消費税増税で分の悪くなった民主党が、国会議員の定数削減を臨時国会で提案すると言っている。
「政治家みずからが痛みを」というのだが、今日の読売新聞の記事によれば、定数80削減で減る支出は約33億円。これで11兆円の消費税増税も仕方ないと考えたら、とんでもないことになる。
消費税増税で分の悪くなった民主党が、国会議員の定数削減を臨時国会で提案すると言っている。
「政治家みずからが痛みを」というのだが、今日の読売新聞の記事によれば、定数80削減で減る支出は約33億円。これで11兆円の消費税増税も仕方ないと考えたら、とんでもないことになる。
消費税増税論議のなかで、「日本の法人税は高い」という問題が浮かび上がっています。確かに、日本の法人税の「実効税率」は、地方税をあわせて約40%。
しかし、実際にすべての黒字企業が40%の法人税を支払っている訳ではありません。上のグラフは、「しんぶん赤旗」が、経常利益の上位100社について、実際の法人税負担率を計算したもの。40%どころか、平均でヨーロッパ並みの33%。ソニー、住友化学、パナソニックなど一流どころが、軒並み10%台の法人税しか払っていません。
これで、さらに法人税を減税せよとは、ちょいと図々しすぎやしませんか?
菅首相が、消費税増税への批判にたいして、「低所得層にはかかった消費税を全額還付する方式もある」と答えたそうだ。
わざわざ還付しなければいけないのなら、初めから増税しなければいいのだ。年収400万円以下となれば、還付対象世帯は半数近くになる。それだけの世帯について、所得と支出を把握して、還付の手続きをとる――いったい、どれだけの手間と経費がかかるだろうか。還付を受けるための申告手続きも膨大なものになるだろう。
広く徴税しておきながら、あとで半数の世帯に還付する――こんな税制は、制度設計から根本的に間違っているのだと思う。
『日経ヴェリタス』6月27日号に、京都大学の中野剛志氏が、「法人税減税は究極のバラマキ」という論評記事を書かれています。
中野氏は、法人税減税はデフレ不況下では「むしろ有害」「法人部門の貯蓄を殖やすだけで、経済全体の需要を縮小させる」と厳しく批判しています。
今朝の「毎日新聞」に載った世論調査でも、菅内閣の支持率は52%で、政権発足直後66%から3週間弱で14ポイントも低下。
消費税増税についても、「賛成47%、反対50%」と、「毎日」のこの間の世論調査では、はじめて反対が賛成を上回った。NHK世論調査とともに、注目すべき世論動向といえる。
毎日新聞世論調査:菅内閣支持率52% 1カ月たたず急落:毎日新聞
毎日新聞世論調査:参院選後の連立「民主単独政権」30%:毎日新聞
NHKの世論調査では、菅内閣の支持率は48%ですが、注目されるのは不支持率が6ポイントも伸びたこと。
さらに注目されるのは、消費税率の引き上げについて賛否を問うたのにたいし、賛成27%、反対38%、「どちらともいえない」31%と、反対が賛成を上回ったことです。この間のさまざまなメディアの調査で、反対が賛成を上回ったのは初めてです。
読売新聞の世論調査で、菅内閣の支持率が50%に。わずか1週間で5ポイント、3週間で14ポイント低下した。
朝日新聞の世論調査では、「消費税の引き上げを参院選の最大の争点だ」と思う人は19%で、「消費税以外にも大きな争点はある」とする人が71%にのぼったというが、これは設問が悪い。「消費税以外にも大きな争点がある」と思っている人が多いというだけで、そこから、消費税増税が「大きな争点」ではないという結論は出てこない。
菅内閣の支持率50%に続落…読売継続調査:読売新聞
参院選 第3回継続全国世論調査:読売新聞
「消費税が最大争点」19% 参院選、朝日新聞世論調査:朝日新聞
世論調査―質問と回答〈6月26、27日実施〉:朝日新聞
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消費税増税問題で、朝日新聞と読売新聞が世論調査。内閣支持率が朝日では59%から50%へ9ポイントの下落。読売でも59%から55%へ4ポイント下落した。
内閣支持下落50%、消費税発言響く 朝日新聞世論調査:朝日新聞
世論調査―質問と回答〈6月19、20日〉:朝日新聞
首相「消費税10%」評価48%・評価せず44% : 世論調査 : 読売新聞
参院選 第2回継続全国世論調査:読売新聞
自民党が選挙公約で、消費税「当面10%」の公約を掲げると、民主党・菅直人首相は、民主党のマニフェスト発表記者会見で、自民党の消費税10%が「1つの参考になる」と発言。
