自衛隊の多国籍軍参加にあたって、自衛隊は多国籍軍の指揮はうけないという日本と米英政府との「了解」なるものが、ようやく公表されました。しかし、発表された文章は、日本の公使と相手国政府高官との「了解」というだけで、相変わらず、「了解」に達した相手が誰なのか不明です。
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自衛隊の多国籍軍参加
今日、自民党、公明党が多国籍軍への自衛隊の参加を了承しました。
自衛隊は多国籍軍の指揮下に入るわけではないというのがその理由ですが、実は、6月15日にマクレラン米大統領報道官が記者会見して、自衛隊は「ポーランド、英国、イタリアの各軍隊と同様に」自国の指揮系統のもとにあると発言するとともに「多国籍軍全体は米司令部によって監督される」と指摘しました。つまり、米司令部によって監督される多国籍軍の統一された指揮の下にあるポーランド軍や英軍やイタリア軍と同じように、自衛隊も米司令部の監督の下に置かれるということです。英軍だって、ポーランド軍だって、もちろんイギリス本国、ポーランド本国が撤退を決めれば、いくら統一指揮下にあったとしても撤退できるし、撤退するというのは当然のことです。そういう意味で、各国軍隊はつねに各国政府の指揮下にあります。
小泉首相や自民・公明政府が頼みの綱としている「自国の指揮権」はそういう“当たり前”のことでしかなく、他方で、多国籍軍が米司令部の監督下に置かれるというのも“当たり前”のことなのです。もちろん、自衛隊の「参加」にあたって、日本政府があれこれの条件をつけることはありえます。その結果として、日本政府の知らないところで自衛隊が突然別方面に出動させられたり、戦闘行動に動員されるということはないと思いますが、しかし、同じサマワで同じように活動している多国籍軍の他の部隊が「武装勢力」に襲撃されたときに、自衛隊だけ宿営地に戻って閉じこもっているということは「多国籍軍」の一員としては不可能だということです。
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毎日新聞の世論調査
同じく毎日新聞の電話世論調査。自衛隊を多国籍軍に参加させると、小泉首相がサミットの場での日米首脳会談で突然発表したことについては、従来の政府見解を踏み越えるところもあって、与党内からも不満が出ていますが、しかし、その点だけで議論してみても、所詮、“アメリカ言いなり”の枠組みの中での“タイミング”をめぐる議論でしかありません。「多国籍軍への参加」に問題があるからこそ、“まず最初にアメリカに”ということが問題になるのです。
●自衛隊の多国籍軍参加は?
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
賛成 | 33% | 36% | 30% |
反対 | 54% | 53% | 56% |
それより、面白いのは年金改革法をめぐる世論調査の方です。
自衛隊の多国籍軍参加
小泉首相が、サミットで、イラクに派遣中の自衛隊を、来月以降「多国籍軍」に参加させると表明。
現在でも、イラクに派遣された自衛隊の指揮権は曖昧なままですが、多国籍軍に参加したとき、自衛隊の指揮権をどうするつもりなのでしょうか? もしそれを多国籍軍にゆだねるのであれば、治安活動を担う多国籍軍への参加は、自衛隊の海外での武力行使を容認することになるし、自衛隊だけ治安活動に参加しないなら多国籍軍への参加とはいったい何なのか?
多国籍軍というのは、国連決議にもとづいて設立されるものであり、現在の自衛隊の「有志連合」への参加のように曖昧なやり方は許されないはず。いったい小泉さんはどうするつもりなんでしょう?