中国のトヨタ自動車工場が操業停止

中国のトヨタ自動車工場が、系列部品メーカーでのストライキのために、操業停止に追い込まれたようだ。ストライキは17日に始まり、19日には会社側が賃上げを認め、収集に向かったという話だが、はたしてどうなっているのだろうか。

先月には、中国のホンダ工場も、部品メーカーのストライキで操業停止に追い込まれた。

もはや中国は、低賃金による「世界の工場」にはとどまらなくなっている。対応を間違えると、中国に進出した日系企業は重大な影響を被ることになるだろう。

トヨタ 天津工場の操業停止 部品メーカーのストで:東京新聞
トヨタの中国工場再開へ 天津部品工場のスト収拾:西日本新聞
クローズアップ2010:中国、広がるスト 「世界の工場」に異変:毎日新聞

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ホンダ中国工場スト、24%の賃上げで合意したが…

ホンダ中国工場でのストライキ。4日に、約24%の賃上げで合意が成立したもよう。しかし、いったん組合と合意しかかったものの、従業員から抗議があがって、小競り合いまで起きたようだ。はたして、今回の賃上げ案で本当に妥結するのかどうか。

ホンダ、中国部品工場でスト妥結と発表:Reuters
ホンダ、中国のスト終結 賃上げ合意で通常稼働へ:日本経済新聞
ホンダ中国部品工場で乱闘 スト続行巡り従業員ら数百人:SankeiBiz

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ホンダ中国工場 労働者のストで生産停止に

ホンダの中国工場が、変速機工場でのストライキの影響で、生産停止に追い込まれたというニュース。

Bloombergのように、「日本メーカーは中国で比較的、現地社員に配慮をして手厚い待遇を心掛けてきた」とする報道もあるが、新入社員の月給約1000元(約1万5000円)にたいし日本人技術者の月給は5万元(約75万円)で、50倍という大きな格差が不満を生んでいるという報道もある(サーチナ)。

変速機工場スト、ホンダ中国4工場の生産停止:読売新聞
ホンダ:中国で車両生産を停止?部品工場スト、賃上げ要求:Bloomberg
ホンダ日本人と中国人従業員の月給は50倍の差、中国メディアが怒りの報道:サーチナ
ホンダの工場でストライキ、給料と日中社員の「格差」に不満か?広東省:サーチナ

いずれにせよ、農村部でも経済発展の始まった中国では労働力不足が広がっており、企業側は労働者の要求を抑えにくくなっている。もはや中国=低賃金という図式では、進出企業もやってゆけなくなっている。給与の格差だけでなく、昇進・人事の問題も含めて、日系企業には、「現地化」の試練が待ち受けているといえる。

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大学は出たけれど…

「大学は出たけれど」というのは、1929年に公開された小津安二郎監督の映画。戦前の、世界的な大恐慌で、文字どおり、大学は卒業したが就職できないという世相を描いたものです。

しかし、それが過去の話でなくなってしまいました。文部科学省の調査で、今年3月に卒業した大学生の就職内定率は91.8%で、就職を希望した学生37万5,000人にたいし、内定をもらった学生は34万4,000人。ということで、大学は卒業したけれど就職できないという学生が3万人もいる計算になります。

企業側のみなさん、ぜひとも「既卒」を理由にして門前払いなどしないように、最低限、それだけは守ってください。

大学生内定率91.8%、過去2番目の低さ 今春卒業者:朝日新聞
大卒者、2度目「就活」に焦り 「元気な後輩に気後れ」:読売新聞

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国内工場を海外生産の「調整弁」にしてしまったトヨタ

昨日の日本共産党大演説会で、志位委員長が紹介していた「双日総研」のリポートというのは、これ↓。

「溜池通信」第440号(2010年4月2日)「2010年度日本経済の現場検証」

クリックすると、「溜池通信」のバックナンバーのページが開きますので、第440号をクリックして閲覧・ダウンロードしてください。PDFで220KBです。

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「中流」が消えてしまっては、日本経済の底が抜けるのも当たり前

中流以上の世帯数が減っている(「日本経済新聞」2010年5月10日付)賃金カーブは緩やかに(「日本経済新聞」2010年5月10日付)

昨日(5月10日)付の「日本経済新聞」に載っていたグラフ。左は所得階層別の世帯数の変化(2000年=100とした指数)で、右は男性の年齢別賃金水準(いわゆる「賃金カーブ」)が1985年、2000年と比べてどう変化したかを表わしたものです。

まず1つめのグラフをみて驚くのは、次の点です。

  • 2000年との比較でいうと、増えているのは年収200〜300万円の世帯のみで、650万円以上の階層はすべて減少している。
  • そのなかでも、2005年を境に、1500万円以上の世帯が増加したのにたいして、それ以外の「中流」層、とくに800〜900万円の世帯が連続減少していること。

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しんぶん赤旗日曜版で湯浅誠氏と小池晃議員が対談

しんぶん赤旗日曜版5月9日号

反貧困ネットワーク事務局長で、一昨年の年末から去年のお正月にかけて解説された「年越し派遣村」の元村長さんの湯浅誠氏が、共産党の「しんぶん赤旗」日曜版(5月9日号)で、参議院議員の小池晃さんとの対談に登場しています。

