「われわれに増税を」

昨日、日刊「しんぶん赤旗」を読もう(6)で紹介した、欧米の大富豪たちが、「われわれに増税を」と主張しているというニュース。関連する記事を集めてみました。

1本目は、ドイツの富豪グループの動きを報じた英紙ガーディアンの記事。2本目は、投資家バフェット氏がニューヨークタイムズ紙に寄稿した「超富豪を甘やかすのをやめよ」。3本目は、イタリア・フェラーリの社長が「金持ちはもっと税金を払うべきだ」と主張したという記事のようです。

これからぼちぼち訳してみたいと思います。

Tax us more, say wealthy Europeans | The Guardian
Stop Coddling the Super-Rich – NYTimes.com
Montezemolo : I am rich it is right that you pay more | Ferrari Ferrari

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大銀行は破綻処理したほうが経済は回復する

昨日の「読売新聞」に、「アイスランド、金融危機克服」という記事が出ていた。

中身は、ヨーロッパ経済の先行き不安がいわれるなかで、2008年に深刻な金融危機に見舞われた「アイスランドが着実に経済回復を果たしつつある」というもの。実際、2009年には実質GPDは-6.9%を記録したが、今年1〜3月期には前期比2.0%の伸びを示している。

興味深いのは、その一番の要因が、負債を抱えた大手銀行を救済せずに破綻させたことにある、というのだ。

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「カール・マルクスは正しかった!!」

ドクター「最後の審判」の異名をとるエコノミスト、ノリエル・ルービニ氏が、ウォールストリートジャーナルのインタビューにこたえて、「マルクスは正しかった」と答えたそうだ。

Marx was right; capitalism can destroy itself: Roubini | Financial Post

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米国債格下げはどんな影響を広げているか

NY株は歴史的乱高下に(「日本経済新聞」2011/08/13夕刊)「日本経済新聞」の夕刊に掲載されていた記事。興味深いのは、そのグラフだ(左)。

米国債の格下げで、ニューヨーク・ダウ返金株価は1.5%下落したが、それにたいし、東京株式市場の日経平均株価は3.6%も下落しているのだ。リーマン・ショックのときも、金融不安の震源地であるアメリカ本国よりも東京の方が、株の下落がひどかった。こんども、東京の方がアメリカ本土よりひどい。どうしてそうなるのか。国民の消費が冷え込み、内需を置き去りにしたまま、輸出拡大ばかりを追及する日本経済のゆがみが、ここにはっきりと現われている。

米株、歴史的な乱高下 週間では1.5%安:日本経済新聞

ところで、今回の金融不安がいかに訳の分からない事態かということを象徴するような出来事がこれ↓。

格下げで投資マネーが米国債へ:NHKニュース

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行き詰まる「核燃料リサイクル」

日本政府や電力各社がすすめてきた「核燃料サイクル」。その大事な一環であるMOX(プルトニウム・ウラン混合核燃料)を製造していたイギリスの工場が閉鎖されることになった。

この工場の取引相手は日本のみ。その日本で、東京電力の福島第一原発事故で原子炉再稼働のメドが立たなくなり、MOX製造にも見通しが立たなくなったというのが工場閉鎖の理由。濃縮ウラン用に設計された原子炉で、プルトニウムを燃やす危険性は、以前から指摘されてきた。MOX燃料はフランスでも製造されているので、これだけでMOX燃料が「枯渇」するわけではないが、思わぬところから「核燃料サイクル」構想が行き詰まることになったといえる。

英のMOX工場が閉鎖へ 福島原発事故の影響で:共同通信
核燃料サイクル:推進後退 「技術維持に限定」――原子力委予算方針:毎日新聞

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雇用置き去りでは、やっぱり景気回復は難しい

雇用を置き去りにしたままでは、やっぱり景気回復は難しいということを、IMF(国際通貨基金)が認めました。

マルクスは、「資本主義的生産の真の制限は資本そのものである」(第3部第15章第2節、ヴェルケ版260ページ、新日本新書第9分冊426ページ)と言っていましたが、今回のIMF声明は、まさにそれを資本主義世界経済の中枢が認めたに等しいものと言えます。

世界経済「課題は雇用創出」 IMFの委員会が共同声明:朝日新聞

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現在の資本主義世界経済をどうとらえるか

『前衛』2011年4月号

『前衛』2011年4月号

日本共産党の発行する政治理論誌『前衛』4月号に、リーマン・ショック後の現在の資本主義世界経済をどうとらえるか、をめぐる2つの論文が掲載されています。

  • 高田太久吉「世界不況は終わったのか」
  • 大槻久志「金融恐慌後の資本主義をどう把握するか」

それぞれ個性的な論文だけれども、おもしろく読みました。

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ヘッジファンドの運用額158兆円、過去最高に迫る

ヘッジファンドの資金運用残高(「日本経済新聞」2月9日付夕刊)

