「つくる会」の奇々怪々(続々々)

「産経新聞」によれば、「つくる会」の八木秀次前会長解任問題をめぐって、北海道支部が解任を白紙に戻すよう要望書を送ったとのこと。さらに、8日に開かれた近畿2府4県の支部幹部の会議でも批判が続出したとか。ということで、「つくる会」のごたごたは、まだまだ続きそうです。
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「つくる会」の奇々怪々(続報)

日日不穏日記 – またも<つくる会>をめぐる混乱からTBをいただき、教えていただいた情報ですが、「つくる会」は、昨日紹介した「つくる会」のWebニュース「八木会長『解任』。新会長に種子島理事を選任」を全文取り消し、あらためて、八木会長、藤岡副会長の「辞任」、新会長選出の経過を発表しています。

新しいニュースを読むと、事務局長解任のゴタゴタは昨年9月あたりから始まっていたようです。といえば、やっぱり原因としては、「つくる会」教科書の採択率が0.4%で終わったことがあると考えるのが自然でしょうね。

「FAX通信第165号」の全文取り消しについて(つくる会Webニュース:2006年3月1日)

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歴史教科書、靖国など「安倍シンパ」が落選

  • 「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」幹事長の衛藤晟一氏、郵政法案反対で公認が得られず落選。
  • 「平和を願い、真の国益を考え、靖国参拝を支持する若手国会議員の会」会長の松下忠洋氏も郵政法案に反対し落選。
  • 「国家基本政策協議会」会長の森岡正宏氏も郵政法案に反対し落選。

ということで、「国益を重視する理念的な『保守派』がガタガタになった」と「産経新聞」がぼやいてます。

教科書・拉致・靖国…メンバー相次ぐ落選 自民「保守派」思わぬピンチ(産経新聞)
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懲りない面々

「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校教科書の採択率は、歴史教科書が0.43%、公民教科書が0.21%に終わりました。実数で言うと、歴史が77校5080冊、公民が42校2560冊。普通なら、絶対に採算割れです。

ところで「つくる会」は、4年後は地理の教科書もつくると発表。さらに、国語や家庭科もつくりたいと考えているらしい。

地理の教科書って、まさか朝鮮半島や旧「満州」を真っ赤に塗った地図をつくるつもり? あるいは、ごく普通の地理教科書をつくって、まっとうな教科書会社としての認知をえようという作戦か。家庭科教科書は、ジェンダーフリーを目の敵にして、ニッポン男児と大和撫子・良妻賢母の役割を強調する教科書をつくるつもりなんでしょうねぇ。あ〜、うざったい…

「つくる会」教科書、4年後も発行 採択率約0.4%(朝日新聞)

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「つくる会」教科書採択せず 栃木、小山、下都賀

4年前、一旦は「つくる会」の教科書を選定した栃木県の栃木市、小山市、下都賀の3地区が、今回は「つくる会」教科書を選定せず。

栃木市では、「つくる会」教科書を推す意見に対し、「教科書と読み物の区別を付けたい」という意見が出されたそうです。言い得て妙です。(^_^;)

「つくる会」選定なし 栃木、小山、下都賀採択協(下野新聞)

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都教委、「つくる会」教科書を採択

東京都教育委員会が、「つくる会」の中学校用歴史教科書、公民教科書を採択。都立の中高一貫校などで使用されることに。

他方、茨城県大洗町教委は、「つくる会」教科書の採択を断念し、採択地区の決定に従うことに。ただし、副読本や教師用指導書としての使用などを引き続きねらっている模様。

都教委、「つくる会」教科書を採択 中高一貫校向け(朝日新聞)
大洗町教委、「つくる会」教科書は採択せず(茨城)(読売新聞)

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またもや高校生の事件…

高知の明徳義塾高校で、授業中に、高3生徒がナイフで同級生の胸を刺す事件が発生。

使われたナイフは刃渡り7cm。TBSのニュースによれば、加害者とされる生徒は、ナイフは「殺す目的で持ってきた」と話しているとのこと。

高3、同級生刺す 高知・明徳義塾高校(朝日新聞)
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当時なかったから教えてはダメというのは…

「慰安所」という言葉はあったわけだから、全くなかったとは言えないでしょう。それに、もし昔無かった言葉は教科書に使ってはダメというなら、江戸時代の「藩」なんていう言葉も――少なくとも幕末までは――使えませんよ。

この人、昨年11月の「減って良かった」発言を全く反省してなかったんですね。

従軍慰安婦という言葉なかった、歴史教科書で中山文科相(朝日新聞)
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地球と月と太陽の関係は?

