中国が、フィリピン、ベトナムと領有権を争っている南沙諸島で、共同の資源調査を行うことで合意。費用も3等分するそうで、領土争いをしているからといって、敵対しているばかりが能じゃない。
「中国」カテゴリーアーカイブ
第10期全人代での2005年の社会経済発展への9つの任務報告
5日、開幕の第10期全人代第3回会議で、2005年の経済社会発展計画が報告され、9つの主要任務・措置が明らかにされました。
中国の王毅駐日大使の講演
中国大使館のホームページで、王毅駐日大使がこの間日本国内で行った講演の原稿が後悔されています。
これを読むと、中国がどういうことを考えて、経済と外交をやろうとしているのか、日中関係をどうしようとしているのかがよくわかります。
- 関西財界セミナーにおける王毅大使の講演――中国の発展と中日関係の未来について(2005年2月3日)
- アジア地域協力と中日関係――早稲田大学における王毅大使の講演(2005年1月12日)
- チャンスとチャレンジ――中日関係の戦略的思考(日本経団連における王毅特命全権大使の講演)(2004年12月21日)
どこかの知事さんは王毅大使を「若僧」呼ばわりしていましたが、気に入らないからといって「若僧」呼ばわりしてすまないことは、これらの講演を読めば歴然としています。
美女自販機?
といっても、美女を販売しているわけではありません。自販機のなかに女性が入っていて、お金を入れると、商品を手渡してくれるということのようです。
中国政府、出稼ぎ農民の低賃金を批判
中国政府が、農村出身の出稼ぎ農民の低賃金を批判し、企業に待遇改善を要求。
低賃金狙いの日本企業などは、対応を求められそうです。
日中外務次官級の戦略対話開催へ
中国が、日中間の懸案事項を協議するための外務次官級の「戦略対話」を提案。日本側も応じるようです。
趙紫陽氏の葬儀おこなわれる
中国共産党元総書記・趙紫陽氏の葬儀が、29日おこなわれました。新華社電は、天安門事件(89年)で「重大な過ちを犯した」と指摘するとともに、「共産党と人民に有益な貢献をした」と評価。葬儀には、賈慶林・中国人民政治協商会議主席ら高官が参列、曽慶紅国家副主席が臨終の際に指導部を代表して病院を見舞ったことも伝えました。
李秀英名誉棄損裁判、最高裁で勝訴確定
南京虐殺事件の生き残りである李秀英さん(昨年12月没)が、出版社・展転社と著者・松村俊夫氏を名誉棄損で訴えた裁判で、最高裁が原告勝訴の二審判決を支持。原告勝訴が確定しました。
日本ではまだニュースが流れていないようなのですが、中国・人民網(日本語版)サイトにニュースが上がっています。
平頂山事件の生存者李佩珍さん死去
平頂山事件の生き残り、李佩珍が死去。平頂山事件というのは、1932年9月16日、日本軍が、中国遼寧省中国撫順炭鉱に近い平頂山集落で住民約3000人を、抗日ゲリラに協力したとして虐殺した事件です。
趙紫陽氏死去(続報)
趙紫陽氏の死去について、中国新華社は「趙紫陽同志」として報道しました。
趙紫陽同志逝世
新華網北京1月17日電 趙紫陽同志長期患呼吸係統和心血管係統的多種疾病,多次住院治療,近日病情悪化,経搶救無効,于1月17日在北京逝世,終年85歳。
※これは新華社電を、日本で通用の漢字に置き換えたもの。原文は簡体字
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カネボウ化粧品、上海子会社で集団出勤拒否
カネボウ化粧品の上海の2つの子会社で、18日から中国人従業員が集団で職場放棄する事態が発生しました。
どうやら、上海カネボウ化粧品が中国国内での販売に必要な権利を取得しないまま、日本からの輸入化粧品を販売していたことが明らかになり、中国人幹部を更迭、また調査のために社員の机などを無断で調べたことに従業員が反発したもののようです。
趙紫陽氏、死去
17日、天安門事件への対応で失脚した中国共産党元総書記・趙紫陽氏が死去。中国外務省は、再評価などおこなわないと発表しました。
しかし他方で、亡くなる直前に、曽慶紅・国家副主席が見舞いに訪れたという報道もあり、注目されます。
台湾のハンセン病元患者が補償を求め提訴
台湾のハンセン病元患者が、ハンセン病補償法にもとづく日本政府への補償請求を退けた厚生労働省の処分を不服として、処分取り消しの訴えを起こしました。
植民地支配の下で、国内の隔離政策に従って、強制隔離しておきながら、いまになって「外国人」であることを理由に補償しないというのは矛盾しているとしか言いようがありません。
『丁玲自伝』
昨日(正確には一昨日)買ってきた丁玲著『丁玲自伝』(東方書店)ですが、今日(正確には昨日…あ〜面倒くさい)読み終えてしまいました。
同書は、丁玲が1933年に上海で逮捕され国民党によって3年間余り幽閉されていた時代のことを書いた「暗黒の世界で」(原題は『魍魎世界』)と、1957年の「反右派闘争」から「文化大革命」の時期の体験を書いた「風雪に耐えて」(原題は『風雪人間』)の2部構成です。
とくに上海で幽閉されている時期に、国民党によって、「丁玲は裏切った」というデマが流され、それが「反右派闘争」や「文化大革命」の時期に「右派」の証拠として持ち出されるなど、苦労を重ねることになります。しかし本書では、そうした境遇で苦しむ自分の気持ちとともに、そのとき、そのときのさまざまな人との出会い――そのなかには、裏切りや挫折もありますが、思いやりある人々との出会いがていねいに書かれていて、あらためて、革命運動というものはそうした人々の思いによって支えられ、継承され、発展していくものなのだということを強く感じました。
