救済が裁判所の役割でないのなら…

元従軍慰安婦の損害賠償請求訴訟で、東京高裁は、原告側の控訴棄却の判決。

判決は、被告の訴えについて「日本国家の組織的不法行為とまでは認められないが、軍の戦闘行為と密接な関連を有する行為であり、国に賠償義務がある」と認定。しかし、そのうえで、1952年の日華平和条約により個人の国に対する賠償請求権は放棄されたとして原告の訴えを退けました。

裁判長は、「被害の大きさには言葉を失うが、現行法の解釈で救済できないものを救済できるとするのは、裁判所の役割ではない」と述べたと「毎日新聞」は報道しています。ならば、救済の手をさしのべるのは政治をおいて他にはないということです。

中国人元慰安婦訴訟:2審も敗訴 東京高裁(毎日新聞)
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女子勤労挺身隊訴訟で請求棄却 名古屋地裁

エントリーを投稿したと思ったのですが、忘れていたみたいです。(^^;)

女子勤労挺身隊訴訟で、名古屋地裁が、原告の請求棄却の判決。

「毎日」によれば、裁判長は、不法行為の有無には踏み込まず、「日韓協約」で韓国国民の請求権は消滅したという法律論から請求を棄却しました。しかし、他紙の報道では、判決は、戦争中に原告らが三菱重工業で働かされていたことは認めたとあります。

確かに、韓国政府は、日韓協約で請求権放棄を認めています。しかし、当時、韓国国民の多くは、自らの被害を訴え出て賠償請求ができるという状況ではなかったのだから、その後明らかになった被害の訴えについて、「あなた方には請求権はありません」というのはあまりに一方的な仕打ちといわざるをえないのではないでしょうか。「請求権はないかも知れないけれど、日本としてこうします」というのがあってもよいはず。裁判の場で、日本政府側が「請求権はない」と主張したというのが、いかにも残念でなりません。

名古屋勤労挺身隊訴訟:請求を棄却 名古屋地裁(毎日新聞)

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鑑真和尚は失明していなかった?

Fumさんの大学への基礎数学?雑記帳で、昨年10月29日の奈良新聞の記事を紹介しながら、鑑真は失明していなかったという話を紹介されています。

“失明をのりこえて”という話がウソだったとしても、5度の失敗をのりこえて来日し、戒律を伝えたという鑑真和尚の偉業は少しも変わらないでしょうが、でもちょっと残念…。唐招提寺は、僕の好きなお寺の1つです。

ただいま、東京国立博物館で、「唐招提寺展」を開催中(2005年1月12日?3月6日)。ぜひ見に行きたいと思います。
東京国立博物館/金堂平成大修理記念 唐招提寺展:国宝・鑑真和上像と盧舎那仏

李秀英名誉棄損裁判、最高裁で勝訴確定

南京虐殺事件の生き残りである李秀英さん(昨年12月没)が、出版社・展転社と著者・松村俊夫氏を名誉棄損で訴えた裁判で、最高裁が原告勝訴の二審判決を支持。原告勝訴が確定しました。

日本ではまだニュースが流れていないようなのですが、中国・人民網(日本語版)サイトにニュースが上がっています。

故・李秀英さん墓前で勝訴報告 南京で遺族ら(人民網日文版)

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韓国人元徴用工、逆転一部勝訴

第2次世界大戦中に、広島市の旧三菱重工業の工場に強制連行され、被爆したとして韓国人元徴用工40人が国と三菱重工業を訴えていた裁判の控訴審で、広島高裁は、国に賠償支払いを命じる判決を言い渡しました。

韓国人元徴用工が逆転勝訴 国に賠償命令(中国新聞)
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閔妃殺害は王宮内の庭で

日清戦争直後の1895年10月8日、ソウルで当時の公使・三浦梧楼、日本軍守備隊などが閔妃を殺害した事件で、「朝鮮日報」は、13日付で、閔妃殺害の場所は、これまで言われてきた寝室ではなく、庭だったことが明らかになったと報道。現地駐在の日本領事が作成した「韓国王妃殺害一件」という報告書(日本の外交資料館所蔵)から判明したもの。

明成皇后が殺害された場所は庭先だった(朝鮮日報)
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元慰安婦の名前を記録した日本の軍属名簿が見つかる

日本軍の元従軍慰安婦・金福童(キム・ボクドン)さん(79)の名前を記録した日本軍の軍人軍属名簿が発見されました。名簿は、1947年9月に作製された「第16軍司令部同直轄部隊朝鮮人留守名簿 第4課南方班」。金さんが南方軍第10陸軍病院の軍属の中で最も低い職級にあたる「傭人」として採用されたとされています。

元日本軍慰安婦・金福童さんの実名記録が発見(朝鮮日報)
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韓国政府、日本の強制連行の調査に着手

韓国政府は、首相室傘下の「日本植民地支配下での強制連行被害の真相究明委員会」(委員長:チョン・キホ)で、日本の強制連行について本格的な真相究明作業を開始することを明らかにしました。

日帝の強制連行・被害申告受付へ(朝鮮日報)
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ゾルゲ「神話」?

ゾルゲがヒトラー・ドイツの対ソ開戦を正確に予告したというのは、フルシチョフ時代につくられた「神話」だという研究が明らかにされたそうです。

それでもゾルゲが大物スパイだったこと、またスターリンが独ソ戦への備えが全然なかったことには変わりありませんがね…。

独ソ開戦日の事前通報説は虚構=ゾルゲ神話に冷や水?ロシアで新著(時事通信)
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再び中国で旧日本軍の遺棄化学兵器による被害

また、中国で、旧日本軍が遺棄した化学兵器による中毒事件が発生しました。

旧日本軍化学兵器で男児2人負傷=液体に触れ中毒症状―中国吉林省(時事通信)

少し前に、NHK(だと思う)の特集番組で、旧日本軍の毒ガスが浜名湖に遺棄されていたことが取り上げられていましたが、実は戦後すぐに、そうした遺棄毒ガスが岸に打ち上げられ、被害が生まれていたのです。そのとき、政府が本腰を入れて、海外を含めた毒ガス遺棄の状況を調査していれば、こうした問題はもっと早く解決していたかも知れません。
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日本軍が捕虜を使い毒ガスの人体実験

第二次世界大戦中に、日本軍が、捕虜を使って毒ガスの人体実験をおこなっていたことが、オーストラリアで見つかったBC級裁判資料から明らかになったそうです。実験は、青酸を使った毒ガス兵器が製造から4年たっていたため、まだ使えるかどうか確かめるために、オーストラリア兵捕虜を使っておこなわれたものです。

旧日本軍:捕虜使い毒ガス人体実験 豪裁判記録で判明(毎日新聞)
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旧日本軍の毒ガス使用を裏づける資料

今朝の毎日新聞によると、旧日本軍が第2次世界大戦中、中国でイペリットを使用したことを具体的に示す資料が公開されたそうです。

これまで日本政府は、非致死性の化学剤兵器の使用は認めていたものの、イペリットなど致死性ガスの使用は「確認できない」としていました。
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あるところにはあるもんですね〜

兵庫県尼崎市で、後陽成天皇の聚楽第行幸を描いた「洛中洛外図屏風」が新たに発見されたという。6曲1双で高さ172センチ、幅376センチ。全体に金箔が施され、江戸時代前期の作品らしいということですが、まだまだあるところにはあるもんですねえ〜。
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