中央労働委員会の調査(「賃金事情等総合調査」)で、調査対象企業(資本金5億円以上、従業員1000人以上の大企業373社、回答は247社)のうち33.2%が「月100時間以上の残業がある」と回答していたことが明らかに。
「雇用・労働」カテゴリーアーカイブ
「退職」のイメージ あなたは肯定的、それとも否定的?
昨日の産経新聞に、こんな記事が載っていました。「退職」という言葉から連想されるイメージについて、肯定的イメージと否定的イメージのどちらを連想するかを調べた調査です。
その結果はというと、欧米やオーストラリアでは、肯定的なイメージを連想する割合は7?8割、否定的なイメージを連想する割合は高くても2割台。ところが、日本は、否定的イメージの割合が3割を超え、逆に肯定的イメージの割合は5割しかありません。
ところが、退職後も仕事を続ける「意欲」では、日本はトップ。要するに、老後の生活不安・経済不安が大きいということです。
以前、日本共産党の不破哲三議長(当時)が、「ヨーロッパでは、定年退職して年金生活に入るというと“楽しみだ”というのに、日本では不安がる。これがそもそもおかしい」と指摘したことがありますが、まさにそれを裏づける結果だと思いました。
労政審が「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の改正要綱を了承
厚生労働相の諮問機関、労働政策審議会(労政審)が「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入を柱とした労働基準法改正要綱を了承。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度については、すでに安倍首相が法案提出見送りを表明していますが、それはあくまで参院選をひかえて、「いまは分が悪い」というもの。厚生労働省も、法案提出の準備を着々と進めています。完全にあきらめさせるまで、まだまだ油断できません。
臨時雇用者、14.8%も増加
2005年の国勢調査の労働力集計から、常雇用者は、2000年に比べ142.5万人減り、臨時雇用者は99.5万人増えたことが明らかに。臨時雇用者は5年間で14.8%も増加したことに。
総務省の公表資料はこちら。
→2005年国勢調査 第2次基本集計結果(総務省)
実質賃金ふたたびマイナスに
厚生労働省の「毎勤統計」によると、2006年の実施賃金は前年比0.6%減。名目では0.2%増だが、物価がゆるやかに上昇し始めており、実質賃金はふたたびマイナスに。「景気回復」といっても、国民のふところは冷え込んだままです。
厚生労働省の発表資料はこちら。
→毎月勤労統計調査 2006年分速報
『週刊エコノミスト』1/30号が「労働ビッグバン」特集
毎日新聞社の『週刊エコノミスト』1月30日号(現在発売中)が「本当の労働ビッグバン」と題して、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」を含む「労働ビッグバン」の特集を組んでいます。こんどの通常国会への「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」法案の提出見送りとなった段階で、さらに問題を深める格好の素材になっていると思います。
たとえば政策研究大学大学院の濱口桂一郎教授は、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」の本家と言われるアメリカの実態について次のように指摘しています。
安倍首相、「ホワイトカラー・エグゼンプション」法案、通常国会への提出見送る
速報です!! 安倍首相が、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」を導入する法案の通常国会への提出を事実上見送ると発言しました。ヽ(^^@)/
最近のことでいえば、ここまで財界、政府、厚労省あげて「やる、やる」と言っていたのに、法案提出を断念させたのは、まさしく世論の勝利です。
ふり返ってみれば、日本経団連が「ホワイトカラー・エグゼンプションに関する提言」を発表したのは、一昨年(2005年)の6月21日でした。そのときは、世間的には「ホワイトカラー・エグゼンプションって何?」という雰囲気だったのに、いち早く取り上げて警鐘を鳴らしたのは、日本共産党の志位委員長でした。その年の7月20日の演説会で、「『君も今日からエグゼンプションだね』と言って、肩をたたかれたら、いくら働いても残業代がでない」と、非常に分かりやすく紹介しました。
で、僕は、この話を聞いて「ホワイトカラー・エグゼンプション」って何だろうと思い、日本経団連のホームページなどをさっそく調べて、7月22日にこのブログで取り上げました。いらい、Googleで「ホワイトカラー・エグゼンプション」を検索すると、僕の記事が、3位か4位に上がってくるほど、たくさんのアクセスをいただいてきました。m(_’_)m
首相「労働時間規制除外制、現段階で国民の理解得られず」(NIKKEI NET)
労働時間規制除外、通常国会に提出を=経団連会長(朝日新聞)
まだまだ続くサービス残業
年末に明らかになった残業代不払い事件2件。
経済の元締め、日本銀行でもサービス残業というのは、日本の企業がいかに法令遵守という点でデタラメかということの象徴のようなものです。北陸電力では、時間外労働は「自己申告」といっていますが、労働時間を管理する義務は企業にあります。残業時間の「自己申告」「自主管理」がサービス残業の温床。まだ、こんなやり方を続けていたとは…。
日銀サービス残業 未払い1億6800万円(読売新聞)
北電 サービス残業 4億7000万円(中日新聞)
室蘭工大で残業代3670万円未払い(日刊スポーツ)
人材派遣会社フルキャストがスタッフを違法派遣
大手人材派遣会社のフルキャストが、派遣法で禁止された警備業務にスタッフを違法派遣していた容疑で、宮城県警の捜査を受けました。
県警は、フルキャストに違法性の認識があったかどうかを問題にしていますが、同社は、昨年8月にも違法派遣で神奈川労働局の指導を受けています。いまさら、「禁止されていたとは知りませんでした」という言い訳は通用しません。
ホワイトカラー・エグゼンプション制度をめぐる攻防?!
