財務相の諮問機関・財政制度審議会が、消費税率17〜19%引き上げ必死との試算を発表。
プライマリーバランス均衡(国債費などを除いた歳出が税収などと均衡すること)といっても、社会保障給付の伸びを抑える、という以外には歳出の見直しはやってない訳で、消費税増税にむけた“ためにする”議論であることは明白です。
財務相の諮問機関・財政制度審議会が、消費税率17〜19%引き上げ必死との試算を発表。
プライマリーバランス均衡(国債費などを除いた歳出が税収などと均衡すること)といっても、社会保障給付の伸びを抑える、という以外には歳出の見直しはやってない訳で、消費税増税にむけた“ためにする”議論であることは明白です。
14日午前、衆参両院社会保障合同会議が開かれ、各党が社会保障・年金改革問題で基本的見解を表明。自民党は、消費税引き上げを検討するよう提起。
政府の言うがままに何でも答申する政府税調の石弘光会長が、所得税・個人住民税の抜本改革として、サラリーマンの給与所得控除の見直しを考えていることを明らかにしました。
所得税と個人住民税、6月に抜本改革案 政府税調(asahi.com)
→給与所得控除額:用語集:@Money:YOMIURI ONLINE(読売新聞)
たとえば年収500万円のサラリーマンは、154万円の控除が認められ、給与所得は346万円になります。
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今日の「東京新聞」に掲載されている「全国面接世論調査」。消費税引き上げ反対が72%と報じています。
世論調査は、「悪化した国の財政を再建するために、消費税率を引上げる」という意見にたいする回答。反対が72%(「どちらかといえば」を含む、以下同じ)、「賛成」27%を大きく上回っているだけでなく、その反対理由というのが、消費税増税論議の根本に突き刺さる理由になっているところが注目されます。
主な反対理由:
財政制度審議会(財務相の諮問機関)が、消費税率を引き上げた場合の試算をふくめ、6月中旬に提言をまとめることに。
「任期中は引き上げないが、議論は大いに結構」というのは、結局こういう事だったのですね。
24日の衆院本会議で、小泉首相が「消費税の活用も検討対象になる」と答弁。従来より、増税に大きく踏みこんだ発言となりました。
さらにこれを受けて、27日の衆院予算委員会で、民主党の川端達夫国対委員長が、首相の発言は「半歩か一歩ふみこんだもの」と高く評価し、年金制度「改革」に向けた集中的議論を要求。小泉首相は「私は半歩どころか大きく踏み出している」、「胸襟を開いて、社会保障全体を含めて各党が早く協議に入ったほうがいい」と応じました。
財界首脳の年頭メッセージ。日本経団連の奥田会長は、法人課税の制度整備、所得課税のフラット化と「消費税の基幹税化」を要求。教育基本法、憲法の「改正」なども求めています。
この間の所得税や法人税の減税(所得税は最高税率70%=86年=が37%に、法人税は基本税率42%=88年=が30%に)で、いまでも消費税の税収額(約13兆円)は法人税(約12兆円)を上回っています。これを基幹税化するという主張は、所得税のいっそうの「フラット化」と重ね合わせれば、消費税の大幅引上げ以外の何ものでもありません。低所得者への所得税課税を増やし(その一端は、定率減税の廃止として着手)、他方で消費税を大幅引上げする――文字通り、庶民に「広く、厚く」負担をかける酷税路線です。
28日、谷垣財務相が閣議後に「消費税しかない」と発言。すでに消費税引き上げは「既定路線」と化しつつあって、小泉首相の「任期中は上げない」発言も「いまの任期が終わる2007年に引上げますよ」という予告に過ぎなくなりつつあります。
日経新聞によれば、家計の負担増は、来年度だけで、
で、あわせて1兆1000億円にのぼるという。
さらに、2006年度には、定率減税分で1兆4000億円に社会保障費を含め、あわせて2兆1000億円の負担増になるという。
