北朝鮮情勢に関連して、本日の「日本経済新聞」に、英フィナンシャル・タイムズ紙の興味深い社説が転載されています。
曰く、「ならず者国家と関係を持つことが不快であっても、平和への唯一の望みは意思疎通の場を維持することにある」と。
ひるがえって日本のことを考えてみれば、日本政府は意思疎通の場そのものを持っていないわけで、これでは平和への望みが最初から存在しないも同然です。
北朝鮮情勢に関連して、本日の「日本経済新聞」に、英フィナンシャル・タイムズ紙の興味深い社説が転載されています。
曰く、「ならず者国家と関係を持つことが不快であっても、平和への唯一の望みは意思疎通の場を維持することにある」と。
ひるがえって日本のことを考えてみれば、日本政府は意思疎通の場そのものを持っていないわけで、これでは平和への望みが最初から存在しないも同然です。
これも少し古い記事。前にも紹介したことだけど、日本がアメリカと一緒になって、モンゴルに核廃棄物の最終処分場をつくるという計画をすすめている。
モンゴルと言えば、こんどの東日本大震災にあたっても緊急救助隊を派遣し、義援金も贈ってくれた国だが、それなのに、東京電力福島原発事故のあとになっても、この計画をすすめようとしているらしい。
世界を読む:モンゴル核処分場計画/フィンランドに建設中の最終処分場(その1):毎日新聞
世界を読む:モンゴル核処分場計画/フィンランドに建設中の最終処分場(その2止):毎日新聞
講談社現代新書、浅田實著『東インド会社』(1989年刊)
マルクスは、資本主義は16世紀に始まると書いていますが、16世紀に始まったのが、喜望峰回りの東インド貿易。そして、1600年にはイギリスの東インド会社が、1602年にはオランダの東インド会社が誕生します。
政府が北朝鮮の飛ばしたものは「ミサイル」であるとする立場を表明。
しかし、河村官房長官が記者会見して説明した理由は、次の2つ。
しかし、「人工衛星が軌道を周回しているとは思わない」というのは、それだけでは「人工衛星ではなくミサイルである」と断定する理由とするのにはちょいと欠ける。人工衛星の打ち上げに失敗したかも知れないからだ。そして、国会決議についていえば、前回指摘したとおり、国会決議そのものには「ミサイル」と断定できる根拠は何も示されていない。
ということで、結局、河村官房長官が説明した限りでは、「人工衛星ではなくミサイルである」と断定したことを裏づける根拠は、何も示されていない、ということになる。これでは、国際社会にたいして説得力を持たない。それで外交がうまくすすむのか、もう少し冷静に考える必要があるのではないだろうか。
北朝鮮のロケット発射問題で、昨日の「読売新聞」が「不可解な対応」と題する解説記事を載せている。衆議院決議に、共産党が反対し、社民党が棄権したことを「不可解な対応」と批判している。
その理由として、「読売新聞」があげているのは、「国民の安全を最優先に考えるべき時、両党の対応は不可解と言わざるを得ない」「国内で足並みが乱れては、国際社会の分断を狙う北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない」ということぐらいだ。
しかし、社民党はいざ知らず、共産党は、決議に反対する理由を明らかにしている。
「読売新聞」は、なぜか、この第1の問題にまったく触れていない。なるほど「読売新聞」は、どの記事を見ても、「北朝鮮が『人工衛星』だと主張して弾道ミサイルを発射した」などと書いて、北朝鮮が発射したものは「弾道ミサイル」であると断定している。それは見事に徹底しているが、しかし、どの記事を見ても、読売新聞社として「弾道ミサイル」と断定した根拠は書かれていない。もし「読売新聞」が共産党の態度を「不可解な対応」と批判するのであれば、まず弾道ミサイルと断定した根拠を自ら示す必要があるだろう。それ抜きに共産党を「不可解な態度」と非難する「読売新聞」のやり方こそ、「不可解」といわざるを得ない。
問題は外交である。外交の場では、根拠なく相手国を非難してみても何の効果もない。「国民の安全」にかかわる問題だからこそ、国際社会をきちんと納得させられるだけの根拠をもって、日本の立場を主張しなければならない。そこに知恵をつくす必要がある。
今日の「毎日新聞」には次のような記事が出ていたが、「弾道ミサイル」だと断定することは難しいというのが実際のところではないか。
北朝鮮が、ロケットの打ち上げについておおよその発射時刻を米中ロには事前に通告していたと、韓国メディアが報道。
で、その韓国はアメリカから通告があったらしいが、日本には通告はあったのだろうか?