意外だったのは、小池さんとの出会い。2007年に、湯浅氏が反貧困運動を立ち上げたころに、ネットカフェ難民について小池議員らが湯浅さんに実情も聞き、それを国会で取り上げて、政府に調査させたこと。それを湯浅さんも岩波新書の『反貧困』で取り上げたそうですが、振り返ってみれば、ネットカフェ難民という言葉が広がり、貧困問題への世間の注目が広がりだした頃からのおつきあいだったんですね。

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勤労者の給与が減り続けては景気回復もおぼつかない

厚生労働省の毎月勤労統計調査(毎勤統計)の2009年分が公表されました。それによれば、勤労者1人当たりの月平均現金給与総額は前年比3.9%減。3年連続のマイナスであるだけでなく、1991年以来、最大の減少率 ((毎勤統計の「平均現金給与額」は、5人以上の事業所について調べたもの。解雇されたり、企業が倒産して失業した人の失った所得は考慮されていない。したがって、失業が増えている昨今では、勤労者全体の購買力は毎勤統計の「平均現金給与額」以上に低下していると考えなければならない。))。

しかし他方で、大企業は1991年度の約100兆円から2008年度の約214兆円へと、内部留保を大幅に増やしています。まずは国民の懐を暖めないと、景気回復は望むべくもありません。

給与、最大の3.9%減 09年勤労統計 : 中日新聞

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吉岡吉典さんの最期の2冊

吉岡吉典『「韓国併合」100年と日本』(新日本出版社)吉岡吉典『ILOの創設と日本の労働行政』(大月書店)

昨年、亡くなられた吉岡吉典・日本共産党元参議院議員の遺著が2冊発売されました。左が新日本出版社から出た『「韓国併合」100年と日本』、右が大月書店から出た『ILOの創設と日本の労働行政』です。

吉岡さんは、これまでも『侵略の歴史と日本政治の戦後』『日本の侵略と膨張』『日清戦争から盧溝橋事件』『史実が示す日本の侵略と「歴史教科書」』『総点検日本の戦争はなんだったか』(いずれも新日本出版社)など、数多くの歴史書を書かれています。テーマの1つは日本の侵略戦争であり、もう1つが「韓国併合」と日本の植民地支配です。

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10月の失業率5.1% 0.2ポイント改善したというけれど

10月の失業者数・失業率が発表された。完全失業率は、季節調整値で5.1%、9月に比べて0.2ポイント改善した。

主な求職理由別完全失業者の対前年同月増減の推移(労働力調査2009年10月)

とはいえ、12カ月連続で、失業者は前年同月比増。しかも、失業者344万人のうち116万人が「勤め先都合」による失業。前年同月比で増加した失業者89万人のうちでいえば、実に55万人が「勤め先都合」による。「勤め先都合」による失業が依然として改善されていないことが分かる。

失業率5.1%、0.2ポイント低下=求人倍率は2カ月連続改善 ?10月 : 時事通信
就職内定率:大学生62.5% 下落幅は96年以来、最大に : 毎日新聞

総務省の発表資料はこちら↓。PDFファイルが開きます。
労働力調査(基本集計) 2009年10月分(速報)結果の概要 (PDF:327KB)

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こっちの方が実態に近いでしょう

「東京新聞」が日曜日(22日付)の1面トップで載せていた記事。

7月以来、完全失業率が改善していると言われているが、このブログでも繰り返し指摘してきたように、それはあくまで「季節調整」が生み出した見かけ上の推移。東京新聞が指摘するとおり、12ヶ月連続で失業者が増えているという方が実態に近い。

失業者12カ月連続増 : 東京新聞

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就業人口は減り失業者は増え、その結果、失業率は低下した?!

9月の完全失業率が発表されましたが、それを報道したNHKニュース。

有効求人倍率 0.43倍に : NHKニュース

でも、「先月の就業者数は6295万人で、前の年の同じ月より98万人減る一方、完全失業者は363万人と92万人増えました」といったあと、「その結果」、失業率は下がりました…って、なにか変じゃないですか?!

完全失業率というのは、完全失業者数÷(就業人口+完全失業者数)なのだから、失業者が増えて、就業人口が減れば、失業率は高くなるはず。それが低くなったのだから、誰がどう考えても「その結果」ではつながらないはず。

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厚生労働省が有期雇用の実態初調査

厚生労働省の研究会で、有期雇用の実態調査が初めておこなわれました。

有期雇用:「年収200万円以下」57% 解雇、雇い止め半数――厚労省初調査 : 毎日新聞
有期労働の3割「正社員並み」働き うち7割は賃金低め : 朝日新聞

資料そのものはこちら↓。

厚生労働省:第6回 有期労働契約研究会資料

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失業者は増えているのに失業率は0.2ポイント改善?!

