日刊「しんぶん赤旗」を読もう(6)

今日の「しんぶん赤旗」でおもしろかった記事。

  • 今日から始まった新連載「シリーズ原発の深層」の第1部「原発マネー」。
  • 国際面「欧州の富豪ら主張 ”増税なら、われわれに”」。

まず、「原発マネー」の連載から。

関西電力大飯原発がある福島県おおい町。実は、同町に1986年に5億円の寄付があった。それいらい長年巨額の寄付金が流れ込んでいるというのです。町当局は、この5億円で基金をつくり、町内各地区に年間最大で180万円を配布。集落のお祭りや旅行、清掃などに使われています。もちろん、出所は不明です。

また、現在はおおい町に合併した旧名田庄村では、関西電力の揚水発電所の話が持ち上がったことがありました。計画は、2005年に立ち消えとなったのですが、すると、関電が「迷惑料」として1億5000万円の現金を支払うと申し出たそうです。ただし、条件は「寄付金」として出所を公表しないこと。

美浜原発のある美浜町では、2006年度一般会計に12億3000万円、2007年度は10億2000万円の寄付金が「匿名」であったといいます。

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大銀行は破綻処理したほうが経済は回復する

昨日の「読売新聞」に、「アイスランド、金融危機克服」という記事が出ていた。

中身は、ヨーロッパ経済の先行き不安がいわれるなかで、2008年に深刻な金融危機に見舞われた「アイスランドが着実に経済回復を果たしつつある」というもの。実際、2009年には実質GPDは-6.9%を記録したが、今年1〜3月期には前期比2.0%の伸びを示している。

興味深いのは、その一番の要因が、負債を抱えた大手銀行を救済せずに破綻させたことにある、というのだ。

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ベルリングェルが死んで奇跡は起こった

映画「人生、ここにあり!」

東京は、今日は午前中から雨が降り出し、一時はかなりの土砂降りになりましたが、夕方には一段落したので、昨日に続いて、またまた映画を見に出かけました。

今夜はイタリア映画「人生、ここにあり!」です。(今年9本目)

舞台は1983年のイタリア・ミラノ。市場に対応すべきだと唱え、「市場主義者!」と罵られて、労働組合をクビになったネッロが紹介されたのは、精神病院の患者たちの協同組合 ((日本でおなじみの生協も協同組合ですが、生協は消費協同組合。ここに登場するのは協同組合企業、生産協同組合です。))のマネージャーの仕事だった。しかし、彼らの仕事と言えば、封筒に書類を入れたり切手を貼ったりという退屈な補助作業ばかり…。ネッロは、組合員に、補助作業を続けるのか、それとも本格的な仕事で市場に挑戦するのかと提案する。すったもんだの議論のあげく、仕事は寄せ木の床張り作業に決定。しかし、障害を抱えた組合員たちの仕事はなかなかうまくいかない。そんなある日、ネッロが不在中に、床に貼る木が足らなくなり、廃材を使って勝手に作業を進めてしまう。それがデザイナーにうけたことから、協同組合の仕事はうまく滑り出すのだが……。

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「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

休みが続いてすっかりヒッキーになりつつあるので、今日は、夕方になってから映画を見に出かけました。(今年8本目)

「ペーパーバード 幸せは翼にのって」。スペイン映画です。

舞台は、内戦が終結したあとのスペイン。フランコ軍の爆撃で妻と息子を失った喜劇役者ホルヘは、1年後、ふたたび旅劇団に復帰する。相方のエンリケ、そしてエンリケにひきとられた孤児のミゲルといっしょに、ふたたび舞台に立つ。内戦に勝利したフランコ政権は、反体制派に徹底的な弾圧を加える。一人の大尉がホルヘに目をつけ、劇団に部下のパストールを送り込む。やがて、劇団はフランコ総統の前で芸を見せることに……。

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あらためて社会主義の道を踏み外したソ連の犯罪性を実感

ジョセフ・クーデルカ プラハ1968

東京都写真美術館で開催中の写真展「ジョセフ・クーデルカ プラハ1968」を見てきました。

1968年8月20日、ソ連とワルシャワ条約機構5カ国の軍隊が、チェコスロヴァキア共和国に侵入に、プラハの街を占領し、共産党や政府の幹部をモスクワに連れ去って、チェコスロヴァキアの自主的な改革の動きを踏みつぶした事件を撮影したものです。

私たちが、ソ連は本当に社会主義といえるのか? と考え始める出発点ともなった重大な事件なので、ぜひ見たいと思っていました。木・金は夜8時まで開場しているというので、仕事帰りに恵比寿にまで出かけてきました。

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元原子力安全委員会長、「原発は廃止すべきだ」と指摘―ただしスイスのね。

前に紹介した swissinfo は、「東日本大震災」として、いろいろと記事を特集しています。

たとえば、これ↓は4月5日の記事。スイス政府の原子力安全委員会長を5年つとめた研究者へのインタビューです。

福島第一原発事故、避難指示圏を半径40キロに拡張を!:swissinfo

この人は、日本政府が30km圏内に「自主避難」を呼びかけたことにたいし、「理解に苦しむ。半径40キロを避難指示圏にすべきだ」と批判しています(あくまで4月5日時点での話ですが)。「さしあたり、ただちに健康に影響はない」と言い続けた、どこぞの「村」の学者さんとは大違いです。

