“崩れるドルの力”

何年か後になってみると、「あのとき、ドルの基軸通貨としての地位は失われた」と言われることになるかも知れない。

混迷:米国発・金融危機 崩れるドルの力(毎日新聞 3/21)
円建て外債、3倍超に・今年度発行、欧米での調達避ける(日経新聞 3/22=夕)
欧州、公的支援で“安定”・サブプライム危機(日経新聞 3/23)

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サブプライムローン問題の損失、世界全体で78兆円!!

サブプライムローン問題に関連した損失が世界全体で8000億ドル(約78兆円)に上るとの試算を、IMFが発表。昨年9月には、2000億ドルとの試算を発表していたのが、わずか半年で4倍化した結果に。

サブプライム損78兆円/IMF試算 保険会社にも拡大(読売新聞)
損失の全容つかめず/サブプライム 9月予想の4倍(読売新聞)

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月1000円でなにを期待するのか?

日本経団連の御手洗会長が、大手企業の春闘が賃上げで妥結したことについて、「消費の拡大や内需振興につながることを期待する」とコメント。

しかし、月1000円程度の賃上げで、なにほどの消費拡大ができるというのだろうか? すでに消費者物価は、前年同月比で0.8%上昇している。月1000円の賃上げでは、物価上昇分にも足りません。

3年連続賃上げを評価=消費拡大、内需振興に期待?経団連会長(時事通信)
春闘:自動車・電機、賃上げ幅ほぼ07年並み 一斉回答(毎日新聞)
1月の全国消費者物価指数、4か月連続で上昇(読売新聞)

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ここでも原因は企業にある!!

今朝の「日経新聞」。「ニッポンの停滞 海外の厳しい目」と題して、6面全部を使って、英誌『エコノミスト』(2008年2月23-29日号)の日本特集JAPAiN(JAPANとPain〔痛み〕をかけたものらしい)を紹介しています。

そのなかで、「なぜ日本は失敗し続けるのか」という見出しで、日本の景気がなぜ本格的に回復しないのか、次のように分析しています。

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追加資金400億円は高額預金者の預金を税金で払うだけになるのでは?

「新銀行東京」について、ペイオフの対象となる預金が、法人・個人で9610件、477億円、個人だけだと9523人315億円になるということが明らかにされた。

新銀行東京:清算なら新たに千億円必要 野党は反対姿勢(毎日新聞)

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日本の外貨準備1兆ドル

日本の外貨準備が2月末で1兆ドルを突破したことが明らかに。

日本が2003年?04年春に約35兆円の大規模な円売り・ドル買い介入をしたというのは、要するに、世界中で投売りされるドルを日本政府が必死に買い支えた、ということ。その結果がこれだ。

2月末の外貨準備、1兆ドル突破・ドル安で資産目減り懸念も(日経新聞)
2月末外貨準備高、最高の1兆79億ドル・財務省発表(NIKKEI NET)

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それなら経済の軸足を本当に国民生活の側に移せ

福田首相が、3月6日付の「福田内閣メールマガジン」第21号で、「構造改革」の成果が「給与として、国民に、家計に還元されるべきときがやってきている」、「企業にとっても、給与を増やすことによって消費が増えれば、経済全体が拡大し、より大きな利益を上げることにもつながる」として、給与引き上げへの期待を表明。

日本経済が本格的な回復の道をすすむためには、国民経済の6割を占める国民の消費生活を本気で上向かせる必要がある、ということは、ここでも繰り返し指摘してきたこと。ついに首相も、それを認めざるをえないところに追い込まれた、ということだ。

しかし、福田内閣がやっていることは、それと真っ向から対立することばかり。もし、福田首相が本気でそれを考えているのであれば、いまこそ政府の経済政策の軸足を大企業から国民生活の側に移し、4月からの後期高齢者医療制度の実施凍結、社会保障予算の毎年2200億円削減の見直しをおこなうべきだし、給与水準を全体として引き上げるために、最低賃金の大幅引き上げとともに、雇用の規制緩和を見直し、非正規雇用の拡大をおさえて正規雇用の拡大に踏み切るべきだ。

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サブプライムローン 公表損失20兆円超

米財務省の発表によれば、サブプライムローン問題での損失は、これまでに公表された分だけで2000億ドル(約20兆円)を超える見込み。

しかも、これで終わりという訳ではなさそう。

サブプライム、公表損失額20兆円超に(TBS News-i)
サブプライム損失「年末にかけ拡大も」・EU財務相理が採択へ(NIKKEI NET)
米経済の最大のリスクはサブプライムローンのデフォルトと多額の債務=NABE調査(ロイター)
年金積立管理運用 7924億円の赤字に転落(MSN産経ニュース)

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6大銀行で5291億円の損失

サブプライムローン問題で、6大銀行の損失額が5291億円になったことが明らかに。

大手行の損失5300億円 米住宅ローンで業績悪化(中国新聞)
サブプライム関連損失365億円=あおぞら銀の07年4-12月期(時事通信)
みずほFGがサブプライム関連損失を倍増、通期予想を下方修正 (ロイター)
新生銀:3月期予想を下方修正、サブプライム損失拡大も(ロイター)