2010年末のヘッジファンドの資産残高が、世界全体で1兆9173億ドル(約158兆円)となり、リーマン・ショック前の過去最高額(1兆9314億ドル、2008年6月)に迫る回復を示している。「日本経済新聞」9日付夕刊トップの記事。

世界のヘッジファンド、運用資産が最高に迫る:日本経済新聞 2/9夕刊

リーマン・ショック後、欧米各国あげて公的資金を注ぎ込んできたから、過剰資金は、もはやすっかりリーマン・ショック前の水準に戻ってしまった。当時、あれほど投機資金の規制が言われたのに、「喉元過ぎれば」とはよく言ったもので、資本主義は学習能力がゼロのようだ。

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中国のトヨタ自動車工場が操業停止

中国のトヨタ自動車工場が、系列部品メーカーでのストライキのために、操業停止に追い込まれたようだ。ストライキは17日に始まり、19日には会社側が賃上げを認め、収集に向かったという話だが、はたしてどうなっているのだろうか。

先月には、中国のホンダ工場も、部品メーカーのストライキで操業停止に追い込まれた。

もはや中国は、低賃金による「世界の工場」にはとどまらなくなっている。対応を間違えると、中国に進出した日系企業は重大な影響を被ることになるだろう。

トヨタ 天津工場の操業停止 部品メーカーのストで:東京新聞
トヨタの中国工場再開へ 天津部品工場のスト収拾:西日本新聞
クローズアップ2010:中国、広がるスト 「世界の工場」に異変:毎日新聞

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ホンダ中国工場スト、24%の賃上げで合意したが…

ホンダ中国工場でのストライキ。4日に、約24%の賃上げで合意が成立したもよう。しかし、いったん組合と合意しかかったものの、従業員から抗議があがって、小競り合いまで起きたようだ。はたして、今回の賃上げ案で本当に妥結するのかどうか。

ホンダ、中国部品工場でスト妥結と発表:Reuters
ホンダ、中国のスト終結 賃上げ合意で通常稼働へ:日本経済新聞
ホンダ中国部品工場で乱闘 スト続行巡り従業員ら数百人:SankeiBiz

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ホンダ中国工場 労働者のストで生産停止に

ホンダの中国工場が、変速機工場でのストライキの影響で、生産停止に追い込まれたというニュース。

Bloombergのように、「日本メーカーは中国で比較的、現地社員に配慮をして手厚い待遇を心掛けてきた」とする報道もあるが、新入社員の月給約1000元(約1万5000円)にたいし日本人技術者の月給は5万元(約75万円)で、50倍という大きな格差が不満を生んでいるという報道もある(サーチナ)。

変速機工場スト、ホンダ中国4工場の生産停止:読売新聞
ホンダ:中国で車両生産を停止?部品工場スト、賃上げ要求:Bloomberg
ホンダ日本人と中国人従業員の月給は50倍の差、中国メディアが怒りの報道:サーチナ
ホンダの工場でストライキ、給料と日中社員の「格差」に不満か?広東省:サーチナ

いずれにせよ、農村部でも経済発展の始まった中国では労働力不足が広がっており、企業側は労働者の要求を抑えにくくなっている。もはや中国=低賃金という図式では、進出企業もやってゆけなくなっている。給与の格差だけでなく、昇進・人事の問題も含めて、日系企業には、「現地化」の試練が待ち受けているといえる。

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今度はスペイン 東証終値9459円に

ギリシャの財政不安に続いて、スペインの貯蓄銀行が不良債権をかかえて公的管理下に置かれたことから、ふたたびヨーロッパからの信用不安が広がっています。

東証終値は9459円89銭で298円51銭安。昨年11月の水準まで下落。ユーロは、1ユーロ=109円で8年ぶりのユーロ安。さて、明日以降、どうなりますやら…。

東証終値、半年ぶり9500円割れ 5営業日連続で下落:朝日新聞
欧州株は大幅下落、大手銀行株など売られる 北朝鮮情勢も警戒:日本経済新聞
ユーロ、一時108円台 ロンドンで8年半ぶり安値:共同通信

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東京も株安へ 東証1万円割れ

ギリシャ財政不安から始まった世界的な金融不安。一時は、EUのギリシャ支援策が決まって安定したかに見えましたが、ふたたび世界的に株安に。NY株は一時1万ドル割れ、東京でも終値で1万円を割り込んでしまいました。

他方、外為市場ではドル安、ユーロ安がすすみ、1ドル=89円台に。ユーロはちょっと戻して1ユーロ=112円台。新MEGAを買うなら、今がチャンスかも。(^_^;)

さて、これからどうなりますやら…。

東証:終値245円安の9784円 年初来安値を更新:毎日新聞
NY株、一時1万ドル割れ 欧州でも全面安:日本経済新聞
外為17時 円、3日続伸し89円台後半 対ユーロは反発し112円台:日本経済新聞

