雇用を置き去りにしたままでは、やっぱり景気回復は難しいということを、IMF(国際通貨基金)が認めました。
マルクスは、「資本主義的生産の真の制限は資本そのものである」(第3部第15章第2節、ヴェルケ版260ページ、新日本新書第9分冊426ページ)と言っていましたが、今回のIMF声明は、まさにそれを資本主義世界経済の中枢が認めたに等しいものと言えます。
雇用を置き去りにしたままでは、やっぱり景気回復は難しいということを、IMF(国際通貨基金)が認めました。
マルクスは、「資本主義的生産の真の制限は資本そのものである」(第3部第15章第2節、ヴェルケ版260ページ、新日本新書第9分冊426ページ)と言っていましたが、今回のIMF声明は、まさにそれを資本主義世界経済の中枢が認めたに等しいものと言えます。
大震災の影響で、パンや牛乳・ヨーグルトがスーパーからなくなったり、納豆が品薄になったりしていますが、ちょっと意外なのが、印刷用のインキや用紙が供給不足になっていること。さらに、JR西日本が、電車の部品が確保できないということで、間引き運転を始めたとか。さらに、テレビの業務用テープも、シェア7割の工場が停止して、一気に品不足になっているそうです。
東京は、電力だけでなく、いろんなもので実は東北地方にお世話になっていたんですねぇ。
丸善石油化学、印刷用インキ原料の工場再開に最低1年:日本経済新聞
雑誌や本の発行ピンチ インクも「紙」も品不足:J-CASTニュース
震災で部品不足 運転本数削減:NHKニュース
【東日本大震災】テープがない! テレビ業界悲鳴「シェア7割」のソニー工場被災:MSN産経ニュース
【東日本大震災】住宅資材不足深刻化 震災・物流寸断・計画停電も追い打ち:MSN産経ニュース
しかし、震災の影響は、実はこれからなのかも知れません。
日経平均が午前終値で1万円を割り込んだ。
みんなが、被災者のことを心配し、一人でも多くの人が助かってほしいと思っているときに、自分の利益確保を最優先にしている人たちがいるということだ。
日本共産党の発行する政治理論誌『前衛』4月号に、リーマン・ショック後の現在の資本主義世界経済をどうとらえるか、をめぐる2つの論文が掲載されています。
それぞれ個性的な論文だけれども、おもしろく読みました。
日本共産党の発行する雑誌『議会と自治体』3月号は、2011年度の国家予算案分析の特集。いまや「まぼろしの予算案分析」になりかねない状況だけれど、巻頭2論文が読みごたえあった。
藤野論文は、それだけでもう答えが分かってしまいそうなタイトルになっているが、読んでみると意外とおもしろかった。
2010年末のヘッジファンドの資産残高が、世界全体で1兆9173億ドル(約158兆円)となり、リーマン・ショック前の過去最高額(1兆9314億ドル、2008年6月)に迫る回復を示している。「日本経済新聞」9日付夕刊トップの記事。
世界のヘッジファンド、運用資産が最高に迫る:日本経済新聞 2/9夕刊
リーマン・ショック後、欧米各国あげて公的資金を注ぎ込んできたから、過剰資金は、もはやすっかりリーマン・ショック前の水準に戻ってしまった。当時、あれほど投機資金の規制が言われたのに、「喉元過ぎれば」とはよく言ったもので、資本主義は学習能力がゼロのようだ。
いささか古くなりましたが、「日本経済新聞」1月12日付朝刊1面に載っていた記事です。銀行の預金残高564兆円にたいして貸出残高は416兆円と、預貸金の差が約150兆円にも達しているというのです。
銀行預金、融資に回らず 10年末の差額、最大の150兆円:日本経済新聞
これについて、ブログなどでもいろいろなコメントが加えられていますが、かつては、家計は黒字で企業は赤字、だから銀行が預金を集めて企業に貸し出すという資金の流れ(家計→銀行→企業)がありました。しかし、いまや家計は赤字となり、逆に企業は余剰資金を貯め込んでいます。