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マクドナルド “店長は管理職にあらず”(続き)

マクドナルドの店長は「管理職ではない」とした東京地裁の判決について、日本経団連の対応はいかに? と思って調べてみました。すると…

時事通信は、会長のコメントを報道。しかし、日本経団連のホームページに掲載された会長記者会見には、その部分は一切なし。世間の手前、とりあえず容認するコメントはしたものの、公式な態度表明としては一切記録に残さないつもりなんでしょうか? 天下の日本経団連が、セコイですなぁ…。

管理職の解釈はまちまち=マクドナルド判決で?経団連会長(時事通信)

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まだまだ終わらないサブプライムローン問題

サブプライム問題で、みずほFGが2500億円の損失計上へ。昨日は、三井住友FGが990億円の損失。ほかにモノラインがらみで100億円の損失も計上されている。

みずほ、2000億円追加支援・傘下証券にサブプライム関連で(NIKKEI NET)
三井住友FG、サブプライムで990億円損失・4-12月期(NIKKEI NET)

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1990年基準を見直せは財界の要求だった!!

福田首相が持ち出した「京都議定書の1990年を基準にするというのは見直すべきだ」という議論。唐突だなぁ?と思っていたのですが、実は、財界が基準の変更を要求していました。

それは、経済同友会が1月21日に発表した↓この提言。

真に実効性ある政策でリーダーシップを―ポスト京都議定書の国際的枠組みを含む環境エネルギー政策への提言―(経済同友会)

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EUが「株安の原因はアメリカの赤字」と批判

EUのアルムニア欧州委員(経済・通貨担当)が、「世界的な株安の原因は、アメリカが貿易赤字と財政赤字を放置していることにある」と批判。

現在の株安が、たんに米サブプライムローン問題によるものだけではない、ということを示している。

また、この批判に「EUは大丈夫」ということをアピールする狙いがあることも事実だが、大もとには、アメリカがこれ以上貿易赤字と財政赤字を放置するなら、ドルは基軸通貨としての地位を失うぞという根本的な批判が含まれている。いまやドル不安が世界経済の一番の不安定要因になっているということだ。

EU“株安 原因は米の赤字”(NHKニュース)

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東証1万3000円割れ はたしてこれはサブプライム問題の影響だけ?

東証平均株価が1万3000円割れ。昨年7月の1万8261円から5500円以上下落というのは下落率にして30%以上。米サブプライムローン問題の影響だというけれど、アメリカでもこんなには株価は下落してません。むしろ日本の景気が腰折れしている方が問題なのでは?

世界同時株安の様相 東証1万3000円割れ 欧州、アジアも急落(東京新聞)
日本の株価下落率 世界2位(NHKニュース)

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暮らしに“ゆとりがなくなった”が53%に急増

日本銀行が「生活意識に関するアンケート調査」(2007年12月)の結果を発表。

日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」(2007年12月)現在の暮らし向き

いちばん目立つのは、「現在の暮らし向き」についての回答。3カ月ごとの調査で、「ゆとりがなくなってきた」との回答が43.0%(07年6月)→49.2%(同9月)→53.4%(同12月)と急増している。

消費者の景況感、大幅悪化 日銀アンケート(朝日新聞)

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損保ジャパンが340億円支払いの可能性

損保ジャパンが、アメリカのサブプライムローン関連の金融商品にたいして、元本や利子の支払いを保証する「金融保証保険」なるものを引き受けていたために、最大で340億円の支払いが生じる可能性が明らかになった。

金融商品に、それとは別に元本や利子の支払いを保証する「保険」をかける(つまり、金融商品が値上がりした場合は、支払いの必要がないので、保険会社は保険料の分だけ丸儲けになるが、金融商品が値下がりすると、損失を補填する必要が生じるわけだ)とは…。「金融的術策」とはいうけれど、いったいどこまで手が込んでいるのか。これだから、サブプライムローン問題の被害がどこまで広がるか、いまだにはっきりしないわけです。

損保ジャパン、サブプライムローン関連の金融保証保険で最大340億円支払いの可能性(FNNニュース)

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終息しそうにありません…

サブプライムローン問題は、まだまだ終息しそうにありません。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、シティグループとメリルリンチが巨額増資を検討していると報道。シティグループの増資は最大で140億ドル(1兆5000億円以上)。メリルリンチは、昨年末に62億ドル(約7000億円)の資本増強を発表したばかりです。

シティグループとメリルリンチ、巨額増資か 米紙報道(朝日新聞)
「市場不安解消を」 米金融保証大手が10億ドル資本増強(MSN産経ニュース)
メリルリンチ、7000億円資本増強・シンガポール投資ファンド出資(NIKKEI NET)
欧州中銀、金利据え置き サブプライムで7カ月連続(中日新聞)
米FRB議長、大幅な追加利下げ示唆(NIKKEI NET)

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