子育て減税

今日の朝日新聞に子育て世帯の減税についての特集記事が載っています。
そこでは、2つの減税方式による減税額の違いがグラフで示されています。1つは、たとえば子ども1人あたり10万円として、子どもの数だけ税額控除するという方式。もう1つは、N分N乗方式(記事では「フランス方式」)と言われているもので、世帯の総所得を子どもを含めた家族の人数(N)で割って、1人あたりの課税所得を計算。それに税率をかけて1人あたりの税額を出し、それを再びN倍して納税額を出すというもの。フランスで出生率が上がっているものだから、N分N乗方式は、少子化対策に最も効果がある税方式であるかのように宣伝されています。

しかし、その結果をみると、非常に劇的なもの。
続きを読む

明らかになってきた米日の思惑の違い

米報道官が、中ロの決議案について「目標は共有」と発言。中国訪問中のヒル国務次官補は、中国の働きかけを「懸命に取り組んでいる」と評価するなど、北朝鮮のミサイル発射に対する国連決議をめぐって、米日の思惑の違いが浮き彫りになってきたようです。

「目標は共有」 中ロ非難決議案で米報道官(朝日新聞)
北朝鮮の「6か国」復帰、中国の説得難航(読売新聞)
北朝鮮安保理決議案 かわされた早期採決(朝日新聞)

続きを読む

こんな軽率な人物が外相でいいのか?

麻生外相が、広島市内の講演で、「金正日に感謝しないといけない」と発言。直後に「冗談」だと申し開きしましたが、いまの緊張した事態に、こんな「冗談」を口にする人物が外相でいいんでしょうか?

麻生外相「金総書記に感謝」と冗談(日刊スポーツ)
北ミサイル発射、軍事大国化のきっかけを日本に提供(韓国・中央日報)
続きを読む

読売新聞のブッシュ会見記事から

読売新聞がブッシュ大統領と会見。

ブッシュ大統領は、小泉首相にたいして、「(中韓との)関係を改善できるよう望む」と伝えたことを明らかに。会見の場では、「われわれの友邦〔日本のこと〕が他の友邦〔韓国〕や関係国〔中国〕と良好な関係を持つことは、我が国〔アメリカ〕にとっての国益でもある」と、さらに踏み込んで指摘しています。

北朝鮮の説得、中国に促す…米大統領が読売新聞と会見(読売新聞)

続きを読む

NHK世論調査 小泉首相の靖国参拝に否定的意見が過半数

NHKの世論調査で、小泉首相の靖国参拝について、「任期が終わってから参拝すべきだ」38%、「時期にかかわらず参拝すべきでない」15%、あわせて53%が参拝に否定的な回答。

NHKニュース(2006/07/11)
続きを読む

原子力空母は来るな! 7・9首都圏大集会in横須賀

今日は、横須賀まで出かけて、ヴェルニー公園で開かれた「原子力空母配備阻止!米軍再編“合意”を撤回せよ 7・9首都圏大集会 in 横須賀」に参加してきました。

集会には、首都圏とともに大阪などからも集まり、3万人が参加。空模様が心配でしたが、なんとか本格的な雨には降られず、米海軍横須賀基地のゲート前を通ってデモ行進してきました。
続きを読む

東シナ海ガス田開発問題を考える

東シナ海での中国によるガス田開発について、興味深い論文を見つけたので、ちょっと紹介しておきます。

その論文は、昨年(2005年)の『週刊東洋経済』10月1日号に掲載された「非常識な日本側の要求 中国と共同開発交渉を」という論文。筆者は、元石油資源開発取締役の猪間明俊氏。

猪間氏は、おおむね次のようなことを指摘されています。

 国連海洋法条約は2つの規定を定めている。1つは、いわゆる中間線で、陸地から200カイリの各国のEEZ(排他的経済水域)が重なり合う場合、その中間線をもって境界とするという規定。もう1つは、国土の地形・地質的自然延長としての大陸棚はそれに接する国のものという規定。日本は中間線を主張し、中国は東シナ海の大陸棚と「沖縄トラフ」までの権利を主張している。つまり、中間線と沖縄トラフとの間の海域が、日中両国の「係争海域」である。
 海洋法条約の2つの規定には相反するものがあるが、どちらの規定を優先するかは決められていない。したがって、関係国の話し合いで決するか、国際司法裁判所に判定してもらうしかないが、世界的には「自然延長論がやや優勢」で、「司法裁判に持ち込むと中国側に有利な判決が出て、日本は係争海域の権利を失うおそれがないとはいえない」。(要旨)

