JR宝塚線脱線事故の207系で、一時的にブレーキが効かなくなるトラブルが多発。
電力回生ブレーキの構造的な問題だとしたら、相当深刻な事態になるかも知れませんねえ。
JR宝塚線脱線事故の207系で、一時的にブレーキが効かなくなるトラブルが多発。
電力回生ブレーキの構造的な問題だとしたら、相当深刻な事態になるかも知れませんねえ。
JR宝塚線脱線事故で、新型ATSの未設置が問題になっていますが、国土交通省自身が、私鉄には速度照査型ATSの設置を義務づけながら、JRには旧型ATSのままでいいという「二重基準」を設けていたことが明らかに。
前に、テレビで出ていた話として書いたこと(207系17号はブレーキの効きが甘い?)ですが、共同通信が、JR宝塚線で脱線した車両について複数の現役運転士が「ブレーキの効きが甘い」と証言していると報じています。
「体質論」みたいなことばかりやっていると、こういう基本が曖昧にされてしまいます。電車が転覆・脱線するには、それなりの技術的な理由・原因があるはず。それをきちんと追及しなければ、ほんと、ただ罵声を浴びせて終わり、お詫びしたら終わり、ということになりかねません。
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以前に、JR西日本の記者会見で記者が罵声を浴びせたり、机をばんばん叩いた記者がいたと書きました(「取材で記者が罵声を浴びせてどうする」)が、今日、読売新聞は、大阪本社社会部長名で、「脱線事故会見巡る不適切発言でお詫び」という記事を掲載しています。
「不適切」とは、クリントン前大統領の事件以来、流行った言葉ですが、間違っていたとはっきり認める訳でもなく、実にあいまいな表現。談話でも、お詫びするのは「不快感を与えた」ことにたいして。「ジャーナリズムに対する信頼を傷つけた」とはありますが、もっぱら問題にされているのは、当該記者の「倫理」や「モラル」ばかり。しかも、「使命感や熱心さのあまり」と記者をかばっていて、歯切れが悪いですねえ。
JR宝塚線で脱線事故を起こした207系車両ですが、脱線の要因は「台車蛇行動」といわれるものであることが明らかになったそうです。(ただし、産経の記事を読むかぎりでは、台車蛇行動の直接的な物証を得たというより、状況から見て蛇行動をしたに違いないという感じですが)
さてはて、JR西日本によれば、207系は133キロ以上でないと転覆しないはず。それが、120キロ超で台車が蛇行動を起こした訳ですから、はたして、JR西日本は、車両の安全設計をきちんとやっていたんでしょうか? 誰もが疑問に思うはず。
今日も、関西圏だけで3件の置き石事件。
脱線事故後、JRの運転士、車掌らへの嫌がらせが70件に昇るそうな。女性運転士が足をかけられて、ホームから転落しそうになったというのは、あきらかに傷害事件でしょう。
事件直後に、JR西日本は、207系は最高速度120キロしか出ないと言っていたのでは…?
設計上の最高速度が間違っていたのか、それとも、モニターの数値の誤差なのか。検証してください。
今のところ、車両や軌道に不備はなかったとされています。しかし、他に原因がなかったとすると、制限速度70kmのR300のカーブを100km超で走っただけで横転するような車両を走らせていた訳で、それ自体、重大問題でしょう。
カーブ手前、車体傾く 事故調「強い遠心力」 脱線事故(朝日新聞)
他方、中日新聞は、研究者の意見として、脱線前に異常な横振動が起こっていたのでは、と指摘しています。
横振動の痕跡か/JRの脱線車両、車輪表面に摩耗の照り(中日新聞)
空気バネの不安定さを含め、徹底した解明を望みます。
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JR宝塚線脱線事故のあと、毎日のように続く鉄道の置き石事件。日本は、本当に「世も末」なのかもしれない。Googleニュースで検索しただけでも、こんなに…。
日付は、事件の起こった日付。新聞記事は同日もしくは翌日付になります。
ということで、病んでいるのは、はたしてJR西日本だけなんだろうか、と思ってしまいます。
日経新聞夕刊に、JR西日本がカーブの速度超過対策の安全装置の設置が、同じJRグループの他社とくらべて遅れていたとの記事を掲載しています。
インターネットで流れている記事は前半のみですが、新聞記事によると、JR東海は、ATS改良型を開発し「40キロ以上の減速が必要なカーブ」すべてを改良型に切り替えていたという。それにたいし、JR西日本は、「50キロ以上の減速が必要なカーブ」20カ所中、5カ所にしかATS-Pを設置していなかったとしています。
JR西日本の記者会見で、記者から罵声が飛んだり、机をバンバン叩いて「覚えてないことはないだろう!」と怒鳴った記者がいたとか。
真相追及はメディアの大切な役割ですが、怒鳴ったり机を叩いたりというのは、ちょっと違うのではないでしょうか。“溺れる犬を叩く”という諺がありますが、どこからどうみても悪いに決まっているJR西日本にたいして、自分が社会的糺弾の最前線に立っているかのように思っているとしたら、勘違いしているとしか言いようがありません。
毎日新聞が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の話として、「空気バネが異常な振幅をくり返し、脱線を誘発した可能性が高い」と報道。
ようやく、ハード面での問題が指摘され始めました。空気バネの問題は、地下鉄日比谷線脱線事故の時も指摘されたのではなかったでしょうか。そのあたりの検証も望みたいですね。
確かに運転士の場合、職場にたどり着かないと、電車が出せなくなるという問題があるので、本人たちは、「なんとかして職場に行かねば」と思ったのかも知れませんが、しかしやっぱり問題でしょうね。どうやら、連絡を受けたJR側が出勤を促したようです。つくづく呆れる会社です。(5/5訂正・追記)
ところで、この話って、前にもメディアで話題になっていたのでは? 確かそのときは、JR側は、従業員はたくさんいるので調べようがない、というような話だったような…。それから、JR西日本は自分で調べたんでしょうか?
