インド洋燃料給油活動の奇々怪々

インド洋上で海上自衛隊がおこなっている対アフガン・テロ対策用の給油活動。しかし、いろいろ怪しいことが明らかに。

まず、実際の給油量が、米側資料では、日本政府の発表の4倍にも上っていたこと。
2つめは、それらがイラク作戦に従事する米艦船に提供されていたのではないか、との疑惑が指摘されたところ、政府・防衛省は、給油量が違っていたことは認めたものの、「流用はない」と疑惑を否定。しかし、イラク作戦に従事した米元艦長が海上自衛隊から給油を受けたと証言したところ、なぜか「別の目的に使ったということはないのではないか」(町村前外相)と弱気のコメント。

補給燃料転用を否定=町村外相(時事通信)
海自補給艦、イラク作戦の米艦に給油 元艦長が証言(朝日新聞)
米艦への給油量訂正、イラク流用の可能性 防衛省(朝日新聞)
間接給油が政府発表の4倍、米公文書で判明(神奈川新聞)

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それならぜひ退陣していただきましょう

安倍首相が、テロ特措法の延長問題で「職を賭していく考え」を表明。「職を賭す」というのだから、延長(あるいは、それに代わる法案)が成立しなければ、ぜひ退陣していただきましょう。

「給油継続」だめなら内閣総辞職も、首相が示唆(読売新聞)

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憲法9条も日本の「対外公約」です

APECのためオーストラリアを訪問中の安倍首相が、同行記者団にたいして、テロ特措法延長は「対外的な公約」と発言。

ただし、テロ特措法がAPECの議題になった訳でなく、安倍首相の個人的な感想を、しかも日本の記者団に対してしゃべっただけ。それに、対外公約といえば、戦争放棄、戦力不保持の憲法9条だって、立派な日本の対外公約です。

「海自給油は対外公約」と安倍首相、米大統領に継続表明(読売新聞)

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「把握しない」はずの強姦自衛官を送検していた!!

女性自衛官を強姦した男性自衛官が、5月、強制わいせつ容疑で送検されていておきながら、自衛隊が公表していなかったことが判明。

この男性自衛官は、昨年9月、基地内で女性自衛官を暴行。その後、この女性自衛官は、退職強要などのいじめを受けたため国などを相手どって損害賠償を求める民事訴訟を起こしていますが、国は、8月の口頭弁論では強制わいせつの事実について「把握していない」としていました。

わいせつの同僚自衛官送検 民事訴訟では「把握せず」(東京新聞)

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テロ特措法延長問題と国連決議

テロ特措法の延長に民主党・小沢代表が反対論をぶち上げていることに関連して、「毎日新聞」が国連決議の問題を取り上げています。

あらためて大事なことは、<1>インド洋で作戦行動する米軍艦船等への燃料提供は、どこからどう考えても、国連決議によって正当化されてはいないこと。<2>同時に、国連安保理決議があったとしても、個々のPKOへの参加の是非は、それぞれの国がそれぞれの国の外交方針や責任で判断すべきだということ。

安保理決議1386にもとづく国際治安支援部隊(ISAF)についても、記事の中で「ISAFの活動は伝統的なPKOと異なり、治安が悪化している南部では、ほとんど戦闘活動を行っている」と指摘されている通り。これへの参加・協力の是非は、具体的に検討されるべき問題です。

テロ特措法:小沢流原則論に政府防戦 国連決議解釈(毎日新聞)

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民主党、これから意見調整?

テロ特措法延長問題で、民主党は、これから党内の意見集約をすすめるというニュース。代表が「反対だ」と言っても、反対に決まった訳ではない、というところが、日本の政界のぐずぐずなところですが、はたしてこの党内集約、どうなりますやら。

民主 テロで時間かけ意見集約(NHKニュース)

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民主党・前原前代表、テロ特措法延長に理解示す

小沢代表だって最後は賛成せざるをえないはずだと考える立場からすれば、できるだけ早めに容認論をぶちあげた方が名を売れる――と前原氏が考えたかどうかは分かりませんが、こういう動きが民主党の中にあるのも事実。

日経新聞の記事によれば、民主党の中には、テロ特措法に反対する変わりに、「人道支援」の恒久法を作るという動きもあるらしい。

「洋上給油は現段階のベスト」民主・前原氏、テロ特措法延長に理解(産経新聞)
テロ対策支援「恒久法も議論を」=民主・前原前代表(時事通信)
“テロ特別法 慎重な議論を”(NHKニュース)
民主党、テロ特措法で対案検討も・人道支援盛る新法視野(NIKKEI NET)

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「駆けつけ警護」論の落とし穴

「駆けつけ警護」と言われているのは、海外に派遣された自衛隊が共に活動する外国軍が襲われた際に、その場に駆けつけて応戦・援護するというもの。しかし、ここには重大な混同がふくまれています。

国連PKOの場合、PKOに派遣された部隊がどのように応戦・戦闘するかどうかは、日本政府の指揮する問題ではありません。

しかし、国連PKOでなく、イラク派兵の場合のように、多国籍軍に自衛隊が出て行った場合、自衛隊が外国軍隊の「駆けつけ警護」をするかどうかは、文字通り、「国権の発動」としての武力行使。相手が米軍だけを攻撃しているときに、自衛隊が応戦に入れば、当然、日本は、相手国との戦闘状態に突入します。このようなことを「警護」の名目でやろうというのが、姑息だというのです。

駆けつけ警護に容認論 集団的自衛権、有識者懇で大勢(asahi.com)

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集団的自衛権行使の憲法解釈変更はあきらめた…?!

