米軍警備艇、漁師に銃口を向ける

今月5日、広島県江田島市の長島沖で刺網漁をしていた漁船に約10メートルの距離まで接近し、漁師に銃口を向ける、という事件が起きていたことが明らかになりました。

事件が起きたのは、米軍に提供している海域から約12キロも離れたところ。米軍海域に入った漁船を追跡していたということですが、日本側に通報せずにそんな追跡が許されていいのでしょうか? それにしても、こんな重大な事件が起きたのに、米軍に抗議するどころか、とりあえず「追尾は正当」と答えてしまうあたり、日本の外務省って、いったいどっちむいて仕事してるんでしょうねえ。

米軍警備艇:小銃で漁船を威嚇 広島・江田島沖(毎日新聞)

船長が恐怖語る 岩国米兵威嚇事件(中国新聞)
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北朝鮮の工作だって?

NHK特番への介入問題で、サイトのあちこちに、NHKの「反日報道」を改めさせようとしたことにたいする北朝鮮の工作だ、などという意味不明な書き込みがあって、疑問に思っていたのですが、なんと出所は、安倍晋三・幹事長代理ご本人でした! 呆れて、塞がった口も開かない…。

安倍晋三 自由民主党 衆議院議員 – ニュース

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報道ステーションでの安倍晋三・幹事長代理の“釈明”

昨日、テレ朝の報道ステーションに、安倍晋三・自民党幹事長代理が出席し、NHK問題についても、古館一郎キャスターなどから質問を受けました。

しかし、中川氏が昨日になって急に言い出した「NHKと初めてあったのは2月2日だ」という主張を前提にしており、「釈明」になっていないと思います。

中川発言について言えば、「朝日新聞」が書いているように、中川氏も、10日の段階では、事前に会ったことを認めていたのだし、古館キャスターも指摘したように、数日前までは事前に会ったことそれ自体は認めるニュアンスの発言をしていたのだから、NHKと初めて会ったのは2月2日だというのは、“あと知恵”であることは明らかです。したがって、その“あと知恵”にのった安倍氏の釈明も、釈明になっていないということです。それどころ、NHKまでもが昨日になって“中川氏と会ったのは2月2日です”と言い出したことは、再度、NHKに「圧力」が加えられ“口裏合わせ”をしたのではないかと思わせるに十分です。

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NHK特番への介入問題(続報)

NHK特番介入問題での続報です。

安倍晋三・自民長官次長代理(当時、官房副長官)と中川昭一・経済産業相の介入について、この番組の製作責任者・長井暁チーフプロデューサーの証言が詳しく報道されています。

NHK番組改変問題 「会長了承していた」と告発者会見(朝日新聞)

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同一検事が担当…ビラ配布弾圧事件

東京・立川の自衛隊官舎ビラ配布事件と、東京・葛飾のマンション・ビラ配布事件、それに板橋区の卒業式でビラを配った元教師を威力業務妨害で逮捕・起訴した事件、この3つの事件、実は、同じ検事が担当している、という恐ろしい話。

立川反戦ビラ弾圧救援会代表の大沢ゆたかさん(立川市議)が、葛飾区のマンションビラ配布事件について今日の「しんぶん赤旗」に寄せた談話のなかで指摘されています。

米軍再編問題 沖縄、横田について作業部会をつくり具体案検討

在日米軍再編で、日米両政府が、米軍横田基地と沖縄について、具体案を協議する作業部会を、昨年12月に発足させていたことが明らかになりました。

「沖縄」「横田」で作業部会 米軍再編めぐり日米協議へ(朝日新聞)
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日本はどうすべきか

今日の毎日新聞に、「『還暦』日米関係どうする」のタイトルで、キャロル・グラッグ米コロンビア大学東アジア研究所教授のインタビューが掲載されています。そのなかで、グラッグ教授は、「日米2国間主義症候群」からの脱却を主張。同時に、対アジア関係の再構築を提言しています。

 ワシントンと東京の間の一次元の関係ではなく、一方向だけにとどまらない外交が必要なのだ。とりわけアジアとの関係の再構築が重要だ。……
 日本は米国の同盟下で中国や韓国のことに思いをめぐらせず、帝国の問題に対処してこなかった。それが現在の「歴史問題」の一因になっている。日米関係への過度の集中が生み出した「視野狭さく」の影響だ。しかし、アジアは「帝国」と「戦争」を忘れていない。日米関係の一方でアジアとの関係を置き換えなければ、日本の存在の場は築けない。
 ――具体的に日本はどうすべきですか。
 例えば、小泉純一郎首相は靖国参拝のような近視眼的政治をやめるべきだ。靖国問題は戦後60年間、日本が世界の中での自らの場を十分な幾何学的方法で思考するのを停止してきたことの象徴的出来事だ。歴史問題に注意を払うことが何より求められている。
(「毎日新聞」2005年1月13日8面)

自民党のNHK放送番組への介入問題

東京新聞が「憲法のイロハを無視」として社説で取り上げています。

<放送番組介入>憲法のイロハを無視(東京新聞社説)