【書誌情報】著者:丁玲 Ding Ling/書名:丁玲自伝 中国革命を生きた女性作家の回想/訳者:田畑佐和子/出版社:東方書店/発行:2004年10月/INBN4-497-20415-4/定価:本体2400円+税
中国への無償ODAって、こんなに少なかったのね
対中国ODAの見直しが声高に主張されています。ODAというと、何となく“タダでくれてやる”的なイメージがありますが、無償援助はわずか52億円でODA全体のわずか5%。残り大部分(約967億)は円借款です(※)。
※中国向けODA開始(80年度)から2003年度までの累計3兆3000億円のうち、円借款は3兆472億円にたいし無償援助は1416億円(4.3%)。「毎日」12/14付による。
円借款というのは、お金を“やる”のではなく、低利とはいえ利子を取って資金を“貸す”もの。その資金で、日本企業から物資を購入する場合もあって、その場合は回り回って日本企業の利益にもなるわけです。しかも、谷口誠著『東アジア共同体』(岩波新書)によれば、中国は、この借款をきちんきちんと返しているとのこと(※)。“中国は経済成長したのに、いつまでも日本からODAをもらおうとして、けしからん!”というイメージとは、実は、まったく違っているということです。
※「毎日」12/14付によれば、2003年度は借款967億円にたいして償還額1058億円ということで、差し引きで日本は中国からお金を返してもらっているのです。
中国原潜の領海侵犯、グアムからの帰路
朝日新聞は、7日付で、日本政府関係者の話として、領海侵犯した中国海軍の原潜が、グアム島周辺を一周した帰路であったことを明らかにしました。
そのこと自体は領海侵犯事件の直後から言われていたことだと思いますが、記事を詳しく読むと、実は、自衛隊と海上保安庁、米軍は、10月に同原潜が青島を出発したときから追跡していたし、日本の領海を侵犯する数日前からP3Cで追跡。海上保安庁は、浮上した原潜の撮影もしていたということです。だとしたら、今回の「領海侵犯」騒ぎは“やらせ”としか言いようがありません。
結局、こんどの領海侵犯は、米軍偵察の帰路に米軍の追跡を振り切ろうとして間違って日本領海に侵入してしまったというあたりが「真相」なのではないでしょうか。「朝日」は、「今後、太平洋海域で、中国と日米との間で海軍力の競合がより強まることも予想される」と書いていますが、中国の狙いはあくまで米軍にあると考えた方が現実的でしょう。
中国、ドイツの安保理常任理事国入りに賛意
中国に「うらみ」を言うなかれ。なぜ日本が、同じように中国から「賛意」を表してもらえないか、それを考えるべし。
訪中したドイツ首相、数十億ドルの対中投資で合意
ドイツのシュレーダー首相が訪中し、鉄道、金融分野などを中心に数十億ドルの対中投資の合意を結びました。この背景には、イラク戦争開始にあたって中国、ドイツ両政府がとった態度に現われたように、「双方は重要な国際問題の見方はほとんど同じ」(独シュレーダー首相)という立場があります。
首脳同士が相互に訪問できる関係があると、こういうふうに経済交流もすすむという証明でしょう。日中関係は、靖国問題だけでなく、日本政府のアメリカ追随の立場でも違いを見せています。「政冷経熱」と言われていますが、「政冷」のままでは、経済への影響もまぬかれません。さて、日本政府と日本経済界はどうするつもりでしょうか?
谷口誠『東アジア共同体』読み終えました
谷口誠『東アジア共同体』(岩波新書)を、今朝の通勤電車のなかで読み終えました。読み始めたときの第一印象は前に書きましたが、読み終えた感想は「予想に違わず」で、中国、アジアとの関係重視、共同に21世紀の日本の発展の方向を展望するという点で、意外に共通点が多いのに驚くとともに、外交活動、それもOECDなど経済活動などに携わってきた人なりの視野の広さと深さがあって、学ぶべきところも多かったと思います。
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谷口誠『東アジア共同体』
岩波新書の新刊、『東アジア共同体』(新赤版919)を読み始めました。
著者の谷口誠氏は、外務省入省、国連大使、OECD事務次長を経て、早稲田大学アジア太平洋研究センター教授などを務められた方です。だから、日米安保条約や日米関係については、「日米間には日米同盟が存在し、日米安全保障条約があり、日本の生存にとって、米国と健全な友好関係を維持していくことが重要なことは言うまでもない」という立場ですが、日本の対アジア外交において、日本が東アジア諸国に評価されてこなかった原因として、「過去の侵略戦争と、それに纏わる歴史認識の相違」とともに「戦後の日本外交」が対米重視政策であるためにに、「いっかんしたアジア重視政策がなかったこと」をあげられるとか、東アジア通貨危機の原因として「東アジアNIEsに、マクロ経済政策の一環として資本市場の自由化の促進を強く要求し、指導してきたIMF(国際通貨基金)、OECDの責任は大きい」と指摘されるなど、なるほどと思う指摘があちこちに登場します。
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