利用できない母子家庭「就業支援」

昨日の「朝日新聞」が大きく取り上げていましたが、母子家庭にたいする児童扶養手当を削るかわりにと、政府が鳴り物入りで始めた就業支援事業があまり利用されていない実態が明らかに。

正社員化を促すための企業への助成金(「常用雇用転換奨励金」)は平均実施率12.4%。予算を組んだ31都道府県のうち22都道府県が実績ゼロという惨憺たる状況。「自立支援教育訓練給付金」「高度技能訓練促進費」と言っても、母子家庭の多くは、とりあえず毎日の生活に追われ、資格取得のための時間がとれない、授業料などの当座のお金がない、などなどの理由で利用できないのが実態。政府が考えるより、母子家庭はうんと深刻なのです。

母子家庭「使えぬ」就業支援 正社員化助成、利用1割(朝日新聞)

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高齢者医療費負担増「凍結」は選挙目当て!

自民党と公明党が政権合意で決めた高齢者医療費の負担増凍結。今日開かれた両党のプロジェクトチームで、「凍結」は6カ月?1年間程度にとどめることに。

6カ月?1年間って、要するに、衆議院の解散・総選挙まで「凍結しよう」ということじゃないですか。選挙さえやり過ごせば、またぞろ負担増。国民をバカにするにもほどがあります。

凍結は6カ月?1年程度に 高齢者医療費負担増で与党(東京新聞)

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生活保護世帯が107万世帯を超え過去最多に

厚生労働省の資料で、2006年度の生活保護世帯が107万世帯を超え、過去最多になったことが明らかに。

高齢者の一人暮らしが増えていることがその理由とされていますが、要するに、年金の額が少なすぎるのです。

生活保護世帯が過去最多 1カ月平均107万5千世帯(朝日新聞)
生活保護107万世帯で過去最高に(日刊スポーツ)

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いまさら凍結、抜本見直しとは…

自民党・公明党の「政権合意」ですが、後期高齢者医療保険制度や70?74歳の窓口負担増(1割負担→2割負担)の凍結、母子家庭の児童扶養手当削減の凍結、障害者自立支援法の抜本的見直しなど、この間すすめられてきた国民負担増の凍結・見直しが目白押し。しかし、すでにメディアでは「財政の裏づけなし」「選挙目当て」との批判が登場しています。

しかしそれなら、この1年間、多くの障害者が自立支援法によって作業所や施設から追い出されたのは、いったい何だった、というのでしょうか?! こうした「凍結・見直し」は、後期高齢者医療保険制度や母子家庭の手当削減、障害者自立支援法など、国民負担増路線に何の道理もなかったことを自ら証明するものです。

自公政権合意 高齢者医療費負担増の凍結、実務者で協議(朝日新聞)

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国民年金の最低加入期間25年は長すぎる!!

今日の「朝日新聞」29面には、「気がつけば…『無年金』」と題して、この年金受給のための最低加入期間の問題が取上げられています。

現在、日本の国民年金は、最低25年以上保険料を払い続けなければ、年金を受け取ることができません。もし1カ月でも足りなければ、24年11カ月払った保険料がまるまる「掛け捨て」になってしまいます。これこそ「消える年金」です。

この問題、日本共産党が参院選の公約として、最低加入期間を10年に短縮すると提案したことから、にわかに注目を集め、重要な争点になりつつあります。

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北九州市で「生活保護」辞退の男性が餓死

北九州市で、生活保護を「辞退」した男性が餓死し、死後1カ月の状態で発見されました。

男性は、肝臓の病気で働けず、昨年12月に生活保護を受給。しかし、今年4月、「そろそろ働いてはどうか」といわれ、生活保護を辞退。形の上では「辞退」になっていても、「辞退」させられたことは明らかです。

日記に「おにぎり食べたい」 生活保護「辞退」男性死亡(朝日新聞)

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年金行方不明製造システム?!

年金の行方不明。現場の職員がちゃんと仕事をしていたのか、ということが大きな問題になっていますが、だからといって全部現場の怠慢にする訳にはいかない、という、とんでもない事情が明らかに。

すなわち、氏名を仮名に変換するときに、漢字1つ1つに4桁の固有数字を割り当てて、1つの漢字に1つの読み方を割り振る、というやり方でやった、というのです。これは、共産党の小池晃参議院議員・政策委員長の国会質問で明らかになったこと。

これじゃあ、名前の読み方がおかしくなるのは当たり前。年金行方不明製造システムだとしか言いようがありません。(-_-;)

年金記録方式に欠陥 庁史もとに小池氏指摘 「宙に浮く」からくり判明(しんぶん赤旗)

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年金財源から、システム開発会社に1兆4000億円の発注 そこにOB、15人天下り

共産党の小池晃参議院議員が、年金財源から、社会保険庁の年金システム開発費としてNTTデータと日立製作所に総額1兆4000億円が支払われていたことを追及。

この2社には、社会保険庁OB、15人が天下っていました。しかも、自民党は、この2社から2億2700万円の献金を受け取っています。もとをたどれば国民の年金掛け金。「適正に処理」していれば、それで問題なしなんでしょうか?

