手書き資料をコンピュータで検索する

今日の「日経新聞」夕刊に載っていた記事。京大の林晋教授が開発したSMART-GSというプログラムで、手書き資料を画像データとして読み込み、必要な文字列を検索できるというものです。

記事によれば、林教授が数学者ヒルベルトが残した「数学手帳」の解読作業を効率的にやろうとして開発してしまった、というのは、いかにも数学研究者らしい発想。70ページにおよぶ手帳の中から「Kronecker」という人名をすべて探し出すのに数分しかかからなかったそうです。

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「超ひも理論」は確かか?

ローレンス・M・クラウス『超ひも理論を疑う』(早川書房)

偶然本屋で見つけたもの。著者のローレンス・M・クラウスは、アメリカのケース・ウェスタン・リザーヴ大学の宇宙論・天体物理学教育研究センター所長で、ポピュラー・サイエンスの書き手でもあるそうです。

で、いま話題の「宇宙は実は26次元からなっていた」「余剰次元は、くるくると極小サイズに巻き上げられている」という話題の「超ひも理論」にたいして、はたして超ひも理論は確かな理論なんだろうか? ということを考えたものです。

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最先端の宇宙論はどのように観測的に裏づけられているのか

シリーズ現代の天文学第3巻『宇宙論II―宇宙の進化』(日本評論社)

日本天文学会100周年を記念して出版されているシリーズ「現代の天文学」。そのなかの第3巻は「宇宙論II」と題されていますが、最先端の宇宙論が、観測的にどのように検証されるのかを解説しています。

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浜岡原発差し止め訴訟で住民の請求却下の地裁判決

東海地震の推定震源域のど真ん中にある浜岡原発の運転停止を求めた住民訴訟で、静岡地裁は原告の請求を棄却する判決。

判決は、現に浜岡原発でいろんなトラブルが起こっていることなども無視して、住民側訴えについて、あらゆる点で中部電力側の主張を認めたもの。そこまで安全だというのなら、ぜひ裁判長には、浜岡原発の隣りに住んでいただきたいものです。

浜岡原発の運転停止認めず 静岡地裁「耐震性は確保」(中日新聞)

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DNA二重らせんの発見者ワトソン博士が人種差別発言

DNA二重らせん構造の発見者で、ノーベル医学・生理学賞を受賞したアメリカのジェームズ・ワトソン博士が、イギリスの新聞のインタビューで人種差別発言をおこなったことが明らかに。

米ノーベル賞科学者が人種差別発言、所属研究所から職務停止処分(AFPBB News)

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宇宙からの物体X…?!

ペルーで、隕石が落下したクレーター周辺の住民が体調不良になったというニュース。すわ、”宇宙からの物体X”か?! と期待心配したのですが、どうやら衝突時に生じたガスが原因のようです。

ガスが発生したペルー・カランカス近郊のくぼみ=AP(読売新聞)
ペルーの隕石落下で200人が体調不良、放射線は検出されず(AFPBB News)

ペルーの隕石落下で200人が体調不良、放射線は検出されず(AFPBB News)

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クマゼミが東京進出?!

クマゼミ(大阪市大・沼田英治教授撮影)=朝日新聞7月28日付から
クマゼミ(大阪市大・沼田英治教授撮影)=朝日新聞7月28日付から

子どものころ、僕が住んでいたところでは、セミと言えばほとんどクマゼミでした。でも同じ関西でも、少し離れたところではアブラゼミばかりで、クマゼミがまったく捕れず、透明のハネをもつクマゼミは夏の昆虫採集でもちょっとした自慢でした。

で、東京へやって来て知ったのは、東京にはクマゼミがいないということ。ところが、そのクマゼミが東京でも増えつつあるとか。ワシャ、ワシャと、1匹軒先で鳴き出しただけで耳を覆いたくなるようなあのクマゼミの鳴き声が東京中に響き渡るようになるのでしょうか…?