ここまでは、海洋法条約の一般的な理解。以下が、石油資源開発のプロとしてのご意見。
続きを読む

米軍の判断だけで迎撃

米軍が沖縄の米軍基地に配備しようとしている地上発射型迎撃ミサイル(PAC3)について、米軍だけで発射できることが明らかに。

こうなると、地元の問題だけではありません。文字どおり、日本の国家主権にかかわる重大問題です。

在日米軍「PAC3」 米側のみに発射権限(中日新聞)
米軍パトリオット 嘉手納に年内配備 地元議会 撤回求める決議(西日本新聞)
続きを読む

政治家の「口利き」

防衛施設庁では、国会議員の「口利き」が発覚。防衛施設庁は、汚職のために廃止される方向で話が進んでいるので、いまは“叩き時”ということ。しかし、「防衛施設庁が腐敗しているので、廃止する代わりに、防衛庁を防衛省にします」というのはやめてもらいたいものです。

他方で、信用保証会社が税務調査を受けている最中に、自民党国会議員らと会食し、税務調査について相談した上で、800万円渡していたことが明らかに。「調査を止めてくれという依頼はなかった」といっても、それは「魚心あれば水心」でしょ。これだけ露骨なことをやっても、犯罪にならないとは…。

仙台防衛施設局、国会議員ら14人「口利き」 文書残す(朝日新聞)
口利き日常的 防衛施設庁「むげにできず」(朝日新聞)

信用保証大手の前会長、国税調査中に800万円献金(読売新聞)
続きを読む

日米首脳会談にかんする社説あれこれ

全国紙では、「朝日」が「日米首脳会談 同盟一本やりの危うさ」という見出しをかかげて注目されましたが、中身を読んでみると、やっぱりだいぶ腰が引けてますねぇ。(^_^;) で、同じ腰が引けたものなら、「毎日」の社説の方が、小泉外交のゆきづまりをずばり指摘しているだけ面白いかも…。

それに対し、地方紙の方がいろいろ気を吐いていますね。「愛媛新聞」は、「米国の世界戦略に巻き込まれ、自衛隊の海外派遣がなし崩し的に世界規模に拡大する恐れは否定できない」として、「さらなる連携強化はこれからの日本にとって、危うさをはらむと言わざるを得ない」と批判。「琉球新報」は、「国の安全保障どころか、国を危機的状況に追いやる結果を招くのではないか」ともっと深刻です。中国新聞も、「軍事行動まで発動し、価値観の押し付けとの反感が強いブッシュ路線を、日本が無条件で支持すると受け取られかねない」と問題点をずばり指摘しています。「小泉政権は、日米関係が強大な軍事同盟へと変容する流れを加速させてきた」という「北海道新聞」の指摘もなかなか鋭いと思います。

社説:日米首脳会談 「盟友」依存超えた関係構築を(毎日新聞)
日米首脳会談 同盟一本やりの危うさ(朝日新聞)
日米首脳会談 安保だけが同盟でない(東京新聞)

地方紙はこちら。

日米首脳会談 同盟深化は危うさをはらむ(愛媛新聞)
新世紀の日米同盟・対米一辺倒外交でいいのか(琉球新報)
日米首脳会談/「新同盟」の先に何がある(神戸新聞)
日米首脳会談 自画自賛の空虚と怖さ(中国新聞)
日米首脳会談*軍事が突出する「同盟」(北海道新聞)
続きを読む

次期首相の日中・日韓関係改善を求める声

キャンベル元国防次官補代理が、米政府は日中関係・日韓関係の解決にむけて日本に働きかけるべきだと発言。

米国:日本に注文「次期首相は中、韓関係により注意を」(毎日新聞)
靖国取り上げる可能性少ない(NHKニュース)

↑NHKニュースの見出しは「靖国取り上げる可能性少ない」になっていますが、ニュースの中で、キャンベル元国防次官補の発言を取り上げ、外交関係者の間で、日中関係改善のために日本政府にはたらきかけるべきだとする動きがあることを紹介しています。
続きを読む

首相の靖国参拝はアメリカにとっても損失

先週土曜日の「朝日新聞」オピニオン欄で、元米国防総省日本部長のポール・ジアラ氏が靖国問題について「首相参拝は米国にも損失」と題して、論稿をよせている。

もちろん、日米同盟を肯定する立場からの意見だが、靖国神社の戦争博物館「遊就館」の展示にふれ「歴史の愚かな書き換えは、米国に対する直接的な挑戦である」と批判。「靖国史観は日本が戦後営々と築き上げた道義的優越性を台無しにしてしまう」とも指摘。「日本の道義的後退は……米国にもマイナスに働く」として、小泉首相自身が“参拝すべきでない”と表明すべきだと提起している。
続きを読む