社保庁年金システム 発注総額1兆4000億円 受注側に15人天下り(東京新聞)
年金記録/全員に送付すぐ/小池議員 不安解消は政治責任(しんぶん赤旗)

もともと、年金管理の経費は国庫負担でしたが、自民党、公明党だけでなく、民主党も一緒になって賛成して、1998年からは、年金保険料から支出されることになりました。その結果、政府予算による縛りがなくなり、社保庁は使い放題…。

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年金不明5000万件というけれど……

年金の該当者不明記録が5000万件あるといわれていますが、これはあくまで一部のサンプル調査から推計したもの。他方で、昨日、国会で明らかにされた数字では、時効撤廃によって補償されるのは25万人分、950億円だという。

5000万件と25万人――どう考えても、数字が違いすぎる。もちろん、1人で年金記録が複数あるということが問題なのだが、それでも1人で10個、20個も年金記録があるということはあまり考えられない。また、すでに死亡した人の分がそんなにむやみやたらにあるとも思えない。そうすると、5000万件の不明記録の大部分が誰の年金かわからないままで終わってしまう、ということになるのではないだろうか。

年金記録漏れ、時効分25万人で950億円…社保庁試算(読売新聞)

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社会保障負担、本当に重い?

「高齢化がすすむと、年金や医療など社会保障の給付が増え、それにともなって保険料や税の負担も増え、日本経済の活力が失われる」――政府や財界がよくもちだす話ですが、本当にそうなのか? 今日の日経新聞夕刊の「夕&Eye」の「社会保障ミステリー」欄で、この問題が取り上げられています。
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介護施設からの退所者1300人に

介護保険法の改悪で、昨年10月から、特養などに入っている人は食費や居住費を全額自己負担しなければならなくなりましたが、この昨年10月以来、特養などからの退所者が全国30都府県で1300人にのぼることが明らかに。

30都府県で1300人退所 負担増後の介護3施設(東京新聞)

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患者負担増は医療費抑制に役だたない

ちょっと前のニュースですが、内閣府が、医療費の患者負担率を引き上げても総医療費の抑制に効果がなかったとする報告を公表。

そりゃまあ、“カネがないから病気にならない”という訳にはいきませんからね。ということで、患者負担増では医療費抑制に効果がないことが分かったのだから、この間引き上げられた患者負担を元に戻していただきたいものです。

患者負担増なのに総医療費減らず 内閣府が評価報告(朝日新聞)

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生活保護は国の責任

高知市の岡崎誠也市長が、朝日新聞「私の視点」欄で、生活保護財源を国から地方に転嫁する議論にたいして、意見を述べられています。

「受給者の多くは65歳以上の高齢者と障害者、傷病者」、この三者で生活保護の約90%を占める、母子世帯も9%で、「実際に働ける『稼働世帯』は2.4%しかない」という高知市の実情を踏まえて、こう指摘されています。

 高知市の国民年金受給世帯の割合は、この5年で約26%増えたし、高齢者の単身世帯も5年前に比べると1.2倍に増えている。その結果、年金だけで何とか暮らす高齢者が病気になって医療費の自己負担などができなるケースや、夫が亡くなった後、妻が単身で生活し、やむなく生活保護を受けるといったケースが目立っている。……
 それなのに厚生労働省は福祉の分野で金科玉条のように「自立支援」を強く打ち出している。だが、高知市の実例で示した通り、働ける年齢層の生活保護受給世帯は3%にも満たない。自立支援だけでは、保護率急増に対応できない。

こういう現実を無視して、「地方の負担を増やして生活保護の受給率を引き下げようなどというのは本末転倒だ」という指摘は、まったく正論です。

免責って、何を免除するつもり?

政府は、医療保険の自己負担について、一定額以下は全額自己負担とする「免責制度」の導入を検討していると産経新聞が報道。

すでに医療費負担は、本人3割。もうこれ以上、負担率を上げられないというので、別の手を考えたということでしょうか。国民負担を増やす“悪知恵”の豊富さには呆れてしまいます。

一定額以下は全額負担 政府検討 医療保険に免責制度(産経新聞)

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障害者支援費制度、今年度250億円の不足

障害者の支援費制度で、今年度の国の在宅サービス補助金が250億円前後不足する見通しであることが明らかになりました。制度が始まった2003年度も128億円の不足。今後、サービスを絞ろうとする動きが強まる恐れがありますが、それでは障害者の生活がそのまま脅かされることになります。抜本的な国の補助金増額が必要です。

障害者支援費、今年度250億円不足・厚労省(NIKKEI NET)
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厚生年金の積立金

2003年度の厚生年金特別会計が赤字になったことで「毎日新聞」が書いていますが、厚生年金の根金積立金の残高は137兆7422億円。厚生年金特別会計の歳入・歳出は、03年度で歳入31兆1021億円、歳出31兆4401億円だから、積立金は、万が一歳入がゼロになったとしても4年分以上はあるという計算になります。

Yahoo!ニュース – 経済総合 – 毎日新聞

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