自衛隊情報保全隊による国民監視活動について、仙台市の梅原克彦市長が、「自衛隊は事実上の軍隊。情報収集活動であり、まったく問題ない」「作戦過程において、反対動向を調べるのは当然だ」と、全面的に肯定発言。
自衛隊が事実上の軍隊だからこそ、それが国民を「反自衛隊」勢力とみなして、動向調査の対象にするのが問題なのですが、ちっとも分かってないようです。
自衛隊情報保全隊による国民監視活動について、仙台市の梅原克彦市長が、「自衛隊は事実上の軍隊。情報収集活動であり、まったく問題ない」「作戦過程において、反対動向を調べるのは当然だ」と、全面的に肯定発言。
自衛隊が事実上の軍隊だからこそ、それが国民を「反自衛隊」勢力とみなして、動向調査の対象にするのが問題なのですが、ちっとも分かってないようです。
自衛隊の国民監視問題で、地方紙の社説を紹介しましたが、神奈川新聞も13日付で社説を掲載。
情報保全隊の活動は「国民の集会・結社の自由や、報道の自由に圧迫を加える不当な行動」「時の政府の政策に反対することを、「反自衛隊」などと受け止めるのは、民主主義の初歩的ルールすら理解していない」と批判。「軍事組織のシビリアンコントロール(文民統制)は国家運営の最重要課題」として、与党にたいしても真相究明を要求しています。
北海道の航空自衛隊基地内で、同僚自衛官からわいせつ行為を受けた女性自衛官が、退職を強要されたことを訴えた裁判で、11日、第1回の口頭弁論が開かれ、原告女性が意見陳述をおこないました。
「人権踏みにじった」 空自わいせつ訴訟 札幌地裁で初弁論(北海道新聞)
国は全面的に争う姿勢(札幌テレビ)
「セクハラ訴訟、女性自衛官が自ら証言」(TBS News-i)
自衛隊内セクハラ/処分は「停職一日」/紙議員 人権侵害に厳正対処を(しんぶん赤旗)
警視庁の捜査資料など約1万件のデータがインターネットに流出。あれだけ大騒ぎしたのに、Winnyによるデータ流出事故が絶えません。どうして? と思ってしまうのですが…。
日本共産党が公表した自衛隊の情報資料。あらためて読んでみると、とんでもない資料であることがよく分かります。
公表された資料は、(A)陸上自衛隊・東北方面情報保全隊が作成した「情報資料について(通知)」と、(B)情報保全隊本部が作成した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」という2種類の資料からなっています。
Bの「反対動向」の方が大部で、全国の自衛隊イラク派兵反対運動を調べ上げていますが、僕が重要だと思うのは、Aの方です。というのは、Bがイラク自衛隊派兵反対運動に絞った資料であるのにたいして、Aの方は、一般的な情報資料という性格になっているからです。つまり、Bだけをみると、「イラク派兵反対運動が広がったので情報収集した」という言い訳もなりたつようにみえるけれども、Aは、そうではなく、日常的に自衛隊がこういう情報収集活動をやっている、ということを示している、ということです。これは、志位委員長が記者会見で指摘していることですが、資料を読んでみて、あらためてその指摘の重要性がよく分かりました。
自衛隊による市民活動の監視・情報収集がおこなわれていたことにたいして、今日、地方紙がいっせいに社説をかかげています。
日本共産党の志位和夫委員長が公表した自衛隊の内部資料。イラク派兵に反対する市民、団体、ジャーナリストの活動を克明に調査・記録していたもので、集会、デモ行進の写真もあり、こうした集会・デモなどに身分を隠して潜入し情報収集していたことが明らかに。
ということで、志位委員長の記者会見全文はこちら↓
自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する/2007年6月6日 日本共産党幹部会委員長 志位 和夫
で、自衛隊の内部資料そのものも、共産党のホームページで公開されている。全部で166ページもあるので印刷するのも大変だけれども、集会やデモ行進だけでなく、わずか数名程度の宣伝、署名、ビラ配りまでチェックしている。さらに、どんな演説をしていたか、どんなビラをまいていたか、横断幕のスローガンやシュプレヒコールの内容まで、克明に記録されていて、驚きます。こんなのは、新聞記事などから集めることは不可能。つまり、宣伝や集会などの場所に、実際に自衛隊員が出かけていって、何をしゃべっているか、どんなビラをまいているか、しっかりチェックしているということです。これを世間では「監視」といいます。
自衛隊は「法令範囲内の任務」と言っているが、行政機関が、本人に無断で、個人の名前まで記載して、勝手に政治的傾向のレッテル貼りをして情報を収集・集積するのは、明らかに個人情報保護法に違反する。
共産党が公表した自衛隊内部資料を見たい人は、こちらから↓。
入手資料一覧(PDF形式)
