失業率が低下しても喜べない理由

10月の完全失業率(季節調整値)は3.7%で、9月から0.3ポイント低下。本当なら喜んでいいことのはずなのだが、実態はそんな事態ではない。

10月完全失業率は3.7%に低下、非労働力人口増に注視 | Reuters
有効求人倍率、大幅低下0.80倍=4年5カ月ぶり低水準?10月(時事通信)

続きを読む

正規労働者も、立ち上がろう!!

いま各メーカーは、続々と派遣労働者や期間従業員の契約打ち切りを発表しています。それを正社員のみなさんが、「非正規の問題だから関係ない」と思ったら、大変なことに。非正規解雇がひとめぐりしてしまえば、次は、正社員の整理・解雇が始まることは必至です。

その前に、正規・非正規の違いをこえて、「雇用を守れ」「一方的な解雇は許されない」の声をあげることが大事です。

ということで、「毎日新聞」が、共産党の志位委員長が昨日の記者会見で「正社員の労働組合が立ち上がらないとだめだ」と檄を飛ばしたことに注目しています。なんと、このくだりは共産党の機関紙「赤旗」にも書かれていません。(^^;)

政界:労組よ立ち上がれ――志位・共産委員長(毎日新聞)

続きを読む

自動車12社で非正規1万4000人削減

アメリカ発の金融危機と日本の景気後退で、自動車メーカーの非正規雇用打ち切り発表が続いているが、今度は三菱自動車が非正規1100人、富士重工が800人の削減を発表。

その結果、「毎日新聞」によれば、自動車主要12社だけで1万4000人もの削減になる。これを放置すれば、次は正社員解雇の動きが始まるのは確実だ。

三菱自動車と富士重工、派遣従業員ら計1900人削減(朝日新聞)
自動車主要12社:189万台減産 1万4000人削減??08年度(毎日新聞)

続きを読む

非正規雇用の「雇い止め」全国で3万人

厚生労働省の調査で、派遣労働者や期間従業員の「雇い止め」が全国で3万人にのぼることが明らかに。

調査がおこなわれたのは全国で477事業所。雇い止め3万67人のうち2万8245人が製造業ということで、いかにこの間、製造派遣が広がっていたかということを示している。

一方、内定の取り消しは331人。取り消しがあったのは87事業所、そのうち8事業所が倒産、10事業所が民事再生というが、残り69企業は、そうした事情がないにもかかわらず内定取り消しをやったということだ。しかし、きちんと調べれば、もっと数が増えるのではないだろうか。

非正規雇用:「雇い止め」3万人 内定取り消し300人――厚労省調査(毎日新聞)
内定取り消し、来春卒業生331人…目立つ南関東(読売新聞)

厚生労働省発表資料はこちら↓。しかし、さしあたり新卒者の内定取り消しにかんするものしか見つからない。

厚生労働省:新規学校卒業者の採用内定取消しへの対応について

続きを読む

いすゞは非正規1400人を全員解雇する一方で100億円以上の配当を出そうとしている

いすゞ自動車は、国内工場で働く非正規従業員1400人を12月で全員クビしようとしているが、その一方で、株主にたいしては、昨年の1株当たり5円の配当を1円増やして6円配当することを見込んでいる。

いすゞの発行済み株式は約17億株。ということは、配当だけでも約102億円、増配分だけでも17億円になる。従業員を解雇しながら、株主にこれだけの配当をし続けるというのは、あまりに無責任ではないだろうか。

いすゞ自動車の9月期中間決算は↓こちら。
2009年3月期第2四半期決算短信(いすゞ自動車、11月5日)

