世界同時株安、まだまだ続く…?

28日の世界同時株安ですが、その後も、じりじりと下がっているようです。「一時的なもの」とか「ファンダメンタルズは堅調」などと言われていますが、はたしてそれですむかどうか。

1929年恐慌はいうまでもなく、80年代の「暗黒の木曜日」のときでも、1回でドド〜〜〜〜ンと暴落したのではなく、途中で持ち直すかというような動きを見せながら、結局、ずるずると下がり続ける、というのが、これまでの株暴落のパターン。その意味で、今日の値動きがどうだったかということより、米ダウが1週間で530ドル下落したという記事の方が重要かも。

東証、3日続落150円安 同時株安翌日 調整局面続く
NY株、続落=海外安、ドル安を嫌気(時事通信)
欧州株まちまち=独仏は4日続落(時事通信)
ダウ、1週間で530ドル超下落、円借り取引の解消を懸念(日経新聞)

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経済同友会が「大学を変える」提言を発表

経済同友会教育問題委員会(委員長=浦野光人・ニチレイ 取締役社長)が、提言「教育の視点から大学を変える―日本のイノベーションを担う人材育成に向けて」を発表。

「イノベーションの担い手となる人材の育成」という角度から大学改革を求めている点が特徴……かな? そして、「教育改革全体を牽引する使命を、『大学』に対し強く期待する」としている。

教育の視点から大学を変える―日本のイノベーションを担う人材育成に向けて:経済同友会

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『週刊東洋経済』が特集「貧困の罠」

『週刊東洋経済』2007年2月24日号

『週刊東洋経済』2月24日号が、「貧困の罠」ということで、54ページの特集を組んでいます。

これまでも、貧困と格差の問題では、『週刊東洋経済』はもちろん、『週刊エコノミスト』や『週刊ダイヤモンド』でも特集が組まれてきましたが、今回の特徴は、いまの貧困は、たまたまそのとき貧乏だったということではなく、一度貧困にはまり込むと、実は、なかなかそこから抜け出せなくなるという問題を、「貧困の罠」という角度から追いかけていること。

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経済同友会が「生産性向上基本戦略」を発表

経済同友会が、経済政策委員会(委員長=高橋温・住友信託銀行取締役会長)の提言「成長を未来につなぐ―生産性向上による豊かな国民生活の実現」を発表。

成長を未来につなぐ-生産性向上による豊かな国民生活の実現-:経済同友会

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GDPが年率4.8%伸びでも…

15日に発表されたGDP速報値で、年率換算で実質4.8%の伸びをしめしたというニュース。

株が上がったり、円高になったり市場ははしゃいでいますが、新聞の論説はおおむね低調。なぜそうなるのか? そこんところを考える必要がありそうです。

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上場企業の3月期経常利益は6.5%増

日経新聞の調査によると、上場企業1250社の3月期経常利益は前期比6.5%の伸びを示すことが明らかに。

ということで、企業の業績回復が、またもや確認されたことに。しかし、それが国民の暮らしにちっとも回ってこない…。ここに、一番の問題があります。

上場企業経常益、6.5%増・今3月期日経集計(NIKKEI NET)

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経済同友会が「イノベーション戦略」を公表

経済同友会「日本のイノベーション戦略委員会」が、「日本のイノベーション戦略?トップがコミットし、自ら実行すべし?」を公表。

「日本の中に危機意識が足りない」という危機意識(?)に立って、「開かれた社会をつくる」、「多様性のある社会をつくる」、「夢のある社会をつくる」をキーワードに「イノベーション」を目ざそうというもの。グローバリズムの時代に、このままでは日本の国際競争力が低下してしまう、という危機意識と、景気回復で危機感が薄れたり、格差拡大を批判する世論が広がったのに乗じて、「抵抗勢力」が巻き返しをねらっている、という構図をえがきだして、安倍政権にたいして、「開かれた社会」という名目でいっそうの「規制緩和」を、「多様性のある社会」をめざすとして「教育改革」の推進を要求。

日本のイノベーション戦略(経済同友会)

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年間通じて消費支出の伸びはマイナス

12月の家計調査の結果、1世帯あたりの消費支出は前年比1.9%減。2006年は12カ月ずっと、前年同月比でマイナスという結果に。

読売新聞が見出しに立てているように、企業は明るくなっても、国民の暮らしは寒くなるばかりです。

12月の経済指標 企業・個人で明暗(読売新聞)
12月の全世帯消費支出1.9%減・12カ月連続前年割れ(NIKKEI NET)

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実質賃金ふたたびマイナスに

厚生労働省の「毎勤統計」によると、2006年の実施賃金は前年比0.6%減。名目では0.2%増だが、物価がゆるやかに上昇し始めており、実質賃金はふたたびマイナスに。「景気回復」といっても、国民のふところは冷え込んだままです。

実質賃金2年ぶり減 景気回復 家計に波及せず(東京新聞)

厚生労働省の発表資料はこちら。
毎月勤労統計調査 2006年分速報

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「貧困層」誕生への道

ちょいと古い話ですが、SPA! 1月2-9日合併号が「20?30代 気がつけば『貧困』のリアル」を特集。その中で、こんな表が紹介されていました(モノクロコピーをスキャンしたので、ちょっと見にくいですが)。題して「『貧困層』誕生への道」

「貧困層」誕生への道(SPA! 2007年1月2-9日合併号)

斎藤貴男氏の記事の中で紹介されたものですが、小泉改革の5年間だけでなく、さらに1990年の日米構造協議調印、1995年の政府の「規制緩和推進計画」および日経連の「新時代の日本的経営」にまでさかのぼって、今日の「格差社会」がどこから生まれてきたのかを明らかにしています。

日本経団連が2つの提言を発表

日本経団連が、16日、2つの提言を発表したので、とりあえずリンクだけ張っておきます。頑張って、ちゃんと読まないと…。忙しいなぁ?

