、儲かったのは2.8兆円しかない。未回収分が合わせて5.8兆円残っていて、差し引きしても現在はまだ3兆円の赤字。

そして、もしこれらの資金が全部回収されたとしても、預金保護で焦げついた分の国民負担の方が圧倒的に多いのだ。それを忘れないように。

日本の公的資金の回収状況(「日経新聞」2008年10月15日付)
日本の公的資金の回収状況(「日経新聞」2008年10月15日付)

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これだけ公的資金をぶち込めば株価が上がるのも当たり前

東京は14日終値で1171円高、ニューヨークは13日終値は936ドル、14日朝は369ドルと連続高で、金融不安はひとまず安泰?なんでしょうか。

しかし、考えてみれば、アメリカは25兆円、ヨーロッパは130兆円規模で公的資金を投入すると発表しています。これだけの公的資金をぶち込めば、株価が上がるのも当たり前でしょう。もちろん、最終的に公的資金全部が税金で補填される訳ではありませんが、焦げつけば、その分だけ税金で株価を買い支えたことになります。

米の資本注入、まず大手9行に 3大行は2.5兆円ずつ(朝日新聞)
米政府、約26兆円の資本注入策を発表へ | Reuters
ユーロ圏、銀行間取引を政府が保証 09年末までの時限措置(NIKKEI NET)
独仏など欧州各国、公的資金注入策急ぐ(NIKKEI NET)
上昇率、14.15%で最大に 東証の平均株価、1171円高
米国株、急伸――ダウ936ドル高と上げ幅最大、金融安定化への期待で(NIKKEI NET)
米国株、大幅続伸で始まる ダウ369ドル高、米政府が対策詳細発表(NIKKEI NET)

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日本でも公的資金投入を準備中?!

公的資金の資本注入はアメリカだけの問題ではない。日本でも、地銀などを対象に、万が一の事態に備えてあらかじめ公的資金の注入ができるようにしようと、政府・与党が検討を開始している。

地域金融機関への公的資金注入、法整備検討 政府・与党(朝日新聞)

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東京は、なぜ欧米よりも株価下落率が大きいのか?

大幅な株価下落で、欧米はてんやわんやの大騒ぎではあるが、株価下落率を比べると、東京は、欧米よりもはるかに大きい。なぜ、そんなことになるのだろうか?

日本の『外資依存』露呈 東証急落 『火元』米より下げる(東京新聞)
日本株式市場:外国人、大幅売り越し 危機拡大で――今月第1週(毎日新聞)

「日経新聞」10/11付朝刊によると、昨年10月末と比較した主要株価の下落率は以下のとおり。

主要市場の株価下落率
上海 66.4%
ロシア 62.0%
香港 52.8%
日本 50.6%
ブラジル 43.2%
フランス 41.1%
ドイツ 39.1%
米国 38.4%
英国 35.8%
カナダ 34.4%

(注)昨年10月末と比較、アジアは10日、他市場は9日現在。
(出所)「日本経済新聞」2008/10/11付朝刊

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100年に1度あるかないかの変革期

現在の世界的な金融不安に関連して、あらためてこの間の「金融理論」の是非が問われている。

最近の「日本経済新聞」に載ったいくつかの論評から、それを拾ってみた。「100年に1度あるかないかの変革期」かどうかはともかく、この間のビジネスモデル、金融理論そのものを根本から考え直す必要があるのは、その通り。

いずれにせよ、私たちはいま、本当に100年に1度あるかないかの金融危機、終わってみればドルが基軸通貨でなくなっているかも知れないような金融危機に踏み入ろうとしている…、のかも知れない。

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そろそろ日本も危なくなってきた…?!

本日の東証は、あっさり9000円を割り込んで、終値は8200円台。外為の方は、一時1ドル=97円台に突入するほど。

不動産投資信託のニューシティ・レジデンス投資法人の倒産、大和生命の破綻と、日本経済も安閑としていられなくなってきたようです。投機や金融術策でああだこうだしている人たちがどうなろうと知ったこっちゃないですが、中小企業が苦しくなってくるのは大問題です。

株価 過去3番目の下落率に(NHKニュース)
【米金融危機】東京株午前、974円安の8183円 一時1000円超下げ(産経新聞)
日経平均、一時下げ幅1000円超す 先物市場、取引を一時停止(NIKKEI NET)
東京外為:円急騰 一時97円台(毎日新聞)
Jリート初の破綻(読売新聞)
不動産投資信託(リート)【用語解説】(時事通信)
大和生命:破綻…更生特例法申請 金融危機で損失(毎日新聞)
貸し渋り、中小圧迫?地域金融機関が慎重(日刊工業新聞)

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NY株価、とうとう9000ドルを割り込む

ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が、前日比678ドル安となり、終値で9000ドルを割り込んでしまった。東証・日経平均株価も6営業日連続で下落。9157円で、今年最安値を更新した。