株の配当額とか、発行済み株式の総数などは、決算短信の1ページ目の下の方に書かれています。

続きを読む

自動車メーカーは「減産、減益」と大騒ぎをして派遣・期間工を解雇しているが、実はしっかり儲けを見込んでいる

トヨタ、日産、マツダ、スズキ、いすゞなど自動車メーカーは、続々と派遣労働者、期間従業員の打ち切り・契約解除を発表している。その数は1万人を超えようとしている。

しかし、9月期中間決算では、トヨタは営業利益6000億円、日産2700億円、マツダ900億円、スズキ1000億円、いすゞ600億円など、しっかりと儲けを見込んでいる。「減益」ではあるが赤字ではない。利益を上げながら、労働者を一方的に解雇するのはあまりに身勝手ではないだろうか。

トヨタ、営業益7割減へ=消費低迷・円高が直撃?09年3月期(時事通信)
日産:09年3月期営業利益予想を65%減に下方修正(Reuters)
マツダが通期営業益を900億円に下方修正、欧州除き販売低迷(Reuters)
スズキ、通期連結営業益を1000億円に下方修正=減収減益、減産も(時事通信)
いすゞ、営業益45%減に下方修正=円高、原材料高など響く?09年3月期(時事通信)

続きを読む

三菱自動車、非正規1000人を首切り

三菱自動車が、派遣労働者、期間労働者1000人を削減する。自動車メーカーでは、すでに8100人(NHKニュースによる)の非正規社員が解雇されようとしているが、さらに1000人がクビを切られることになる。産経新聞は「1万人超」と書いている。

他方、パナソニックは、車載テレビ関係の藤沢、岐阜の2工場を閉鎖する。いちおう希望者は別工場に配転するなっているが、はたしてどうなるか。

三菱自、非正社員1000人削減 愛知など国内3工場(NIKKEI NET)
期間従業員らの削減相次ぐ 自動車業界で1万人超へ(MSN産経ニュース)
パナソニック、国内2工場を閉鎖 需要減で生産体制効率化(NIKKEI NET)

続きを読む

ホンダは日本では首切り、イギリスでは雇用維持

ホンダが日米欧の5ヵ所の生産拠点で減産をさらにすすめるというニュース。

日本では、埼玉工場で4万台の減産にともなって、270人の期間従業員を12月で契約打ち切り、つまり解雇するというのだ。ところが、イギリスでは、来年2月、3月と2カ月、工場を操業停止にする一方、4800人の雇用は維持するという。

ヨーロッパでは工場の操業停止までやりながら雇用を維持することができるのに、なぜ日本では、すぐに従業員を解雇するのか? ホンダは、日本でもイギリスと同じように雇用を守るべきだろう。

ヨーロッパでは、大量解雇をすすめる場合、事前に労働組合や工場の労働者代表と協議することが義務づけられている。だから、簡単には解雇できないのだ。ところが日本では、やりたい放題。「せめてヨーロッパ並みの働くルールを」と要求するのは、まさにこういうことをいうのだ。

ホンダ、日米欧で追加減産 英工場は2カ月停止(NIKKEI NET)

続きを読む

革新懇の街頭演説を聞いてきました

今日(21日)、夕方5時から、新宿駅西口で全国革新懇の街頭演説会がありました。

政党の街頭演説と違って、女性、青年、中小業者、農民、労働組合というさまざまな団体の方が、それぞれの立場から訴えておられました。いまの政治や、世界的な金融不安にともなう暮らしや雇用・営業の危機などを、リアルな事例も消火しながらの訴えで、あらためて政治のあり方が根本から問われていると感じました。

最後に、日本共産党の志位和夫委員長が、約15分間、おもに雇用の問題に絞って訴えていました。金融不安や景気後退を口実にして、いままさに派遣労働者や期間従業員の大量首切りが始まろうとしていることを厳しく批判しています。

続きを読む

欧州議会 男女賃金格差をなくすためにさらに監視強化へ

EU労働法の濱口桂一郎氏のブログで、ヨーロッパのこんな動きが紹介されていました。

EU労働法政策雑記帳: 欧州議会が男女同一賃金規定の全面見直しを要求

日本では、女性の賃金は男性の5?6割という非常に大きな格差がありますが、ヨーロッパでは、15?25%の格差の是正のために取り組んできたが、それでもまだ解決しないということで、さらに男女の同一賃金規定を見直して、格差をなくそうとしているようです。

