阪神大震災から10年ということで、テレビでも新聞でもさまざまに取り上げられています。私は、あの日、朝7時のニュースで目を覚ましてから昼過ぎに実家と電話が通じるまでの、胸のつぶれるような感覚をいまでも忘れることができません。
目覚まし代わりのラジオのニュースの、神戸で大きな地震があったというニュースで目を覚まし、すぐにテレビをつけました。そのときは、大阪からの情報がようやく入り始めたばかりといった頃で、神戸の実情は分かりませんでした。そのうち、「阪神高速道路が倒れている」というニュースが入ってきて、アナウンサーが「これは、高速道路からすべりおちたタクシーの運転手さんが電話してきたということです」と言いながら、“そんなことがあるんだろうか”という顔つきでニュースを読み上げていたのをいまでも覚えています。
実家に何度も電話をかけましたが、まったく繋がりませんでした。テレビでは、「輻輳しますから、電話はひかえてください」と言っていましたが、そのときは“親が無事かどうかも分からないのに、そんなことは知るもんか”というのが正直な気持ちでした。
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