今日は全国的に新聞休刊日ですが、「日経新聞」が、東京23区内で特別号外↑を発行しました。
中身はもちろん、いまの金融不安の問題。「日米欧、相次ぎ危機打開策」「資金繰り不安緩和」「連鎖株安ひとまず歯止め」「NY一時9000ドル台回復」など、“ともかく安心しろ”的な見出しが躍っています。
英、独政府が相次いで銀行への公的資本注入を発表。さらに、ユーロ圏(15カ国)の緊急首脳会議で、銀行間の債務に政府保証をつけることを合意。
銀行間の債務に政府保障というのは、日本の金融危機のときもやったことがないこと。確かに、金融逼塞の理由はデフォルトへの巨富だけれど、しかしだからといってそれを全部政府が保証するなんて…。
資本注入など「共同行動計画」合意 ユーロ圏首脳会議(朝日新聞)
英政府が主要3行に資本注入へ、バークレイズは独自増資の方針 | Reuters
独仏、金融機関に資本注入へ 包括救済策、相次ぎ発表 (朝日新聞)
アメリカの主要新聞「ワシントン・ポスト」が、10日付で、「アメリカ資本主義の終わりなのか?」という論評を掲載。
W・ポスト紙論評/米型資本主義終わり?/金融危機解決策示せず(しんぶん赤旗)
The End Of American Capitalism? – washingtonpost.com
公的資金の資本注入はアメリカだけの問題ではない。日本でも、地銀などを対象に、万が一の事態に備えてあらかじめ公的資金の注入ができるようにしようと、政府・与党が検討を開始している。
G7(主要7カ国)財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、5項目からなる「行動計画」を発表。
とりあえず、公的資金の資本注入で合意したということで注目されているが、はたしてこれで騒動が収まるかどうか。
大幅な株価下落で、欧米はてんやわんやの大騒ぎではあるが、株価下落率を比べると、東京は、欧米よりもはるかに大きい。なぜ、そんなことになるのだろうか?
日本の『外資依存』露呈 東証急落 『火元』米より下げる(東京新聞)
日本株式市場:外国人、大幅売り越し 危機拡大で――今月第1週(毎日新聞)
「日経新聞」10/11付朝刊によると、昨年10月末と比較した主要株価の下落率は以下のとおり。
上海 | 66.4% |
---|---|
ロシア | 62.0% |
香港 | 52.8% |
日本 | 50.6% |
ブラジル | 43.2% |
フランス | 41.1% |
ドイツ | 39.1% |
米国 | 38.4% |
英国 | 35.8% |
カナダ | 34.4% |
(注)昨年10月末と比較、アジアは10日、他市場は9日現在。
(出所)「日本経済新聞」2008/10/11付朝刊
ニューヨーク株式市場は、取引開始直後から値下がりして、あっさり8000ドルを割り込んでしまいました。(その後、8400ドルまで回復しているようですが…)
こりゃ、週明けの東京も荒れそうです…。
インドネシアで通貨ルピアが急落。また、昨日から株式市場も全面停止されている。韓国より前にインドネシアの方が大変かも知れない…。
インドネシア株式市場、取引の全面停止を継続(NIKKEI NET)
インドネシア証券取引所、10日前場も取引再開せず : Reuters
インドネシア株式市場 10%下落で株取引全面停止(NIKKEI NET)
インドネシア中銀が利上げ 通貨ルピア急落で(NIKKEI NET)
ルピア下落、懸念要因ではない=インドネシア中銀副総裁(朝日新聞)
現在の世界的な金融不安に関連して、あらためてこの間の「金融理論」の是非が問われている。
最近の「日本経済新聞」に載ったいくつかの論評から、それを拾ってみた。「100年に1度あるかないかの変革期」かどうかはともかく、この間のビジネスモデル、金融理論そのものを根本から考え直す必要があるのは、その通り。
いずれにせよ、私たちはいま、本当に100年に1度あるかないかの金融危機、終わってみればドルが基軸通貨でなくなっているかも知れないような金融危機に踏み入ろうとしている…、のかも知れない。
本日の東証は、あっさり9000円を割り込んで、終値は8200円台。外為の方は、一時1ドル=97円台に突入するほど。
不動産投資信託のニューシティ・レジデンス投資法人の倒産、大和生命の破綻と、日本経済も安閑としていられなくなってきたようです。投機や金融術策でああだこうだしている人たちがどうなろうと知ったこっちゃないですが、中小企業が苦しくなってくるのは大問題です。
株価 過去3番目の下落率に(NHKニュース)
