構造計算の偽造

いまやっているNHKの特集番組で言っていたこと。

  • 日本ERIでは、担当者の約3分の2が、姉歯建築士の図面を見て、柱が細い、などの疑問をもっていたという事実。
  • しかし、日本ERIは、構造計算ソフトを持っていなかったという事実。

最初の点は、「偽造」に関して言えば、かならずしも「見抜けない」といった高度なものではなかったということを意味するのではないでしょうか。それを見抜けなかったということは、審査機関に審査能力がなかったということに他なりません。1級建築士が計算した結果を審査するのだから、誰だって、審査機関の職員は1級建築士以上の能力を持った人がやっていると思うはず。しかし実際はそうではなかった訳で、あきれるばかりです。

2つめの点は、審査機関は構造計算のプロセスが適正に行なわれているかどうかの確認をおこなっているだけで、建物の安全性、耐震性そのものは審査していないということを意味します。これは、イーホームズの社長も繰り返し言っていることで、詰まるところ、いまの建築物の構造計算の審査制度が、実は審査制度ではないという問題が浮き上がってきます。建築審査・確認制度全体を、もう一度、土台から検討し直してみる必要があるのではないでしょうか。

グルだわな、これは

総研の所長が「構造計算屋を変えるだけでコストが下げられる」と直筆の文書を配っていたことが明らかに。で、実際、総研が「それなら大丈夫」と太鼓判を押した構造計算屋で建築したホテルは、姉歯のおじさんの構造計算書偽造で、現在、休業中。

これがグルでなくて、いったい何がグルなんだ? 共謀罪をつくるなら、こういうのに適用しろ!

「設計者変えコスト減」 耐震偽装で総研所長が直筆文書z(中日新聞)
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立川ビラ弾圧事件、高裁で有罪判決

市民運動家が、立川市内の自衛隊官舎にビラを配布したことを「住居侵入」とした事件で、東京高裁が、一審の無罪判決を破棄して、罰金刑の有罪判決。

一般論としては、「表現の自由」を理由にして他人の住居や敷地内に立ち入ってよいという訳にはいかないというのは言うまでもないこと。しかし、禁止の張り札をしているとはいっても、日常的にピンクチラシその他商売向けのチラシが配られていても放置されている状態で、なぜ、イラク派兵反対のビラ配布だけが住居侵入罪として「軽微ではない」とされるのか。

検察は、住民の平穏が侵害されたというが、別に各戸を回って、直接、官舎住人に抗議活動をおこなった訳でもなく、新聞配達員や宅配業者、それに商業チラシ配布などで、通常、外部の人間が立ち入っているのと同じように立ち入っただけで、なぜ、それが平穏の侵害になるのか。その点の具体的な立証が必要だ。

それから、もう1つ。自衛隊官舎に自衛隊のイラク派遣反対のビラをまくのは「いやがらせだ」というけれど、官舎には自衛隊員以外だって生活している。自衛隊員の家族だからといって、イラク派遣に賛成だとは限らない。ビラを受け取るか受け取らないかを決める権利は、個々人が持つものであって、それを管理者が一律に排除するのは、国民の「ビラを受け取る自由」を侵害するものである。

立川反戦ビラ配布 市民運動3人に逆転有罪(東京新聞)
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ついに木造個人住宅でも

マンション構造計算書の偽造問題ですが、ついに個人の木造住宅でも構造図の偽造が発覚。

大事なことは、ここで自治体がチェックして偽造を発見したこと。行政が、実際に、こういう点検をやる能力を持っていたからこそ、問題が発見できたのです。

しかし、構造計算のチェックはすでに民営化されていて、たとえば大阪府では9割が民間でチェックされています。こういう事態があと何年か続いたら、構造確認する能力など、行政から消えてしまう可能性大です。そうなると、いざ事件が起こったときに、行政は問題を調べることもできません、ということになりかねません。

こういう基準チェックを民間にゆだねることが何故問題なのか、今度の事件はそのことを分かりやすく示していると思います。

個人住宅でも姉歯事務所の偽造発覚(読売新聞)
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デルの虚偽採用

コンピュータ会社のデルが、デル・リアルサイトで働く労働者を、デル自身が雇ったように見せかけながら、実は別会社に雇わせて、そこから派遣をさせていたという事件。以前にも紹介しましたが、今日の東京新聞「こちら特報部」が詳しく紹介しています。

こちら特報部 デル社虚偽採用疑惑のウラ 面接は社員、名刺も使えた(東京新聞)