また、「テレビ&芸能」欄で、服部孝章・立教大教授と放送ジャーナリスト・ばばこういち氏のコメントを紹介。

服部氏は「政治家たちに圧力の認識がないことが問題であり危険」「NHKも社会に対してきちんと説明しなければ、視聴者にたいする裏切りになる。沈黙を守るのなら、同様のことが日常的にあることの裏返し」と指摘。ばばこういち氏の「番組放送後に批判するのは自由だが、事前に呼んで『偏っている』というのは、とんでもない話」というコメントは、問題の本質を鋭く突いていると思います。

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自民党がNHKに圧力

NHKが2001年1月に放送した特集番組で、日本軍の従軍慰安婦問題で昭和天皇の責任を追及した民衆法廷を取材しながら、昭和天皇を有罪とした判決を放送しないなど、事前の説明と異なる放送を行った問題で、当時、安倍晋三・官房副長官(当時、現・自民党幹事長代理)と中川昭一・「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」代表(当時、現・経済産業相)がNHK幹部(総局長ら)にたいして、「一方的な放送はするな」「公平で客観的な番組にするように」「それができないならやめてしまえ」などと発言し、圧力をかけていたことが明らかになりました。

NHK番組に中川昭・安倍氏「内容偏り」 幹部呼び指摘(朝日新聞)

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葛飾ビラ配布事件、検察が起訴

葛飾区のマンションで、共産党の都議会報告を配布していた男性を、住人が「住居不法侵入」で逮捕(私人による現行犯逮捕――ただし、本人には、警察署に連れていかれて、はじめて「すでに」逮捕されている事実が告げられた)された事件ですが、東京地検が、昨日、起訴しました。

マンションなど集合住宅内へのビラ配布については、前に、立川自衛隊官舎ビラ配布事件の一審無罪判決に関連してコメントしたことがありますが、今回の事件についても、それ以上に言うべきことがありません。

集合住宅の共用部分は、一般に外部の人が立ち入ることを想定した空間であり、オートロックなどで仕切られた空間内部に立ち入るのでない限り、その部分に立ち入って各部屋の玄関ドアにビラを配ったとしても、それが直ちに「不法侵入」になるというのは、相当に無理があります。今回の事件では、住人の1人が「何をしている」と誰何したということのようですが、仮に、その住人が「ビラを配るな」と言って退去を求めたとしても、それが効力を持つのは、その住人の管理にかかわる範囲のみ(つまり、その人の部屋の玄関前から退去するという程度)。それ以外の部分については、その住人に「不法侵入」として「私人の現行逮捕権」を行使する資格があるのかも疑問です。

また、立川の事件の時にも問題になったように、商業チラシや他の党の議員の議会報告などの配布が、実際には何も問題にされていないときに、共産党の議会報告の配布だけを問題にするというのは、決して「住人の不安」や「プライバシーを侵害されたくないという心理に配慮した」ものでないことを示しています。

今回の事件は、立川自衛隊官舎ビラ配布事件無罪判決にたいする意趣返しという可能性が、多分に感じられます。

<住居侵入>マンションでビラ配布、僧侶の男起訴 東京地検(毎日新聞)
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米、大型ミサイルの開発決定、日本政府と協議

米国防総省が海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の開発を決定。日本と共同開発の協議へ。日本政府が、昨年、「武器輸出3原則」からミサイル防衛関連の対米輸出を除外したため、何年か後には日本が開発に協力したミサイルが実戦配備されることになります…。

米、大型SM3の開発決定 ミサイル防衛、新段階へ(共同通信)
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米軍横田基地、軍民共用化へ?

東京の米軍横田基地の軍民共用化で合意した、というニュースが流れています。共用化といっても、米軍の基地に民間航空機が乗り入れるというものですが。

米側は、陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への統合・移転と“抱き合わせ”にしたいようで、横田共用化は、在日米軍基地再編の「露払い」の役割を担わされるのかも…。

横田軍民共用化で大筋合意 在日米軍再編協議で初(共同通信)
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二大政党制は根付かない

今日の日経新聞2面のハーバード大学・エズラ・ボーゲル教授へのインタビューですが、なかなか面白いコメントをしています。たとえば

  • (日本も二大政党制になるか、の問いに)「そうは思わない」
  • 「小泉純一郎首相は長期的な分析に基づいた構想を持っているという印象は必ずしも受けない」
  • (アジアにおける日本の立場も変わりつつある、との問いに)「一番、大事なことは中国とうまくやっていくことだ」「日本はアジアで尊敬される人が少なくなってしまった」
  • 「米国の北朝鮮政策は十分でないし、イラク戦争も間違っている。日本は『イラク戦争は間違いだった』『北朝鮮問題でもう少し積極的な態度をとるべきではないか』と言えるはずだ」

