消費税増税。元日に発表された経団連ビジョンでは、2007年までに2%という数字が出ていましたが、どうもそれで終わりそうにありません。御手洗会長は、社会保障財源として、さらに消費税をあげる可能性に言及。
「増税」カテゴリーアーカイブ
御手洗ビジョン、消費税2%引き上げなど提言
日本経団連の御手洗会長が、新しいビジョン「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を発表。消費税を2011年度までに2%引き上げ7%にすることなどを提言。
経団連ビジョン「希望の国、日本」 (2007-01-01)
消費税は2011年度までに2%程度引き上げ=経団連・御手洗ビジョン(朝日新聞、 ロイター)
今度は本間政府税調会長がクビ?!
政府税調会長の本間正明阪大教授が、不適切な形で国家公務員用官舎に入居していた問題で、自民党内からは、責任を問う発言があいついでいます。
結局、政府・自民党と仲良くなれればいろいろと便宜をはかってもらえて、その代わりに政府・自民党のいうがままに庶民増税を決めている――。「勝ち組・負け組」といってみても、公正な競争どころか、所詮、こんなもんです。
自民党、財界こぞって消費税増税へ
日本経団連が、2009年に消費税率を2?3%引き上げるよう政府・与党に求める方針を固めたら、自民党は、来年度の税制改正大綱で、消費税引き上げを含む増税路線を打ち出すことに。
さあ、2007年は、消費税増税論議をめぐる決戦の年になりそうです。参院選で、きっぱり決着つけましょう。
<経団連>「消費税7?8%に」提言へ 09年めど引き上げ(毎日新聞)
「消費税」大綱に明記へ 税率上げや時期は来年検討(東京新聞)
政府税調、企業減税を答申
政府税調が、2007年度税制改正を答申。
しかし、いまさら企業減税でもないでしょう。庶民には、定率減税廃止、保険料引き上げなど負担を押しつけておきながら。東京新聞は、「サラリーマンは10万円増税になっても、給与が30万円以上上がれば豊かになる」と指摘。もちろん、給与が30万円以上上がるなんて考えられませんが。西日本新聞や信濃毎日新聞が社説で批判しています。
企業の税負担軽減、07年度税制改正を答申…政府税調(読売新聞)
“上げ潮”給与 遠く 「格差」解消ならず(東京新聞)
社説:企業減税偏重でいいのか 来年度税制改正(西日本新聞)
政府税調答申 企業減税に潜む危うさ(信濃毎日新聞)
税の所得再配分機能が発揮されてません!
政府税制調査会石弘光会長が、任期終了を前に談話を発表。
今後の税制改革の方向云々の全体にかかわる話はさておき、税の再配分機能について、次のように指摘したことは、石先生にしては、珍しく、まっとうなご意見。
税制の所得及び資産の再分配機能が的確に発揮されるように検討していく必要がある
東京新聞が消費税問題で特集
東京新聞27日付が、「生活図鑑」で、「税率上がれば 負担“格差”拡大」の見出しで、消費税問題を特集。消費税の逆進性のデータや、消費税率引き上げについての日本世論調査協会の世論調査(2006年3月)の結果を紹介しています。
ずっしり負担増
日曜日の朝日新聞が「負担増 実感の夏」と題して、ここ数年間の負担増をまとめて紹介しています。そこに掲載された「負担増カレンダー」を紹介します。
リストは2008年までですが、「負担増はカレンダーにある08年で終わるわけではない」(同記事)。あらためて小泉政権の増税路線のひどさが分かります。
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子育て減税
今日の朝日新聞に子育て世帯の減税についての特集記事が載っています。
そこでは、2つの減税方式による減税額の違いがグラフで示されています。1つは、たとえば子ども1人あたり10万円として、子どもの数だけ税額控除するという方式。もう1つは、N分N乗方式(記事では「フランス方式」)と言われているもので、世帯の総所得を子どもを含めた家族の人数(N)で割って、1人あたりの課税所得を計算。それに税率をかけて1人あたりの税額を出し、それを再びN倍して納税額を出すというもの。フランスで出生率が上がっているものだから、N分N乗方式は、少子化対策に最も効果がある税方式であるかのように宣伝されています。
しかし、その結果をみると、非常に劇的なもの。
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「骨太方針」での明示を見送っても
消費税増税の時期や上げ幅について、来年の参院選で争点にならないように、「骨太の方針」への明示を先送り。
しかし他方で、社会保障の財源を理由に「消費税増税は必要だ」の発言は繰り返されています。こんどは谷垣財務相。
消費税の上げ幅・時期、明示は避ける 骨太の方針(朝日新聞)
谷垣氏、社会保障費財源は消費税増税(TBS News-i)
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消費税「目的税化」論のたくらみ
谷垣財務相が、財務担当大臣として、初めて消費税を目的税化すべしとの考えを表明。経済財政諮問会議でも目的税化の議論が出されています。他方で、来年の参院選にむけて、最終決定は2008年に先延ばししつつ、「社会保障のため」を口実にして増税を押しつけようという方針のようです。
しかし、前にも書いたとおり、福祉目的税化するといっても、現在の社会保障財源のうち税負担部分を全部消費税でまかなうとしたら、それだけで10%以上の増税が必要。高齢者の医療負担を増やし、年金への課税を強化し、そのうえ消費税増税…。どこが「社会保障のため」なのでしょう。