この事件、この労働者Mさんが本気で訴えなければ、たぶん“派遣で、そういうこともあり”ということになっていたのではないでしょうか? デルは、Mさんにたいし「うちは外資系だから」といって、残業代も支払わず、社会保険にも加入せず、という違法労働をやっていたわけです。
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通常国会で皇室典範改正へ

有識者会議が女性・女系天皇を認めることを全会一致で決めたことを受けて、小泉首相が、来年の通常国会への皇室典範の改正案提出にむけて準備を進めていることを表明。

女性・女系天皇容認の結論になることは予想していましたが、来年の通常国会で皇室典範の改正をやってしまうつもりだったとは…。

女性・女系天皇を容認・政府が法案提出へ(日経新聞)
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住居侵入は「軽微」で起訴見送り

世田谷区の警視庁職員官舎の集合ポストに共産党の「しんぶん赤旗」号外を配布したとして、厚生労働省職員が住居侵入容疑で現行犯逮捕された事件で、東京地検は、国家公務員法では起訴したものの、住居侵入容疑については「事案が軽微」だとして起訴を見送りました。

公務員の「政治的行為」というなら、自民党の官僚出身議員を、それこそ大臣が音頭をとって官庁ぐるみで応援する方が、よっぽどひどい「政治的行為」でしょう。それにたいし、休日に、職務とは全然無関係に、政党機関誌号外を配布することがなぜ犯罪に問われなければならないのでしょう?

なんにせよ、集合ポストにビラを投函するために団地などの敷地内に立ち入ることは、住居侵入だとしても「軽微」であって、起訴するまでにはあたらないということを、東京地検自身が認めたということは大事な結論です。

厚労省職員を在宅起訴 共産党機関紙の号外配布(共同通信)
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民主党前議員、覚醒剤所持で逮捕

民主党の小林憲司前衆議院議員(愛知7区から立候補、落選)が、私設秘書、元秘書といっしょに覚醒剤取締法違反で逮捕。

以前から使用していたと言うことは、現職国会議員時代に覚醒剤を使用していたと言うこと。あきれた…

小林憲司前議員逮捕、覚せい剤所持(TBSニュース)
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携帯通話記録の不正入手で創価学会を提訴

ジャーナリストの乙骨正生さんが、携帯電話の通話記録不正入手事件で、NTTドコモ関連会社の元社員と元創価大職員の男性2人と創価大、創価学会、NTTドコモを相手取り慰謝料を求めて提訴。男性2人については、すでに電気通信事業法違反で有罪が確定している。

通信事業法違反:乙骨正生氏、携帯通話記録を不正入手と提訴 創価学会など相手に(毎日新聞)

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貧困率の高い国――日本

日刊ゲンダイが、「日本で確実に進行中 階級社会の恐怖」という記事を載せています。

その中で紹介されている経済開発協力機構(OECD)のリポートは、これ。→“Income Distribution and Poverty in OECD Countries in the Second Half of the 1990s”(Michael Förster and Marco Mira d’Ercole, 18-Feb-2005)(pdfファイルがひらきます)

このリポートでは、国際比較でよく使われる基準、つまり可処分所得の中央値の50%以下の所得しかない人の割合を「貧困率」として、OECD27カ国の数値を計算。OECD平均は10.4%で、日本は15.3%。メキシコ(20.3%)、アメリカ(17.1%)、トルコ(15.9%)、アイルランド(15.4%)に次ぐ第5位。反対に、最も低いのはデンマーク4.3%、チェコ4.3%、スウェーデン5.3%、ルクセンブルク5.5%など。(数値は、1999年もしくは2000年、国によっては2001年などの値の場合もある) 日本は、90年代後半に、貧困率が1.6ポイント拡大したとも指摘されています。OECD全体では平均で0.5ポイント拡大だから、日本は、貧困率が高いだけでなく、貧困率拡大の割合も大きいということです。

OECD貧困化率統計

OECD資料で興味深いのは、年齢別の貧困率も出しているところ。 それを見ると、日本は若年層と高齢者で貧困率がぐっと高くなっています。

ちなみに日刊ゲンダイの記事は、落ちこぼれたくなかったら、親は無理やりでも子どもを勉強させるべきだという結論になっています。教育に熱を入れること自体は悪いことではありませんが、ネオ階級社会をもたらしている小泉「構造改革」そのものをやめさせ、日本の政治の方向を大もとから切り替えることが一番大事だと思います。