【米金融危機】東京株午前、974円安の8183円 一時1000円超下げ(産経新聞)
日経平均、一時下げ幅1000円超す 先物市場、取引を一時停止(NIKKEI NET)
東京外為:円急騰 一時97円台(毎日新聞)
Jリート初の破綻(読売新聞)
不動産投資信託(リート)【用語解説】(時事通信)
大和生命:破綻…更生特例法申請 金融危機で損失(毎日新聞)
貸し渋り、中小圧迫?地域金融機関が慎重(日刊工業新聞)
問題はアイスランドだけではなさそうです。お隣・韓国のウォンも、なかなかつらいところに来ているのかも知れません。
アイスランドでは、全銀行を国有化するも預金流出が止まらず。株取引も2日間、全面停止されてしまった…。
アイスランド:銀行最大手も国有化 預金流出止まらず(毎日新聞)
IMF緊急融資枠構想、G7で提案へ…新興・中小国向け(読売新聞)
ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が、前日比678ドル安となり、終値で9000ドルを割り込んでしまった。東証・日経平均株価も6営業日連続で下落。9157円で、今年最安値を更新した。
NYダウ、678ドル安 終値9000ドル割れ(朝日新聞)
日経平均終値、6営業日続落の9157円…年初来安値更新(読売新聞)
NY円、反落 99円75-85銭、朝方下落も株安で下げ渋り(NIKKEI NET)
アイスランドは、人口約31万人、GDPは為替レートで200億ドル(2007年)、購買力平価だと121億ドル(同)。通貨はアイスランド・クローナ(10月8日現在、100クローナ=約79円)。
アイスランド・クローナは、1カ月前の9月8日には1ユーロ=124クローナだったが、10月8日には1ユーロ=265クローナまで急落している。
ロシアに資金提供申し入れ(NHKニュース)
ムーディーズとフィッチ、アイスランドを格下げ(ロイター)
アイスランド中銀、自国通貨クローナのペッグ制導入を断念(ロイター)
金融危機のアイスランド、ロシアに借款要請…欧州諸国拒否で(読売新聞)
アイスランド、最大手のカウプシング銀行を政府管理下に(ロイター)
アメリカの映画監督マイケル・ムーア氏が、「ウォール街の混乱を片づける10の方法」を発表。
骨子だけ紹介すれば――
2の細目は以下のとおり。高額所得者や株取引への課税、法人課税の強化などで、大企業・金融機関の救済資金の返済にあてるべし、というのは、まったくもってごもっともな意見です。(^_^;)
Here's How to Fix the Wall Street Mess …from Michael Moore – MichaelMoore.com
IMFの推計で、サブプライムローン問題による世界の金融機関の損失が今後数年間で1兆4050億ドル(約143兆円)に上ることが明らかに。今年4月の推計より1.5倍に増加。まだまだサブプライムローン問題は続きそうです。
といっても、サブプライムの損失は500億ドル、全体の30分の1しかなく、もはやサブプライムローンだけの問題ではなくなってしまいましたが…。
イギリス政府が、同国大手銀行に総額500億ポンド(約9兆円)の公的資金を資本注入することを決定。イギリスの銀行株は、昨日、急落していた。
金融危機:英が資本注入へ 大手行に公的資金9兆円(毎日新聞)
米DJニュース:英政府による銀行救済策は十分か(NIKKEI NET)
欧米だけでなく、日本でも、東証平均株価が950円以上下落して9200円に、外国為替市場では一時1ドル=100円を割り込むなど、てんやわんやになり始めているようです。
そういえば、今朝の「日本経済新聞」の株式欄は黒かった…。
日経平均終値、952円安の9203円 5年3カ月ぶり安値(NIKKEI NET)
円急伸、100円突破 米金融危機でドル売り
7日、アメリカでは、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が500ドル以上下落。終値で9500ドルを割り込む結果となった。
株価については、ちょっと歯止めがなくなった感じ…。もはや局面は、株安だけではすまなくなっている。
NYダウ、5年ぶりに9500ドル台割る(TBS News-i)
FRB、CP購入制度を創設 NY株続落で5年ぶり安値 : AFP BBNews
アメリカに端を発した金融危機は、欧米で銀行間短期市場がほぼ途絶するなど、貨幣恐慌の様相を呈してきました。
ということで、あらためて貨幣恐慌について、マルクスがどんなことを言っていたか、ふり返ってみました。