ということは、自民党が勝てば消費税10%、民主党が勝っても消費税10%ということで、消費税増税が一大争点に……なってないじゃないか!! (と、いちおうノリツッコミしてみる)
自民が参院選公約、消費税10%に引き上げ:読売新聞
消費税、今年度中に改革案=「10%が一つの参考」?首相:時事通信
なんで、こんなことになるのか? ずばり、その背景に「財界あり」なのだ。
先ほどの財務省資料で、もう1つ面白い資料を見つけました。それは、所得階層別の所得税率のグラフ(上のグラフ)。
これは申告納税者の所得税の負担率ですが、5000万円〜1億円が一番税負担が重くて26.5%。それにたいして、申告所得1億円以上の階層では、どんどん所得税の負担率が下がっています。申告所得100億円以上では、所得税の負担率は14.2%で、1500〜2000万円層より軽いぐらいです。
こんなことになるのは、株式の配当や譲渡益にたいする課税がたった10%だから。
財界や「日本経済新聞」は、しきりに日本の法人税負担が重いと主張し、菅内閣は法人税の減税をおこなう方向にすすんでいます。
彼らが日本の法人税が重いというのは、名目的な税率のこと。しかし、実際の企業負担ということを考える場合には、さまざまな優遇措置を考慮に入れなければならないし、さらに企業負担としては社会保険料の雇用者負担も含めて考える必要があります。
それで、以前にも「ホントは低い日本の企業負担」という記事で、政府資料で、税・社会保険料負担あわせた法人負担の国際比較を紹介しましたが、財務省の資料のなかから、最新のデータを見つけたので、紹介しておきます。
それが、上のグラフ。出所は、こちら↓です。
「強い経済、強い財政、強い社会保障」をかかげる菅民主党の政権公約。2020年までの財政再建をかかげる一方で、法人税の引き下げを明記。となると、「強い財政」は消費税増税によるほかないことになる。
しかし、「基礎的財政収支」を黒字にするためには、今年度予算で約22兆円の財源が必要。「事業仕分け」をいろいろやったとしても、それで生まれる財源は限られている。これを全部消費税でまかなうとすれば、10%近い税率引き上げが必要になる。さらに、これに法人税引き下げ分が加わるのだから、消費税率15%!!は必至。
法人税の実効税率を引き下げよ、というのは、日本経団連など財界の強い要求。「強い財政」といいながら、財界言いなり。国民に負担を押しつける「強さ」だけでは困ったもんだ。
昨日の、イギリス政府が景気対策のために消費税を引き下げたというニュース。今朝の「毎日新聞」を見たら、日本でも引き下げよという世論が広がるんじゃないかと、政府・与党がびくびくしているという記事が出ていた。
同じ2兆円を使うなら、消費税率を1%下げるほうが、きっと歓迎されるに違いない。
イギリス政府は、景気対策のために、消費税(付加価値税)を2.5%引き下げることを発表。125億ポンド、約2兆9000億円の減税になるらしい。
ブラウン首相曰く――「異例な時だからこそ、異例な行動が必要だ」。ごもっともなご指摘。景気対策と称して、3年後の消費税増税を発表するどっかの総理大臣に爪の垢でも煎じて飲ませたい話です。
朝日新聞、JNN、共同通信の世論調査で、麻生内閣の支持率はさらに低下。とくに景気対策の目玉として打ち出した定額給付金が不人気なようです。しかし、NHK世論調査だけは、なぜか支持率アップ。どうしてなんでしょうねぇ…。
3年後の消費税増税について、朝日新聞の調査ではほぼ半々ですが、共同通信の調査では、賛成40.5%にたいして反対が55%。読売新聞の調査でも、「評価する」42.3%にたいして「評価しない」は51.4%。NHKの調査でも、「評価する」40%、「評価しない」54%と、やっぱり反対が多数のようです。
定額給付金「不要な政策」63% 本社世論調査(朝日新聞)
内閣「不支持」50.6%、支持を上回る(TBS News-i)
給付金「評価せず」58% 内閣不支持42%(中日新聞)
麻生内閣 支持率49%に(NHKニュース)
水戸で有税を開始した麻生首相が「ぜひ消費税をあげさせてください」と、ふたたび消費税増税を明言。
首相は「中福祉中負担」と言っているが、自民党税調はしっかり法人税率の引き下げに動いている。なんだかんだ言ってみても、結局、法人税を引き下げる分、消費税を引き上げようというのが本音だ。
景気回復後「ぜひ消費税上げを」=麻生首相、茨城で地方遊説第1弾(時事通信)
社会保障国民会議:最終報告 消費税最大18%程度に(毎日新聞)
速報/法人税引き下げを検討 – FujiSankei Business i.