法人格変更でも問題は解決しないのだが

麻生氏の言い分は、「政教分離」の原則に抵触するので、政府が宗教法人である靖国神社にたいしてA級戦犯を分祀させることができない。それで、まず法人格を変更してしまおうということのようです。

しかし、非宗教法人化し、A級戦犯を分祀したとしても、「正義の戦争だった」という戦争観と不可分である「英霊」の「顕彰」施設である限り問題は解決しないのですが…。むしろ、非宗教法人化したからといって、国が直接関与する「英霊顕彰」施設になったら、それこそ大問題です。

靖国神社の法人格変更、政府も検討すべき…麻生外相(読売新聞)
続きを読む

「骨太方針」での明示を見送っても

消費税増税の時期や上げ幅について、来年の参院選で争点にならないように、「骨太の方針」への明示を先送り。
しかし他方で、社会保障の財源を理由に「消費税増税は必要だ」の発言は繰り返されています。こんどは谷垣財務相。

消費税の上げ幅・時期、明示は避ける 骨太の方針(朝日新聞)
谷垣氏、社会保障費財源は消費税増税(TBS News-i)
続きを読む

沖縄の負担軽減に「ならない」52%

在日米軍再編の日米政府合意について、読売新聞が世論調査を実施。

沖縄の負担軽減になると思うかとの問いに「そうは思わない」52%。また、費用負担について日本政府は十分説明していると「思わない」が87%。にもかかわらず、合意そのものについては「評価する」が50%というのは、いったいどうして? 理解不能だ…

在日米軍再編合意、「評価する」50%…読売世論調査(読売新聞)
続きを読む

総裁選は権力闘争か?

小泉首相が自民党代議士会で、「総裁選にむけて再び権力闘争になる」「権力闘争を身近に体験できるいい機会」と発言。

  • 国民にとっては、誰が首相になり、どんな政治をおこなうかは、自分たちの生活に直結する重大問題。とても「これが権力闘争だ、よく見ておけ」などと言ってはおれない問題だということが、小泉首相は分かってないということ。
  • 他方で、政策的にはほとんど差のない政治家同士の争いなので、政策論争、路線論争などはおこなわれず、いきおい駆け引き、勢力争い、何でもありの「権力闘争」にならざるを得ないという側面。

なんにせよ首相が、後継首相をめぐる争いを、みずから「権力闘争」と公言してはばからないとは…。政治に携わる者の最低限の“モラル”さえなくなったということか。

小泉首相「国会閉会後は権力闘争だ」(日刊スポーツ)
続きを読む

消費税「目的税化」論のたくらみ

谷垣財務相が、財務担当大臣として、初めて消費税を目的税化すべしとの考えを表明。経済財政諮問会議でも目的税化の議論が出されています。他方で、来年の参院選にむけて、最終決定は2008年に先延ばししつつ、「社会保障のため」を口実にして増税を押しつけようという方針のようです。

しかし、前にも書いたとおり、福祉目的税化するといっても、現在の社会保障財源のうち税負担部分を全部消費税でまかなうとしたら、それだけで10%以上の増税が必要。高齢者の医療負担を増やし、年金への課税を強化し、そのうえ消費税増税…。どこが「社会保障のため」なのでしょう。

消費税 「社会保障目的」を表明 谷垣財務相(毎日新聞)
消費税の目的税化求める 諮問会議で民間議員(共同通信)

続きを読む

都心の公務員宿舎売却は、大手デベロッパーの自作自演

昨日の「東京新聞」こちら特報部が、今すすめられようとしている都心の国家公務員宿舎の売却問題を取り上げています。

そこに紹介されている「有識者会議」のメンバー。日本住宅ローン、三井不動産、三菱地所など大手デベロッパーが並んでいます。要するに、大手デベロッパーが自分で「売却すべし」との答申をまとめ、売却・再開発で自分たちが儲けよう、そんな魂胆があまりに見え透いています。

【有識者会議メンバー】

伊東 滋 早稲田大学特命教授(座長)
赤羽 貴 パートナー弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
浅海泰司 東京大学空間情報科学センター副センター長、教授
大垣尚司 立命館大学教授、日本住宅ローン社長
佐藤 実 三井不動産常務取締役常務執行役員
長島俊夫 三菱地所代表取締役専務執行役員ビル事業本部長
目端康雄 慶應義塾大学大学院教授
(「東京新聞」2006年6月14日付から)

公務員宿舎売却 “デベ”の見た裏側 全部がおいしい/結局大手のもの(東京新聞)
続きを読む