経済同友会が提言「2020年の日本創生」を発表。そのなかで、税制・社会保障の抜本改革として「消費税は2013年13%、2015年15%、2017年17%と段階的引き上げ」を求めている。
経済同友会が発表した提言「2020年の日本創生」はこちら↓。
2020年の日本創生 〜若者が輝き、世界が期待する国へ〜
消費税増税以外にも、いろいろ言いたい放題、好きなことが書かれている。
日本共産党の「しんぶん赤旗」日曜版の今週号(2010年12月19日)に、ものすごくおもしろい記事が載っていました。それは、共産党議員の働きかけで、シャープに補助金の一部(6億4000万円)を返金させた、という記事です。
シャープの亀山工場というと、かつては「亀山ブランド」などと言われて、世界的な名声をかちとった工場ですが、実は、この工場の立地には、三重県が90億円、亀山市が45億円もの補助金を出していました。ところが、操業開始からわずか5年半で、シャープは同工場の生産設備を中国企業に完全売却してしまったのです。そのとき、日本共産党の三重県議がくり返し議会で追及して、三重県もようやくシャープに補助金の一部約6億4000万円の返却を要求したところ、シャープもそれに応じた、というのです。
教育ローンを利用している世帯が対象だから、初めから教育費の負担が大きいことは予想されることですが、それでも教育費が世帯年収の3分の1を超えているというのは、あまりに負担が重すぎます。
菅政権の政府税調が、法人税の5%引き下げの方針を固めた模様。当初は、その代わりに、さまざまな優遇減税措置を見直して、代わりの財源を確保するといっていたが、大企業が多大な恩恵をこうむっている研究開発特別減税とナフサの免税措置見直しは見送りに。
それで思い出したのが、数日前の日本経団連・米倉弘昌会長の、減税と引き換えに課税ベースを拡大するなら、「もう結構と言わざるを得ない」という発言。政府税調の方針は、この米倉発言のとおり。やっぱり民主党は財界のいいなりになったのね。
民主党が、小沢前幹事長の違法献金疑惑をうけて「自粛」を決めていた企業献金を再開することに決めたそうな。
とっとと公約を取り下げる民主党も見下げたものだが、朝日新聞によれば、実はこの方針変更の背景には財界からの働きかけがあったという。つまり、財界としては、政権党である民主党になんとかヒモをつけたい訳だ。そこで民主党も、堂々といただきましょうということになったのだろう。
民主党:企業献金の受け入れ一部再開へ:毎日新聞
民主、企業・団体献金を受領へ 自粛から一転、再開:朝日新聞
民主の献金解除を歓迎=経団連会長:時事通信
今日の「日本経済新聞」夕刊に載っていた記事。政府の「全国消費実態調査」による記事なのですが、なかなかおもしろいところに着目しています。すなわち、若者の支出にしめる住居費の割合が非常に高くなっていて、それが生活を圧迫しているというのです。
生活費にしめる食費の割合はエンゲル係数といわれ、貧困世帯ほどエンゲル係数が高いというのは有名ですが、日本の場合は、食費の割合は減っているものの、住居費の割合がそれ以上に大きくなっています。
日本経団連が、現在40%の法人税率を30%に引き下げるよう要求。
財界・大企業は、口を開けば「日本の法人税は高い」といっているが、トヨタやキヤノンのような大企業が実際に払っている法人税の負担率は30%程度である(「大企業は40%の法人税を払っているわけではない」)。これをさらに10%引き下げよというのだから、身勝手も甚だしい。
ところで、富士通総研の米山秀隆・上席主任研究員は、「本当に引き下げに見合う効果が発揮されるのかについて、より冷静な議論が必要と思われる」と述べて、法人税率の引き下げをしないといまにも日本企業が海外に出て行ってしまうかのような議論が横行していることに警鐘を鳴らしておられる。