「せめてヨーロッパではやられているような、まともなルールのある経済社会を」と考えているみなさん、興味がある方は、ぜひ覗いてみてください。

続きを読む

電機メーカーも派遣の打ち切りへ

シャープが、広島県福山工場の派遣労働者300人を年内にも削減することを決定。

パナソニックは、大阪府茨木工場でのプラズマ・ディスプレーの生産を打ち切り、尼崎工場に集約すると発表。これにともない、茨木工場の従業員900人のうち350人が尼崎工場に配置転換になるとのことだが、残り550人は首をきられるということか。

シャープ 派遣従業員を削減へ(NHKニュース)
プラズマパネル、尼崎工場に生産集約へ パナソニック(神戸新聞)

続きを読む

自動車メーカー各社 派遣、期間工など8100人を切り捨て

自動車メーカー各社が、競い合うように、派遣労働者や期間社員の打ち切りを発表。既発表分だけですでに8100人。

景気が落ち込んで、売り上げが減る見込みというが、それでもトヨタは6000億円の収益を見込んでいる。赤字ならともかく、黒字なのに従業員を減らす、それも派遣や期間社員など、弱い労働者を真っ先に切り捨てるなどということは許されない。

自動車メーカー 人員削減拡大(NHKニュース)
日産ディーゼルが減産 派遣社員200人削減(共同通信)
いすゞ 非正規社員契約解除へ(NHKニュース)
非正規1400人の契約打ち切り いすゞ自動車、減産受け(中国新聞)
マツダ 派遣社員500人削減(NHKニュース)
暮らし直撃 日産減産で非正規労働者が契約切れ(下野新聞)
日系派遣社員の解雇急増 浜松では救済団体設立へ(静岡新聞)
景気後退が日系人労働者を直撃 「真っ先にくび」(下野新聞)
派遣切り 加速 不況・円高直撃『簡単に使い捨て』(東京新聞)
日産:国内工場の派遣社員780人削減へ…11月末までに(毎日新聞)

続きを読む

志位委員長、こんどは『サンデー毎日』に登場!!

『サンデー毎日』2008年11月30日号

『サンデー毎日』11月30日号(11月18日発売)に、志位和夫・日本共産党委員長が登場しています。

題して、「志位和夫共産党委員長が糾す ルールなき資本主義」。3ページにわたって、志位委員長へのインタビューを掲載しています。

続きを読む

偽装派遣、直接雇用申し入れ義務違反…まだまだ続く違法行為

派遣にまつわる違法行為の数々。1つめは、パナソニックが、派遣業務の内容を偽って、当時派遣が認められていなかった業務をさせていたというニュース。しかも17年間もずっと派遣というのは、明らかに派遣法違反でしょ。

3つめは、ヤマハが直接雇用申し入れ義務を無視したという事例。5つめは、いわゆる“官製ワーキングプア”の問題。自治体が業務を民間委託するときに、競争一般入札をやるもんだから、単価がぐんと切り下げられてしまって、結局、それを請け負った会社で働く労働者の賃金が切り下げられるという問題。何でも安けれりゃいいっていう問題ではない、ということです。

「パナソニック電工が業務偽装」、元派遣社員が提訴(朝日新聞)
築上町の3セク人材派遣会社 法規制うけ廃業へ 社員100人 町が直接雇用方針 来年4月から(西日本新聞)
是正指導:情報機器労組など、派遣の直接雇用で要請 ヤマハ発動機巡り/静岡(毎日新聞)
マツダ派遣向け説明会始まる(中国新聞)
“派遣”にしわ寄せ 徳島市、競争入札で安い業務委託増加(徳島新聞)
事業停止命令:派遣禁止の港湾倉庫に労働者 会社に業務改善命令/東京(毎日新聞)

続きを読む

非正規1000万人が雇用保険未加入!!