中日新聞は、安倍内閣が集団的自衛権行使のための憲法解釈の変更をおこなわないことを決めたと報道。はたして、ほんとうにそうなるのかどうか油断はできませんが、しかし、これも自民・公明の歴史的大敗がもたらしたもの。引き続き、集団的自衛権行使のたくらみそのものをあきらめさせるまで、がんばりましょう。

集団的自衛権、今秋国会での「容認」断念 政府、関連法整備も着手せず(中日新聞)
集団的自衛権、憲法解釈見直しは不透明に・安全保障懇談会(日経新聞)

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民主党・菅代表代行、テロ特措法の修正協議に応じる可能性を示唆

民主党の菅直人・代表代行が、テロ特措法の延長問題で、修正協議に応じる可能性があることを示唆。

民主・菅氏、テロ特措法の修正協議に含み(NIKKEI NET)
政府・与党の出方見て、判断 テロ特措法で民主・菅氏(asahi.com)
テロ特措法 菅氏「政府がどうするか」(Sankei WEB)

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防衛省、情報保全隊の機能強化を検討中

「産経新聞」に載っていた記事。インターネットでは流れていないようなので、全文採録しておく。

で、おもしろいのは、その記事の中で、情報保全隊について、これまでは「国内勢力に関する情報」に力点を置いていた、と説明されていること。日本共産党が暴露した情報保全隊の内部資料は、まさに、こうした「国内勢力」の動きを調査したものだからだ。情報保全隊が、もともと国民監視を主たる任務とした組織となっていたことをあらためて裏づけたものといえる。

いちおう「中日新聞」には、共同の簡単な配信記事が載っている。

秘密保持の新組織創設へ イージス艦事件で防衛省(中日新聞)

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民主・前原前代表、テロ特措法延長反対に異論

民主党・小沢代表が、11月に期限の切れる「テロ特措法」の延長に反対を表明していることについて、同じ民主党の前原誠司・全代表が、「政権担当能力が問われる」として、異論を表明。

読売の記事によれば、小沢氏の延長反対論も、「政府が説明責任を果たしてこなかったから、今までのままなら反対」ということになっているらしい。来週、シーファー駐日米大使と会談するそうだが、はたして民主党はどういう態度をとるだろうか。

テロ特措法、延長反対に異論=「政権担当能力問われる」?民主・前原前代表(時事通信)
民主・前原氏、「テロ特措法延長必要」と発言(読売新聞)
シーファー米大使、「特措法延長は世界に重要」 小沢代表を説得へ(産経新聞)

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久間防衛相が辞任、後任に小池百合子氏

記者会見の頭で、いちおう被爆者などに謝っているようにも読めるけれども、要は、参院選を前に「不用意な発言をした」ことを反省しているというだけ。原爆投下は「しょうがなかった」かどうかについては、何も反省していません。こんな辞め方をしても「しょうがない」です。

久間防衛相が辞任 原爆発言で引責 参院選影響に配慮(東京新聞)
久間氏、一問一答 辞任記者会見(北海道新聞)

ところで、後任の防衛大臣には小池百合子氏が!! 「初の女性防衛大臣」などと言われていますが、それよりも、小池百合子氏は、「歴史教科書問題を考える会」役員、「日本会議国会議員懇談会」副幹事長というバリバリの「靖国派」です。

結局、非「靖国派」の久間氏をうまい具合に辞めさせて、まんまと「靖国派」で防衛大臣も独占した訳です。

新防衛相に小池氏 久間氏辞任、野党は任命責任追及(東京新聞)

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空自司令部の米軍横田基地移転で正式合意

空自総体司令部を米軍横田基地に移転させることで、日米政府が正式合意。いよいよ、日米軍事一体化が始まります。

空自総隊司令部移転で正式合意・日米合同委員会(NIKKEI NET)
同盟は世界に恩恵もたらす=在日米軍司令部が創設50周年?ライト中将(時事通信)
防衛相、米軍司令部設置50周年記念式典に出席(NIKKEI NET)

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小川和久氏のトンデモ話…

日曜日の朝日新聞で、自衛隊の国民監視問題について、軍事アナリストの小川和久氏が「トンデモ」意見を開陳されておりました。曰く――

情報保全隊とは、自衛隊内から何が漏れているかをチェックするだけでなく、どんな相手が「反自衛隊感情」を持っており、隊員と接触して情報をとろうとしているのかについて、目を光らせている防諜部隊のことだ。今回流出した資料の中味からすると、彼らがきちんと職務を遂行していたことがうかがえる。

高校生ピースウォーキングや、JR駅前での数人での宣伝活動が、どういう意味で「隊員と接触して情報をとろうとしている」ことになるのか。そんなこともおかまいなしに、「きちんと職務を遂行していた」などといわれては、呆れるほかない。

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これは確かに「集団的自衛権」だ

自衛隊が、オーストラリアでおこなわれている米豪合同軍事演習にオブザーバーとして参加。

自衛隊は、今回はオブザーバーということになっていますが、ホントは直接この演習に参加したと思っていることは明らか。しかし、第三国を想定した演習では、明らかに集団的「自衛権」の行使になります。

米豪演習 日本がオブザーバー(NHKニュース)

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