左=大橋幸泰『検証 島原天草一揆』(吉川弘文館)、右=日下力『いくさ物語の世界』(岩波新書)
最近、読んだ歴史に関する本2冊。
1冊目は、吉川弘文館歴史文化ライブラリーの『検証 島原天草一揆』(大橋幸泰著)。寛永14年(1637年)から翌15年にかけて起きた、いわゆる“島原の乱”がテーマ。一揆が起きたときには、幕府・藩はキリシタン一揆だとみなしていたのに、のちに一揆が伝承化されたときには藩の苛政が原因だとされた。著者は、この“ねじれ”に注目して、17世紀前半という時期におきたこの“乱”の独自の歴史的性格があるとする。