小泉首相についての「〜〜という印象は必ずしも受けない」というのは婉曲表現。要するに、小泉手法のやることには長期的な分析に基づく構想がない、ということ。それから、イラク戦争・北朝鮮問題で「言えるはずだ」というのは「言うべきだ」と理解すべきでしょう。いずれにしても、日本のマスメディア自身が、せめてこの程度のことを主張できないものでしょうかねえ。

在沖米軍トップ、兵力削減を否定

在沖米軍トップのロバート・ブラックマン沖縄地域調整官(海兵隊中将)が、イラクに派遣されている沖縄の米軍海兵隊員5000人はイラクの作戦が終わり次第、沖縄の基地に帰還すると発言。

共同通信が12月20日付で配信した記事ですが、見逃してました。(^^;)

兵力の恒常的削減を否定 在沖縄米軍トップ(共同通信)
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日本経団連会長、消費税の基幹税化を主張

財界首脳の年頭メッセージ。日本経団連の奥田会長は、法人課税の制度整備、所得課税のフラット化と「消費税の基幹税化」を要求。教育基本法、憲法の「改正」なども求めています。

この間の所得税や法人税の減税(所得税は最高税率70%=86年=が37%に、法人税は基本税率42%=88年=が30%に)で、いまでも消費税の税収額(約13兆円)は法人税(約12兆円)を上回っています。これを基幹税化するという主張は、所得税のいっそうの「フラット化」と重ね合わせれば、消費税の大幅引上げ以外の何ものでもありません。低所得者への所得税課税を増やし(その一端は、定率減税の廃止として着手)、他方で消費税を大幅引上げする――文字通り、庶民に「広く、厚く」負担をかける酷税路線です。

日本経団連会長新年メッセージ(日本経団連)

年納め、消費税引上げ発言

28日、谷垣財務相が閣議後に「消費税しかない」と発言。すでに消費税引き上げは「既定路線」と化しつつあって、小泉首相の「任期中は上げない」発言も「いまの任期が終わる2007年に引上げますよ」という予告に過ぎなくなりつつあります。

消費税率引き上げは不可避 谷垣財務相、財政再建で(共同通信)
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靖国参拝問題、毎日新聞世論調査

小泉首相の靖国参拝問題で、毎日新聞もすでに世論調査を実施していました。見逃してました。(^^;)

同新聞の過去の世論調査は「評価する」「評価しない」だったのにたいし、今回は「やめるべき」「続けるべき」と設問が変わっているので、同様に評価はできませんが、「評価しない」「やめるべき」が減少傾向?にあるようにも読めます。それにしても、「やめるべき」「続けるべき」とは別に、中国側の要求について「納得できない」という否定的評価が6割を超えるのは、日本国民のあいだで対中イメージが悪化していることの反映。これも大きな問題です。

靖国参拝問題:小泉首相の参拝継続 賛成46%、反対41%――毎日新聞世論調査(毎日新聞)
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内閣支持率41%に、不支持率45%で逆転

日経世論調査で、小泉内閣の支持率41%に定価。不支持率は45%になり逆転しました。

新聞報道では調査結果がもう少し詳しく報道されています。その中で注目されるのは、小泉首相の靖国参拝についての調査。

 中国が中止を求めている首相の靖国神社参拝について聞いたところ「賛成」が48%で「反対」の36%を上回った。20歳代から70歳代までのすべての世代で「賛成」が多く、20歳代と60歳代では半数を超えた。

 20歳代で首相の靖国参拝を支持する声が多いことは、11月末の朝日新聞の調査でも明らかになっています。昨今のマスメディアの“ナショナリズム”的言動の影響でしょうが、靖国神社とは何か、A級戦犯とは何か、なぜ中国やアジア諸国が首相の靖国参拝を批判するのか、全体として若い世代のこうした世論にていねいに対応することが求められていると思います。

(12/28)内閣支持率41%に低下・日経世論調査(NIKKEI.NET)
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改憲案作成自衛隊幹部、口頭注意のみ

24日、防衛庁は、自民党憲法調査会の中谷元・改憲案起草委員会座長の求めに応じて憲法改正案を作成・提出していた陸上自衛隊幹部にたいして口頭注意したことを発表。

「組織的な行為はなく、個人が休日などに作っただけ」「業務時間中に自衛隊のファックスを使ったのが悪いだけ」とのことですが、個人的な関与なしに組織的関与などありえません。二佐(昔で言えば中佐)のこのような政治的発言が許容されるならば、自衛隊員があっちこっちで政治的発言を始めても、それをダメだという歯止めがなくなります。

それに、休日などにやったことだから問題なし、というなら、東京・中央区で休日に選挙のビラ配りした社会保険庁職員を逮捕した事件はどうするの? 勤務時間外の自衛隊員のところへビラを配りに行くのをなぜ禁止するの? 全然理由が通りませんね。政権与党に賛成する政治的行為は許されるが、反対するのは犯罪だ、などという恣意的な基準は許されません。

防衛庁:憲法改正案作成の陸自幹部、口頭注意のみ(毎日新聞)
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