厚労省 「名ばかり管理職」防止で通達

厚生労働省が、「名ばかり管理職」問題を是正するために、労基法で残業代を支払う必要がないとされる「管理監督者」にあたるかどうかの具体的な判断基準を示した通達を出しました。

サービス残業、偽装請負、日雇い派遣に続いて、「名ばかり管理職」でも、厚生労働省がようやく規制に乗り出したということです。国民世論と運動で、ここまで政治を動かしてきました。さあ、「名ばかり管理職」のみなさん、どんどん会社に残業代を請求しましょう!!

「名ばかり管理職」指導強化 厚労省が店長らの判断基準(朝日新聞)

厚生労働省の通達はこちら↓から。
厚生労働省:多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について―具体的な判断要素を整理した通達を発出―

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日雇い派遣禁止にたいして経済同友会が意見書

経済同友会が9月3日付で、「『日雇派遣』の原則禁止案に対する意見」を公表した。

「日雇派遣」の原則禁止案に対する意見(経済同友会)
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この「本文」というところをクリックすると、PDFファイルが開きます。

「正社員になれなかった者がやむを得ず非正規雇用を選択したという場合も少なくない。彼らの雇用条件が概して不安定で低い処遇であることから、非正規雇用の拡大が格差社会の原因の一つになっているとの指摘もある」と述べているが、結局、「日雇派遣を単純に禁止することによって問題が根本的に解決されるかどうか疑問」「日雇派遣を禁止しても、すべて日雇派遣労働者が直接雇用にシフトできる保証はなく、むしろ、労働市場のミスマッチにより、雇用機会が失われ、多くが失業に繋がる恐れがある」として、日雇い派遣の原則禁止に反対を表明している。

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若者の51%が違法労働を経験

NPO団体の調査で、若者の51%が残業代不払いなど違法労働を経験したことがあることが明らかに。

残念なのは、そのうち76%が泣き寝入りしていること。「是正できるとは思わなかった」というのがその理由だが、権利は自分で守るもの。がんばれ、若者! 諦めるな、若者!!

違法労働76%泣き寝入り 若者500人アンケート 支援なくあきらめ?(東京新聞)

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ネットカフェ難民に月15万円の生活費を融資

厚生労働省が、いわゆる「ネットカフェ難民」に、職業訓練を条件に訓練中の住居・生活費として月15万円を融資する制度を創設する方針を固めたそうだ。年収150万円以下の場合には返済免除になるので、事実上の給付になるらしい。

ネットカフェ難民に生活費、職業訓練条件に月15万円融資へ(読売新聞)

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派遣の労災、3年間で8倍以上に急増

遣労働者の労災が2007年に5885人、3年間で8.8倍と急増している。労災全体にしめる派遣労働者の労災の比率も、0.5%から4.8%大きくなっている。死亡者が年間36人というのも大変な数字だ。

製造部門が全体の約3分の2を占めており、製造部門への労働者派遣が解禁されたことが、労災の増加をまねいていることは明白だ。山陽新聞が社説で、「派遣を認める業種の在り方も再考すべき」と提起している。

派遣の労災急増5885人、3年間で8倍に…厚労省調査(読売新聞)
派遣労働者:労災急増、製造業解禁の規制緩和が裏目に(毎日新聞)
(社説)派遣の労災 大幅増加は深刻な問題だ(山陽新聞)

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ラジオ・オーストラリアが『蟹工船』ブームを紹介

オーストラリアの放送局ラジオ・オーストラリアも、「アジアとつながる」という番組で、『蟹工船』ブームを取り上げたようです。「復刊されたマルクス主義小説が日本のベストセラーのトップに」と題して、同放送局のホームページに公開されていました(8月15日付)。

日本文学専攻の研究者との対談なので、『蟹工船』ブームを格差の拡大やワーキングプアの増加と結びつけて論じるだけだったこれまでの海外の論評記事とはちょっと趣が違っています。

Reprinted Marxist book tops Japan's best seller list – Radio Australia

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『蟹工船』 英The Guardian紙にも

『蟹工船』ブームは、英紙インディペンデントだけでなく、実は、21日付の英紙「ガーディアン」でも取り上げられていました。

Japan: Marxist book turns bestseller 79 years on – The Guardian

ということで、こちらもヘッポコ訳です。

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英Independent紙 『蟹工船』ブームを取り上げる