アメリカの政治学者ジェラルド・カーティス氏が、「東京新聞」の「時代を読む」欄で、アフガニスタン支援について「日本は人道的支援を」と指摘されています。
「大切なのは、経済大国で、自衛以外の武力行使をしないとする民主主義の国家にふさわしい貢献ができるように、政府が資金と人材を提供することである」「日本はアフガンに舞台を派遣していないことに引け目を感じる必要はない」「日本は従来、まず米国が日本に何を期待しているのかを知ろうし、国内で強い反対が生じるのを避けつつ、米国が納得する最低限の対応を行う姿勢を続けてきたが、これは時代遅れの対応だ」「オバマ政賢の要求を探るよりも、アフガンなどで何をすればもっとも国益に資するかを日本人自身が議論し、日本政府の決定を米国に伝えればよい」などなど、非常にごもっともです。
インドネシアで通貨ルピアが急落。また、昨日から株式市場も全面停止されている。韓国より前にインドネシアの方が大変かも知れない…。
インドネシア株式市場、取引の全面停止を継続(NIKKEI NET)
インドネシア証券取引所、10日前場も取引再開せず : Reuters
インドネシア株式市場 10%下落で株取引全面停止(NIKKEI NET)
インドネシア中銀が利上げ 通貨ルピア急落で(NIKKEI NET)
ルピア下落、懸念要因ではない=インドネシア中銀副総裁(朝日新聞)
左から、戸谷由麻『東京裁判』(みすず書房)、坪井善明『ヴェトナム新時代』(岩波新書)、荒井信一『空爆の歴史』(岩波新書)。しばらく読み終わった本の感想を書き込むのをサボっていたので、3冊まとめて投稿します。(^_^;)
吉川弘文館の「戦争の日本史」シリーズの第19巻、原田敬一『日清戦争』です。
著者の問題意識は、1つは、「日清戦争で日本は国際法を守った」という「神話」を検証すること。もう1つは、日清戦争の過程を可能な限り詳細に追いかけることによって、実は、日清戦争が、「7月23日戦争」、狭義の「日清戦争」、「台湾征服戦争」の3つの戦争から構成されていたことを明らかにすること。
東京女子美大の島村教授がブログで紹介(Prof. Shima's Life and Opinion : シンガポールでも「蟹工船」現象を報道)されていますが、シンガポールの英字紙「ストレーツ・タイムズ」に、日本のワーキングプア問題と『蟹工船』ブームにかんする記事が掲載されました。
ということで、インターネットを探してみると、その記事が見つかりました。こちら↓です。
'Working poor' issue proves a page-turner – The Straits Times
先々週の「産経新聞」に出ていた記事。朝鮮戦争の開戦時に、ソ連が国連安保理を欠席した理由について、「アメリカを挑戦での武力行使に引き込むため」とするスターリンの手紙が見つかったというニュース。
朝鮮戦争の謎「ソ連の安保理欠席」スターリンの証言判明(MSN産経ニュース)
スターリンが米に韓国戦争参戦を誘導していた…極秘文書発見(韓国・中央日報)
「日経新聞」のコラムにあったフィナンシャル・タイムズ紙の世論調査を発見!! (^_^;)
フィナンシャル・タイムズ5月19日付の「大分水嶺のような収入の不平等」という記事。ヨーロッパ5カ国、アジア(日本と中国)、アメリカの8カ国で世論調査を実施。その結果、どこでも「金持ちと貧乏人とのギャップはあまりに広がりすぎている。金持ちはもっと税を支払うべきだ」と考えられているという点で非常に際立った結論が出たと述べるとともに、「グローバリゼーションの波が『スーパー金持ち階級』を生み出したため、収入の不平等が多くの国で重大な政治的争点になっている」と指摘している。記事中では、国連開発計画の2005年報告の推計として、「世界の最も金持ちの50人は、最も貧しい4億1,600万人よりもたくさん稼いでいる」というデータも紹介されている。
今日の毎日新聞夕刊の「特集ワイド」欄で、パキスタン問題がとりあげられている。
もちろん、軍部による抑圧はよくないことである。しかし、ではムシャラフ大統領の退陣で解決するのかといえば、そう簡単にすまない。大もとには、アメリカが勝手に始めたアフガニスタン戦争と、パキスタンに対テロ戦争への協力を強いるアメリカの圧力がある。イギリス植民地からの独立と、イスラム・ヒンドゥーによる国の分裂、腐敗と政治の混乱、インドとの戦争、そうした現実のなかで、軍に優秀な人材が集まる、ということはありうること。中東の安定化のためには、世俗主義の方向に促していくことが大事だと思うのだが、アメリカのやっていることは、それに逆行することばかり。ヨーロッパ流の民主主義を押しつけて、原理主義が台頭すれば、混乱はパキスタン国内だけではすまなくなる。さて、どうしたものか…。
日本とASEANがEPA(経済連携協定)で合意。コメなどを除外しているが、日本側は協定発効と同時に90%の関税を撤廃。ASEAN側も、主要国は10年以内に90%を撤廃する。
しかしどうやら一番の眼目は、この協定発効と同時に、日本製の部品もASEAN域内のローカルコンテンツに認定されるようになることにあるようだ。これが認められれば、高度な技術を必要とする部品を日本から輸出してASEAN諸国で自動車や家電に組み込むときに、関税が免除されるようになる。日本企業の最大の狙いはそのあたりにありそうだ。
東京新聞:日本、関税9割即時撤廃 経済協定 ASEANと合意:経済(TOKYO Web)
中国・アジア/輸入関税9割の品目で撤廃…経済連携協定、大筋合意へ(FujiSankei Business i.)
パキスタン軍が、イスラム原理主義の立場に立つ武装神学生らが籠城する神学校に突入。
この事件でムシャラフ政権を軍事政権、独裁政権と非難するのは簡単だけれども、これでもし同政権が倒れて、パキスタンにも原理主義政権が誕生したら、中東地域はもはや手がつけられなくなることは明らか。アメリカの中東政策は完全に破綻します。それだけでなく、下手をすれば、ふたたび印パ戦争勃発、ということになると、今度は両国とも核保有国。核ミサイルを撃ち合うことにもなるかも知れません。
もちろん、だからといって、何をやってもいい、ということにはならないのですが…。
ヒル米国務次官補が国務省で記者会見し、朝鮮半島の恒久的和平体制をめざす地域機構の創設を提案。同機構には、米、中、韓国、北朝鮮の4カ国が参加することに。
関係国が着々と地域的安全保障体制づくりで話を進めようとしているときに、日本は“強硬一本槍”で、平和の体制づくりのための用意なし。アメリカにほっぽらかされ、置いてけぼりになったかっこうです。
ASEAN首脳会議が、ASEAN共同体の実現を、当初目標より5年早め、2015年に結成を目ざすことで合意。平和の地域的共同体づくりが、力強くすすんでいるようです。