NYダウ、678ドル安 終値9000ドル割れ(朝日新聞)
日経平均終値、6営業日続落の9157円…年初来安値更新(読売新聞)
NY円、反落 99円75-85銭、朝方下落も株安で下げ渋り(NIKKEI NET)

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東証9200円、1ドル=100円に…

欧米だけでなく、日本でも、東証平均株価が950円以上下落して9200円に、外国為替市場では一時1ドル=100円を割り込むなど、てんやわんやになり始めているようです。

そういえば、今朝の「日本経済新聞」の株式欄は黒かった…。

日経平均終値、952円安の9203円 5年3カ月ぶり安値(NIKKEI NET)
円急伸、100円突破 米金融危機でドル売り

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NY株1万ドル割れ…金融危機はまだまだ収まりそうもない

アメリカの金融安定化法は成立したが、市場の不安は収まりそうにない。とくに、銀行間短期市場の逼迫状況はまったく改善される気配がなく、その結果、換金売りで日本の株価も大幅下落する有り様。

結局、預金全額保護、公的資金投入に向けて、欧米ともに動いてゆくのだろうか? こういう場合、共通通貨ユーロを持ちながら、銀行行政については各国の独自性が残されている分、EUの方が混乱する可能性が大きいのかも知れない。

NY株全面安、ダウ平均4年ぶり1万ドル割れ : AFPBB News
欧州市場、開始から軒並み急落 : AFPBB News
世界株安:NY株が1万ドル割れ アジアや欧州にも連鎖(毎日新聞)
欧州金融危機:4カ国首脳会議に市場失望 抜本策求める声(毎日新聞)
米欧短期市場のまひ、海外勢の換金売り呼び日本株も大幅安 : Reuters
仏BNPパリバ、フォルティスのベルギー・ルクセンブルク部門を買収へ : AFPBB News
ドイツ、500億ユーロのHRE救済策で合意 財務省 : AFPBB News
ドイツ、個人預金を全額保証 首相「HRE救済に全力」 : AFPBB News

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丹羽宇一郎・伊藤忠会長へのインタビュー

金融危機について、「朝日新聞」に、伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長のインタビューが載っていた。

日経にはオリックスの宮内善彦会長のインタビューが載っていたが、受け止め方はある意味真反対。丹羽会長の方が金融恐慌の危険をリアルに見ていると思う。

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完全失業率4.2%に

8月の完全失業率は、前月より0.2ポイント悪化して4.2%に。2006年6月以来の2年2カ月ぶりの水準。他方、家計の消費支出は、前年同月比4.0%のマイナス。こちらは6カ月連続で前年同月比で減少を続けている。生活が苦しくなって、消費節減にすすんでいることがますますはっきりしてきたといえる。

もはや、“大企業にお金を振り向ければ、回り回って国民の暮らしも良くなる”などと言ってはいられない。国民の暮らしに政治が手をさしのべて、そこから日本経済を立て直す道にすすむべきだ。

完全失業率:0.2ポイント悪化し4.2%に 8月(毎日新聞)
8月の消費支出1世帯29万1154円 6カ月連続で減(朝日新聞)

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リーマン破綻(続報)

米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻で、いっそう深刻になった米金融不安。同大手保険AIGへの公的資金投入でも、おさまる様子を見せていない。

NY株式市場は一時400ドル近い下げ。ヨーロッパ市場も下げている。

また、リーマン・ブラザーズ日本法人が落札した2年物の国債と政府短期証券について、指定日までに払い込みがなく、発行できなくなっていることが判明。これはもちろん一時的なものだが、金融不安が広がると、こんなところにも影響が出るとは知らなかった。

欧州株、下落(時事通信)
外為・株式:NY市場 株急落、一時398ドル安(毎日新聞)
英住宅金融最大手HBOS、ロイズTSBによる買収交渉を発表(AFPBB News)
国債1287億円、発行できず=異例の事態、リーマン破綻で?財務省(時事通信)
米リーマン破綻:リーマン向けの債権総額3200億円――国内主要9行(毎日新聞)

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消費者物価2.4%上昇、16年ぶりの高水準

7月の消費者物価が1年前に比べて2.4%の高い伸びを示した。92年12月以来の高水準。他方で、家計の消費支出は、実質でマイナス0.5%、5ヵ月連続の減少となった。

7月の消費者物価2.4%上昇 92年以来の高い伸び(朝日新聞)
家計調査:先月の消費支出、5カ月連続で減少(毎日新聞)

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いただきました m(_’_)m

鈴木健著『六大企業集団の崩壊』(新日本出版社)
鈴木健著『六大企業集団の崩壊』(新日本出版社)

桃山学院大の鈴木健先生から、最新著『六大企業集団の崩壊―再編される大企業体制』(新日本出版社)をいただきました。最近は年賀状を差し上げるだけで、すっかりご無沙汰しておりましたが、ありがとうございます。m(_’_)m

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