今日の「毎日新聞」科学欄の「理系白書’05」の記事。

都内のある短大で「自然科学概論」を教えている先生が、最初の講義で、受講生にアンケートをとって仰天したという話が紹介されています。

 「地球と月と太陽の関係を簡単に説明せよ」との問いに正しい答えを書いたのは114人中10人。「太陽が地球の周りを回っている」という「天動説」を書いた学生が、正解者と同数いた。(中略)
 さらに気がかりなのは、半数以上の回答が白紙だったことだ。「理科なんて嫌い、面倒だという姿勢が心配です」と教授は嘆く。[毎日新聞 2005年5月25日朝刊]

半数以上の白紙回答というのは、おそらく、何が質問されているか、何を答えたらよいかもよく分からなかった、というのが正直なところでしょう。

まあ、地球と月と太陽の関係は?と問われたら、「三角関係」とか、答えはいろいろあるだろうけれどさ…。(^^;)

「つくる会」教科書を読む

「つくる会」教科書(中学校歴史・公民)を読む学習会が開かれます。

中国や韓国から批判される「つくる会」教科書は、一体どんな内容なのでしょうか。
扶桑社は教科書検定のルール違反をして白表紙本を配布し文部科学相から3回も注意を受けていたことが明らかになりました。さらに、「教科書の著者でない」とウソをついてまで「つくる会」副会長・高橋史朗氏は埼玉県の教育委員になっています。違法行為をし、ウソを平気でつく「新しい歴史教科書をつくる会」の狙いものとはいったい何なのでしょうか。
「つくる会」教科書の内容について知り、どのような教科書が、子どもたちに、私たちに、アジアの人々に、全世界の人々に良いのかを考えましょう。(案内チラシから)

日 時
5月7日(土)  午後7時?9時(予定)
場 所
国立市公民館講座室
講 師
富永信哉さん(東京都歴史教育者協議会事務局長)
参加費
500円
主 催
国立市の教科書採択を考える会

扶桑社、検定規則を破って検定合格前の見本本を事前配布

「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した歴史教科書を出版する扶桑社が、検定規則に違反して、検定合格前の見本本を教職員に配布していたことが、国会の場で、文科省によって明らかにされました。

実は、こうした見本本の流出は、4年前の検定のときにもありました。要するに、たままた外部に漏れ出たなどということではない、ということです。

扶桑社が検定規則違反 中学教科書を合格前配布(共同通信)

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日米中、高校生の意識調査

今日、各紙で大きく取り上げられていた財団法人日本青少年研究所の実施した「高校生の学習意識と日常生活――日米中3カ国比較」。なるほどと思うべきか、深刻に受け止めるべきか。

主な調査結果は、こんな感じ。(単位は%)

【勉強について】

日本 米国 中国
「学校以外ほとんど勉強しない」(平日) 45.0 15.4 8.1
「学校をさぼる」ことは「絶対してはならない」 30.8 49.8 63.8

【生活態度】

日本 米国 中国
「いまの生活で何でもできるとしたら、一番したいのは好きなように遊んで暮らす」 38.3 22.5 4.9
「若い時は将来のことを思い悩むよりその時を大いに楽しむべき」 50.7 39.7 19.5

しかし詳細に見ると、こういう回答もあったりします。

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高校生への強制は、もともと無理なのです

都立高校への卒業式での「君が代」強制。「東京新聞」の「こちら特報部」によれば、10日にあった都立A高校では、卒業証書を授与された生徒がマイクを握って、こう言ったそうです。

「校長先生と都教委にお願いします。これ以上、先生方をいじめないでいただきたい」

これに、会場からの拍手が20秒近く鳴りやまなかったそうです。在校生に向けた言葉の中で「僕は天皇を人格者として尊敬し、君が代も歌った。だけど、この強制はおかしい」と訴えた卒業生もいたといいます。

別の都立B高校では、君が代はほとんど立って歌ったけれども、それに続く校長あいさつのときに、「起立」の号令に、2年生が、1人を除いて、全員が立たなかったそうです。「君が代」で起立しなければ先生が処分されるということを分かっての行動でしょう。

高校生ともなれば、起立するかどうかは自分で判断できます。「生徒が起立しなければ、先生を処分する」などと言ってみても、そのこと自体を「おかしい」「自分たちの意見を無視している」と思うだけです。

もはや、生徒からも拒絶されるようになった、こんなばかげたやり方は、即刻改められるべきです。

町田・ビラ配布で逮捕2人の勾留請求を裁判所が却下

4日、町田市内の都立野津田高校の敷地内でビラを配り、「建造物侵入」の現行犯で逮捕された2人について、東京地裁八王子支部は、勾留請求を却下。検察側の準抗告も却下され、2人は釈放されました。

そもそもが、ビラを配布していた場所は、都立高校の敷地内とはいえ、校門外でバス停もあり、誰もが自由に立ち入れる場所。そういう場所でのビラ配布を「建造物侵入」とするのは無茶というものです。

町田のビラ配布 逮捕の2人釈放(東京新聞)
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首相が、性教育なんか受けなくたって、とは…

それぞれの段階でどのような内容を教えるのが適当かはさておき、一国の首相たる者が「われわれの頃は、性教育なんか受けなくったって、いつのまにか知っていた」という答弁はあまりにお粗末。

“大人”の世界が、レイプ、痴漢、盗撮などの歪んだ性の商品化があふれているときに、「性教育なんか受けなくたって」は通用しませんよ。実際、ビデオなどを真に受けて、連続婦女暴行事件でつかまる青少年が後を絶ちません。女性の側でも、男の不条理な要求に従うのが女性らしさだという、誤った意識が少なくありません。

「純潔教育」などやってみても効果なし。誰もが「性」に憧れや興味をもつのは当然。正しい性知識を与えることが、こうした性犯罪行為を防ぐ一番の早道であり、唯一の合理的な道筋だと思います。

それにしても、こんなアホな質問をするのは、石原都知事のもとで舞い上がっている都議だけかと思ったんですけどねぇ…。個別の教育実践の中身を国会の場で取り上げるのは、国民に直接責任を負うべき教育への政治の介入にあたります。