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ギリシャ不安 東京もNYも株安、ユーロ急落

ギリシャの財政危機に端を発したユーロの信用不安が、ふたたび大きくなってきました。

今日は、東証でも一時400円も下落し、最終的に331円安。2日で692円も下げたことになります。NYでは、誤発注による混乱もあって、最終的に347ドル安。株安はアジア市場にも広がっています。為替の方も、1ユーロ=117円までユーロが急落。ドルも1ドル=92円台に下落。

さて、この信用不安、いったいどうなりますやら…。

外為・株式:東証一時400円超下げ NY株終値300ドル安、ユーロ急落110円台:毎日新聞
日経平均、2カ月ぶり安値 下げ幅2日で692円:日本経済新聞
アジアも各国で株価値下がり:NHKニュース

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オバマ政権、金融規制案を発表

オバマ米大統領が、金融機関の自己資金での証券売買や銀行のヘッジファンド投資・出資などを大幅に制限する金融規制法案を発表。さっそくNY株を始め、日経平均も大幅下げで、市場の反発は大きいが、それは株などの投機でボロ儲けをしてきた連中が「ボロ儲けをやめろ」と言われているのだから、株価が下がるのは当然のこと。

日本のメディアでは、株価が下がる、円高になる等々、ともかく目先のことで反対したり疑問符をつけたりする論評が多いが、スティグリッツ氏のコメントや、フランス、イギリス政府関係者の歓迎発言の方が、よっぽどポイントを押さえている。

米国:高リスク取引制限 金融規制案を発表 : 毎日新聞
米金融規制:実現性は未知数 システムに悪影響も : 毎日新聞
NY株213ドルの大幅安 ドル安 米の規制強化策で : 朝日新聞
英FT紙「ウォール街に宣戦布告」 米の金融規制強化策を批判 : NIKKEI NET
米大統領の金融新規制案は「大きな前進」=スティグリッツ氏 : Reuters
仏財務相、米大統領の新たな金融規制案を歓迎 : Reuters
米金融規制案、方向性として「安心できる」=英首相報道官 : Reuters

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BBCが27カ国世論調査 “資本主義はうまくっている”は11%

少し古い話ですが、11月、イギリスのBBC放送が世界27カ国でアンケート調査の結果を明らかにしました。

「自由市場資本主義」について質問したところ、「それはちゃんと機能している」と答えた人は全体で11%しかなく、フランスでは4割以上が「違う経済システムが必要だ」と回答しています。(@_@。

Free market flawed, says survey : BBC NEWS

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英、大手銀に5兆円近い公的資金を再注入

イギリス政府が、大手銀行ロイヤルバンク・オブ・スコットランドに5兆円近い公的資金を追加注入することを決定。

英、大手銀に4兆9000億円公的資金再注入へ : 読売新聞
ロンドン株式市場は反落、UBS決算など受け銀行株に売り : Reuters
UBS:7?9月赤字、富裕層向け部門の資金流出も加速?株価下落 : Bloomberg

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米ノンバンク大手が破綻

アメリカのノンバンク大手のCITが経営破綻。まだまだ金融不安はおさまっていないようです。日経平均も231円安の9802円に急落。

米ノンバンク大手のCIT、破綻 : 読売新聞
日経平均、大幅反落し1万円割れ 10月7日以来の安値 : NIKKEI NET
焦点:米CIT破綻、ファクタリング部門への影響に懸念広がる : Reuters

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FRBの国債買い入れでドル続落

アメリカのFRBの長期国債買入れ発表で、国債の人気が上がり、逆に株価が下落。さらにドルがだぶつくのではないかとの観測から、ドル安へ。

ドルの供給を増やせば、こうなることは分かっていたこと。金融危機への直接的な対策はそろそろ手一杯というところか。下手をすればドル暴落にもなりかねない状況。さて、どうする?

ドル大幅続落、FRBの国債買い入れ発表が圧迫=NY市場 | Reuters
NY円、大幅続伸 94円45-55銭、米金利低下で一時93円台(NIKKEI NET)
NYダウ反落、終値は85.78ドル安(TBS News-i)
FRB長国買入、日米金利低下とインフレ懸念の思惑交錯 | Reuters

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実体経済から独立した投機的金融活動

『日本の科学者』2009年4月号
『日本の科学者』2009年4月号

慶応大学名誉教授の井村喜代子氏『日本の科学者』4月号「世界的金融危機と現代資本主義」という論文を書かれている。その中で、井村氏は、新しい投機的金融活動の内実を、理論的に「実体経済から独立した、金融・金融収益のための金融活動」「金融操作から生み出された、実態的な富の裏づけのない『虚』の金融取引の膨張」としてとらえる立場を強調しておられる。

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