自衛隊が「市民」監視 批判的289団体・個人 内部文書を共産党入手(東京新聞)
↓自衛隊の「情報保全隊」って何、というのはこちら。
ワードBOX 情報保全隊(西日本新聞)
安倍首相が、「集団的自衛権」の行使に踏み切るために、有識者会議をつくり検討することに。
「集団的自衛権」の範囲についていろんな論争が生まれたのは、もともと、憲法が「武力の行使」を禁止しているにもかかわらず、「集団的自衛権」と称して自衛隊が米軍との共同作戦をやろうとしたから。憲法が「武力の行使」を禁止している以上、本来、日本が実際に攻撃・侵略されている場合を除いて、日本が国家権力の発動として武力を行使するということはありえないのです。
防衛省発足で、いろいろ張り切っている方がいらっしゃるようで…。
自衛隊派遣「ためらわず」 NATOと連携強化(東京新聞)
防衛参事官制度見直しを検討 久間防衛相が表明(朝日新聞)
存在感強める防衛省 海外活動増へ布石(朝日新聞)
9日、防衛省が発足。新聞社説はこの問題をどう取り上げたか、眺めてみました。
「戦後一貫して掲げてきた平和主義が揺らがないか」(神戸新聞)、「専守防衛や文民統制(シビリアンコントロール)、非核三原則など平和国家としての機能が今後変更されはしないか」(沖縄タイムス)、「専守防衛に徹する」という「姿勢を忘れては困る」(京都新聞)、「戦争をする『普通の国』」に「なし崩し的に転換することのないよう、今こそ国民論議を深めなければならない」(愛媛新聞)、「文民統制の歯止めは本当にかかるのか」(中国新聞)、「専守防衛政策が変容する心配が募る」(信濃毎日新聞)などなど。同時に、米軍と一体になって「集団的自衛権」の行使に踏み込むことへの危惧、批判も共通しています。
防衛省発足/政治の責任はさらに重く(神戸新聞社)
[「防衛省」発足]憲法こそブレーキ役だ(沖縄タイムス)
社説:防衛省スタート 大きな一歩の先が気になる(毎日新聞)
「防衛省」発足 国民の理解あってこそ(京都新聞)
防衛省発足 文民統制を徹底する必要がある(愛媛新聞)
防衛省発足 歯止めのかかる組織に(中国新聞)
防衛省発足 あくまで専守を忠実に(信濃毎日新聞)
陸上自衛隊の玖珠駐屯地(大分県)の武器庫から、小銃1丁、拳銃1丁が消えていたことが明らかに。無理にこじ開けた形跡はなく、内部犯行の可能性。
海上自衛隊ミサイル艇が、20ミリ機関砲10発を陸地に向けて誤射する事件が発生。20ミリ機関砲の射程は4.5km、それに対し民家までの距離は2km。いまのところ被害はないそうだが、けんのん、けんのん…。
海外で活動中の話なのだから、これは、「自衛権」の問題ではありません。集団的自衛権とは、同盟関係にあるA国がB国から攻撃されたとき、自国が攻撃されたのではないにもかかわらず、A国への攻撃を自国への攻撃とみなして「自衛権」の発動の対象とすること。海外で活動中の、同盟国A国の兵士が攻撃されたことを理由に集団的自衛権を発動する、などという論理は、国際法についての無知をさらけ出すだけです。
イラクから撤退を開始した陸上自衛隊ですが、撤退発表の2日前に、地元ムサンナ州評議会議長らに書簡を送り、自衛隊宛に感謝状を送るように求めていたことが明らかに。
あ〜あ、情けない…
今月下旬、米軍がハワイ沖で実施するミサイル防衛実験で、海上自衛隊の「きりしま」は、米軍の情報通信ネットワークに加わわれず、事実上実験から排除されることに。
防衛「省」昇格法案の国会提出にたいする社説の続きです。
防衛庁を「省」に昇格させる法案の国会提出について、地方紙の社説を眺めてみました。
「防衛庁が内閣府の外局にとどまっていることが歯止めになっている」「昇格、独立すれば、いつしかこの重しが外れてしまわないか」(西日本新聞)、「憲法に基づく『専守防衛』の理念から、大きく逸脱する恐れはないのか」(中国新聞)などの指摘が共通しています。琉球新報は、野中広務元自民党幹事長の「省にすることで単独行動権を持とうというのは恐ろしい考え方で、非常に危険な法案だ」という発言を紹介しています。
同時に、与党内の思惑から会期末に突然法案提出したことに関連して、「政権維持を優先させ、国民への説明責任を放棄するような政治姿勢で、果たして文民統制が堅持できるのだろうか」(西日本新聞)、「党利を絡めた防衛論議など、はなから国民は信用できない」(北海道新聞)という指摘は、ことの本質を突いていると思います。
防衛庁を「防衛省」に格上げする法案を閣議決定し、国会に提出。
「庁」が「省」になるというのは、ただたんに防衛庁長官が大臣になって、他の大臣と同格になるという程度の問題ではなく、単独で法案提出を求めて閣議の開催を要求できるようになったり、直接財務省に予算要求ができるようになったりします。さらに、独自の人事も可能になるので、もし「防衛省」になれば、私たちは「軍閥」(軍人派閥)の危険に直面することになります。