また、65歳以上のうち所得が125万円以下の個人住民税の非課税措置も2006年度から撤廃されるという(12/14付「東京」)。「住民税非課税」は、介護保険の保険料・利用料の減免措置の基準にもなっているので、それをあわせると高齢者世帯にはさらに重い負担になるだろう。
すでに、高額所得者の所得税最高税率は60%から37%に引き下げられている。法人税の最高税率も42%から30%に軽減された。これによる税の減収は20兆円とも言われており、それを放置したまま、定率減税の廃止など低所得者への課税強化は、租税の在り方そのものを否定するものと言わざるをえない。
来年度、定率減税を半分に縮小することで自民・公明が合意。「景気に悪影響」などの意見でいろいろ紛糾しましたが、結局、政府税調の当初の主張通り、2006年度廃止に向けて来年度半減させるということで決着。「朝三暮四」というより「元の木阿弥」というべきか。
【朝三暮四】ちょうさんぼし
〔「列子{黄帝}」などに見える故事。狙公(=猿回し)が猿にトチの実を朝に三つ、暮れに四つ与えるといったら猿が怒り出したので、朝に四つ暮れに三つやるといったところ猿が喜んだというもの。
(1)表面的な相違や利害にとらわれて結果が同じになることに気づかぬこと。
(2)うまい言葉で人をだますこと。[広辞苑]【旧の木阿弥(もくあみ)】
(戦国時代、筒井順昭が病死したとき、嗣子順慶がまだ幼かったので、遺言により、声が順昭に似ていた南都の盲人木阿弥をほのぐらい寝所に置いて順昭が病気で寝ているようにみせかけ、順慶が長ずるに及んで初めて順昭の死を世間に知らせ、木阿弥はもとの市人となったという故事から) いったん良くなったものが、再びもとのつまらないさまにかえること。苦心や努力も水泡に帰して、もとの状態にもどってしまうこと。[広辞苑]
麻生総務相が、定率減税縮小にたいし「同じことを2度やったらアホ」と批判したと報道されています。
1997年に、橋本内閣が消費税増税などをやろうとしたとき、「9兆円の負担を国民に押しつけるもの」と批判したのは日本共産党の不破委員長(当時)でした。そのとき、“聞く耳持たぬ”と頑なに増税・負担増路線を突き進んで、回復し始めていた景気をどん底に落としたのは、当の自民党でした。
それとは別に、定率減税廃止をぶち上げた政府税調の石会長は、財政学界で何の学問的権威も業績もない「アホ」です(昔、先輩から「石先生に財政学を勉強したなんて言ったら、バカにされるぞ」と言われました)。
今日の日経新聞が、11/26付の英紙「フィナンシャル・タイムズ」の社説を紹介しています。一読の値打ちありです。
日本の政府税制調査会は定率減税廃止を答申し、増税を提案した。まさに「歴史は繰り返す」だ。1997年、政府は消費税率を引き上げ、景気回復の芽を摘む悲劇を演じた。小泉首相は言下にはねつけるべきだ。日本に増税を考える余裕はない。年初来、成長に急ブレーキがかかり、7?9月の年率成長率は新計算方式ではゼロ。……景気が消費頼みの時に増税に向かうのは無責任で、財政赤字削減は成長維持とデフレ脱却によって取り組むのが先決だ。……
政府税制調査会が、2005年度の税制改正答申を小泉首相に提出。まず、定率減税を05年度、06年度の2段階で全廃するとともに、消費税の増税は「必要」と明言。2段階での大増税路線を明確にしました。
<政府税調>定率減税を06年度までに段階的廃止 答申(毎日新聞)
毎日新聞は「段階的廃止」と書いていますが、たった2段階では、「段階的」とは言えないでしょう。
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最近の消費税増税発言をあれこれ。
●9月29日、谷垣財務相が、NHKの番組で、消費税造営は避けて通れないと発言。
消費税引き上げは避けて通れない課題、今から議論が必要=谷垣財務相(ロイター)