時事通信によれば、イギリスの新聞「インディペンデント」22日付が、日本の『蟹工船』ブームを取り上げました。

「蟹工船」ブームを紹介=失われた労働者保護に不満?英紙(時事通信)

そこでまたまた記事を探してみました。といっても非常に簡単。インディペンデント紙のサイト内で、'takiji'で検索するだけ。

で、見つかったのがこの記事↓です。

Japanese discontent voiced in novel sales – The Independent

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最近の雇用動向について

「日経新聞」21日付に、最近の派遣やパート、アルバイトの雇用動向についての記事が載っていた。

「非正社員雇用 頭打ち鮮明」という見出しだが、詳しく見ると、臨時雇用(日雇いを除く1年以内の有期雇用)は、前年同月比で6か月連続で減少といっても、6月にはほぼ前年と同水準になっている。その一方で、人材派遣の実稼働者数も減っている。だから、派遣から有期雇用への切り替えが進んでいることを反映している可能性もあるのだが、記事自体は、全体として、日雇い派遣禁止の動きに対して、そんなことをしたら「雇用全体のパイ縮小を招く」といって、牽制する色合いが濃いものになっている。

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現代の蟹工船 「毎日新聞」で連載始まる

連載「働けど '08<1>小刻みに殺される」(「毎日新聞」2008年8月19日付朝刊)
「毎日新聞」2008年8月19日付朝刊から

『蟹工船』の一節を紹介しながら、低劣な条件で働かされる現在の労働実態を紹介する連載企画が、「毎日新聞」で19日から始まりました。

悲惨な実態を伝えるだけでなく、毎回、どうしたら働く権利が守れるか、簡単な自衛策の紹介もあります。注目したいと思います。

働けど:'08蟹工船/1 小刻みに殺される(毎日新聞)
働けど:'08蟹工船/2 求人広告、甘いワナ(毎日新聞)

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シンガポール紙でも『蟹工船』取り上げられる

東京女子美大の島村教授がブログで紹介(Prof. Shima's Life and Opinion : シンガポールでも「蟹工船」現象を報道)されていますが、シンガポールの英字紙「ストレーツ・タイムズ」に、日本のワーキングプア問題と『蟹工船』ブームにかんする記事が掲載されました。

ということで、インターネットを探してみると、その記事が見つかりました。こちら↓です。

'Working poor' issue proves a page-turner – The Straits Times

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ロイターが『蟹工船』ブームの記事を配信

ロイターが東京発で、小林多喜二『蟹工船』のブームについて記事を配信しています。曰く――

 1929年に書かれたマルクス主義者の小説が、日本のベストセラー上位に上がっている。それは、世界第2位の経済大国での雇用不安と所得格差の拡大を反映している。……

ロイター配信記事の全文はこちら↓。
Japan economy angst boosts sales of Marxist novel – Reuters

いちおうのヘッポコ訳をのせておきました。

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日本人の勤勉さが失われてしまう…?!

読売新聞が、日本人の「勤労観」について世論調査を実施。

これまでの同様の調査と一番の違いは、「日本人の勤勉さがこれからも続くと思うか?」の質問。これまでは、50%以上が「続くと思う」と回答していたが、今回はわずか35.2%。逆に、「そうは思わない」は、これまで33.4%から40.8%へと増えてはいたものの、61.0%と初めて50%を超えた。

しかし、これは「勤労観」の問題だろうか? 非正社員が3分の1を超えるようになって、働いても働いても報われることが少なくなる一方、株などで大金を手にする人間が現れるようになったのでは、誰だって、「勤勉さが続く」とは思わなくなるだろう。そういう社会の変化の反映と見るべきだろう。

日本人「勤勉続くと思わない」61%…読売調査(読売新聞)
「年間連続調査・日本人 (8)勤労観」 2008年7月調査(面接方式)(読売新聞)

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厚労省、「労働者派遣制度研究会」報告書を公表

厚生労働省の「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」報告書。いまは読んでる時間がないので、とりあえずリンクを貼り付けておきます。(^_^;)