JR宝塚線の脱線した電車である207系17号について、ブレーキの効きが甘い、という話が流れてますね。
207系って、7両編成といっても、3両+4両の連結。前と後ろのブレーキの効きが違っていたりすると、非常ブレーキをかけたとき、どういう反応をするんでしょう?
「しんぶん赤旗」によると、JR西日本は、ATS-Pの工事費を2001年度から大幅に削減していました。JR宝塚線の脱線事故でも、現場にATS-Pが設置されていれば、速度オーバーが規制できて事故にならなかったのではないかと指摘されています。
JR西日本は、今年6月に設置工事をする予定だったと発表していますが、2000年度までのように毎年16?21億円の投資をしていれば、現場にももっと早くATS-Pが設置されていたはず。2005年3月期決算では、JR西日本は経常利益959億円(前期比11.7%増)、最終利益589億円(同25.5%増)の過去最高益をあげていますが、「安全より利益優先」と言われても仕方ないのでは? 6月に工事をする予定だったのに…ではすまされません。
新型ATSの設置工事費 01年度から激減/JR西(しんぶん赤旗)
年度 | 1998 | 99 | 2000 | 01 | 02 | 03 | 04 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
工事費(億円) | 21 | 16 | 19 | 2 | 3 | 1 | 5 |
追記:S.WATANABEさんのご指摘の通り、ATS、ATS-Pは赤信号で確実に停止するようにするためのものなので、制限速度超過には対応していません。したがって、ATS-Pと今回の脱線事故防止とをストレートに結びつける記述は削除します。
追記2:ATS-PあるいはATS-SWでも、地上施設を配置することで制限速度超過を制御することが可能であるとの報道があります。JR西日本でも、北陸線、山陽線、東海道線などの17箇所でATS-SWによるカーブの速度超過防止の対策がおこなわれていると指摘されています。技術的な問題は分からないのですが、ご存じの方のご教示をお願いします。
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JR宝塚線の脱線事故以来、メディアでは、JRのオーバーランをこと細かく報道しています。たとえばこの記事。
JR西、またオーバーラン 6日連続、見習い運転士が(共同通信)
しかし記事を読むと分かるように、オーバーランは4メートルで電車に遅れはなかった、しかも運転手は見習い中で、指導のための運転手が同乗していたという。つまり、記事にするような事件性は何もなかった訳です。たぶんこの見習い運転手は、この4メートルのオーバーランを体験して、ブレーキのタイミングを学習したことでしょう。オーバーラン自体は確かに運転ミスだけれども、何のミスもなしに完璧な運転ができるようになるなどということはありえないのだから、こういうミスは認められて良いはず。
にもかかわらず、なぜ、こういうことまで記事にするのでしょうか? こういうことを記事にすると、オーバーランは一切許されないというプレッシャーをますます運転手にかけるだけです。しかし、運転手に余計なプレッシャーをかけてみても、安全には役立たない、というのが今回の事故の一番の教訓ではなかったでしょうか。メディアは、いったいなぜこうした記事を流すのか、ぜひ再考を求めたいと思います。
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JR西日本が宝塚線の過密ダイヤの見直しを表明。
時刻表通りの運行が不可能であることを、事実上認めたことになりますね。まあ、「過ちて後改むるを憚る事勿れ」という諺もありますから、無理せずに運行できるダイヤにしてほしいものです。しかし、そのために107人の犠牲というのは、あまりに大きな代償だった言わざるをえません。
JR宝塚線の脱線事故で、1両目に乗り合わせた毎日新聞記者が手記を公表。
伊丹駅でのオーバーランやその後の運転速度など、事件後、テレビなどで事故原因とかかわって取り上げられている問題に関心が引きつけられているところがありますが、事件後、車内からはい出たときの様子などは、やっぱり迫力があります。助かった乗客同士や、近所の住人が自然と助け合っていた様子が知られ、ちょっとぐっと来ますね。
JR宝塚線の脱線事故のメディア報道で感じたこと。
伊丹駅でのオーバーランについて、JR西日本は当初8mとしていたのが、昨日になって40mだったことが明らかになった、と一斉に報道していますが、事故直後から、乗客は「3両分ぐらいオーバーランした」と言っていました。なぜ、JR西日本が8mだと発表したときに、それを問題にしなかったのでしょうか?
また、事故車両がカーブに時速108kmで進入したことが明らかになると、「制限速度を30kmも上回る猛烈なスピードで…」などと報道し始めました。まるで、速度違反が脱線の原因になったかのような報道ぶりですが、それまでは、JR側の計算上は133kmで転覆するという発表から、「速度を出しすぎていたというだけで脱線は考えにくい」と伝えていたはず。それが突然、「制限速度を30kmも上回る猛烈なスピード」では、辻褄が合わないと疑問を感じないのでしょうか?
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