英日曜紙オブザーバーが、英軍高官の話として、イラク駐留英軍が来年5月に本格的に撤退を始める「ロードマップ」を作成中だと報道。ただし、BBC放送のインタビューで、ブレア首相は、このような詳細な計画は承知していないと否定しましたが。
イラク:駐留英軍が来年5月に撤退 英紙が来月発表と報道(毎日新聞)
Blair denies Iraq pull-out date(BBC NEWS)
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英日曜紙オブザーバーが、英軍高官の話として、イラク駐留英軍が来年5月に本格的に撤退を始める「ロードマップ」を作成中だと報道。ただし、BBC放送のインタビューで、ブレア首相は、このような詳細な計画は承知していないと否定しましたが。
イラク:駐留英軍が来年5月に撤退 英紙が来月発表と報道(毎日新聞)
Blair denies Iraq pull-out date(BBC NEWS)
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昨日、「アジアのキュビズム」を見た後、日比谷で映画「ふたりの5つの分かれ路」を見てきました。「8人の女たち」などのフランソワ・オゾン監督の作品です。(今年20本目)
淡々と離婚手続きをすすめるマリオンとジル。いったい、なぜこんな結末になったのか…? どこで2人はすれ違ってしまったのか…? 映画は、その「結末」から、ある特別なディナーの夜、出産、結婚、出会いへと、2人の軌跡を遡っていきます。
結婚生活に疲れたマリオンをヴァレリア・ブルーニ・テデスキが好演しています。
ドイツ総選挙、野党のキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)が与党社会民主党(SDP)を抜いて第1党になったとニュースが流れていますが、よくよくみたら、CDU・CSUだって前回比23議席減のマイナス。連立相手の自由民主党(FDP)が伸びたとはいえ14議席増なので、野党連合全体でもマイナス9議席。
他方、与党はというと、SDPが前回比29議席減、90年連合・緑の党が4議席減で、こちらは33議席のマイナス。
政党 | 議席数 | 得票率 |
---|---|---|
キリスト教民主・社会同盟 | 225(248) | 35.2%(38.5) |
社会民主党 | 222(251) | 34.3%(38.5) |
自由民主党 | 61(47) | 9.8%(7.4) |
左翼党 | 54(2) | 8.7%(4.0) |
90年連合・緑の党 | 51(55) | 8.1%(8.6) |
( )内は前回2002年の結果。左翼党の前回は民主社会主義党の議席数。※朝日新聞9/20付より
それから、SDPとCDU・CSUとの議席伯仲は、前回も同じ。前回は、得票率はどちらも38.5%で、議席はSDPが3議席上回っていました。だから、その限りでは、前回総選挙と結果はあまり変わっていません。
今回が前回と大きく異なるのは、新しく誕生した左翼党が54議席を獲得したことです。そのため、与党連合、野党連合ともに議席を減少させる結果になったのですが、野党連合はもちろん与党連合も、いまのところは左翼党を連立の相手にはしていません。まあ、シュレーダー政権の「改革」路線を嫌ってSDPを割ってでた勢力を含む左翼党も、与党連合と組むつもりはないでしょうが…。その結果、与党連合も野党連合も過半数に届かないという状況が出現した訳です。
この結果を冷静に見れば、むしろ、今回の総選挙の政治的な意味としては、CDU・CSUが事前の優勢を保てなかったことに注目すべきでしょう。それが、CDU・CSUの社会保障切り捨て、消費税増税という公約のせいかどうか、今後の報道と分析を待ちたいと思います。
野党・キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)が第1党になったものの、社会民主党(SDP)との議席差は3。しかし、東部ドレスデン選挙区が、候補者死亡のため、10月2日に投票延期となったため、最終結果は確定していない。
CDU・CSU+自由民主党では過半数に足らない。左翼党が、SDP+緑の党の旧与党連立を閣外協力にせよ支持すれば、シュレーダー政権が続くことに。しかし、シュレーダー政権の「改革」路線を嫌ってSPDを割って出た左翼党だけに、それも難しいか…。何にせよ、左翼党54議席は大健闘。
イギリス海岸で見つかった記憶喪失のピアノマン――実は偽物だったと英紙デイリー・ミラーが報道。