日本で確実に進行中 階級社会の恐怖(gendai.net)

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美浜原発がまた事故

昨年8月に2次系配管破断で高温蒸気が噴き出し作業員11人が死傷する事故を起こして、現在停止中の福井県の関西電力美浜原発3号機が、また事故を起こしました。

こんども配管の事故で、ごくわずかとはいえ放射能を帯びた冷却水が作業員にかかるという事態に。

関電美浜原発で冷却水漏れ・2人が微量の放射能浴びる(日経新聞)

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大企業・高額所得者は、こんなに減税してもらっている

1983年までは、所得税の最高税率は8,000万円超で75%、これに住民税(所得割)が4,900万円超で18%でした。で、課税所得1億円の場合、税金は7,751万円。これが、現在は、所得税の最高税率が1,800万円超で37%、住民税が700万円超で13%にまで引き下げられ、その結果、同じ課税所得1億円の場合の税額は4,720万円に。約3,000万円、かつての税額から見れば40%もの減税の恩恵を被ってきたのです。

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損保大手各社、大量の保険金未払い

原因はプログラムミスだと言っていますが、日刊ゲンダイは、担当者が紙切れに保険金額を書いて渡し、さっさと振り込んでしまうという事例もあることを紹介しています(つまり、契約者に考える暇を与えない、ということ)。

ところで、不払いが発覚した富士火災海上ですが、成果主義の結果、6月の手取りが2万2000円になったとして社員が訴えていますが、会社としてこういう不祥事を出したときは、会長・社長らの給料はどうするつもりなんでしょう? ぜひ知りたいもんです。

保険金1万件超未払い 損保大手で計数億円規模(中国新聞)
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宮城県沖でM7.2の地震

宮城沖地震(8月16日)

午前11時46分頃に、宮城県沖を震源とする地震が発生。
職場でも、最初はちょっと揺れてるなぁという感じでしたが、数秒間、少しずつ揺れが大きくなって、いちばん大きく揺れたときは、事務所内の本棚がミシミシ揺れて、ちょっと気味が悪かったです。

最大震度は6-ということで、被害のほどが心配です。

※気象庁は、午後1時過ぎの記者会見で、マグニチュードを6.8(速報値)から7.2(暫定値)に修正。

デル、違法な採用で書類送検

NHKのニュースでも取り上げられていましたが、コンピュータ会社の「デル」が店頭販売員の採用で、川崎市の本社で面接を行ないながら、実は派遣会社に採用させて、その派遣会社から派遣された形にするという違法行為をはたらいていた事件で、法人としての「デル」そのものと、人事担当の社員(すでに退社)が職業安定法違反(許可を受けずに、就職紹介事業をはたらいた)の容疑で書類送検されることになりました。

採用された販売員にはデルの肩書きの名刺を持たせ、本人が会社に問い合わせるまで、派遣会社の採用であることを隠していたそうな。同様の手口で170人も採用していたというのは、呆れる話。
こんなあくどいことをやっておきながら、職業安定法違反というのも釈然としないけれど、詐欺などで告発すると法人の責任が問えないのでやむを得ないものらしい。ともかく、法人としてのデルの責任が問われたわけだし、社長みずから、社会保険料を払いたくないのでやったことを認めている。販売員が勇気をもって告発にふみきったことに喝采を送りたい。

デルの店頭販売員、自社で面接後に派遣扱いで採用か(読売新聞)
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ついに警官までも…と思うことなかれ

警官としてあるまじきこと、とか、ついに警官までが…などと言ってみても、問題は少しも明らかにならない。これだけ、誰も彼もが子どもを性的嗜好の餌食としているご時世に、警官や学校の先生だからといって、その影響から免れているなどということはありないのだから。

むしろ問題は、なぜ、こう誰も彼もが無力な小学生を狙うのか? その心理的・精神的な“歪み”にメスを入れることを考えないと。

その点で、精神科医の斎藤学氏が、覗きをする男性の心理として、無力感、絶望感を取り上げているのが参考になるかも。自分が圧倒的な他者に虐げられ、無力感に押しつぶされているようなとき、人は、自分より無力な人間に攻撃をむけるという指摘は、いまどきの社会のイライラ感、もやもや感をうまく言い当てているように思う。→MSN-Mainichi INTERACTIVE こころの世紀

小学生をホテルで暴行、29歳の兵庫県警巡査長を逮捕(読売新聞)
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