厚生労働省:「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書」について

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6月失業率4.1% 1年6カ月ぶりの水準に

6月の失業率は0.1ポイント悪化して4.1%に。これは1年6カ月ぶりの水準。新規有効求人も減少しています。

他方で6月の消費支出は前年比実質-1.8%で、こちらは4カ月連続で前年比マイナスです。とくにガソリン、パン、カップ麺の消費が減っていることが目立つとのこと。いよいよ物価が上がり始め、庶民はますます消費を節約するしかありません。

6月の失業率4.1%に悪化 0.1ポイント上昇(NIKKEI NET)
6月全世帯消費支出は前年比実質‐1.8%=総務省(ロイター)

総務省発表のデータはこちら↓。どちらもPDFファイルが開きます。
労働力調査(速報)2008年6月分結果の概要 (PDF:55KB)
家計調査報告(二人以上の世帯)2008年6月分速報(PDF:40KB)

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厚労省、日雇い派遣原則禁止の方針

厚生労働省の研究会が、日雇い派遣および30日以内の短期派遣を原則禁止する報告書をまとめました。NHKニュースが指摘するように、この分野では規制緩和ばかり続いていたのが、初めて規制強化に転ずることになります。

しかし、日雇い派遣や短期派遣を原則禁止するだけでは、「例外」と称してグレーゾーンが広がる危険性があります。1999年の派遣業種の「原則自由化」を見直して、派遣事業は専門職種に限定すべきだと思います。

他方、7月中旬時点で、グッドウィルの登録スタッフ6100人のうち半数近くがまだ新しい職場が決まっていないそうです。日雇い派遣禁止の議論とともに、いま日雇い派遣でしか働くことのできない人たちが仕事がなくて暮らせないということにならないように、しっかりした対策が必要です。

「30日以内の短期派遣も原則禁止に」(TBS News-i)
“日雇い派遣原則禁止”提言(NHKニュース)
派遣労働規制、期間1カ月以内を原則禁止 厚労省方針(NIKKEI NET)
グッドウィル月末廃業、派遣3000人が次の職場決まらず(読売新聞)

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地震が起きたとき、工場はフル操業だった…

公開するのをすっかり忘れてました…。(^_^;)

岩手県北部地震が起きたのは、深夜0時24分。しかしそのとき、トヨタ系子会社の関東自動車工業の工場では、1,300人が仕事の真っ最中だった。

マルクスは『資本論』で、機械の導入が労働時間の制限をなくして、深夜労働、24時間連続労働をもたらすと指摘しているが、まさにそのとおりの事態だった訳である。

各企業の生産設備などにも被害、夜勤作業打ち切りも(読売新聞)

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本日のお買い物

雨宮処凜解説『蟹工船』(金曜日)『WordPress2.5でつくる! 最強のブログサイト』
金曜日刊・小林多喜二『蟹工船』(左)と『WordPress2.5でつくる! 最強のブログサイト』(右)

まず1冊目(左)は、最新版の小林多喜二『蟹工船』(金曜日刊)。(^_^;) 最新版だろうがなんだろうが蟹工船のストーリーが変わるわけはありませんが、注目は、雨宮処凜さん解説。とりあえず、彼女の解説だけ目を通しましたが、『蟹工船』がなぜいまの若者にうけるのかを、非正規で働く若者たちの生々しい実態を重ねつつ明らかにしていて、なかなか読み応えがありました。

2冊目(右)の『WordPress2.5でつくる! 最強のブログサイト』は、WordPress解説本の最新バージョン。WordPressの方はすでに2.6になっていますが、2.5でダッシュボードのデザインその他大きく変更されたので、これからWordPressを始めるという人には絶対お薦め。

もちろん、オイラのように、以前からWPを使っているが最新機能をよく理解していないというユーザーにも必須の1冊? これから読んで勉強します。(^_^;)

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東京地裁 添乗員の残業代の支払いを命ず

ツアコンとして、旅行をサポートしてくれる添乗員。これまで、「みなし労働制」によって、旅行先で夜遅くまでお客さんに対応しても、残業代が支払われていませんでした。

しかし、昨日、東京地裁が「労働時間の算定は可能」として、「みなし労働制」は適用できないとする判決を下しました。添乗員の皆さん、おめでとうございます。ヽ(^o^)/

労働審判:残業代、認めます 派遣添乗員に14万円――東京地裁(毎日新聞)

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