折しも日本で公開直前だった映画「ラヴェンダーの咲く庭で」と瓜二つの話に、最初っから「話が出来すぎ」と思ってたんですが。ひょっとして、映画会社の回し者だった? しかし本人がドイツに帰国したあとというのでは、裏付けの取りようもなく、このニュースさえ本当かどうか分かりませんね。(^^;)
イラクに派遣されたイタリア軍の一部130人が帰国。イタリア政府はイラク派遣軍の撤退を9月に開始するとしていたが、繰り上げられた模様。
イギリスで、21日、ブラジル出身の青年が自爆テロ犯と間違えられ、警察に射殺された事件について。
イギリス警察が、事件については謝罪したものの、「射殺する」との立場を変えていない。ブラジルでは無防備な青年を「野原の兎を試し打ちするように」背後から射殺したとして、抗議が広がっている。
ブラジル青年誤射で英外相が謝罪 銃弾は8発(CNN.co.jp)
故郷ブラジルで抗議デモ、英テロで誤射、死亡の青年(CNN.co.jp)
「世界は9/11後、眠ってしまった」 ブレア英首相(CNN.jp)
英警察、伯人労働者を射殺=職務質問もなく=伯外相、国際問題扱い要求=射撃正当化におののく出稼ぎ(ニッケイ新聞)
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投稿の順番が前後してしまいましたが、先々週、渋谷Bunkamuraル・シネマで映画「Dear フランキー」を見てきました。(今年17本目)
舞台はスコットランド。台詞は、スコットランド風英語で、最初、映画が始まったときは、いったい何語?と思ってしまったほどです(まあ、僕の語学力が乏しいせいですが)。
難聴の少年フランキー(ジャック・マケルホーン)を育てるシングルマザーのリジー(エミリー・モーティマー)、それにリジーの母親ネルの3人家族は、何度目かの引っ越しの様子。貧しいながら、毎日、新聞の死亡欄や尋ね人の欄を確かめるネル。フランキーは、船乗りの父親にあてて手紙を書くのが楽しみで、父親からは、寄港先の珍しい切手が送られてくる。しかし、その手紙は、実は母親のリジーが、フランキーに寂しい思いをさせないために、書いていたものだった。そんなある日、地元の新聞に、父親の乗った船が入港する、という記事が載り、フランキーとクラスメートとは、父親が会いに来るかどうかで賭けをすることに。それを知ったリジーは、1日だけの父親役を捜すことに…。
話題の映画「ヒトラー?最期の12日間?」を見てきました(渋谷・シネマライズ)。実を言うと、日曜日(7/10)にも見に行ったのですが(シネマライズは、日曜最終回はいつでも1000円!)、満員・立ち見で、あきらめて帰ってきました。今日は、約8割のお客さんというところでしょうか。普段、シネマライズでは見かけないような年配のお客さんも見かけましたが、やっぱり圧倒的に多いのは若いお客さんでした。(今年18本目の映画)
さて、見た感想ですが、圧倒的としか言いようのない作品でした。とくに、これでもかこれでもかと描かれる、ソ連軍の砲撃を次々に打ち込まれていくベルリンの街の様子からは、本当に戦争というもののもつ残虐さ、残酷さが伝わってきます。
また、安全な地下壕の中で、最期の作戦指揮をとろうとするヒトラーには“狂気”すら感じさせられます。そして、ヒトラーを取り巻く将校連中は、みんな、帝国の「最期」を目前に、どこかでヒトラーに引導を渡さなければいけないと思っているにもかかわらず、裏切り者として処刑されることを恐れ最期まで忠誠を尽くそうとする者と、何とか脱出して生き延びることを考える者との間で、無駄な当てこすりやかけひきに時間が空費されていく…。そこには、「国民」を守ることなどまったく登場せず、ヒトラーの狂気は、そのまま「第三帝国」の狂気を示していると思いました。
その狂気を浮き彫りにしてくれるのは、1人の軍医の冷静な目と、狂信的なヒトラーユーゲントの少年です。(プログラムや公式ホームページでは、この2人の俳優が誰なのか書かれてないのが残念です)
しかし他方で、この映画では、ヒトラーとナチスが何をやったかは、まったく描かれません。映画は、主人公のユンゲがヒトラーの秘書に採用された1942年11月から、いきなりベルリン陥落目前の1945年4月20日に飛ぶので、その間に起こったことは、すっぽり抜け落ちています。
2012年のオリンピックをロンドンに奪われたパリの復讐…の筈はなく、サミットに合わせた同時テロのようです。
「ピアノマン」の登場ですっかり手垢が付いてしまった感がありますが、渋谷Bunkamuraル・シネマで、ジュディ・デンチとマギー・スミスが主演するイギリス映画「ラヴェンダーの咲く庭で」を見てきました。(ことし15本目)
イギリスの海辺の片田舎に住むジャネット(マギー・スミス)とアーシュラ(ジュディ・デンチ)の姉妹。嵐の翌朝、若い男性(ダニエル・ブリュール)が浜辺に打ち上げられているのを見つける。若者は英語がはなせないけれども、ドイツ語でポーランド出身でアンドレアと名のる。アーシュラは、そんなアンドレアをかいがいしく世話する。回復したアンドレアは見事なヴァイオリンの腕前を発揮する。