「日本型成長モデル」の方では、近頃おなじみの「イノベーション」が強調されているほか、「ホワイトカラー・エグゼンプション」の推進もしっかり明記されています。

日本経団連「優先政策事項」を読む(1)

日本経団連の「優先政策事項」ですが、詳しく読んでみたら、いろいろ財界のホンネらしいものも書かれている。けっこうきちんと研究してみる価値がありそうです。

といっても、「優先政策事項」は項目だけで愛想もこそもない。むしろ「優先政策事項【解説】」の方が面白い。
日本経団連:優先政策事項【解説】 (2007-01-10)

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法人税を引き下げてくれたら献金します…これって買収じゃん

日本経団連が、「2007年の政党の政策評価の尺度」となる「優先政策事項」を発表。

その第1項目で、「経済活力、国際競争力強化に向けた税・財政改革」を要求。その中身は、「解説」で、「法人実効税率は30%を目標に引下げ」と明記されています。要するに、法人税を引き下げてくれたら献金を差し上げますということ。こういう見返りを求めて献金するのを「賄賂」といいます。

経団連が献金の目安発表 「法人税30%目標」初明記(朝日新聞)

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大企業の法人税、実は30〜33%だった!!

共産党の「しんぶん赤旗」の記事なのですが、大企業の法人税の実際の負担率が、各種の優遇措置のおかげで、30%〜33%になっていることが分かったそうです。

日本経団連などは、口を開けば、法人税の引き下げと言っています。その根拠は、法人税の税率40%が諸外国にくらべて高い、というものですが、その前提そのものが実はごまかしだったということが明らかになったわけです。

大企業の法人実効税率「40%」は形だけ 実は30〜33%(しんぶん赤旗)

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御手洗・経団連会長、消費税増税2%じゃ終わらない?!

消費税増税。元日に発表された経団連ビジョンでは、2007年までに2%という数字が出ていましたが、どうもそれで終わりそうにありません。御手洗会長は、社会保障財源として、さらに消費税をあげる可能性に言及。

07年経済成長率は実質で2%前後、株価2万円も=経済3団体首脳(ロイター)

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御手洗ビジョン、消費税2%引き上げなど提言

日本経団連の御手洗会長が、新しいビジョン「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を発表。消費税を2011年度までに2%引き上げ7%にすることなどを提言。

経団連ビジョン「希望の国、日本」 (2007-01-01)
消費税は2011年度までに2%程度引き上げ=経団連・御手洗ビジョン(朝日新聞、 ロイター)

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池内了先生が産経新聞で正論を吐く!

宇宙物理の池内了先生が、今日の産経新聞「正論」欄に登場。一瞬びっくりしましたが、書かれていることは、非常にごもっとも。まさしく正論です。

史上最長の好景気が続いていると言われるのに、庶民には実感が乏しいのはなぜか。池内先生は、大企業や富裕者を優遇し、年金負担や医療費などを引き上げて低所得者に負担を押しつける政府を批判するとともに、「人間の使い捨て政策が大手を振っている」と指摘。「現在の好景気は低賃金労働を踏み台にした仇花」「長期的には国家を衰微させることにしかならない」と厳しいご意見です。

【正論】総合研究大学院大学教授・池内了 「賃金デフレ」の時代に思う(産経新聞)

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春闘政策だけでなく

日本経団連の経営労働政策委員会報告が発表されました。

経営労働政策委員会報告というのは、これまでは経営者側の春闘政策といった位置づけだったが、こんどのを読むと、それだけにとどまっていないことが分かる。きちんと読んでみる必要がありそう。

日本経団連:2007年版 経営労働政策委員会報告(概要)「イノベーションを切り拓く新たな働き方の推進を」 (2006-12-19)

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自民党、大手銀行からの献金を一転自粛

大手銀行が自民党への政治献金を再開するとしていた問題。中川幹事長が積極的な姿勢を示したものの、午後になって、一転、自粛することに。

で、なんでこんな急転を迎えたかというと、それは、献金を再開しようとしていた大手銀行の自民党に対する融資残高が80億円を超えていることが明らかになったから。銀行の政治献金再開となれば、自民党からみれば、80億円の借金が政治献金と相殺されていくわけで、こんな都合のいい話はありません。

しかし、大手銀行は国民の税金である公的資金の投入を受け、その結果、利益を上げるようになったにもかかわらず、政府の特例措置によって法人税を1円も納めていないのです。にもかかわらず、自民党には献金するということになれば、要するに、自民党は、税金で銀行を優遇してやって、見返りに自分たちの借金を棒引きにしようということになる訳で、こんな身勝手が許されないのは当たり前のことです。

首相、大手銀行からの献金自粛を指示(産経新聞)
りそな、自民党への融資残高53億超…突出ぶり際立つ(読売新聞)

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