雇用保険は、正社員であるか非正社員であるかにかかわりなく、「1年以上勤め続ける予定の人」「1年以上勤めている人」「週の所定労働時間が20時間以上の人」について、事業主は必ず加入しなければなりません。

ところが、雇用者は4691万人いるにもかからず、雇用保険に加入している人は3685万しかいません。この差約1000万人のかなりの部分が、雇用保険に加入する義務があるにもかかわらず、事業主が加入していないということです。

雇用保険加入漏れ、最大1006万人に 厚労省07年推計(NIKKEI NET)

続きを読む

日本共産党が「景気悪化から国民生活を守る緊急経済提言」を発表

日本共産党が「景気悪化から国民生活を守る緊急経済提言」を発表。

読んでみて、なるほどと思ったのは、現在の事態について、アメリカから始まった世界的な金融危機と、そのもとで起こっている日本の景気悪化の問題とに分けてとらえていること。

景気悪化から国民生活を守る日本共産党の緊急経済提言/2008年11月11日 日本共産党

続きを読む

「わたしは正社員になりたい」

厚生労働省が「就業形態の多様化の実態を把握すること」を目的とした調査結果を発表。派遣を選んだ理由の約4割が「正社員の仕事がない」から。

派遣労働者:「わたしは正社員になりたい」が5割――厚労省調査(毎日新聞)
パートや派遣の割合、4年で3.2ポイント増…正社員は減少(読売新聞)

厚生労働省の発表資料は、これ↓。
厚生労働省:2007年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況

続きを読む

9月の完全失業率0.2ポイント改善というけれど…

9月の完全失業率、前月比で0.2ポイント改善したというけれど、原数値でみると、1年前と比べて率で0.1ポイント悪化。数でも2万人の増加で、6カ月連続して1年前より失業者が増えている。

深刻なのは、有効求人倍率の落ち込み。とくに正社員にかぎった有効求人倍率は0.54倍で、2人1人しか正社員になれないということになる。

有効求人倍率:悪化、0.84倍 4年1カ月ぶり低水準(毎日新聞)
9月の完全失業率4.0%、8月より0.2ポイント改善(読売新聞)
9月の失業率、4.0%――前月比0.2ポイント低下(NIKKEI NET)

総務省の発表資料はこちら↓。PDFファイルが開きます。

労働力調査2008年9月分(基本集計)結果の概要(PDF:55KB)

続きを読む

「ジョブカード」空振り

フリーター雇用対策の「切り札」と言われて、今年4月から始まった「ジョブカード」制度だが、半年たってみて、発行件数は目標の2割。正社員への橋渡しとされた「有期実習型訓練」は、年度目標1万人に対して、実施したのはたった50人。正社員に採用されたのはわずか6人しかいないそうだ。

「雇用促進策「ジョブカード」発行件数、目標の2割(東京新聞)

続きを読む

『週刊プレイボーイ』が現代版「蟹工船職場」を紹介

『週刊プレイボーイ』11月17日号
『週刊プレイボーイ』11月17日号

『週刊プレーボーイ』(11月17日号)が、「現代版『蟹工船職場』のヒドイ話」を特集しています!!

「これから紹介する話はマンガや小説ではない。今年、現実に起きた話だ」と言って、現代版『蟹工船』と言ってもいいような、悲惨な職場の実態が紹介されています。中には、まるっきりのダマシ、詐欺みたいな話もありますが、コンビニSHOP99の清水文美さんの「名ばかり管理職」の話や、途中で辞めれば奨学金を一括返還しなければならないといって、理不尽な職場に縛りつけられる新聞奨学生の話や、民営化後配達中の事故が多発する郵便局の実態など、けっこうマジな話も紹介されています。

続きを読む