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イタリア、国民投票で脱原発へ

イタリアの国民投票で、原発再開「反対」が95%を占め、ベルルスコーニ政権がすすめていた原発再開計画はストップされることになりました。

もともとイタリアの国民投票は、投票率が50%を超えないと成立しないという仕組み。つまり、反対の人はもともと投票しなければよいわけだし、さらにたんに面倒だと投票しなかった人もみんな反対とみなされるという制度です。そのため、これまでは投票率が10%、20%で成立したことがなかったそうです。しかし今回は、投票率57%で見事成立!! おめでとうございます。

イタリア国民投票で原発再開を否決、ベルルスコーニ首相に痛手:Reuters

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見てきました! 映画「英国王のスピーチ」

映画「英国王のスピーチ」

公開2カ月以上たってしまいましたが、ようやく映画「英国王のスピーチ」を見てきました。(^_^;)

吃音のために人前で演説するのが苦手だった英国王ジョージ6世(現在の王女エリザベス2世の父)のお話。(今年5本目)

何人もの「ドクター」の治療を受けても一向に改善せず、妻のエリザベスが訪ねたのは、下町で言語治療をおこなっていたライオネルの治療室。ライオネルはオーストラリア出身で、かつては俳優をめざしたことのあるほどシェイクスピア好き。治療のためにジョージ8世(このときはまだアルバート王子)にハムレットの台詞を読ませたり、息子と「シェイク」というゲーム(要するに、シェイクスピアの台詞を当てる遊び)をするシーンが登場します。また、ライオネルのオーストラリア訛りが指摘される場面も出てきますが、ここらあたりは、「マイ・フェア・レディ」を思い出させます。

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EU 独自財源として金融課税?

EUで、国際金融取引税あるいは金融活動税を創設する動きが。

出発点は独自財源を確保するためのもの。でも、課税のためには国際的な金融取引そのものや金融活動そのものを把握する必要が生まれ、そこから投機的な資金活動にたいする規制の道も開けるかも知れません。そうなったら、おもしろいんですけどね。

欧州委、独自財源「EU税」創設を正式提案:日本経済新聞
欧州委が「金融活動税」草案、3兆円弱見込む:読売新聞

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ギリシャ不安 東京もNYも株安、ユーロ急落

ギリシャの財政危機に端を発したユーロの信用不安が、ふたたび大きくなってきました。

今日は、東証でも一時400円も下落し、最終的に331円安。2日で692円も下げたことになります。NYでは、誤発注による混乱もあって、最終的に347ドル安。株安はアジア市場にも広がっています。為替の方も、1ユーロ=117円までユーロが急落。ドルも1ドル=92円台に下落。

さて、この信用不安、いったいどうなりますやら…。

外為・株式:東証一時400円超下げ NY株終値300ドル安、ユーロ急落110円台:毎日新聞
日経平均、2カ月ぶり安値 下げ幅2日で692円:日本経済新聞
アジアも各国で株価値下がり:NHKニュース

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アメリカとの「特別な関係」やめます

アメリカとの「特別な関係」を誇ってきたイギリスで、今後、アメリカとの「特別な関係」という表現を使うべきでないという報告書を、下院外交委員会が発表したというニュース。

アメリカとの「特別な関係」という表現は、第2次世界大戦後にチャーチル元首相が使い始めたそうだが、多極化する世界の実態と合わず、英国に「非現実的な期待」を生む、あるいは国益を損ねかねない場合には「より積極的にノーという必要がある」というのがその理由。

もはや「アメリカ言いなり」は、「特別な関係」にあったイギリスでも流行らなくなった、ということです。

米との外交「特別関係」、英下院委「表現使用やめよ」 : 日経新聞電子版

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CDで聴く『資本論』?!

ドイツの国際放送局ドイッチェ・ヴェレのホームページに、「経済困難の時代にマルクスがヒットを勝ち取った」と題する記事が載っています。

Marx proves a hit in troubled economic times : Deutsche Welle

これによれば、ドイツでも『資本論』が売れ、『資本論』を読むグループが生まれているそうです。

また、CD6枚組の『資本論』オーディオ・ブック? が出版されたそうです。いったいどんな代物なのか? 私も早速注文してみました。

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浅田實『東インド会社』

浅田實『東インド会社』(講談社現代新書、1989年刊)

講談社現代新書、浅田實著『東インド会社』(1989年刊)

マルクスは、資本主義は16世紀に始まると書いていますが、16世紀に始まったのが、喜望峰回りの東インド貿易。そして、1600年にはイギリスの東インド会社が、1602年にはオランダの東インド会社が誕生します。

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映画「誰がため」 スウェーデンの抵抗運動

映画「誰がため」チラシ

今日も渋谷で映画を見てきました。デンマークの反ナチ抵抗運動を描いた「誰がため」。ナチスの幹部や対独協力者を処刑していく「フラメン」(炎)と「シトロン」(レモン)というコードネームで呼ばれた2人の、実話にもとづく映画です。(今年2本目)

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映画初め (^_^;)

映画「アンナと過ごした4日間」チラシ

テレビの正月番組もろくなものがないし、正月休みに部屋でくすぶっていても仕方ないので、元日から渋谷で映画を見てきました。

といっても、話題作というわけでなく、そろそろ公開終了になる「アンナと過ごした4日間」というマイナーな映画です。ポーランドの“幻の巨匠”イエジー・スコリモフスキ監督の17年ぶり最新作! といわれる作品です。

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