「国民の納得を得て」と言いながら
自民党の片山虎之助・参議院幹事長が、ロイターのインタビューで、消費税増税について「国民の納得を得て」と回答。しかし、その一方で、「骨太方針」に消費税増税を具体的に書き込むことについては「そんなことが書ける訳がない」と発言。
「国民の納得を得る」つもりなら、来年の参院選で消費税増税を政策に掲げるのが一番だと思うのですが、結局、すべて先送りして、とりあえずは「選挙で勝てる人を」というのが結論のようです。
「消費税を目的税に」発言続く
来年の参院選を意識して、政府・自民党の中では、2007年度税制改革での消費税増税の見送りの方向が濃厚になる一方で、幹部はあっちこっちで「消費税は社会保障の財源にあてる目的税に」の発言を繰り返しています。
こうやって「社会保障のためなら消費税の引き上げも仕方ない」という雰囲気をつくりながら、真正面から「消費税増税をしようとしている」と言われれば「そんなことは決まってない」などと言い逃れできるようにして、そのまま参院選を乗り切ろうという魂胆。こんな姑息なやり口は許されません。
“消費税率上げ 福祉目的に”(NHKニュース)
消費税「福祉目的税化が有力」 与謝野経財相(朝日新聞)
財政再建へ 福田氏「消費税アップ必要」(北海道新聞)
6月から定率減税半分で住民税が実質増税
6月になりました。今月から、小泉首相および自民・公明与党の温かいご配慮により、住民税の定率減税が半分になります。今月の給与明細を見て、なぬ?っと思ったら、小泉首相と自民党・公明党に怒りをどうぞ!
消費税増税隠しに必死?
政府・与党は、財政・経済一体改革会議の初会合で、消費税率引き上げ論議を事実上封印することで一致した模様。来年の参院選を前に、早くも争点隠しに走るつもり?
しかし他方で、ちらちらと「消費税率引き上げ必至」の発言もくり返し漏れだしてきます。やっぱり参院選で、きっぱりと審判を下すことが大事なようです。
財政・経済一体会議 消費税引き上げ封印 政府と与党、歳出削減では綱引き(北海道新聞)
消費増税いつ決定? 自民内、参院選控え綱引き(朝日新聞)
消費税率の段階的引き上げ、経財相が必要性に言及(読売新聞)
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経済同友会が社会保障制度一体改革の提言を発表
経済同友会が10日、社会保障制度の抜本的一体的改革を求める提言を発表。
社会保障制度を真に持続可能とするための抜本的・一体的改革?経済社会の質的・量的変容に対応した新たな理念に基づいて?:経済同友会
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日本経団連、消費税10%への引き上げを提言
消費税を1%上げればGDP0.4%減
日本総研の試算で、消費税を1%ひきあげた場合、GDPが0.4%減少することが明らかに。
消費税を10%引き上げた場合、年収1234万円の世帯で年収の6.2%の負担増になるのにたいし、年収347万円の世帯では10.5%の負担増に。消費税の逆進性も確かめられたことになります。
竹中総務相、消費税10%以上引き上げを主張
消費税10%強。強というのがどれぐらいか不明だが、自民党内部の検討では13?15%程度という数字も出ている。15%を10%強というのも相当に強引だが、名目成長率3%以上というのは、相当に現実離れした数字では? それでようやく10%強に押さえられるというのだから、現状のままなら消費税20%は必至。
財源不足は消費税で、という発想になると、結局、この範囲の議論から抜け出せなくなってしまう。
菊池英博『増税が日本を破壊する』
書店でたまたま見かけたので買ってみたのですが、これがなかなか面白い。ぜひとも財政学の専門家の意見を聞いてみたいと思いました。
著者の主張は、第1に、「日本は財政危機ではない」ということ。つまり、日本の政府の長期債務は国・地方あわせて795兆円あると言われるが、実はこれは「粗債務」。ところが、政府は480兆円の金融資産を持っているから、純債務は315兆円で、対GDP比(債務の国民負担率)は実質60%程度。この水準はユーロやドイツ並みで、日本だけがとびきり財政赤字が大きいわけではない。
第2に、毎年財政赤字を続けるアメリカでも、政府の純債務は増加している。しかし、名目GDPが増えているから、債務の国民負担率は低下している。ところが、日本は、デフレで名目GDPがマイナスになっている。そのために、債務の国民負担率が大幅に増えたのである。
第3に、したがって、債務の国民負担率を減らすためには、積極財政をとってデフレからの脱却をはかるべきである。それにもかかわらず、小泉首相は「構造改革」と称して、緊縮財政・増税路線をすすめている。その結果、デフレが深刻化し、国民経済は縮小、税収は落ち込み、結局、財政赤字はさらに拡大。名目GDPの減少と相まって、債務の国民負担率を大きくしている。
小泉首相の「構造改革」路線が国民経済を冷え込ませ、デフレを深刻化しているという指摘は、その通りだと思います。それに、巨額の外為資金がアメリカの国債購入にあてられていることや、これだけ財政赤字がありながら、貿易収支では日本は巨大な黒字となっていることなど、いったいどう考えたらいいんだろうと思っていたので、政府の債務は「粗債務」ではなく「純債務」で考えるべきだという指摘は、なかなか興味深いものがあります。