厚生労働省「若年者雇用実態調査」によって、驚くべき実態が明らかになりました。(調査対象は15〜34歳の労働者)
1つは、「自分の収入だけで生活できる」と回答した若者が44%しかいないということ。つまり、半数の青年が自分の収入だけでは暮らせない、というのです。非正社員にかぎれば「自分の収入だけで生活できる」というのは30.3%しかありませんが、それ以上に驚くのは正社員でも「自分の収入だけで生活できる」というのは51.6%しかないこと。正社員であっても、まともに暮らせるだけの給料が支払われていないのです。
もう1つは、新卒時に「非正社員」だった人が現在正社員になっているかどうかの調査。すると、現在は正社員になったというのは35.3%だけ。つまり、3分の2は「非正社員」のままなのです。以前このブログで紹介したが、ヨーロッパでは、非正規労働者が3年後も非正規雇用のままという割合は、多くても30%程度です。政府や財界・大企業は、「雇用の多様化」などといって派遣労働などを拡大してきましたが、結局、非正規雇用を「使い捨て」にしていると言わざるを得ません。
若者の自活厳しく 「自身の収入のみで生活」44%どまり:日本経済新聞
非正規就職の若者、6割が正社員なれぬまま 厚労省調査:朝日新聞
富士通総研エグゼクティブ・フェローの根津利三郎氏が、「米国は日本のようなデフレにはならない」というコラムを書かれている。曰く、アメリカも日本と同じようにデフレになるのではないかという論調があるが、アメリカがデフレになる可能性は低い。
なぜ、アメリカはデフレにならないのか? その理由を根津氏は、日本は賃金が下落しているのにたいして、アメリカではテンポは下落しても賃金は上昇しつづけているからだと言う。
そもそも、デフレはなぜ起こるのか? 根津氏の説明はこうである。
16日に発表された2010年4-6月期GDP。実質成長率は年率換算で0.4%増とプラスだったものの、1-3月期の年率4.4%増から大幅にダウンして衝撃を与えている。
原因は低迷する個人消費。伸び率は0.03%で、実際には個人消費の回復はストップしている。
GDP実質0.4%成長に鈍化 4-6月年率:日本経済新聞
需要先食い、しぼむ個人消費 GDP減速、年0.4%増:朝日新聞
消費税増税論議のなかで、「日本の法人税は高い」という問題が浮かび上がっています。確かに、日本の法人税の「実効税率」は、地方税をあわせて約40%。
しかし、実際にすべての黒字企業が40%の法人税を支払っている訳ではありません。上のグラフは、「しんぶん赤旗」が、経常利益の上位100社について、実際の法人税負担率を計算したもの。40%どころか、平均でヨーロッパ並みの33%。ソニー、住友化学、パナソニックなど一流どころが、軒並み10%台の法人税しか払っていません。
これで、さらに法人税を減税せよとは、ちょいと図々しすぎやしませんか?
『日経ヴェリタス』6月27日号に、京都大学の中野剛志氏が、「法人税減税は究極のバラマキ」という論評記事を書かれています。
中野氏は、法人税減税はデフレ不況下では「むしろ有害」「法人部門の貯蓄を殖やすだけで、経済全体の需要を縮小させる」と厳しく批判しています。
日産自動車が役員報酬を開示。その結果わかったのは、カルロス・ゴーン社長の報酬は8億9000万円で、役員報酬の総額16億9000万円の半分以上を独り占めしていること。
年収8億9000万円ということは、一日243万円。毎日、これだけ使い続けるのは大変でしょうねぇ…。庶民には想像もつかない話ですが。
他方で、新生銀行では、1401億円の赤字を出したにもかかわらず、4人の外国人役員の報酬はそれぞれ1億円超、合わせると4億8000万円にのぼりました。残り25人の日本人役員は平均で2200万円。なんという格差でしょう。赤字を出しても1億円以上もらえるとは、けっこうなご身分ですね。