●9月30日、財政審の財政制度分科会(会長・西室泰三東芝会長)が、消費税増税は将来避けられないとの共通認識を表明。西室会長は、会見で、わざわざ「経済界が消費税(引き上げ)導入に反対しているわけではない」と発言。財界を含め、「まず歳出削減」から「歳出削減と増税の同時進行」へと路線転換をアピールしたということか。
<財政審>「消費税率引き上げ必要」との認識で一致(毎日新聞)
●10月3日、与謝野薫自民党政調会長が、消費税増税の議論を党内で進めると発言。
NHKの世論調査で、選挙前に自民・公明が成立させた年金改革法について、それで年金は「安定しない」が80%、「廃止して審議をやり直してほしい」52%という結果が出ました。
また、NHKはことのついでのように触れているだけですが、「消費税の税率を引き上げて、年金の財源にあてる」という意見については、「賛成」「どちらかと言えば賛成」合わせて41%にたいし、「反対」「どちらかといえば反対」が合わせて51%で過半数を超えていることが注目されます。
●年金改革法によって年金制度は安定運営できると思うか
大いに安定する | 1% |
---|---|
ある程度安定する | 13% |
あまり安定しない | 53% |
まったく安定しない | 27% |
●年金改革法をどうすべきか
廃止する必要はない | 11% |
---|---|
廃止して審議をやり直してほしい | 52% |
どちらとも言えない | 30% |
●消費税の税率を引き上げて年金財源に充てるという意見について
賛成 | 10% |
---|---|
どちらかといえば賛成 | 31% |
どちらかといえば反対 | 27% |
反対 | 24% |
夕刊フジが、政府税調の動きとして、サラリーマンの退職金への課税強化の話を紹介しています。「規制緩和」で「終身雇用」が崩れたから、勤続20年超の控除割増は廃止しようということのようですが、税金は“取りやすいところから取れ”という姿勢が露骨です。小泉「改革」に賛成してきたサラリーマン諸氏は、この事態にどうするつもりでしょう?
細田官房長官は、今日の記者会見のなかで、小泉首相の任期中に、将来の消費税率引き上げを決めることもありうると発言しました。小泉首相は「私の任期中は引き上げない」と公約してきましたが、細川官房長官によれば、引き上げの方針を決めるだけだから公約違反にはならないということのようです。
これを聞いて、「朝三暮四」という格言を思い出しました。
中国の春秋時代、宋の狙公が、手飼の猿にトチの実を与えるのに、「朝に3つ、暮に4つ」やったところ猿たちが怒ったため、「朝に4つ、暮に3つ」にしたら喜んだというお話です。
ここから、目先の細かいことで相手をごまかすこと、あるいは目先の違いに目を奪われて、結果が同じになることに気がつかないことを言います。消費税引き上げの方針を決めるだけなら、消費税は引き上げないという公約に違反しないというのは、それこそ、現代版の「朝三暮四」でしょう。国民を狙公の猿のようにバカにした話です。
消費税増税についての閣僚の発言を拾い集めてみました。
自民党・久間章生幹事長代理=「(消費税引き上げは)いずれ議論しなければならない。(国民に)『覚悟してください』と政治は突き放さなければいけない」「年金はもらい続けたいが、消費税は嫌だという人間のさがをみんなが抑える必要がある」(7月13日、朝日ニュースターの番組で)
自民党・金子一義行革担当相=「財源をどうするかの議論で常識的に年金の部分は消費税」(7月13日記者会見で)
公明党・神崎武法代表=「社会保障制度の将来を考えると消費税の引き上げは避けられない」(7月12日のNHK番組で)
自民党・安倍晋三幹事長=「給付に対応する負担の方法としては消費税が一番適切ではないか」(7月4日、フジテレビ報道番組で)
自民党・小泉純一郎首相=「欧州の例を見ても消費税が大きな財源になるという方向だろう」(6月29日、自民党本部での共同通信などとのインタビューで)
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