8月の失業率が発表されました。5.5%で7ヵ月ぶりに0.2ポイント改善されたということですが、失業者数は増えているし、就業者は減っています。

これでなぜ失業率が下がるの? と思って調べてみました。

8月の失業率、7カ月ぶり低下 求人倍率最悪続く : NIKKEI NET
失業率:8月5.5%、前月比0.2ポイント改善 : 毎日新聞

総務省の発表資料はこちら↓から。PDFファイルが開きます(302KB)。

労働力調査(基本集計) 2009年8月分(速報)結果の概要

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7月の失業率は過去最悪の5.7%に

総務省の「労働力調査」が発表されました。

それによると、7月の完全失業率(調整済み)は6カ月連続で悪化し、とうとう過去最悪の5.7%になりました。失業者数は359万人で、1年前に比べ103万人も増加。しかも、45%が「非自発的な離職による者」。

7月失業率、過去最悪の5.7% 有効求人倍率も最低 : 朝日新聞

総務省の発表資料はこちら↓から。

統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 2009年7月分(速報)結果
労働力調査(基本集計) 2009年7月分(速報)結果の概要 (PDF:303KB)

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6月の失業率さらに悪化し5.4%に

完全失業率の推移(男女計、季節調整値、労働力調査、2009年6月)

6月の失業率が発表された。5月よりさらに0.2ポイント悪化して、完全失業率は5.4%に。過去最悪は2003年4月の5.5%で、それにあと0.1ポイントとなったが、現在は5カ月連続で悪化しており、もはや過去最悪突破は確実だろう。

6月失業率5.4%、最悪に迫る 求人倍率最低、0.43倍 : NIKKEI NET

総務省統計局の発表データはこちら。↓PDFファイルが開きます。

労働力調査(基本集計) 2009年6月分(速報)結果の概要 (PDF:290KB)

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5月の完全失業率5.2%で0.2ポイント悪化

完全失業率と完全失業者の前年同月増減の推移(「労働力調査」2009年5月)

6月30日に発表された総務省「労働力調査」で、5月の完全失業率が前月比0.2ポイント悪化して5.2%になったことが判明。完全失業者は前年比で77万人増で、この過去最大幅の増加。就業者は136万人も減少した。

「景気底入れ」などと言われているが、雇用状況は、ますます悪化していて、とても底を打ったとは言えない状況。このままでは、過去最悪の5.5%を上回り、6%台に突入する可能性もある。

5月の失業率、5.2%に悪化 有効求人倍率、最低の0.44倍 : NIKKEI NET
5月完全失業率は5.2%に上昇、雇用情勢は急速に悪化=総務省 | Reuters

総務省の発表データはこちら。PDFファイル326KBが開きます。

労働力調査(基本集計) 2009年5月分(速報) : 総務省統計局

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たたかいで働くルールをつくる

『前衛』2009年7月号

共産党の発行する『前衛』7月号の特集「たたかいで働くルールをつくる」はよくまとまっていて、なかなか読み応えがありました。

とくに、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)の生熊茂実・委員長へのインタビューと、おおさか派遣・請負センター所長をされている村田浩治・弁護士の論文は、最前線の現場でたたかっている人だけに、とても迫力があって、一気に読んでしまいました。

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失業率5% 3カ月で0.9ポイント悪化

4月の完全失業率が5.0%と、とうとう5%台になってしまいました。2003年11月(5.1%)以来の高さ。今年1月の4.1%からわずか3カ月で0.9ポイントと、一気に悪化しています。

完全失業者は346万人、1年前に比べ71万人も増加。会社都合による失業者は51万人増で、失業増の7割を占めています。

完全失業者数の対前年同月増減の推移

完全失業率(季節調整値)の推移

完全失業率:4月は5.0% 有効求人、最悪0.46倍(毎日新聞)
完全失業率:急ピッチで深刻化 雇用形態の変化も影響(毎日新聞)

総務省の発表データはこちら↓。PDFファイル(353KB)が開きます。
労働力調査(基本集計)2009年4月分結果の概要:総務省

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一方的休業に合理的理由なし!!

いすゞ自動車の期間労働者のみなさんが、一方的に休業扱いとされて、給料を6割に減給されたのは不当だと訴えた裁判で、原告勝訴の判決がありました。

JMIUいすゞ自動車支部のみなさん、おめでとうございます。ヽ(^o^)/

いすゞに賃金支払い命令 元期間従業員 減産で休業扱い(東京新聞)

ほかにも非正規労働者のみなさんが次々と会社側の一方的やり方が不当だと立ち上がっています。みなさん、がんばってください!!

提訴:「雇い止めは無効」 元派遣従業員ら、日産など提訴 賠償請求も/神奈川(毎日新聞)
派遣切り:派遣労働者がマツダ提訴 解雇は不合理――山口・防府工場の16人/広島(毎日新聞)
派遣切り:正社員化訴訟 「消耗品じゃない」 提訴の原告、企業へ不信感吐露/兵庫(毎日新聞)
提訴:11年間「偽装請負」 解雇の男性、大成建設を訴え――東京地裁(毎日新聞)

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