そんなある日、アンドレアの演奏を聴いた若い女性画家オルガ(ナターシャ・マケルホーン)が登場。オルガの兄は伝説の名ヴァイオリニスト。アーシュラとジャネットは、アンドレアとドイツ語で親しげに会話するオルガに心中穏やかでない…。
「しんぶん赤旗」によれば、NATO国防相会議で、ドイツのシュトルック国防相が、ヨーロッパにある米軍の核兵器の撤去を提起したとのこと。
NATO全体での合意に至るには、まだまだ道のりは遠いだろうけれど、注目したい動きですね。
ドイツで、ラフォンテーヌ元社民党党首が社民党を離党。シュレーダー政権と袂を分かち、新たな左派の結集を呼びかけた。
国際的には、アメリカのイラク攻撃に毅然として反対をつらぬいたシュレーダー政権ですが、国内的には失業の増大と社会保障予算の削減で支持率が低下。先週の州議会選挙で敗北していました。
他方で、米軍は、ヨーロッパの駐留陸軍部隊を5〜10年で約6割削減する計画を発表。在韓米軍も削減されるし、司令部が移転され、原則削減なしは日本のみ…。
不覚にも泣いてしまいました。なんで、こんな映画で涙が出てきたのか? われながら不思議です。(^^;)
僕は、タイトルから、ベルリン・フィルがどこかの子ども相手にオーケストラの練習をする、というNHK「ようこそ課外授業」的な映画を勝手に想像していました。しかし、実際に見て、全然違っていて、引き込まれてしまいました。まず登場する子どもたちが、本当にいろんな困難な条件におかれていること。そして、クラシックなんて一度も聞いたことがないし、ダンスをしたこともないという、その子どもたちが、ロイストン・マルドゥームによる練習を通して、少しずつ変わっていく様子が、サイモン・ラトルとベルリン・フィルの練習風景と片身代わりに登場しながら、映画はすすんでいきます。
街娼が並び、それ目当ての男たちが行き来するパリの裏通り、そんなブルー通のアパートに暮らすユダヤ人の少年モモと、その向かいで小さな食料品店を営むトルコ人のイブラヒムとのお話。モモは父親と2人暮らしなのですが、この父親がいったい何の仕事をしているのかよく分からない。ともかく家に帰ってくると、使ってない部屋の灯りを消して回り、モモが音楽を楽しんでいるラジオを切り、楽しみというと本を読むことだけという陰気な親父で、二言目には兄のポポルと比較するのでモモは面白くない。そんなモモが毎日買い物をするのがイブラヒムの店。イブラヒムは、モモが時々商品を万引きしていることに気づいていたが、モモを叱るどころか、やさしく「盗みを続けるなら、うちの店でやってくれ」と言う…。
イギリスBBCが、昨年12月におこなった世論調査で、アウシュビッツの名前を一度も聞いたことがないとの回答が45%を占め、35歳未満では60%を超えたそうです。
日本でも、僕が小さかったころは、南方から苦労して引上げてきた人の話、あるいは国内での空襲の経験を身近に聞くことができました。酷い話だけれども、「戦争中は、中国人を何人殺した」と自慢するような人もまだいたりしました。高校生の時、ある人から、中国人捕虜を軍刀で試し切りした写真を見せてもらったこともあります(その人の名誉のために言っておきますが、その人は、自慢のためではなく、そういうことがあったということを忘れてはいけないということで、普段人には見せない写真を見せてくれたのです)。
しかし、いまの子どもにとっては、そうした話は、親の、そのまた親の(あるいは、さらにその親の)世代の出来事。「そんな昔のこと」と思ったとしても不思議ではありません。それだけに、歴史をどうやって受け継いでいくのか、工夫も努力も必要だと改めて思いました。
東京は午前中かなり激しい雨でしたが、午後雨が上がった後、3日連続で映画を見てきました。
見てきたのは、「アメリ」のオドレイ・トトゥが出演する「堕天使のパスポート」。若いカップルや女性が多かったですが、実は、不法移民労働者と臓器売買が絡んだサスペンス映画です。
主人公はオクウェ(キウェテル・イジョフォー)というアフリカ出身の不法移民。昼間は、1つの許可証を複数の人間で使い回すという怪しげなタクシー会社の運転手、夜は朝までのホテルのフロント係という生活。同じホテルのメイド・シェナイ(オドレイ・トトゥ)の部屋でソファーを借りて寝ているが、彼女が日勤だから、顔を合わせないというのがルール。ある夜、そのホテルの一室でトイレが詰まっていた。オクウェが詰まっているものをとりだしてみると、それは人間の心臓だった…。
ということで、ミステリー仕立てになっていますが、背景にあるトルコ系不法移民の問題はなかなか深刻です。