経済同友会の北城会長は、記者会見で、ホワイトカラー・エグゼンプション制度について「この制度を導入すべきという方向性には我々も賛成」「基本的方向は是非実現していただきたい」と発言。厚生労働大臣は、対象を年収900万円以上とすると発言。塩崎官房長官は、「法案の提出に向けていっそう努力していく」と発言。
与党内での慎重論が強まっていると言われていますが、財界も、厚労省も、官房長官も実現をめざすと強調しています。努々ご油断めさるな!
記者会見発言要旨(未定稿):経済同友会(2007年1月10日)
対象は年収900万円以上 労働時間規制除外で厚労相(東京新聞)
労働時間規制除外 法案へ努力(NHKニュース)
すき家、アルバイト全員に残業代割増分を支給
牛丼チェーン店「すき家」が、アルバイト全員約6000人にたいして、残業代割増分の不払いを是正したことが明らかになりました。
「すき家」といえば、一方的に解雇されたアルバイト青年6人が「すき家ユニオン」を結成したことで知られていますが、そうした中で、月175時間を超えたときだけ残業代割増分を支払うという違法な支給方法をとっていたことが判明。ゼンショー側は、「手続きミス」「変形労働制の変更」などと言っていますが、残業代は、1日8時間を超えて働かせたときには必ず支払わなくてはなりません。
「週刊東洋経済」が「雇用破壊」の大特集!!
サブタイトルは「もう安住の職場はどこにもない!」。ということで、目次から内容を紹介。
正社員を襲う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の衝撃 無給長時間残業への道
パート、派遣、請負労働者の前途を阻む鉄壁 「正社員にはさせない」!?――大企業側の反撃
「労働者」の権利を持たない労働者たち 「個人請負」という名の悲惨
ということで、これから読みます。(^_^;)
ホワイトカラー・エグゼンプション法案をめぐる動き
ホワイトカラー・エグゼンプション法案について、通常国会提出の見送り論が強まったというニュースが流れています。その一方で、厚生労働大臣は「国会提出の方針は変えない」と言明しており、まだまだ楽観することはできません。
しかし、どういう理由にせよ、世論の反発が強くて、与党としても簡単に「どうぞ法案を提出してください」とは言えないという状況になってきたのも事実。もっともっと反対世論を強めれば、本気で法案提出を断念させることも展望できるようになってきた、ということです。
残業代不払い制:通常国会提出見送り論強まる(毎日新聞)
エグゼンプション:厚労相、法案「国会提出方針変えない」(毎日新聞)
明治安田生命が派遣社員を直接雇用の契約社員に
さしあたりは契約社員ですが、将来的には正社員にすることも考えているとか。
真面目に働くモチベーションを維持しようと思ったら、やっぱりちゃんとした雇用にしないとダメだということです。
労政審議会、ホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入求める報告書をまとめる
厚生労働省の労働政策審議会が、ホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入を求める報告書をまとめる。
いよいよ来年の通常国会に法案が提出されることになります。サラリーマン諸氏、いま黙っていたら、残業代が一生もらえないことになりますよ!
労働時間規制を撤廃、残業代なしの導入を 労政審分科会(中国新聞)
「全く知らない」73% 厚労省検討の労働規制緩和(北海道新聞)
失業率は下がったけれど…
11月の完全失業率(季節調整値)が、3.99%と8年8カ月ぶりに4%を下回ったというニュース。「景気回復」で失業者が減っているのは事実ですが、それで良かったと手放しで喜ぶわけにはいきません。
規制改革会議が第3次答申
内閣府の規制改革・民間開放推進会議が「規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申」を採択。
答申本文はこちらから。
→内閣府 規制改革・民間開放推進会議 – 公表資料
春闘政策だけでなく
日本経団連の経営労働政策委員会報告が発表されました。
経営労働政策委員会報告というのは、これまでは経営者側の春闘政策といった位置づけだったが、こんどのを読むと、それだけにとどまっていないことが分かる。きちんと読んでみる必要がありそう。
日本経団連:2007年版 経営労働政策委員会報告(概要)「イノベーションを切り拓く新たな働き方の推進を」 (2006-12-19)
年末のどさくさに、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」導入を盛り込んだ報告採択か
サラリーマンがいくら残業してもいっさい手当が出なくなる「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」の導入を盛り込んだ厚生労働省の報告案が27日にも取りまとめられようとしています。
問題の報告案の全文はこちらから(12月8日の厚生労働省・労働政策審議会労働条件分科会で配布されたもの)
→「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)(案)」(厚生労働省)
では、まず八代先生から…
経済財政諮問会議の民間議員の八代尚宏・国際基督教大教授が、格差の原因は「大企業の労働者が、(下請け企業の労働者や非正規労働者などの)弱者をだしにしているからだ」と発言。
ならば、「隗より始めよ」です。まず、八代先生自らが、時給2000円の非常勤講師と同じ給与、研究室なし、という同じ条件で仕事をされたらいかがでしょう。