税制改革「中期プログラム」、法人税率下げ検討 自民税調(日本経済新聞)
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昨日、麻生首相が追加の経済対策を発表したが、その中で「3年後に消費税引き上げをお願いしたい」と、3年後の消費税増税を明言した。これまで、“○年後をメドに消費税の税率についても検討する”と発言した首相はいるが、「3年後に消費税を引き上げる」と明言したのは麻生首相が初めてだ。
首相は、いまの金融危機を「100年に1度の暴風雨」といっている。確かに「100年に1度」の金融危機ではあるが、しかし、暴風湯のような自然災害ではない。国内経済をないがしろにして、外需・輸出頼みの経済にしたうえ、「株価引き上げ策」として、外資を呼び込む政策を進めてきた結果が、この景気悪化だ。それを「暴風雨」などといってすませるのは、政治の無責任だ。
麻生首相:3年後に消費税引き上げ 衆院選は先送り(毎日新聞)
麻生首相、消費税10%案を検討=2段階引き上げも(時事通信)
日本経団連が、消費税の税率5%引き上げ(つまり消費税10%への引き上げ)を迫る一方で、法人税については10%程度の引き下げを要求している。
社会保障財源として消費税率の引き上げをと言っているが、「法人税改革は消費税拡充と共に早急に実現しなければならない」と述べていて、狙いがどこにあるかは明白だ。(-_-;)
社会保障財源 経団連「消費税10%」、日商は増税反対(朝日新聞)
日本経団連のど厚かましい「提言」は、これ↓。
日本経団連が、自民党、民主党の「政策評価」を発表しました。
自民党の評価が高いのは、やっぱり大企業中心の政治をやってきたから。自民党で評価が下がったのは、「雇用・就労」の項目。評価が下がった理由は、「与党間で事務系労働者の働き方に対応する労働時間のあり方を検討することに合意したが、具体的な進展はこれから」というもの。これは何かといえば、例の「ホワイトカラー・エグゼンプション」のこと。導入検討を決めたにもかかわらず、具体的にはすすんでない!! というのが、経団連の評価だということです。
さて、民主党。自民党に比べて評価が低いから、民主党は財界いいなりじゃない、と思ったら大間違いです。まず、「規制改革・民間開放」と「教育改革」は合致度がどちらもB。経団連の評価はCがニュートラルですから、民主党の政策も十分経団連寄りなのです。
それに経団連が民主党を評価しないのは、CやDの項目があるからではありません。最大の理由は、「政局を重視」して「党利党略優先の行動が目立」ったから(これは、そのかぎりでその通りですが)と書かれています。もっと「与党と問題意識を共有し法案を修正・成立」させろ、というのが経団連の民主党にたいする注文なのです。
経団連政策評価:自民、10項目で「A」 民主に採点辛く(毎日新聞)
日本経団連の政策評価そのものは、こちら↓。
日本経団連:2008年政策評価の発表にあたって (2008-09-17)
で、自民党、民主党との「政策を語る会」の概要は、こちら↓。
日本経団連:2008年 自由民主党と政策を語る会 (2008-05-29)
日本経団連:2008年 民主党と政策を語る会 (2008-06-04)
株の譲渡益・配当を300万円まで非課税にする、という話が急浮上しています。オイラは、こんな金持ち優遇減税は必要ないと思いますが、ちょっと違った角度からの批判が「日本経済新聞」に出ていました。
すなわち、300万円までの株式投資の譲渡益や配当を非課税にするというのは、「超複雑」な税制で「あまりに現実離れしている」というのです。12日付「日本経済新聞」13面の「一目均衡」欄で、同紙編集委員・前田昌孝氏が次のように書いています。