気温上昇?東京でクマゼミ増殖中、ぬけがら調査で判明(読売新聞)

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遠くの方が震度が大きい…

気象庁地震情報(2007年7月16日23時31分発表)

中越沖地震で大きな被害が出ているときに、こんなことを珍しいとおもしろがっていると、不謹慎といわれるかも知れませんが、今日、夜23時18分頃に発生したM6.6の地震。震源が京都府沖であるにもかかわらず、北海道・東北地方の太平洋側で震度4(浦幌町)?震度3が観測されています。

どうしてこんなことになったのか? 秘密は、震源地下370kmという非常に深いところで地震が起きていることにありそうです。

また、この京都府起き地震のほかにも、今日は、夕方17時24分に奈良県を震源とする地震(M4.7、震源は地下50km)も起きていていて、地震の“特異日”になってしまいました。

多摩川は偉大だ!!

唐突ですが、東京都西部に広がる武蔵野段丘は、実は、青梅あたりを基点とする多摩川の巨大な扇状地だった、ということをみなさんご存じですか?

『資本論』の精読でいささか疲労困憊状態になっているため、思い切った気分転換のために、こんな本を読んでいます。

貝塚爽平『東京の自然史<増補第2版>』(紀伊國屋書店)貝塚爽平監修『<新版>東京都 地学のガイド』(コロナ社)
左=貝塚爽平『東京の自然史<増補第2版>』(紀伊國屋書店)、右=貝塚爽平監修『<新版>東京都 地学のガイド』(コロナ社)

で、初めて分かったことがたくさんあります。

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茶色くなってきました

2007年6月18日撮影

先々週の土曜日9日に(恐らく)蛹になったと思われるアオスジアゲハですが、今日見たら、少し茶色っぽくなってきました。いよいよ羽化が近づいてきたのでしょうか?

しかし、よく見ると、なんだかひび割れて、体液が漏れ出しているような気もします…。う?、はたして無事羽化してくれるのでしょうか?? 不安。(°°;))。。オロオロッ。。・・((;°°)

一家に1枚?! 宇宙の歴史

文部科学省が、こんなもん発表しました。でも、一家に1枚って…

一家に1枚 宇宙図 2007(監修:文部科学省、日本天文学会天文教材委員会)

一家に1枚 宇宙図 2007について?文部科学省

↓こっちをクリックすると、A3対応版のPDFz(7.73M)ファイルが開きます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/week/uchuu/001.pdf

↓で、こっちがその説明書(PDF、7.31M)。
http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/guide.pdf

ちなみに、4月16日から各地の科学館・博物館でA2サイズのポスターを配布するそうです。もらいに行こう??っと (^_^;)

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タミフル研究班主任研究者に、タミフル販売企業から寄付金

今日の「東京新聞」のニュースから。第三弾。

インフルエンザ治療薬「タミフル」による異常行動の問題ですが、厚生労働省の研究班の主任研究者になっている横田俊平・横浜市立大学教授の講座に、「タミフル」の輸入販売元の中外製薬から「奨学寄付金」として2001年度から2006年度までに計約1000万円の寄付がおこなわれていたという事実。驚きです。

タミフル研究者に1000万 危うい奨学寄付金(東京新聞)
タミフル研究班教授に寄付金1千万円、岡山大教授にも(朝日新聞)

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数学する遺伝子――数学はパターンの科学

キース・デブリン『数学する遺伝子』(早川書房)

もう大分前に読み終わっているのですが、いろいろ面白かったので、ちょっとメモっておきます。

一番興味深かったのは、「数学は、秩序、パターン、構造、および論理的関係性の科学である」(101ページ)というところ。
パターンという中には、結び目のパターンや花の対象性のパターンなど、数と関係のないものもあるが、こういう抽象的なパターンを研究するのが数学。あからさまには目に見えないパターンも、数学を使うと、目に見えるようになる、云々。

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